カニ女世界に吠える その3 地味で退屈な支配への道
敵を殺せば平和になるよ! なるよ!!
さて、何とか魔王軍を蹴散らした我らがヒッパスだったが。
外ではアケロン様が元気に雄叫びをあげ、内では旧シェアイム領における頻繁な反乱が起こりと、
未だに内憂外患に悩まされていた。
「魔王の鼻息も止まったし、これでしばらくは落ち着けるな」
「ああ、早く里に帰りたいもんだ。ところでシェアイムは滅ぼされるべきだと思うんだ」
ヒッパス領のそこかしこで聞こえる会話だったらしい。
休息の地を内乱で荒らされたヒッパスの兵士達が激怒していた、かどうかはどうでもいい。
しかし文化圧迫と内乱がいいかげん鬱陶しくなっていたのは事実である。
いつの間にかエロヒムの保護国になっていたので実質エスネに喧嘩を売る事になるがそんなもの知ったことかぁーっ!
火葬のゾンビを倒したときのダメージは致死性である事を忘れていたので、弓騎兵が何体か焼け死んでしまったが。
179T、戦争を仕掛けたそのターンでシェアイム最後の都市トングルスタッドを占拠、何も出来ずにシェアイムは滅亡した。
既にハイボレム様は地獄に帰っているのでこの遺言も虚しい限りである。
181T、はした金でエロヒムとの和平に成功。
この後、彼女は支配の塔を建設するまでこちらには仕掛けてこなかった。
あの魔術師は彼女にとっては30ゴールドの価値しかなかったらしい。流石は黒のエスネ。
これで内憂の根は断ち切った。後はアケロン様を討伐すれば広大な土地を使って内政ヘブン状態を満喫できる。
十一騎の弓騎兵が財宝の元に集う。
勇気を付け忘れていたユニットが何体かいたので一旦帰ったりもしたが、
192T、大した損害を出すことも無く勝利。騎兵ってアケロン様と相性がいいよね。
都市は破壊。財宝は先ほど奪ったトングルスタッドに運び、ラヌーンの文化圧力に対抗させる事に。
こうして、長い戦争の時代は終わった。北の広大な大地も全てヒッパスのものとなった。
パーペンタク? マーキュリアンを召喚したラヌーンと、漁夫の利を狙うエロヒムの餌になってましたが何か?
百年の平和 ただしパーペンタク、テメーはダメだ
手始めに、開いている土地にささっと植民を行う。
蛮族都市を適当に轢き潰しつつ、四つの都市を建設した。
更に砂漠を片っ端から湧き水で平地に変えていく。40年後にはご覧の通りである。マナノードに至っては六つも確保できた。オグマ可哀想です。
例によって森林は全て製材所にしつつ、小屋を建てるだけ建てて経済力を強化。都市に図書館や両替商を建てることも忘れない。
こうして、アケロン様を仕留めた時には177しかなかったビーカーは、
224T、軍馬の研究が終わる頃には377まで伸び、
247T、意思の力の研究を終わらせる頃には574に届いていた。楽しいなぁ、内政楽しいなぁ!
この研究力で更に工学、機械、税制、ギルドなどを開発。機械一番乗りは逃してしまったが、どれも最後まで役に立ってくれた技術である。
意思の力を後に回せば十中八九機械一番乗りに間に合ったというのは禁句だ。
遺産や英雄、劣位の塔もちょこちょこ作っている。
183Tに九人集ギルド、217Tに開いている都市で適当にスケルス、231Tにナズグルを作ってその都市で237Tにマグナダイン。
252Tにアハリエン、256Tにはようやく(今更?)ボンブールの銘板も完成。
変質の塔と精霊の塔もこの時点で完成している。
こうして順調に内政を進めていたのだが、261Tに転機が起きる。
パーペンタクが遂に膝を屈し、ファラマーの下僕となった。
自分以外の全てを相手に80年も戦い、更にバシウムも仕留めてくれたのだから、むしろ大健闘であったと言える。
しかし、こうなればいずれラヌーンはこちらに矛先を向けるだろう。
天界の秩序を信じる善属性同士で、共に天上評議会に所属し共闘ボーナスもあり更には異性への特別ボーナスもついて態度は当然「親しみを感じている」だが、
それでもファラマーは仕掛けてくるだろう。恐らく、支配の塔とは関係無しに。
対するこちらは、まだ屍霊の塔と予言の塔の建設が終わっていなかった。
こうなったらちんたらしている暇はなかろうと判断、キルモフに改宗し兵士を使って一気に劣位の塔を建てる事にする。
…どっちみち外交でケチの付きやすい屍霊の塔はキルモフの兵士をすりつぶして1ターンで建てるつもりだったので、改宗は規定路線ではあったのだが。
262T、キルモフのルーンに改宗。防衛戦力の生産を切り上げ、全土でキルモフの兵士生産開始。
伊達男さまがみてる
271T、天上評議会を抜けるついでに共和制、ギルド制に体制変更。技師ポイントを少しでも稼ぐことにする。
科学力が200以上落ち込んでしまったが、必要な技術は大体揃えてあるので問題はない。
これが革命前の都市一覧。内政していて実に楽しかった。
ガエナとウカネヴァー以外では最長でも4ターンに一体はキルモフの兵士を作ることが出来るようになった。
なお商業を全て金銭に充てた際の収入は554ゴールドである。
こちらがラヌーン/マーキュリアン軍の予想進軍ルート。弩兵は侵攻された場所が確定した後にアップグレードで揃える予定。
幸運にもバシウムが犬死しているので、どちらも侵掠志向は持っていない。
手薄な都市を一気に強襲される事は心配しなくて良さそうだ。
272T、屍霊の塔をキルモフの兵士で緊急生産。不要になったマナは各勢力に適当に献上し、こちらへの態度向上を試みる。
更に273T、アークメイジが「信頼」を使えるようになったので何となく使ってみたり、
277T、まだ「親しみを感じて」いるらしいので、意味もなく防衛協定を結んでみたりもした。
だが、やはりそんな小細工で戦争を止められるはずもなく。
278T。ラヌーン/マーキュリアン/バルセラフ連合軍、ヒッパスに宣戦布告。
仕掛けてくるとは思っていたが、防衛協定を結んだその直後に来るとは。潔いくらいの匪賊っぷりである。
もう少し時間は欲しかったが、最早そんなことは言っていられない。
大陸の覇者を決める戦いが、始まる。
次回予告
敵軍の戦力は質量共にこちらを圧倒している。まともに当たれば絶対に勝てないであろう。
しかし、今回は敵に勝つ必要はない。支配の塔が建つまで持ちこたえれば、そこで勝利が確定する。
果たしてカニ女は支配の塔を守りきり、世界に覇を唱えることが出来るのか。
最終回「伊達男、脳筋天使、最終戦争、そして…」に続く。
- マーキュリアン欲しかったなぁ、技師欲しかったなぁ -- 作者