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大幅な技術リードを許しながらも、どうにか永久同盟への道
職業軍人へと繋がるナショナリズムに着手しようとしたサラディン達。
そこに待ち受けていたのは同盟候補だったスレイマンの、まさかのメフメド宣戦の報。
防衛協定を一刻も急ぎたいのに、戦争による停滞を余儀なくされてしまう。
一方では不穏な動きを見せる、イザベル・シャルルチーム。只でもその技術差は開くばかり。
この先、アラブを待ち受ける運命は──
そう簡単には諦めない
「……あの馬鹿者共が。まあ、いつまで嘆いていても始まらん。戦力は腰ミノしかおらんのに
合わせて戦端を切るなどというのは、残ったほうの宗キチどもにどうぞ攻め込んでくださいと
言うようなものだ。ましてやこっちは天文学どころか光学もない。手など一つしかないがな」
「と仰いますと」
「このままナショナリズム→職業軍人の研究を続行する。メフメドが属国化したら詰みだが、
技術で介入できる立場にはおらん。金銭を材料にしたくても『勝ちたいのは山々だがありがとう』とか
機械の様な言葉を喋っておるしな。これは賭けだ。スレイマンが早く停戦してくれるのを願って
停戦した時に即、防衛協定を結べるように準備をしておく」
幸い、スレイマンは天文学を入手して日が浅い。
規模としても大戦果を上げるとすればユスティニアヌス達の方だろう。理想としてはスレイマンが
さっさと切り上げて、イザベル・シャルル達がユスティに宣戦してくれればいいのだが、
そこまでは高望みというもの。
AD1250。第2都市メディナに待望の宗教、ヒンズー教が伝播する。
「ヒンズー教はユスティ・スレイマンの信仰宗教で、ヴァチカン宗教でもあります。
海MAPということもあり、他国が宣教師を送り込んでくる事は期待しないでいたほうが
いいでしょう。スレイマンは神権を採用しているので、彼からはヒンズー以外伝播しません。
異国からの交易路伝播を狙うにも、まだ外洋交易が出来ませんので期待薄ですな」
「決断の時だな。全都市にヒンズーを布教せよ! ただし改宗はせん!
ヴァチカンの寺院・僧院・首都に大聖堂を建設し、ハンマーボーナスだけを得るぞ。
今イザベル達に攻め込まれるわけにはいかないからな。時を待つのだ」
AD1280。未改宗ながらも組織宗教に制度を変更。勿論建築速度UPの恩恵はないが
僧院なしで直接、宣教師を生産できるようにする。交易路伝播と合わせてスムーズに
全4都市にヒンズー教を布教完了。奴隷で寺院・僧院を作る。
AD1330。ナショナリズム完成。そしてようやくスレイマンがメフメドと和平。
「和平音を聞いてメフメドが属国になってないかとヒヤヒヤしたが、大丈夫だったようだな。
後はユスティがメフメドを食うか食わないかだが、まあそれはどうでもいいだろう」
「よくねーよ! 助けてくれ!」
「……仕方ないな。では今研究したナショナリズムをくれてやる。ユスティ達の恨みを買うが
もう既に-4がついてるし、スコア増加で雀の涙ほどの停戦条件緩和には役に立つだろう。
レート的には割に合わんが、少し研究した機械と封建制でいいぞ。後はアラーに祈るがいい」
「(´;ω;`)ブワッ」
祈りが通じたのか、AD1370、負傷兵イベントにてメフメド・ユスティ&ヤコブ講和。
辛うじてメフメドの首の皮が繋がった。繋がっただけだが。
そして職業軍人の研究へ。必要ビーカーも大きくなってきているので時間がかかるが
地道に一歩一歩研究して行く。そして、完成まであと3ターンとなったAD1490──。
「スレイマンが一足先に職業軍人を研究完了しましたぞ。態度は親しみを維持していますので
防衛協定が締結可能です」
「あわよくば交換材料にとも思ったが、ここは協定が早まったことを喜ぶとしよう。
よろしく頼むぞ、スレイマン」
「おう、まかせておけ! お前のガレーと俺のガレオンでは大船の大きさが違うからな!」
AD1490。サラディンとスレイマンが防衛協定を締結。
これで戦略第一段階は突破。後はこの状態を永久同盟が可能になるまで維持することに。
一人はもう一人のために
AD1505、職業軍人を研究完了。メフメドからギルド・光学を交換する。
最悪の敵取引がついてユスティ・ヤコブからの感情が再び悪化するが、ここでヒンズー教に改宗。
もりもりと宗教ボーナスがついて、あっという間に苛立っていたユスティとは不満はない間柄に。
「スレイマンがヒンズーなので、もうここは合わせるべきだろう。そのせいで、どうせ
シャルル達とは仲良くできんし、敵を一つに絞ったほうが好都合だ。防衛協定も結んだことだしな」
「他国の動向ですが、どうやらほとんどの国が奴隷解放を採用。民主主義もなく、未だカースト制の
我が国は-5近くと、かなりの不満がたまってきています。緩和のために文化税率をそろそろ
上げて行く必要が出てきました。ああ、それと──首都で次の偉人が産まれるようですぞ」
その頃、首都メッカにて、最初の大芸術家誕生。
「やあ! みんなの楽しいサーヴァント、大芸術家だよ!
──なんでもするからイジメないで!」
「……何か過去にイヤなことでもあったのか? ともあれ大芸術家よ、よく来てくれた。
君には──そうだな、今の所頼むことはないか。しばらく我が国でゆっくりして行くといい」
「ほら来たゆっくりドカンだよ! って……え? 今なんと?」
「アラブでは文化を大事にしているのでな。専門家の目で見ながら観光でもしていってくれ。
勿論、その間の滞在費等は国庫で負担しよう」
「Q.神はいると思う? A.1 いない 2 酷い目に遭わされてきた 3 アラブにいた!
本当に爆発しないでいいんですね!? やった──!」
「…流石に大がつく芸術家になると人と感性が違うのかもしれんな。まあいい。
後の詳しい案内はこの忍者に任せてあるからな。では頼んだぞ」
「ははっ。ではどうぞこちらに──。後、コレはそれがしからのささやかな贈り物です。
前に知り合った、子供に優しい神父が持っていた爆導鎖という花火なのですが。余計な部分は
取り払って花火本体の部分だけにしてあります。どうぞお持ち下さい。また、お仲間が見えられた
際には声をかけてください。一人一本づつお渡し致しますので」
「ありがとう、サラディン様! 綺麗な忍者さん!」
「さて──今後の方針だがな。防衛協定を結んだからといって、すぐに同盟というわけにはいかん。
締結までには40ターン近くの長い期間が必要になる。その間、他のチームは遠くまで技術を開発
して行くし、やがて同盟時に手に入る既存の技術に、ビーカーを入れて研究して行くのは実に無駄だ。
よって、現時点を持って全ての研究を中止。幸福維持以外の税率全てを金銭に充てる」
「なるほど。技術をスレイマンから『購入』するわけですね。購入に使った金額は
そのままスレイマンの研究費になり、これなら共に技術開発ができないウチでも
協力し合って躍進していくことができます。……ただ、金銭で購入となると直接研究するよりも
いささか出力が低くなりますが」
「そういうな。チーム戦における最重要項目は、その協力なのだよ。
自分だけの利を追っていてはいかん。相手のことを考えること、それすなわち自分の為にもなる」
というわけで、これから入手する技術は金銭収入UPに繋がる物中心に。具体的には
銀行制度(銀行)・経済学(自由市場&税関)・天文学(外洋交易)・企業(交易路+1)などと
それに繋がるもの。そして得た金銭でもってまた購入費用に当てる。
ピラミッドがあるので、各地に市場・雑貨商・銀行を建設し余裕ができたら普通選挙を採用してもいい。
銀行制度入手時の各文明の技術差。
見てもらえればわかると思うが、シャルル達は大量生産にリーチ。
ユスティ達は内燃機関にリーチ。一方の協力相手スレイマンはこれから飛行船を飛ばそうかと
いうところ。メフメドだけやや遅れているように見えるが、この世界のどこかには
紙はおろか、弓の使い方や馬の乗り方、橋の架け方すらわからないヤツラがいる。誰とは言わないが。
ようやく宗教が入ったことでカースト平和を採用し、民族のある首都で商人を限界まで雇う。
それまでの平時はピラミッドと溶鉱炉の技術者だけ雇っていたこともあり、大芸術家1名と大技術者2名が
ストックされている。
AD1570年。大商人誕生。そのままキャラベルに乗せて交易へ。
たどり着いた先でミッションを行い、それと手持ちの金を合わせてスレイマンとの交渉画面を開く。
「ご機嫌麗しゅう、スレイマン様。この度は主サラディンの命により、スレイマン様より
天文学の技術を売っていただきたく思い、罷り越しました」
「ほうほう、天文学とな。2515ゴールドも出してくれたら考えてやらんこともないぞ。
まあ無理だろうが──」
「……。そのような額でよろしいのですか。では喜んで購入させて頂きます。領収書にサインの程を」
「え」
「こちらが代金になります。ありがとうございました」
「お、おう…。(ひょっとしてこいつら、いいカモでは…?)」
各地では必要な時だけ奴隷に切り替え、銀行などを緊急生産。既に建て終わった首都は直接富を生産する。
そしてコツコツ金をため、技術を購入して行く。
「再びお邪魔致します、スレイマン様。今度は教育の技術を売って頂けませぬか」
「教育かぁ。あれは研究にえらく手間取ったもんでな。そうさな、2260ゴールドでどうだ。
イヤならやめてもいいんじゃよ?」
「…………。いえ。購入させていただきます。お手数ですが、こちらの領収書に
しっかりとサインの程を」
「他にもほしい技術があれば遠慮なく言ってくるがいいぞ! 些か値は張るがな! ガハハ!」
「勿体無いお言葉に御座います」
「……以上に御座います。次の技術は経済学になりますが、予定していた次の大商人が出ず
大技術者が更に2人ストックされてしまったため、こちらはまだ資金が足りません。
全都市で富生産を続けております」
「嫌な使いをさせたな。スレイマンのヤツ、金勘定には煩かっただろう」
「忍者とは、耐え忍ぶ者と書きます。どうぞお気になさらず…。ただ、一つお願いが。
この領収書、僭越ながらそれがしにお預け頂けませぬか」
「ワシが持っていても何の役にも立たん。貴公に任せよう。好きにするがいい」
暦や銀行制度などと合わせて5000ゴールド以上を提供した甲斐があったのか、
スレイマンの技術もなんとか先進国に食らい付いて行く。こっちが天文学を入手するのが
大幅に遅れたことと、序盤の拡張をさくっと止められたこともあり、その分領土の方もかなりの広さを領有。
ヒンズーに改宗したことで、シャルル・イザベル達との関係も悪化するが
「──サラディン! 主従制はいいぞぉ!!」
「はいはい、その通りですな。早速変更致しましょう。幸い宗教志向ですのでな」
防衛協定の軍事力と、恫喝には徹底服従することで10ターンの平和条約を貰いながら回避。
そしてターンは流れ、ついにAD1695──。
「さて、忍者が集めていた領収書。一体何に使うのでしょう? ヒントはこの私です」