カルデアに無事辿り着く事はできたものの。
孫悟空が到着した時には仲間(ネモ)の姿はなく。
近辺の温泉施設に在った戦闘痕から、襲撃を受けたのだと伺う事が出来た。
残留する霊子/気/魔力も悟空の認識しているネモの物と一致する為、間違いないだろう。
孫悟空が到着した時には仲間(ネモ)の姿はなく。
近辺の温泉施設に在った戦闘痕から、襲撃を受けたのだと伺う事が出来た。
残留する霊子/気/魔力も悟空の認識しているネモの物と一致する為、間違いないだろう。
「……で、どーすんだ猿ヤロー。お仲間はいねーみてーだが。つーか生きてんのか?」
温泉付近の惨状を確認して、リルトット・ランパードが疑念を口にする。
誰の死体こそないモノの、激しい戦闘が起きた事は確かだ。
脱出のアテにしていた張本人の生存を危ぶむのも無理はなく。
それを踏まえて、これからどう動くのかを問いかけた。
このままカルデアで仲間の生存を信じ待つか、それとも捜索に動くか。
悟空は一拍の時を置いて、方針を述べた。
誰の死体こそないモノの、激しい戦闘が起きた事は確かだ。
脱出のアテにしていた張本人の生存を危ぶむのも無理はなく。
それを踏まえて、これからどう動くのかを問いかけた。
このままカルデアで仲間の生存を信じ待つか、それとも捜索に動くか。
悟空は一拍の時を置いて、方針を述べた。
「……もうあと二十分くれぇで放送だ。そうなりゃネモ達が生きてるかどうかも分かる。
それに、もしなんかあった時は近くの建物から合図するって言ってからよ。
探しに行くのはそっからだな。入れ違いになるかもしれねぇし」
それに、もしなんかあった時は近くの建物から合図するって言ってからよ。
探しに行くのはそっからだな。入れ違いになるかもしれねぇし」
悟空が選んだのは、カルデアで待つという選択肢。
こういった状況になった時の打ち合わせで、ネモと取り決めた約定だった。
下手にお互いが捜索に動いて、完全に同行が掴めなくなる事だけは避けねばならない。
そのため、襲撃などで逸れた場合は立ち寄るポイントをあらかじめ定め、
特定のタイミングで合図を送ればお互いの生存を確認できると話していたのだ。
その第一候補として取り決められたのが近隣の一番高い建物…モチノキデパート。
あそこなら、合図を送っても分かりやすく、また此方も向こうから合図を確認しやすい。
迎えに動くかどうかは、放送の内容と合図を確認してからの方が確実である。
こういった状況になった時の打ち合わせで、ネモと取り決めた約定だった。
下手にお互いが捜索に動いて、完全に同行が掴めなくなる事だけは避けねばならない。
そのため、襲撃などで逸れた場合は立ち寄るポイントをあらかじめ定め、
特定のタイミングで合図を送ればお互いの生存を確認できると話していたのだ。
その第一候補として取り決められたのが近隣の一番高い建物…モチノキデパート。
あそこなら、合図を送っても分かりやすく、また此方も向こうから合図を確認しやすい。
迎えに動くかどうかは、放送の内容と合図を確認してからの方が確実である。
「………なぁ猿野郎。待つことに着いちゃ構わねぇが────
もしお前の話した藤木って奴が余計な事したなら、手足の二、三本は弾くぞ」
もしお前の話した藤木って奴が余計な事したなら、手足の二、三本は弾くぞ」
そんな風に悟空が方針を固めた時の事だった。
リルトットが釘を刺すような言葉を悟空へと向けたのは。
彼女は悟空から仲間と逸れた経緯と、藤木茂という少年の事も聞いていた。
マーダーだが怯えから凶行に及んだのだろうと、悟空は同情的に話していたが。
当然ながらリルにはそんな事心底どうでもいい話だった。
リルトットが釘を刺すような言葉を悟空へと向けたのは。
彼女は悟空から仲間と逸れた経緯と、藤木茂という少年の事も聞いていた。
マーダーだが怯えから凶行に及んだのだろうと、悟空は同情的に話していたが。
当然ながらリルにはそんな事心底どうでもいい話だった。
「怯えて居ようといまいと、ンな事は知ったこっちゃねぇ。
重要なのはオレ達にとって脅威になり得るかだ。はき違えるなよ」
「………おう」
重要なのはオレ達にとって脅威になり得るかだ。はき違えるなよ」
「………おう」
件の藤木とやらはキャンディと同じ雷を操る能力者らしい。
素人らしいが、全身を雷に変化させられるという。
であるならば、キャンディに匹敵するか超えかねない能力の高さだ。
余計な仏心を出して脱出の邪魔をされてはたまらない。
素人らしいが、全身を雷に変化させられるという。
であるならば、キャンディに匹敵するか超えかねない能力の高さだ。
余計な仏心を出して脱出の邪魔をされてはたまらない。
「残留した霊子を調べれば、その藤木が何か力を使った事だけは確かだ。
用途が防衛か襲撃かはハッキリしねぇが…お前の仲間と今も行動してるかで凡そ分かる」
用途が防衛か襲撃かはハッキリしねぇが…お前の仲間と今も行動してるかで凡そ分かる」
残留した霊子はネモの物一つだけではない。
系統の違う、藤木の雷らしき霊子もまた感じ取ることができた。
つまり、藤木は能力を使用したのだ。本人が去った後でも感じ取れる程強く。
他に護廷の隊長格クラスの霊子も感じ取れたため、藤木と衝突したとは断言できないが。
もし自衛のために使ったのならネモ達と共にいる筈だ。もし居なければ……
ほぼ“クロ”であろうと、リルは踏んでいた。そして、その場合容赦する理由は一つも無い。
系統の違う、藤木の雷らしき霊子もまた感じ取ることができた。
つまり、藤木は能力を使用したのだ。本人が去った後でも感じ取れる程強く。
他に護廷の隊長格クラスの霊子も感じ取れたため、藤木と衝突したとは断言できないが。
もし自衛のために使ったのならネモ達と共にいる筈だ。もし居なければ……
ほぼ“クロ”であろうと、リルは踏んでいた。そして、その場合容赦する理由は一つも無い。
「単に役に立たねぇだけならまだいいが、積極的に足を引っ張って来る奴はいらねぇ。
そいつのせいでお前が肩をぶち抜かれたって話ならなおさらだ」
そいつのせいでお前が肩をぶち抜かれたって話ならなおさらだ」
不意打ちをしてきたらしい藤木を庇って悟空は肩に大穴を開けたらしいが。
リルからすれば大甘(チョコラテ)もいい所だった。
特記戦力に匹敵する男がそんなガキのせいで重傷を負うのは、ナンセンスの極みだ。
出来る事なら始末しておきたいが、それを直球で伝えれば流石に反感を招くだろう。
彼女なりに譲歩した結果出た、同行するなら最低でも再起不能にするという選択肢だった。
リルからすれば大甘(チョコラテ)もいい所だった。
特記戦力に匹敵する男がそんなガキのせいで重傷を負うのは、ナンセンスの極みだ。
出来る事なら始末しておきたいが、それを直球で伝えれば流石に反感を招くだろう。
彼女なりに譲歩した結果出た、同行するなら最低でも再起不能にするという選択肢だった。
「お前の気分の問題に、オレもあのガキもテメェの身を危うくする義理はねーんだよ」
チラリとカルデアの廊下を物珍しそうに眺め、時折近場の部屋の中を覗く少女。
鈴原小恋の方を一瞥しながら、リルは悟空に己のスタンスを表明する。
冷淡な言葉と態度だったが、小恋を勘定に入れた上で訴えればこの男には反発しにくい。
そう読んで小恋の存在を強調したが、その効果は抜群の物があった。
悟空は暫し難しい顔をしていたが、やがてリルの言葉を受け入れた。
鈴原小恋の方を一瞥しながら、リルは悟空に己のスタンスを表明する。
冷淡な言葉と態度だったが、小恋を勘定に入れた上で訴えればこの男には反発しにくい。
そう読んで小恋の存在を強調したが、その効果は抜群の物があった。
悟空は暫し難しい顔をしていたが、やがてリルの言葉を受け入れた。
「……分かった。まだ藤木が悪ぃことしたと決まった訳じゃねぇしな。
逆に藤木がネモ達と一緒に居たら、余計なことはしねぇでくれよ」
「さて、な。そりゃ蓋を開けてみりゃハッキリする話だ」
逆に藤木がネモ達と一緒に居たら、余計なことはしねぇでくれよ」
「さて、な。そりゃ蓋を開けてみりゃハッキリする話だ」
二人とも、声を荒げたりはしない。
この程度で揉めるほどの幼さはリルと悟空には無く。
しかしどこか薄っすらと刺々しい雰囲気が漂っており……
子は鎹と言うが、その言葉の通りこの場における真正の子供は敏感だった。
今の雰囲気を変えるために、小恋は話を切り出す。
この程度で揉めるほどの幼さはリルと悟空には無く。
しかしどこか薄っすらと刺々しい雰囲気が漂っており……
子は鎹と言うが、その言葉の通りこの場における真正の子供は敏感だった。
今の雰囲気を変えるために、小恋は話を切り出す。
「ねぇねぇ、おねえちゃん」
「あん?何だよ、小便なら一人で行け」
「ちがうもん!小恋、ここがなんのたてものかきになって……
がっこう?かいしゃ?びょういん?それともひみつきち?」
「あー……その中なら秘密基地が一番近いかもな」
「あん?何だよ、小便なら一人で行け」
「ちがうもん!小恋、ここがなんのたてものかきになって……
がっこう?かいしゃ?びょういん?それともひみつきち?」
「あー……その中なら秘密基地が一番近いかもな」
リルにとっても今いる場所(カルデア)が何なのかは定かではないが。
抱いた印象としては見えざる帝国の研究施設が近いだろうか。
もっとも、それを口にした所で目の前の幼女には通じないので、適当に話を合わせる。
適当な返事だったが、当の小恋は聞いた瞬間ぱあっと花が開いた様な顔になり。
抱いた印象としては見えざる帝国の研究施設が近いだろうか。
もっとも、それを口にした所で目の前の幼女には通じないので、適当に話を合わせる。
適当な返事だったが、当の小恋は聞いた瞬間ぱあっと花が開いた様な顔になり。
「おねえちゃん!おにいちゃん!小恋、ここたんけんしたいです!」
強請る小恋を見て、リルが真っ先に抱いたのは面倒臭ぇな、という思いだった。
折角世話役を見つけたというのに、これでは半日前から何も状況が変わってない。
適当に悟空に丸投げしよう、そう思いつつ小恋に返事を返そうとした。
その時の事だった。
折角世話役を見つけたというのに、これでは半日前から何も状況が変わってない。
適当に悟空に丸投げしよう、そう思いつつ小恋に返事を返そうとした。
その時の事だった。
「─────」
「……………!」
「……………!」
悟空とリル、両者共に何かを感じ取った。
小恋が不思議そうな目で見つめる中、無言のままに彼らは視線で意志を交わす。
そのすぐ後に、リルは短い溜息を一つ吐いて。
小恋が不思議そうな目で見つめる中、無言のままに彼らは視線で意志を交わす。
そのすぐ後に、リルは短い溜息を一つ吐いて。
「──仕方ねぇ。食堂か食糧庫が無いか探すとするかね」
探検がしたいという小恋の提案を了承したのだった。
そして、ひょいと小恋の小さな体を担ぎ上げて、カルデアの内部に進んでいく。
一緒に探検をしてくれるという事実に、一瞬小恋は喜ぶものの。
直ぐに違和感を抱き、視線の先に立ったままの悟空に問う。
そして、ひょいと小恋の小さな体を担ぎ上げて、カルデアの内部に進んでいく。
一緒に探検をしてくれるという事実に、一瞬小恋は喜ぶものの。
直ぐに違和感を抱き、視線の先に立ったままの悟空に問う。
「おにいちゃんは?いっしょにいかないの?」
「…………あぁ、用事ができたからよ。ちょっと行ってくる」
「…………あぁ、用事ができたからよ。ちょっと行ってくる」
朗らかに笑い、出口へと歩いていく悟空。
彼を見て、何故か小恋は不安を感じ、食い下がろうとするが。
彼女を担ぐリルは反対方向にどんどん進んでいってしまう。
彼を見て、何故か小恋は不安を感じ、食い下がろうとするが。
彼女を担ぐリルは反対方向にどんどん進んでいってしまう。
「おねえちゃん……」
「いいんだよ、それよりも彼奴が帰って来た時此処を案内できるようにしてやれ」
「おう!放送までには戻って来るからよ、そん時は頼んだぞ!」
「さっさと帰ってこないと、お前の分の喰いモンは無くなってるかもな」
「いいんだよ、それよりも彼奴が帰って来た時此処を案内できるようにしてやれ」
「おう!放送までには戻って来るからよ、そん時は頼んだぞ!」
「さっさと帰ってこないと、お前の分の喰いモンは無くなってるかもな」
ひらひらと向き直る事無く手を振って、悟空はカルデアの外へと歩いていく。
何処へ行くのか。何をしに行くのか。小恋はとてもとても気になったが。
教えてくれない二人が意地悪している訳ではない事も何となく分かった。
だから。
何処へ行くのか。何をしに行くのか。小恋はとてもとても気になったが。
教えてくれない二人が意地悪している訳ではない事も何となく分かった。
だから。
「きをつけてね!ごくうおにいちゃん!」
カルデアと外を隔てるゲートの向こうへと進んだ悟空へ、精一杯の声援を送る。
彼女の声に合わせ、リルの足も止まり。
見つめる視線の先で、悟空は小恋たちの方へ向き直り、ニッと親指を立てて笑って。
あっという間に、視界の中から飛び出して行ってしまった。
それを確認してから、ぽつりとリルは一言呟きを漏らす。
彼女の声に合わせ、リルの足も止まり。
見つめる視線の先で、悟空は小恋たちの方へ向き直り、ニッと親指を立てて笑って。
あっという間に、視界の中から飛び出して行ってしまった。
それを確認してから、ぽつりとリルは一言呟きを漏らす。
「……さて、頼んだぜ。孫悟空」
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
カルデアから二つほど離れた地点。
座標にしてE-1の海岸線で、悟空は静かに降り立った。
既に彼もエリア間の空間に細工がしてあることは気づいている。
二つほどエリアを隔てれば、カルデアに累が及ぶことも無いだろう。
それに舞空術に依る移動は乃亜の制限(ハンデ)の対象だ。
下手に多用すればこれから起きる戦いで不慮の事故につながりかねない。
帰る際に舞空術が使えるとも限らないので、余り離れすぎる訳にもいかない。
座標にしてE-1の海岸線で、悟空は静かに降り立った。
既に彼もエリア間の空間に細工がしてあることは気づいている。
二つほどエリアを隔てれば、カルデアに累が及ぶことも無いだろう。
それに舞空術に依る移動は乃亜の制限(ハンデ)の対象だ。
下手に多用すればこれから起きる戦いで不慮の事故につながりかねない。
帰る際に舞空術が使えるとも限らないので、余り離れすぎる訳にもいかない。
「おし、そんじゃあ───いっちょやってみっか」
手首をほぐし、悠然とした態度で背後に控える敵手の方に振り返る。
立っていたのは少女と見紛う容姿の、白銀の髪と眼帯が目に付く少年。
恰好は子供の頃に潰した、レッドリボン軍の来ていた服に近い印象を受けた。
立っていたのは少女と見紛う容姿の、白銀の髪と眼帯が目に付く少年。
恰好は子供の頃に潰した、レッドリボン軍の来ていた服に近い印象を受けた。
「へぇ!お兄さんもその気何だね。嬉しいなぁ。
ここに来てから会うのは逃げる事しか頭にない敗北主義者ばっかりだったからさ」
ここに来てから会うのは逃げる事しか頭にない敗北主義者ばっかりだったからさ」
両手を広げて、表面上は年相応の快活さと愛らしさを持っているかの様に振舞う少年。
だが、悟空は気づいていた。その所作の裏側に隠されたドス黒い殺意を。
臨戦態勢にはまだ入らず、しかし油断はしない心持で少年との会話に臨む。
だが、悟空は気づいていた。その所作の裏側に隠されたドス黒い殺意を。
臨戦態勢にはまだ入らず、しかし油断はしない心持で少年との会話に臨む。
「君、孫悟空だろ?兄か弟かは知らないが、孫悟飯と容姿がそっくりだ」
「あぁ、オラ悟空だ………悟飯の奴に会ったのか?悟飯はどこにいる?」
「さぁね。どうでもいいじゃないかあんな劣等のこと。ここで君は僕に殺されるんだから。
どうしても知りたいのなら、力づくで聞き出して見たらどうだい」
「あぁ、オラ悟空だ………悟飯の奴に会ったのか?悟飯はどこにいる?」
「さぁね。どうでもいいじゃないかあんな劣等のこと。ここで君は僕に殺されるんだから。
どうしても知りたいのなら、力づくで聞き出して見たらどうだい」
片目に取り付けられた眼帯すら絵になる美貌を、獰猛な殺意に歪めて。
ウォルフガング・シュライバーは、ハッキリと殺す側の存在である事を宣言する。
出来る事なら悟飯の話をもっと聞きたい悟空だったが。
目の前のシュライバーの様子を見れば、素直に教えてくれるとも思えなかった。
仕方なく、もう一つ疑問を抱いた事を尋ねてみる。
ウォルフガング・シュライバーは、ハッキリと殺す側の存在である事を宣言する。
出来る事なら悟飯の話をもっと聞きたい悟空だったが。
目の前のシュライバーの様子を見れば、素直に教えてくれるとも思えなかった。
仕方なく、もう一つ疑問を抱いた事を尋ねてみる。
「ま、相手すること自体は良いんだけどよ。ついでにもう一つ教えてくれよ。
おめぇ強ぇのに、どうして乃亜のいう事なんか聞いてんだ?」
おめぇ強ぇのに、どうして乃亜のいう事なんか聞いてんだ?」
目の前のシュライバーは、藤木の様な死に怯えるだけの子供ではない。
むしろフリーザやセルの様な、己の力量に絶対の自信を持ち悪逆を成すものだ。
他人の命などなんとも思わない人でなしなのは確かだろうが。
それでも乃亜に服従する様な性分では無いだろう。
もしかしたらそこに交渉の余地があるかもしれない。そう思っての問いかけであった。
だが、シュライバーは不愉快そうに顔を顰めて。
むしろフリーザやセルの様な、己の力量に絶対の自信を持ち悪逆を成すものだ。
他人の命などなんとも思わない人でなしなのは確かだろうが。
それでも乃亜に服従する様な性分では無いだろう。
もしかしたらそこに交渉の余地があるかもしれない。そう思っての問いかけであった。
だが、シュライバーは不愉快そうに顔を顰めて。
「勘違いしている様だが、僕は乃亜に従ってる訳じゃない。
僕が永劫の忠誠を誓ったのは、天上天下で黄金の獣ただ一人だ」
「じゃあ、何で乃亜の言葉に従う」
「命じられたからさ、来る黎明の刻(モルゲンデンメルング)まで魂を蓄えよ、とね
だからここで殺し合いに興じるのは、僕ら黒円卓の使命と矛盾しない」
僕が永劫の忠誠を誓ったのは、天上天下で黄金の獣ただ一人だ」
「じゃあ、何で乃亜の言葉に従う」
「命じられたからさ、来る黎明の刻(モルゲンデンメルング)まで魂を蓄えよ、とね
だからここで殺し合いに興じるのは、僕ら黒円卓の使命と矛盾しない」
シュライバーの主(あるじ)は、破壊によってしか遍く事象を愛せない。
そんな彼が己の手足に命じる内容も、また闘争と破壊以外にあり得る筈もなく。
力を蓄えよ。魂を蓄えよ。黄金の獣の帰還。来る怒りの日(ディエス・イレ)に向けて。
無限の既知感。永劫回帰に終止符を討つ、既存の神に弓を引く殺し合い。
獣の配下として、不死なる軍勢として。無間無量の殺し合いに挑む祝福を与える。
それが、ルサルカすら知らない黒円卓の真の悲願。
そんな彼が己の手足に命じる内容も、また闘争と破壊以外にあり得る筈もなく。
力を蓄えよ。魂を蓄えよ。黄金の獣の帰還。来る怒りの日(ディエス・イレ)に向けて。
無限の既知感。永劫回帰に終止符を討つ、既存の神に弓を引く殺し合い。
獣の配下として、不死なる軍勢として。無間無量の殺し合いに挑む祝福を与える。
それが、ルサルカすら知らない黒円卓の真の悲願。
「だから殺す。君達劣等を、乃亜を。誰も彼もを。僕は殺して殺して殺し尽くす───」
それ以外は、何も不要(いら)ない。
妖精のように麗しく、遍く命への鏖殺を歌う様に奏でる白騎士(アルベド)。
心変わりはありえない。交渉の余地など絶無。何故ならこの身は遍く全ての生命の敵なれば。
そう、シュライバー目の前の敵へ己の存在を定義し、狂った論理を誇示した。
聞く者の心胆を凍らせる語りだったが、悟空は不敵な笑みを浮かべたままで。
一瞬たりとて臆することなく、重ねて問いかける。
妖精のように麗しく、遍く命への鏖殺を歌う様に奏でる白騎士(アルベド)。
心変わりはありえない。交渉の余地など絶無。何故ならこの身は遍く全ての生命の敵なれば。
そう、シュライバー目の前の敵へ己の存在を定義し、狂った論理を誇示した。
聞く者の心胆を凍らせる語りだったが、悟空は不敵な笑みを浮かべたままで。
一瞬たりとて臆することなく、重ねて問いかける。
「何もいらねぇか……ほんとにそうか?」
「……何それ、どういう意味かな」
「───いや、いいや。ただ、何となく気になっただけだからよ」
「……何それ、どういう意味かな」
「───いや、いいや。ただ、何となく気になっただけだからよ」
含みのある言い方にシュライバーは訝し気な声を上げるが。
悟空にとってもただ何と無しに口から出た問いかけだったらしく、はぐらかされる。
更に問いかけた本人から「やっぱどうでもいいや」と言われてしまえば、追及もできない。
納得のいっていないシュライバーの態度もどこ吹く風で、悟空は構え(スタンス)を取る。
悟空にとってもただ何と無しに口から出た問いかけだったらしく、はぐらかされる。
更に問いかけた本人から「やっぱどうでもいいや」と言われてしまえば、追及もできない。
納得のいっていないシュライバーの態度もどこ吹く風で、悟空は構え(スタンス)を取る。
「全然何言ってるか分かんねぇけどよ。おめぇがすげぇ悪い奴だってことは分かった」
半身になって腰を深く落とし、軽く拳を握り、もう片方の手は腰だめに構える。
数十年かけて磨き上げた、孫悟空の戦闘態勢を形作り。
その上で、目前の餓狼に彼は誘いをかける。
数十年かけて磨き上げた、孫悟空の戦闘態勢を形作り。
その上で、目前の餓狼に彼は誘いをかける。
「来いよ、おめぇを放って置く訳にはいかねぇ」
夜空に浮かぶ星の様にその瞳は静かな光彩を放っており。
凶獣を前にして敵意も恐怖も宿ってはいなかった。
ただ穏やかな挑戦者の眼差しを、孫悟空と言う男は向けていた。
凶獣を前にして敵意も恐怖も宿ってはいなかった。
ただ穏やかな挑戦者の眼差しを、孫悟空と言う男は向けていた。
「…成程確かにどうでもいいね。僕らにとって重要なのは戦争(ここから)だし。
黒円卓第十二位。我が魔名、ウォルフガング・シュライバー。君にとっての“死”だ、
さぁ君も名乗れよ、子を孕ませた年齢(トシ)で戦の作法も知らない道理は無いだろう?」
黒円卓第十二位。我が魔名、ウォルフガング・シュライバー。君にとっての“死”だ、
さぁ君も名乗れよ、子を孕ませた年齢(トシ)で戦の作法も知らない道理は無いだろう?」
狂戦士の纏う殺意のボルテージが一段階上がる。
満ちる殺気は、最早物理的な圧力を出していると錯覚を覚えそうな程だ。
この島でシュライバーの殺意を受けた者は大まかに分けて2パターンの反応を示す。
即ち、恐怖か敵意。例外は、あの青いコートの少年くらいのものか。
そして孫悟空もまた、青コートの少年と同じ例外であった。
全身の肌に突き刺さる殺気を、涼し気な顔で真っ向から受け止め。
満ちる殺気は、最早物理的な圧力を出していると錯覚を覚えそうな程だ。
この島でシュライバーの殺意を受けた者は大まかに分けて2パターンの反応を示す。
即ち、恐怖か敵意。例外は、あの青いコートの少年くらいのものか。
そして孫悟空もまた、青コートの少年と同じ例外であった。
全身の肌に突き刺さる殺気を、涼し気な顔で真っ向から受け止め。
「孫悟空、それと─────」
泰然とした態度を保ち、どこまでも無邪気な挑戦者(チャレンジャー)の態度で。
彼は武道家として、名乗りを上げる。
己に与えられた、もう一つの名前を。
彼は武道家として、名乗りを上げる。
己に与えられた、もう一つの名前を。
「───カカロット」
戦意に満ちた名乗りを聞き遂げると同時に、狂的な笑みを裂けそうなほど深め。
シュライバーは既に握っていた白銀の銃を抜き放つ。
同時に、孫悟空もまた脚部に力を込めて地を蹴った。
コンマ数秒足らずで、両者の姿が掻き消える。
それが竜虎相討つ、開戦の合図となった。
シュライバーは既に握っていた白銀の銃を抜き放つ。
同時に、孫悟空もまた脚部に力を込めて地を蹴った。
コンマ数秒足らずで、両者の姿が掻き消える。
それが竜虎相討つ、開戦の合図となった。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
開戦から一秒で、海が割れた。
ほぼ無尽蔵の弾数を誇るモーゼルが、あいさつ代わりの砲火を発し。
ドン!ドドドドド────!携行火器から出ているとは思えない銃声が、海岸に響き渡る。
これまでの殺戮の日々の中でも、この島に来てからの殺戮でも。
聞く者の戦意すら砕きそうな衝撃と畏怖を与える、魔弾の舞踏。
多くの人間の血を吸ってきた魔銃は、決して潤う事のない渇きを癒すべく、新たな獲物の血を求め殺到する。
ほぼ無尽蔵の弾数を誇るモーゼルが、あいさつ代わりの砲火を発し。
ドン!ドドドドド────!携行火器から出ているとは思えない銃声が、海岸に響き渡る。
これまでの殺戮の日々の中でも、この島に来てからの殺戮でも。
聞く者の戦意すら砕きそうな衝撃と畏怖を与える、魔弾の舞踏。
多くの人間の血を吸ってきた魔銃は、決して潤う事のない渇きを癒すべく、新たな獲物の血を求め殺到する。
「───フッ」
だが、孫悟空と言う男は。
聖遺物ですらない魔銃にとっての獲物には成りえない。
血肉を引きちぎるべく襲い来る数百発の魔弾の数々を、彼は鼻で笑った。
着弾までの刹那の時間で腕を悠然と広げ、殺意の波濤を迎え撃つ。
聖遺物ですらない魔銃にとっての獲物には成りえない。
血肉を引きちぎるべく襲い来る数百発の魔弾の数々を、彼は鼻で笑った。
着弾までの刹那の時間で腕を悠然と広げ、殺意の波濤を迎え撃つ。
「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ────!!」
裂帛の気合と共に、二対の腕(かいな)は躍る様に振るわれ。
一発一発が大砲の如き威力を誇る魔銃の尖兵を叩き落していく。
シュライバーのモーゼルの威力を知っているルサルカが目の辺りにすれば、
否、他の黒円卓に席を持つ団員の大半ですら、俄かに驚愕する不条理だろう。
聖遺物も有していないただの武道家が、素手でシュライバーの攻撃をいなすなど。
だが、当のシュライバーに動揺は無かった。
既に孫悟飯やシャーロット・リンリンの様に、素手で自分と渡り合う存在は確認済み。
元よりこれは小手調べのような物だ。孫悟飯の父を名乗るなら、この程度はできて貰わねば。
そうでなければ、孫悟飯に変わって“戦争”の相手に定めた甲斐がない────!
一発一発が大砲の如き威力を誇る魔銃の尖兵を叩き落していく。
シュライバーのモーゼルの威力を知っているルサルカが目の辺りにすれば、
否、他の黒円卓に席を持つ団員の大半ですら、俄かに驚愕する不条理だろう。
聖遺物も有していないただの武道家が、素手でシュライバーの攻撃をいなすなど。
だが、当のシュライバーに動揺は無かった。
既に孫悟飯やシャーロット・リンリンの様に、素手で自分と渡り合う存在は確認済み。
元よりこれは小手調べのような物だ。孫悟飯の父を名乗るなら、この程度はできて貰わねば。
そうでなければ、孫悟飯に変わって“戦争”の相手に定めた甲斐がない────!
「はっはァ───!」
尚も爆轟に等しい音量の銃声は続く。
ガトリングガンに等しい物量の銃弾が、獲物の肌を、臓腑を食いちぎらんと飛翔する。
だが、そのどれもが届かない。一発たりとて、命を狙う男に掠りもしない。
海岸線に聳える崖を砕き、砂浜を穿ち、海を割る事はできても。
たった一人の少年の掌には、蠅のように撃ち落とされていく。
もうもうと砂煙と水しぶきが戦場に咲き乱れ、標的の姿が見えなくなって漸く制圧射撃は終わりを告げた。
ガトリングガンに等しい物量の銃弾が、獲物の肌を、臓腑を食いちぎらんと飛翔する。
だが、そのどれもが届かない。一発たりとて、命を狙う男に掠りもしない。
海岸線に聳える崖を砕き、砂浜を穿ち、海を割る事はできても。
たった一人の少年の掌には、蠅のように撃ち落とされていく。
もうもうと砂煙と水しぶきが戦場に咲き乱れ、標的の姿が見えなくなって漸く制圧射撃は終わりを告げた。
「………………」
先ほどまで狂笑はなく。
ウォルフガング・シュライバーは無表情且つ無言で砂煙の先を見つめた。
やがて銃撃を開始された時の位置から、微動だにせず立つ影が一つ見え。
巻きあがった砂煙が吹き抜けた潮風によって散る頃には、傷一つない孫悟空の姿がそこにあった。
ウォルフガング・シュライバーは無表情且つ無言で砂煙の先を見つめた。
やがて銃撃を開始された時の位置から、微動だにせず立つ影が一つ見え。
巻きあがった砂煙が吹き抜けた潮風によって散る頃には、傷一つない孫悟空の姿がそこにあった。
「どうした?この程度じゃオラは殺せねぇぞ」
挑発のような言葉と共に。
悟空は握っていた拳を開き、眼前の白狼に見せつける。
すると、彼の傷一つない掌からモーゼルの銃弾が零れ落ち。
既に役目を果たせぬまま叩き落されていた、足元の先陣と合流。
ちゃりん、ちゃりんと、金属の旋律が銃声の止んだ戦場に響いた。
悟空は握っていた拳を開き、眼前の白狼に見せつける。
すると、彼の傷一つない掌からモーゼルの銃弾が零れ落ち。
既に役目を果たせぬまま叩き落されていた、足元の先陣と合流。
ちゃりん、ちゃりんと、金属の旋律が銃声の止んだ戦場に響いた。
「まさか、こんなものは前奏だ。君の息子だってできた事さ。
この程度で得意になって貰っちゃ、底が知れるって物だよ」
この程度で得意になって貰っちゃ、底が知れるって物だよ」
無傷の標的を前にして、シュライバーには怒りも動揺も無かった。
他の参加者が知れば驚愕と憤慨の感情を同時に覚える事実だろうが。
シュライバーの振るう二丁拳銃の威力と連射性は乃亜の調整により大幅に下落している。加えて片翼のルガーを喪っている以上、この程度は出来て当然。
何より彼の言葉の通り銃撃は、白騎士という黄金の獣の楽器が奏でる前奏にすぎない。
他の参加者が知れば驚愕と憤慨の感情を同時に覚える事実だろうが。
シュライバーの振るう二丁拳銃の威力と連射性は乃亜の調整により大幅に下落している。加えて片翼のルガーを喪っている以上、この程度は出来て当然。
何より彼の言葉の通り銃撃は、白騎士という黄金の獣の楽器が奏でる前奏にすぎない。
「次は僕自身の速さを見せる。だから、ちゃんとついて来なよ」
でないと、死んだ事すら気づかないだろうからね。
挑発と共に、己の内のエイヴィヒカイトの駆動率を上昇。
同時に最速たる脚部に力を籠め、姿勢を低くとる──獲物の喉笛を狙う狼の様に。
挑発と共に、己の内のエイヴィヒカイトの駆動率を上昇。
同時に最速たる脚部に力を籠め、姿勢を低くとる──獲物の喉笛を狙う狼の様に。
「あぁ、オラももうちっと本気で行く」
対する悟空は不動のまま、最初の構えを取る。
逃げも隠れもしない。真っ向から勝負に挑むと彼の瞳が雄弁に語っており。
狂乱の白騎士はそれを目にして面白いと思った。
この悪名高き白狼。フローズ・ヴィトニルを相手に。
己の身一つで挑む蛮勇に未だ陰りを見せないとは。
これを打ち砕けずして何が黄金の近衛か!
逃げも隠れもしない。真っ向から勝負に挑むと彼の瞳が雄弁に語っており。
狂乱の白騎士はそれを目にして面白いと思った。
この悪名高き白狼。フローズ・ヴィトニルを相手に。
己の身一つで挑む蛮勇に未だ陰りを見せないとは。
これを打ち砕けずして何が黄金の近衛か!
「そうかい───なら思い知りなよ、君の思い上がりと計算違いをさァッ!!!」
轟音、轟く。
それが人の踏み込みによって響いた音だと、只人は信じる事ができないだろう。
獲物の喉笛を食い破るべく、餓えた白狼は砂浜と言う条件を物ともせず駆ける。
狙いは一直線である事を隠しもしない。ただ、圧倒的な速度差で全てを捻じ伏せる。
同時に悟空もまた、己の肉体のギアを一段引き上げた。
台風の目のような一騎打ち。引力に導かれるかの如く。
百万倍に加速した時間の中、【最速】と【最強】は初となる衝突を経験した。
それが人の踏み込みによって響いた音だと、只人は信じる事ができないだろう。
獲物の喉笛を食い破るべく、餓えた白狼は砂浜と言う条件を物ともせず駆ける。
狙いは一直線である事を隠しもしない。ただ、圧倒的な速度差で全てを捻じ伏せる。
同時に悟空もまた、己の肉体のギアを一段引き上げた。
台風の目のような一騎打ち。引力に導かれるかの如く。
百万倍に加速した時間の中、【最速】と【最強】は初となる衝突を経験した。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
蹴られた胸が、中々に痛い。
初の交錯は、自分が完全に置いていかれた。
蹴りの衝撃で叩き込まれた民家の天井を眺めながら、悟空はその事を認識した。
初の交錯は、自分が完全に置いていかれた。
蹴りの衝撃で叩き込まれた民家の天井を眺めながら、悟空はその事を認識した。
「……ったく、ネモ達がいなくて良かったぞ……」
蹴り飛ばされた胸を撫でながら、独り言ちる。
あぁ、全く守らなければならない者がいなくてよかった。
もしいたらあの速さのシュライバーを相手に守るのはかなり骨が折れただろう。
あぁ、全く守らなければならない者がいなくてよかった。
もしいたらあの速さのシュライバーを相手に守るのはかなり骨が折れただろう。
「あんな早ぇ奴がいる何てなぁ」
こと速さに限って言えば。
宇宙の帝王フリーザや、最強の人造人間セルをも超えるかもしれない。
そんな凄い相手も、乃亜はこの殺し合いに呼び寄せたのだ。
宇宙の帝王フリーザや、最強の人造人間セルをも超えるかもしれない。
そんな凄い相手も、乃亜はこの殺し合いに呼び寄せたのだ。
「へへ…殺し合いしろって言うだけあって、凄ぇ奴を連れて来てやがる」
既にあの狂人の毒牙に敗れた参加者が、まず間違いなくいる事を考えれば不謹慎だ。
それでも、どうしても抑えきれない感情は存在する。
だから、此処にネモ達がいなくて良かったと、改めて悟空は考えた。
そんな感情を抱いている場合ではないのは分かっている。分かっているが、しかし。
それでも、どうしても抑えきれない感情は存在する。
だから、此処にネモ達がいなくて良かったと、改めて悟空は考えた。
そんな感情を抱いている場合ではないのは分かっている。分かっているが、しかし。
「あぁ、ほんと───」
これはもう、性分のような物なのだ。心中でそう結論付けて。
普段彼が浮かべている心優しき地球人としての笑顔ではなく。
宇宙にその名を馳せた戦闘民族としての表情で、彼は微笑んだのだった。
普段彼が浮かべている心優しき地球人としての笑顔ではなく。
宇宙にその名を馳せた戦闘民族としての表情で、彼は微笑んだのだった。
「ワクワクしてきやがった」
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
それを蹴った時、感じたのは人肉を潰す感触では無かった。
人体ではありえぬ感触。形容するなら、それは城壁だった。
例え自身と同格の大隊長───マキナですらあそこまで堅牢さを感じさせるものか。
獲物を蹴り込んだ民家を眺めながら、シュライバーはそんな事を考えた。
人体ではありえぬ感触。形容するなら、それは城壁だった。
例え自身と同格の大隊長───マキナですらあそこまで堅牢さを感じさせるものか。
獲物を蹴り込んだ民家を眺めながら、シュライバーはそんな事を考えた。
「おーい。まさか今ので終わりじゃないよね。待ちくたびれそうなんだけど」
声を掛けた数秒後に、民家から標的が飛び出してくる。
たった今惨敗を喫した所だというのに、纏う覇気は衰えを知らず。
それを裏打ちする様に、表情は今なお微笑を湛えて。
こきこきと、首を鳴らす余裕すらあった。
たった今惨敗を喫した所だというのに、纏う覇気は衰えを知らず。
それを裏打ちする様に、表情は今なお微笑を湛えて。
こきこきと、首を鳴らす余裕すらあった。
「いやー…参った参った。とんでもねぇ速さだ。オラ驚れぇたぞ」
敗北を感じさせない、明るい言動で悟空はシュライバーを賞賛する。
己の謙遜や挑発の意図は感じられない、純粋なシュライバーの速度を讃える声色だった。
だが当然、シュライバーの反応は凍てつく様に冷たい。
己の謙遜や挑発の意図は感じられない、純粋なシュライバーの速度を讃える声色だった。
だが当然、シュライバーの反応は凍てつく様に冷たい。
「媚びを売っても、君を殺す決定が覆ったりはしないよ」
「そんなんじゃねぇさ。ただおめぇが誰も彼も殺す様な奴じゃなけりゃ……
乃亜を何とかしてから、何も気にせずその速さと勝負できただろうなって、勿体なくてさ」
「そんなんじゃねぇさ。ただおめぇが誰も彼も殺す様な奴じゃなけりゃ……
乃亜を何とかしてから、何も気にせずその速さと勝負できただろうなって、勿体なくてさ」
ハ、と。悟空のその言葉を、シュライバーは嘲笑った。
どうやら孫悟飯の下らない醜態は、この父親譲りの甘さから来たらしい。
自分の息子がどうなっているかも知らないで、したり顔で話された所で、滑稽なだけだ。
どうやら孫悟飯の下らない醜態は、この父親譲りの甘さから来たらしい。
自分の息子がどうなっているかも知らないで、したり顔で話された所で、滑稽なだけだ。
「僕に言わせれば、君や君の息子の方が無駄が多すぎる。
何も気にせず殺し合いたいなら、余計な劣等共なんて気にせず今そうすればいい。
大方、その方の傷も下らない劣等のために負った傷だろう?」
何も気にせず殺し合いたいなら、余計な劣等共なんて気にせず今そうすればいい。
大方、その方の傷も下らない劣等のために負った傷だろう?」
血が滲んだ肩口を指さして、一片の手心なくシュライバーは愚弄を行う。
一応は自分が目をかけてやるだけの強さを持っておいて、親子ともども下らない。
上等な料理にハチミツをブチ撒けるが如き甘さで、折角の闘争の純度を下げる愚行。
万全の身の程知らず二人を、超越者たる自分の速度で捻じ伏せてこそ。
黄金の主君に捧ぐ、最高の戦争、最高の供物となりえるのに。何故それが分からない?
突き付けた愚弄には、そんな苛立ちと侮蔑も籠められていた。
一応は自分が目をかけてやるだけの強さを持っておいて、親子ともども下らない。
上等な料理にハチミツをブチ撒けるが如き甘さで、折角の闘争の純度を下げる愚行。
万全の身の程知らず二人を、超越者たる自分の速度で捻じ伏せてこそ。
黄金の主君に捧ぐ、最高の戦争、最高の供物となりえるのに。何故それが分からない?
突き付けた愚弄には、そんな苛立ちと侮蔑も籠められていた。
「……生憎、そういう訳にもいかねぇな。
まぁ、確かに。他の奴と関わるのはおめぇの言う様に窮屈な事もあっけど───」
まぁ、確かに。他の奴と関わるのはおめぇの言う様に窮屈な事もあっけど───」
気に入らない。
気に入らない。
気に入らない。
自分の主張を、恐らく目の前の男はまるで理解していない。
尻から生える尾だけでなく、脳まで猿だというのだろうか。
シュライバーは、いつの間にか犬歯を噛み締めていた。
そうしている間にも、悟空の愚弄に対する返答は続く。
気に入らない。
気に入らない。
自分の主張を、恐らく目の前の男はまるで理解していない。
尻から生える尾だけでなく、脳まで猿だというのだろうか。
シュライバーは、いつの間にか犬歯を噛み締めていた。
そうしている間にも、悟空の愚弄に対する返答は続く。
「ネモがいなけりゃ首輪は外せねぇし、小恋と会わなけりゃ肩の傷はもっと酷かった」
何時だって、彼一人で解決できた戦いなんて無かった。
師や、仲間や、息子や、宿敵。そしてドラゴンボールの力を借りてここまで来たのだ。
それを孫悟空と言う男は知っていた。だから。
師や、仲間や、息子や、宿敵。そしてドラゴンボールの力を借りてここまで来たのだ。
それを孫悟空と言う男は知っていた。だから。
「そりゃいい事ばっかりじゃねぇけど、おめぇがバカにする程悪ぃことばっかりじゃねぇ」
彼は笑って構えを取るのだ。
この場でできた協力者たちにはできない事をするために。
どこまでも悠然と、狂乱の白騎士と向き合い告げる。
この場でできた協力者たちにはできない事をするために。
どこまでも悠然と、狂乱の白騎士と向き合い告げる。
「ネモ達が働いてくれる分、オラもオラにできる事をしてやるだけだ」
そんな悟空を眺めるシュライバーの表情は、既に嘲りの彩は無く。
一切の感情を欠落させた能面のような無表情で、静かに尋ねる。
ならば、君にできる事とはなんだ?と。
そんなもんは決まってる。問いに対し、悟空の返答は簡潔だった。
一切の感情を欠落させた能面のような無表情で、静かに尋ねる。
ならば、君にできる事とはなんだ?と。
そんなもんは決まってる。問いに対し、悟空の返答は簡潔だった。
「おめぇに勝つ」
悟空がその宣言を口にするとともに。
十秒程の間、二人の間に沈黙の帳が降りる。
悟空は相変わらず微笑を浮かべたまま。シュライバーは暫し吐かれた言葉を咀嚼して。
そして───嗤う。
十秒程の間、二人の間に沈黙の帳が降りる。
悟空は相変わらず微笑を浮かべたまま。シュライバーは暫し吐かれた言葉を咀嚼して。
そして───嗤う。
「くく、あははははははは――――!」
眼帯に覆われた目に手を添えて。狂った様に笑う。笑い続ける。
一目見た時から、孫悟飯とも、青コートの少年とも、他の劣等共とも。
それらの面々に向けた物とは別種の感情を、抱いていた自覚があった。
当初は孫悟飯の様に、単純に自分と戦争を行えるだけの強者だからと思っていたからだが。
だが、今は確信を以て言える。それだけではない。それ以外の感情が存在する。
この瞬間までその感情を何と形容するべきか思い浮かばなかったが──今、腑に落ちた。
一目見た時から、孫悟飯とも、青コートの少年とも、他の劣等共とも。
それらの面々に向けた物とは別種の感情を、抱いていた自覚があった。
当初は孫悟飯の様に、単純に自分と戦争を行えるだけの強者だからと思っていたからだが。
だが、今は確信を以て言える。それだけではない。それ以外の感情が存在する。
この瞬間までその感情を何と形容するべきか思い浮かばなかったが──今、腑に落ちた。
「ほざくじゃないか、未だ僕の影すら踏めない体たらくで!
だがその意気やよし!君の力で僕に追いすがれるかやってみるといい」
だがその意気やよし!君の力で僕に追いすがれるかやってみるといい」
君の心が、折れるまで。
ウォルフガング・シュライバーは。悪名高きフローズヴィトニルは。
目の前の男を。孫悟空の、聖遺物を持たぬ身で大隊長に挑むことのできる肉体を。
彼がこれまで積んできた研鑽を。紡いできたであろう繋がりを。彼の遍く人生全てを。
ウォルフガング・シュライバーは。悪名高きフローズヴィトニルは。
目の前の男を。孫悟空の、聖遺物を持たぬ身で大隊長に挑むことのできる肉体を。
彼がこれまで積んできた研鑽を。紡いできたであろう繋がりを。彼の遍く人生全てを。
「君がその下らない甘さを抱えて溺死するまでッ!!!!」
────否定したいのだ!
「───っ!?」
魔獣が吼えると共に、その姿を消す。
それに伴い戦闘開始から初めて、悟空の表情から笑みが消え、言葉を失う。
その瞬間に限ったシュライバーの速さは、彼ですら追えぬ者だったからだ。
────ゴオオォオオォオオオオッ!!!!
駆けるシュライバーの疾走が生んだ猛烈な衝撃波が空間に渦を巻き、轟音を生じさせる。
だが、悟空にとって音など気にかけている余裕はなかった。
音よりも早く、襲い来る衝撃。衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃────!
それに伴い戦闘開始から初めて、悟空の表情から笑みが消え、言葉を失う。
その瞬間に限ったシュライバーの速さは、彼ですら追えぬ者だったからだ。
────ゴオオォオオォオオオオッ!!!!
駆けるシュライバーの疾走が生んだ猛烈な衝撃波が空間に渦を巻き、轟音を生じさせる。
だが、悟空にとって音など気にかけている余裕はなかった。
音よりも早く、襲い来る衝撃。衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃────!
───ちぃっ!!言うだけあって、どんどん早くなりやがるっ!!
反撃を行う余地など存在しない。
防御すら間に合わない。
大時化の荒波に翻弄される小舟の様に。大嵐の風雨に晒される枯れ木の様に。
悟空の肉体に、数えるのも馬鹿らしい程の“殺意”が襲い掛かる。
防御すら間に合わない。
大時化の荒波に翻弄される小舟の様に。大嵐の風雨に晒される枯れ木の様に。
悟空の肉体に、数えるのも馬鹿らしい程の“殺意”が襲い掛かる。
「どうした劣等ォッ!!減らず口だけの凡俗で終わるつもりかい!
これなら未だ息子の方が歯ごたえがあった!父親ならもう少し足掻いて見せろォッ!!」
これなら未だ息子の方が歯ごたえがあった!父親ならもう少し足掻いて見せろォッ!!」
小宇宙が如き、全力の突きと蹴りのラッシュが標的の全身を打ち据える。
一発一発が出鱈目な威力を込めた攻撃だ。
もし一対一なら魔界の王子ガッシュ・ベルですらとうに死んでいるだろう。
安らかに、速やかに死に絶えろ、思いあがったイエローモンキーがッッ!!
咆哮と共に。トドメを刺す事を目的とした蹴撃を正面から贄の首筋に突き刺さした。
爆音が、戦場に木霊する。
一発一発が出鱈目な威力を込めた攻撃だ。
もし一対一なら魔界の王子ガッシュ・ベルですらとうに死んでいるだろう。
安らかに、速やかに死に絶えろ、思いあがったイエローモンキーがッッ!!
咆哮と共に。トドメを刺す事を目的とした蹴撃を正面から贄の首筋に突き刺さした。
爆音が、戦場に木霊する。
「うわあああぁあぁあああッ!!!!!」
上がる苦悶の声。
だがその苦悶の声に対するシュライバーの表情に歓喜の彩は無い。
何故なら、渾身の力を籠めた脚部に伝わった感触は肉を潰し、骨を砕いた感触ではなく。
先ほど感じた、城塞を蹴った様な手ごたえだったからだ。
感触を裏付けるように、巻きあがった戦塵の先の影は地に伏さない。
それどころか、あれだけ攻撃を加えたというのに、三十センチも移動をしていなかった。
殆ど微動だにせず、命を刈り取ろうと襲い来る猛攻をしのぎ切ったのだ。
だがその苦悶の声に対するシュライバーの表情に歓喜の彩は無い。
何故なら、渾身の力を籠めた脚部に伝わった感触は肉を潰し、骨を砕いた感触ではなく。
先ほど感じた、城塞を蹴った様な手ごたえだったからだ。
感触を裏付けるように、巻きあがった戦塵の先の影は地に伏さない。
それどころか、あれだけ攻撃を加えたというのに、三十センチも移動をしていなかった。
殆ど微動だにせず、命を刈り取ろうと襲い来る猛攻をしのぎ切ったのだ。
「────い、いちちちちっ!……ふぅ、どうした?まだオラは死んでねぇぞ」
巻きあがった土煙の先に立つ戦士は、未だ死んでいない。
狂乱の白騎士の猛攻を受けてなお、孫悟空は健在だった。
全くの無傷という訳では無い。体の至る所に腫れや痣を作っている物の、しかし。
あれだけ殴られたというのに、重症と呼べる傷は全く負っていなかった。
彼が嵐のような暴威に対して取った行動は単純だ。
手足を使い防御を行いつつ、全身から気を放出し、それを鎧とした。
鍛え上げた鋼の肉体と、同じく練り上げた気の防御により。
常人が受ければ余波で死亡するシュライバーの攻撃も、痛打には至らなかったのだ。
狂乱の白騎士の猛攻を受けてなお、孫悟空は健在だった。
全くの無傷という訳では無い。体の至る所に腫れや痣を作っている物の、しかし。
あれだけ殴られたというのに、重症と呼べる傷は全く負っていなかった。
彼が嵐のような暴威に対して取った行動は単純だ。
手足を使い防御を行いつつ、全身から気を放出し、それを鎧とした。
鍛え上げた鋼の肉体と、同じく練り上げた気の防御により。
常人が受ければ余波で死亡するシュライバーの攻撃も、痛打には至らなかったのだ。
「何もできず嬲られて得意気になれるなら、木偶の才能だけは大したものだね。
それとも、もう何をした所で無駄って言うのが分かった後の虚勢だったりする?」
「そんなんじゃねぇのは、おめぇが一番分かってるんじゃねぇのか」
それとも、もう何をした所で無駄って言うのが分かった後の虚勢だったりする?」
「そんなんじゃねぇのは、おめぇが一番分かってるんじゃねぇのか」
孫悟空の指摘の通り。
このままいけば、追い込まれるのはシュライバーである事は彼自身理解していた。
平時であれば、このまま数十年でも獲物を倒れるまで嬲り続けただろう。
どんな屈強なボクサーでも殴られ続ければ内臓にダメージは蓄積する。倒れない筈はない。
だが、首輪の戒めと乃亜が設定したハンデの存在が、時間制限として重くのしかかる。
活動位階で出せるトップギアで移動と攻撃を行い、攻め続けるシュライバーと、
気を放出しながらも最小限の動きで攻撃を捌く悟空では、消耗度合いに差が出る。
そしてどのタイミングで乃亜のハンデが行使されるか読めないのが最も曲者だった。
条件は双方同じでも、このまま消耗戦に持ち込まれれば最後に立つのは悟空の可能性が高い。
このままいけば、追い込まれるのはシュライバーである事は彼自身理解していた。
平時であれば、このまま数十年でも獲物を倒れるまで嬲り続けただろう。
どんな屈強なボクサーでも殴られ続ければ内臓にダメージは蓄積する。倒れない筈はない。
だが、首輪の戒めと乃亜が設定したハンデの存在が、時間制限として重くのしかかる。
活動位階で出せるトップギアで移動と攻撃を行い、攻め続けるシュライバーと、
気を放出しながらも最小限の動きで攻撃を捌く悟空では、消耗度合いに差が出る。
そしてどのタイミングで乃亜のハンデが行使されるか読めないのが最も曲者だった。
条件は双方同じでも、このまま消耗戦に持ち込まれれば最後に立つのは悟空の可能性が高い。
「まぁ、けどよ────」
半ばカマかけに近いやりとりではあったものの。
敵手が自分と同じ『窮屈』な状況に置かれている事実を確信し、仄かに安堵する。
だが、同時に彼の中の戦闘民族サイヤ人として側面が訴えていた。
このまま粘って判定勝ちは、性に合わない。
故に彼は構えを取り直し言う。
敵手が自分と同じ『窮屈』な状況に置かれている事実を確信し、仄かに安堵する。
だが、同時に彼の中の戦闘民族サイヤ人として側面が訴えていた。
このまま粘って判定勝ちは、性に合わない。
故に彼は構えを取り直し言う。
「勝つ方法は思いついた。これ以上時間を掛けるつもりはねぇ」
虚勢や過信ではない。そう思わせるだけの風格を纏い。
悟空は誘うような笑みを再び浮かべて、敵を見据える。
本気で死を運ぶ白き星を。狂乱する白狼を打ち砕けると思っている瞳だった。
悟空は誘うような笑みを再び浮かべて、敵を見据える。
本気で死を運ぶ白き星を。狂乱する白狼を打ち砕けると思っている瞳だった。
「────グランシャリオ」
不遜に過ぎる言葉。万死どころか兆死に値する思い上がり。
しかし、それを聞いたシュライバーの態度に怒りはなかった。
淡々と、乃亜より下賜された漆黒の全身鎧を身に纏う。
無論、憤っていない訳では無い。胸の内ではマグマ染みた粘性の憎悪が滾っている。
だが、屍の山で積み重ねてきたマンハントの経験値。
何より凍土の様に冷えた思考は激情から全く切り離されており、統一化されていた。
計算違いを思い知らせる、と。
しかし、それを聞いたシュライバーの態度に怒りはなかった。
淡々と、乃亜より下賜された漆黒の全身鎧を身に纏う。
無論、憤っていない訳では無い。胸の内ではマグマ染みた粘性の憎悪が滾っている。
だが、屍の山で積み重ねてきたマンハントの経験値。
何より凍土の様に冷えた思考は激情から全く切り離されており、統一化されていた。
計算違いを思い知らせる、と。
「奇遇だね、僕もそろそろ君には轍になって貰おうと思っていた所だ」
銃撃と先ほどの交錯を凌いだ事から自分の速度は通じないとタカを括っているのだろうが。
生憎、先ほどの速度ですら、活動位階における真の最高速度ではない。
孫悟空という男を前にして、生身を晒した状態で出すことのできるトップスピードだ。
グランシャリオで総身を覆い、帝具のブーストを加算するのが、現状の真の最高速度。
そして。その最高速度であれば、活動位階であっても孫悟空の肉体を貫く事ができる。
彼の肉体の唯一の弱所と言える、治りかけの左肩の傷から、心臓をぶち抜く。
決行は可能。元より奴は、先ほどの速度ですら対応できてはいなかったのだから。
生憎、先ほどの速度ですら、活動位階における真の最高速度ではない。
孫悟空という男を前にして、生身を晒した状態で出すことのできるトップスピードだ。
グランシャリオで総身を覆い、帝具のブーストを加算するのが、現状の真の最高速度。
そして。その最高速度であれば、活動位階であっても孫悟空の肉体を貫く事ができる。
彼の肉体の唯一の弱所と言える、治りかけの左肩の傷から、心臓をぶち抜く。
決行は可能。元より奴は、先ほどの速度ですら対応できてはいなかったのだから。
(どんな小賢しい策で挑もうと───全て速さで捻じ伏せる)
抱いた感情はやはり慢心でも過信でもなく。
あえて名前をつけるのなら、それは矜持と呼ばれる物だった。
いかなる策も、己の速さには追いつく事は出来ない。それが絶対の理だ。
理を否定してしまえば、彼は己の渇望すら否定することになりかねない。
何が来ようと、あくまで自分の土俵で叩き潰す。
無い知恵を振り絞って考えた涙ぐましい策を、轢殺し轍へと変える。
姿勢を低く落とし、今まさに獲物の喉笛を引きちぎろうとする白狼の構えを形作り。
身体の内では汲んでも汲みつくせぬ殺意を、五体と言う弓につがえて引き絞る。
あえて名前をつけるのなら、それは矜持と呼ばれる物だった。
いかなる策も、己の速さには追いつく事は出来ない。それが絶対の理だ。
理を否定してしまえば、彼は己の渇望すら否定することになりかねない。
何が来ようと、あくまで自分の土俵で叩き潰す。
無い知恵を振り絞って考えた涙ぐましい策を、轢殺し轍へと変える。
姿勢を低く落とし、今まさに獲物の喉笛を引きちぎろうとする白狼の構えを形作り。
身体の内では汲んでも汲みつくせぬ殺意を、五体と言う弓につがえて引き絞る。
「泣き叫べ、劣等。不可能を知り、今ここに神はいないと知る時だ!!」
「不可能かどうかは───やってみなけりゃ、分かんねぇ」
「不可能かどうかは───やってみなけりゃ、分かんねぇ」
減らず口は途絶えない。シュライバーの暴威を以てしても、孫悟空の意志は砕けない。
元々孫悟飯と同じ実力を有するなら、活動位階で仕留めるのは困難な事は予想が付いた。
だが、あの孫悟飯ですらこのフローズヴィトニルを相手取るには変貌を遂げていた。
恐らくは形成や創造に比肩しうる手札を切っていた。
翻って目の前の男は、そういった変身を行わないままに。
素の状態で、活動位階とは言え自分を討ち取る算段を立てている。
改めてその事を認識して、先ほどよりも更に強く思うのだ。
あぁ、自分はどうしようもなく─────
元々孫悟飯と同じ実力を有するなら、活動位階で仕留めるのは困難な事は予想が付いた。
だが、あの孫悟飯ですらこのフローズヴィトニルを相手取るには変貌を遂げていた。
恐らくは形成や創造に比肩しうる手札を切っていた。
翻って目の前の男は、そういった変身を行わないままに。
素の状態で、活動位階とは言え自分を討ち取る算段を立てている。
改めてその事を認識して、先ほどよりも更に強く思うのだ。
あぁ、自分はどうしようもなく─────
「あぁ、僕は君の全てを───否定してやりたいんだッッッ!!」
瞬間、シュライバーの立っていた大地が爆ぜる。
魔獣の如く猛り狂った漆黒の影が、世界を蹂躙する。
移動の余波で生まれた衝撃波が大地を砕き。轟く轟音が空を砕く。
常人ならただ存在するだけで全身が挽肉と化す絶対死の空間が生み出される。
だがしかしその只中においても。未だ存在し続ける影が一つ。
魔獣の如く猛り狂った漆黒の影が、世界を蹂躙する。
移動の余波で生まれた衝撃波が大地を砕き。轟く轟音が空を砕く。
常人ならただ存在するだけで全身が挽肉と化す絶対死の空間が生み出される。
だがしかしその只中においても。未だ存在し続ける影が一つ。
「僕の勝利(わだち)となって、砕け散れ、死に絶えろ、劣等─────!!」
その瞬間に限り。
ウォルフガング・シュライバーの速度は完全にタガが外れていた。
乃亜が化したハンデがほぼ機能していないに等しい性能が引き出され。
文字通り、桁外れの凶星となりて、矮小な体躯は敵対者に災いを運ばんとする。
狙うは先ほどと同じ、子供が喧嘩で用いる様な飛び蹴りの姿勢だ。
だが最速の殺人者、ウォルフガング・シュライバーが最高速度で敢行すれば。
それは防御不能。回避不可の破壊槌へと意味を変え。
百万倍に希釈された時間の中で、爆縮された魔力嵐と共に標的へと殺到する───!
ウォルフガング・シュライバーの速度は完全にタガが外れていた。
乃亜が化したハンデがほぼ機能していないに等しい性能が引き出され。
文字通り、桁外れの凶星となりて、矮小な体躯は敵対者に災いを運ばんとする。
狙うは先ほどと同じ、子供が喧嘩で用いる様な飛び蹴りの姿勢だ。
だが最速の殺人者、ウォルフガング・シュライバーが最高速度で敢行すれば。
それは防御不能。回避不可の破壊槌へと意味を変え。
百万倍に希釈された時間の中で、爆縮された魔力嵐と共に標的へと殺到する───!
「界」
周囲が常人では存在すら叶わぬ死の領域と化しても。
絶死の破壊槌に狙いを定められても。
しかしそれでも孫悟空は歯を食いしばり、大地を踏み砕く勢いで襲い来る圧力を堪え待ち受けていた。
絶死の破壊槌に狙いを定められても。
しかしそれでも孫悟空は歯を食いしばり、大地を踏み砕く勢いで襲い来る圧力を堪え待ち受けていた。
「王」
当然、無傷では済まない。
重症こそ負っていない物の、小さな傷は数え切れないほど刻まれている。
だが、それを受け入れ、一瞬の勝機を。
ただ一度のチャンスをモノにするために、伏して待った。
あれだけの速度で動き回っている敵だ。ハンデの存在を考慮に入れるのなら。
シュライバーも残された時間は少ない。必ずあと数秒の内に、勝負を決めに来るはずだ。
口ずさむ様に、授けられた技の名を呼び、迎撃の準備を整える。
そして。
重症こそ負っていない物の、小さな傷は数え切れないほど刻まれている。
だが、それを受け入れ、一瞬の勝機を。
ただ一度のチャンスをモノにするために、伏して待った。
あれだけの速度で動き回っている敵だ。ハンデの存在を考慮に入れるのなら。
シュライバーも残された時間は少ない。必ずあと数秒の内に、勝負を決めに来るはずだ。
口ずさむ様に、授けられた技の名を呼び、迎撃の準備を整える。
そして。
────来る!
激突の瞬間が、遂に訪れる。
超速の速度で悟空の背後200mに回り込んだシュライバーが、彼の後頭部に狙いを定める。
殺気は隠さない。察知された所で狂乱の白騎士の速さは常に相対者の先を行く。
直径50メートル規模のクレーターが生まれる踏み込みの後、突撃へと移行。
あらゆる抵抗を撃滅する、必滅の最速が遂に20メートルの位置まで迫る。
後一足で孫悟空の脳漿を炸裂させられる、その距離までシュライバーは至り────
超速の速度で悟空の背後200mに回り込んだシュライバーが、彼の後頭部に狙いを定める。
殺気は隠さない。察知された所で狂乱の白騎士の速さは常に相対者の先を行く。
直径50メートル規模のクレーターが生まれる踏み込みの後、突撃へと移行。
あらゆる抵抗を撃滅する、必滅の最速が遂に20メートルの位置まで迫る。
後一足で孫悟空の脳漿を炸裂させられる、その距離までシュライバーは至り────
「拳ッッッ!!!!」
直前で、灼熱にして鉄壁の壁へと衝突した。
シュライバーが背後に回り込むのと同時に、孫悟空が短い詠唱を終え。
そして吶喊へと至った時、タッチの差で界王拳の発動が間に合ったのだ。
悟空が取った対応策は実に単純。
シュライバーの突撃タイミングを読み切り、それに合わせて全身から気を放出したのだ。
高密度の気は、全身から展開する事によって全方位を保護する防御壁となる。
かつて完全体となったセルや吸収を試みてきた魔人ブウに対してベジットが行った手段。
どれだけ追いかけても捉えられぬならば、敵から罠へと突っ込んで来てもらえばよい。
界王拳の発動を起点として展開された気の防御壁は果たして覿面の効果を発揮した。
何しろ、シュライバーが悟空へ昂り切った殺意をぶつけようとすれば気の防御壁に競り勝たなければならない。
シュライバーが背後に回り込むのと同時に、孫悟空が短い詠唱を終え。
そして吶喊へと至った時、タッチの差で界王拳の発動が間に合ったのだ。
悟空が取った対応策は実に単純。
シュライバーの突撃タイミングを読み切り、それに合わせて全身から気を放出したのだ。
高密度の気は、全身から展開する事によって全方位を保護する防御壁となる。
かつて完全体となったセルや吸収を試みてきた魔人ブウに対してベジットが行った手段。
どれだけ追いかけても捉えられぬならば、敵から罠へと突っ込んで来てもらえばよい。
界王拳の発動を起点として展開された気の防御壁は果たして覿面の効果を発揮した。
何しろ、シュライバーが悟空へ昂り切った殺意をぶつけようとすれば気の防御壁に競り勝たなければならない。
「───甘いんだよ!劣等ォオオオオオオオオッ!!!」
怒涛の如き絶叫が、華奢な少年の声帯から炸裂する。
シュライバーにとっても、孫悟空がカウンターで挑んでくる事は予想がついていた。
孫悟飯もまた、形成を繰り出した自分に対抗する為にカウンターを狙っていたのだから。
孫悟空の取った手段は孫悟飯のそれよりもより洗練されていたが──問題はない。
この程度の障害、貫き粉砕できずして何が大隊長か、何が白騎士か。
激突の瞬間、自身の中に内包された魂を動員し、白狼の化身を招聘。
現れた白狼をも赤熱の力場にぶつけ、多段ロケットの原理で更なる推進力を得る。
黄金の近衛の矜持を賭け、白狼の化身が一瞬で自壊していくのも気にせず突き進む。
すると一千万分の一秒の時間で、ぴしぴしと。
激突した赤熱の力場に罅が入り始め、シュライバーから与えられる圧力に根を上げ始める。
このまま望みを託したであろう小賢しい防御壁ごと、蹴り砕く!
目前まで迫った勝利に笑みを深めた。その瞬間の事だった。
シュライバーにとっても、孫悟空がカウンターで挑んでくる事は予想がついていた。
孫悟飯もまた、形成を繰り出した自分に対抗する為にカウンターを狙っていたのだから。
孫悟空の取った手段は孫悟飯のそれよりもより洗練されていたが──問題はない。
この程度の障害、貫き粉砕できずして何が大隊長か、何が白騎士か。
激突の瞬間、自身の中に内包された魂を動員し、白狼の化身を招聘。
現れた白狼をも赤熱の力場にぶつけ、多段ロケットの原理で更なる推進力を得る。
黄金の近衛の矜持を賭け、白狼の化身が一瞬で自壊していくのも気にせず突き進む。
すると一千万分の一秒の時間で、ぴしぴしと。
激突した赤熱の力場に罅が入り始め、シュライバーから与えられる圧力に根を上げ始める。
このまま望みを託したであろう小賢しい防御壁ごと、蹴り砕く!
目前まで迫った勝利に笑みを深めた。その瞬間の事だった。
「────な」
その未来が訪れる、コンマ数秒前。
孫悟空が拳を岩の様に握り締め、シュライバーに向けて振り被っていた。
その速度は、先ほどまでとは比べ物にならない。
どんなに少なく見積もっても、倍以上の拳速。
それでもシュライバーの速度なら致命にならない速さではあった。
しかしフェイントの様な速度差に一瞬、思考に空白が生まれる。
その隙すら、ガッシュや日番谷などの相手であればまだ致命とするには不足だっただろう。
相手が孫悟空でさえなければ。
孫悟空が拳を岩の様に握り締め、シュライバーに向けて振り被っていた。
その速度は、先ほどまでとは比べ物にならない。
どんなに少なく見積もっても、倍以上の拳速。
それでもシュライバーの速度なら致命にならない速さではあった。
しかしフェイントの様な速度差に一瞬、思考に空白が生まれる。
その隙すら、ガッシュや日番谷などの相手であればまだ致命とするには不足だっただろう。
相手が孫悟空でさえなければ。
ぜってぇおめぇは破って来ると思ってた。
交差した視線の中で、孫悟空の瞳はそう語っていた。
そう、全身から放出した赤熱の衝撃波は彼の操る界王拳の副次的作用。
言うなれば、膨れ上がった気を応用した一の矢に過ぎない。
本命はその後に来る爆発的な身体能力の向上。界王拳の本領で仕留める。
高密度の気の障壁との激突による突撃速度の低下。フェイントで生まれた一瞬の隙。
そして、悟空自身の最高峰の格闘能力(グラップル)。
それら全てが、悪名高き白狼の心臓を撃ち抜く銀の弾丸と化す────!
そう、全身から放出した赤熱の衝撃波は彼の操る界王拳の副次的作用。
言うなれば、膨れ上がった気を応用した一の矢に過ぎない。
本命はその後に来る爆発的な身体能力の向上。界王拳の本領で仕留める。
高密度の気の障壁との激突による突撃速度の低下。フェイントで生まれた一瞬の隙。
そして、悟空自身の最高峰の格闘能力(グラップル)。
それら全てが、悪名高き白狼の心臓を撃ち抜く銀の弾丸と化す────!
「でりゃああああああああああああ───ッ!!!」
「お───おぉおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」
「お───おぉおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」
両者、裂帛の気合を込め、最後の交錯に臨む。
だが、ウォルフガング・シュライバーには一つの予感があった。
自分は、競り負ける。孫悟空の拳は、グランシャリオを粉砕し自分を打ち砕く。
類稀なる、天才と言ってもいい殺しへの才が。皮肉にも彼自身の敗北を知らしめる。
だが、ウォルフガング・シュライバーには一つの予感があった。
自分は、競り負ける。孫悟空の拳は、グランシャリオを粉砕し自分を打ち砕く。
類稀なる、天才と言ってもいい殺しへの才が。皮肉にも彼自身の敗北を知らしめる。
(負ける……?僕が……?)
嫌だ。そんなのありえない。あり得る筈がない。あり得てはいけない。
僕は男でも女でもない、完全な存在なんだ。
子を成せず、種を植える事も無い、一代限りの無欠の存在。
その僕が、死ぬはずのない僕が。死のうとしている?
違う違う違う違う違う違う違う。消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ──!
僕は男でも女でもない、完全な存在なんだ。
子を成せず、種を植える事も無い、一代限りの無欠の存在。
その僕が、死ぬはずのない僕が。死のうとしている?
違う違う違う違う違う違う違う。消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ──!
「僕に触れるなァアアアアアアアアアアアッッッ!!!」
叫ばれたそれは殺意でも狂気でもなく、今度こそ悲鳴の絶叫だった。
だが、当然ながら悟空がそれを受け入れることは無い。
目の前の少年は破壊衝動だけになったブウと同じ。これからも人を殺し続けるだろう。
故にここで自分が倒す。揺らがない不動の意志を胸に、握り締めた拳を発射する。
突き出された拳はシュライバーの纏う装甲ごと魂すら貫かんと突き進み───!
だが、当然ながら悟空がそれを受け入れることは無い。
目の前の少年は破壊衝動だけになったブウと同じ。これからも人を殺し続けるだろう。
故にここで自分が倒す。揺らがない不動の意志を胸に、握り締めた拳を発射する。
突き出された拳はシュライバーの纏う装甲ごと魂すら貫かんと突き進み───!
───《ヴァーミリオンノヴァ/朱の新星》
世界は紅蓮の業火に包まれた。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
焦土と化したエリアの只中で。
魔法少女カレイドシャルティアは周囲を睥睨した。
魔法少女カレイドシャルティアは周囲を睥睨した。
「……仕留めたでありんすか?」
神経質なほど注意深く、今しがた横合いから殴りつけた二人組の姿を探す。
取り逃がした金髪のガキを追おうとした最中の事だった。
彼女が、巨大な魔力の奔流を感じ取ったのは。
それも、一つではない。二つの大きな魔力が激突しているのを感じ取った。
迷った末に殺したところで溜飲が下がるだけの金髪の子供…ディオを追うよりも。
此方の詳細を探った方が、実益を得られると判断。
《サイレンス/静寂》や《インヴィジビリティ/透明化》の魔法を用い、戦場に訪れた。
取り逃がした金髪のガキを追おうとした最中の事だった。
彼女が、巨大な魔力の奔流を感じ取ったのは。
それも、一つではない。二つの大きな魔力が激突しているのを感じ取った。
迷った末に殺したところで溜飲が下がるだけの金髪の子供…ディオを追うよりも。
此方の詳細を探った方が、実益を得られると判断。
《サイレンス/静寂》や《インヴィジビリティ/透明化》の魔法を用い、戦場に訪れた。
(凄まじい戦いでありんした)
シャルティアが目にしたのは、正しく神話の如き戦いだった。
速度であれば間違いなく自分を遥かに上回っている眼帯の少年、シュライバー。
それと相対するのは、孫悟飯を思わせる外見の少年、孫悟空。
双方間違いなくレベル100の水準に達したプレイヤーである事は疑いようがない。
速度であれば間違いなく自分を遥かに上回っている眼帯の少年、シュライバー。
それと相対するのは、孫悟飯を思わせる外見の少年、孫悟空。
双方間違いなくレベル100の水準に達したプレイヤーである事は疑いようがない。
(特に…孫悟空は………)
孫悟空の戦闘を見た瞬間、シャルティアの脳裏に浮かんだ者がいた。
外見も、戦闘スタイルも、全く違うにも拘らず、ただその強さだけで。
シャルティアは悟空の背中に至高の41人の姿を見てしまった。
それも《アインズ・ウール・ゴウン》の中でも最強と称されるワールドチャンピオン。
純銀の聖騎士、在りし日のたっちみーの姿を。
外見も、戦闘スタイルも、全く違うにも拘らず、ただその強さだけで。
シャルティアは悟空の背中に至高の41人の姿を見てしまった。
それも《アインズ・ウール・ゴウン》の中でも最強と称されるワールドチャンピオン。
純銀の聖騎士、在りし日のたっちみーの姿を。
────何たる不敬。何たる背信か。
それを認識した瞬間、シャルティアの胸の奥にとめどなく慙愧の念が溢れた。
至高の主であるアインズ様の朋友に、あんな男を重ねるとは。
アルベドなどが知れば紛れもなく背信だと謗るだろう。
普段から犬猿の仲のシャルティアだが、もし今詰められれば否定できる自信は無かった。
ガリガリと美しい銀髪と、その下の頭皮に血が滲むほど爪を立て?きむしって。
もう一度、白騎士と戦闘民族が鎬を削る殺し合いを見つめる。
お互いの事だけで手一杯なのだろう。二人が自分に気づいている様子は無く。
至高の主であるアインズ様の朋友に、あんな男を重ねるとは。
アルベドなどが知れば紛れもなく背信だと謗るだろう。
普段から犬猿の仲のシャルティアだが、もし今詰められれば否定できる自信は無かった。
ガリガリと美しい銀髪と、その下の頭皮に血が滲むほど爪を立て?きむしって。
もう一度、白騎士と戦闘民族が鎬を削る殺し合いを見つめる。
お互いの事だけで手一杯なのだろう。二人が自分に気づいている様子は無く。
────今なら、上手く行けば………
漁夫の利を得られるかもしれない。
その思考に、シャルティアは行きついた。
孫悟空は元より、眼帯の少年もどう見ても話が通じない。
同じマーダーではあるが、メリュジーヌと違い障害にしかなりえないだろう。
故に屠る事に何の躊躇は無い。些か早まった思考である事の自覚はあった。
それでも、今しがた自分が行ってしまった失態を帳消しにするには。
失態の原因を抹殺する事でしか達成できない。確信めいた思いがあった。
その思考に、シャルティアは行きついた。
孫悟空は元より、眼帯の少年もどう見ても話が通じない。
同じマーダーではあるが、メリュジーヌと違い障害にしかなりえないだろう。
故に屠る事に何の躊躇は無い。些か早まった思考である事の自覚はあった。
それでも、今しがた自分が行ってしまった失態を帳消しにするには。
失態の原因を抹殺する事でしか達成できない。確信めいた思いがあった。
息を潜め、強襲を行うタイミングをじっと見計らう。
時折戦闘の余波が飛来してきたが、その程度では階層守護者はビクともしない。
躱し、或いはスポイトランスで受け流し、潜伏場所を守り通した。
その甲斐もあり、好機は間を殆ど置かずにやって来た。
二人の正面衝突の瞬間。激突で完全に目の前の相手以外に無防備になった瞬間。
横合いから殴りつけるには、これ以上ないタイミングだった。
シャルティアは総取りを狙う覚悟を決め、実行し、今に至る。
時折戦闘の余波が飛来してきたが、その程度では階層守護者はビクともしない。
躱し、或いはスポイトランスで受け流し、潜伏場所を守り通した。
その甲斐もあり、好機は間を殆ど置かずにやって来た。
二人の正面衝突の瞬間。激突で完全に目の前の相手以外に無防備になった瞬間。
横合いから殴りつけるには、これ以上ないタイミングだった。
シャルティアは総取りを狙う覚悟を決め、実行し、今に至る。
───《マナ・エッセンス/魔力の精髄》
スキルを使用し、念入りに怪物二人の生存確認を行う。
だが、やはり周辺に反応は無かった。
取り逃がしていたとしても今しがたの強襲の下手人が自分であるとは分からないだろう。
因みに、今のシャルティアは《サイレンス/静寂》や《インヴィジビリティ/透明化》の効果は解けている。
だが、やはり周辺に反応は無かった。
取り逃がしていたとしても今しがたの強襲の下手人が自分であるとは分からないだろう。
因みに、今のシャルティアは《サイレンス/静寂》や《インヴィジビリティ/透明化》の効果は解けている。
(魔法強化を行った時から既に解除されていた…また乃亜のハンデでありんすか。
戦闘態勢に入った瞬間潜伏系魔法の効果は切れる、と。全く、面倒でありんすね)
戦闘態勢に入った瞬間潜伏系魔法の効果は切れる、と。全く、面倒でありんすね)
己の状況を確認しながら、溜息を一つ。
やはり窮屈で不快な物だ。自分のコンディションが他者に委ねられているというのは。
とは言え、こうやって自分の状態を確認できたという点で強襲はやはり有意義だった。
潜伏系魔法は既に解けてしまったし、後は万が一に備えこの場を離脱するだけ。
ミイラ取りがミイラになるになっては笑い話にもならないのだから。
やはり窮屈で不快な物だ。自分のコンディションが他者に委ねられているというのは。
とは言え、こうやって自分の状態を確認できたという点で強襲はやはり有意義だった。
潜伏系魔法は既に解けてしまったし、後は万が一に備えこの場を離脱するだけ。
ミイラ取りがミイラになるになっては笑い話にもならないのだから。
「待ちなよ。このまま何の落とし前も無しに逃げられる筈ないだろう?」
────は?
背後からかけられたその言葉に、思考が凍り付く。
馬鹿な、自分の魔力感知では確かに誰も探知する事ができなかった筈だ。
潜伏系のスキルを使ったにしては背後の敵手の存在感は圧倒的に過ぎた。
魔力を抑える気配すら感じない。
こんな大きさの魔力、一定の範囲内であれば魔法など使わずとも気づかない筈が───
そこまで考えて、一つの推論が浮上する。
そもそも範囲内にいなかったのだとしたら?
攻撃を避けるのも兼ねて、あの理外の速度で現在居るエリアの外まで一旦離脱し。
此方の魔法をやり過ごしてから、Uターンして来たのではないか?
背後からかけられたその言葉に、思考が凍り付く。
馬鹿な、自分の魔力感知では確かに誰も探知する事ができなかった筈だ。
潜伏系のスキルを使ったにしては背後の敵手の存在感は圧倒的に過ぎた。
魔力を抑える気配すら感じない。
こんな大きさの魔力、一定の範囲内であれば魔法など使わずとも気づかない筈が───
そこまで考えて、一つの推論が浮上する。
そもそも範囲内にいなかったのだとしたら?
攻撃を避けるのも兼ねて、あの理外の速度で現在居るエリアの外まで一旦離脱し。
此方の魔法をやり過ごしてから、Uターンして来たのではないか?
(いや、しかし。あの一瞬で私の感知範囲外まで逃れて、その上一瞬で表れるなんて──)
「間抜けなベイから聖遺物を盗み出しただけじゃなくて…よりによって盗人の女如きが!
英雄(エインフェリア)の戦争に水を差すとはどういう了見なんだい?答えろよ、なぁ」
「間抜けなベイから聖遺物を盗み出しただけじゃなくて…よりによって盗人の女如きが!
英雄(エインフェリア)の戦争に水を差すとはどういう了見なんだい?答えろよ、なぁ」
周囲に迸るような殺意をばら撒いて。
ウォルフガング・シュライバーが、シャルティアを睨んでいた。
だが、それだけならばまだシャルティアにとっては最悪では無かった。
本当に最悪なのは、この後。
ウォルフガング・シュライバーが、シャルティアを睨んでいた。
だが、それだけならばまだシャルティアにとっては最悪では無かった。
本当に最悪なのは、この後。
「悪そうな気だけどよ、遠くから見てる分には放っておくつもりだったけど……
やっぱりおめぇも殺し合いに乗ってるみてぇだな」
やっぱりおめぇも殺し合いに乗ってるみてぇだな」
漁夫の利を狙ったもう片割れ、孫悟空すら。
殆ど無傷のままにその姿を現したのだった。
姿を現して数秒後に巨大な魔力を感知。
この男の場合は殆ど0の付近まで魔力を抑える事で感知の目を欺いたのだろう。
ある意味定石ともいえる手段だが、魔力制御の質が頭抜けている。
相当に魔力のコントロールに成熟した相手なのは間違いない。
殆ど無傷のままにその姿を現したのだった。
姿を現して数秒後に巨大な魔力を感知。
この男の場合は殆ど0の付近まで魔力を抑える事で感知の目を欺いたのだろう。
ある意味定石ともいえる手段だが、魔力制御の質が頭抜けている。
相当に魔力のコントロールに成熟した相手なのは間違いない。
(いや、今はそんな事よりも───!)
横合いから殴りつけた二人の生存を何故感知できなかったのか。
その真相を考えている暇は、この時のシャルティアにある筈もない。
何故なら、この時シュライバーと悟空は同じ考えを抱いていたからだ。
その真相を考えている暇は、この時のシャルティアにある筈もない。
何故なら、この時シュライバーと悟空は同じ考えを抱いていたからだ。
「まぁいいや。取り合えず僕が君に言いたいことは一つだ」
「おめぇらを……野放しにする訳にゃいかねぇ」
「おめぇらを……野放しにする訳にゃいかねぇ」
漁夫の利とは、無事得られれば大きな戦果ではあるが。
逆に失敗すれば、双方から報復を受ける事となる。
それを、シャルティアは身を以て知る事となった。
逆に失敗すれば、双方から報復を受ける事となる。
それを、シャルティアは身を以て知る事となった。
「ちょ、待っ────!!!」
「邪魔するなよ劣等ォオオオオオオオオオオオオッ!!!」
「でりゃああああああああああああああああああッ!!!!」
「でりゃああああああああああああああああああッ!!!!」
前門の龍、後門の白狼。
刹那に等しい時間。上位転移を発動するだけの時間すらない。
シャルティアができた事は支給品の死亡遊戯から下僕を出して盾にする事だけだった。
刹那に等しい時間。上位転移を発動するだけの時間すらない。
シャルティアができた事は支給品の死亡遊戯から下僕を出して盾にする事だけだった。
「がああああああああ!!!がああああああああああ!!!!!」
キウルの遺体がシュライバーに木っ端微塵に砕かれるのを目にし。
そのコンマ一秒後に、べきごきと鳴ってはいけない音が響き、凄まじい衝撃が襲ってくる。
ぎゅおおおお──!と回転音が聞こえるほど体をきりもみ回転させて、派手に吹っ飛ぶ。
ステッキで空を飛んでいた時とは違う、不快な浮遊感に包まれて。
獣のような叫びを上げながら、シャルティアの身体は彼方の空へと飛んでいった。
そのコンマ一秒後に、べきごきと鳴ってはいけない音が響き、凄まじい衝撃が襲ってくる。
ぎゅおおおお──!と回転音が聞こえるほど体をきりもみ回転させて、派手に吹っ飛ぶ。
ステッキで空を飛んでいた時とは違う、不快な浮遊感に包まれて。
獣のような叫びを上げながら、シャルティアの身体は彼方の空へと飛んでいった。
………………………………………………。
……………………………。
…………。
……………………………。
…………。
「あ……あの、クソ、共………こ、殺してやるでありんす……」
禍福は糾える縄の如しと言うが。
それにしては福に対して禍の部分が大きすぎる。全く釣り合っていない。
落下先で彼女がその言葉を知っていたら、きっとそう吐き捨てただろう。
もっとも、彼女の実力を考慮に入れても。
悟空とシュライバーという巨星を同時に敵に回して五体満足で生き残っている事こそ。
彼女が紛れもない実力者の証であるのだが、本人には何の慰めにもならない。
それにしては福に対して禍の部分が大きすぎる。全く釣り合っていない。
落下先で彼女がその言葉を知っていたら、きっとそう吐き捨てただろう。
もっとも、彼女の実力を考慮に入れても。
悟空とシュライバーという巨星を同時に敵に回して五体満足で生き残っている事こそ。
彼女が紛れもない実力者の証であるのだが、本人には何の慰めにもならない。
───<<大致死(グレーターリーサル)>>
キウルの遺骸を肉の盾としたのは実に的確な判断だった。
あの決断がなければ、自分はあそこで終わっていたかもしれない。そんな事を考えて。
何とか手放さなかったステッキの治癒と、アンデッドにとっての回復魔法を組み合わせ。
自分の落下が原因でできたクレーターの中央で、傷を治す以外事は彼女にはできなかった。
あの決断がなければ、自分はあそこで終わっていたかもしれない。そんな事を考えて。
何とか手放さなかったステッキの治癒と、アンデッドにとっての回復魔法を組み合わせ。
自分の落下が原因でできたクレーターの中央で、傷を治す以外事は彼女にはできなかった。
【E-5/1日目/昼】
【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】
[状態]:怒り(大)、ダメージ(大)(回復中)、MP消費(中)(回復中)
スキル使用不能、プリズマシャルティアに変身中。
[装備]:スポイトランス@オーバーロード、カレイドステッキ・マジカルルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 、古代遺物『死亡遊戯』。
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]基本方針:優勝する
0:酷い目に遭いんした……
1:真紅の全身鎧を見つけ出し奪還する。
2:黒髪のガキ(悟飯)はブチ殺したい、が…自滅してくれるならそれはそれで愉快。
3:自分以外の100レベルプレイヤーと100レベルNPCの存在を警戒する。
4:武装を取り戻し次第、エルフ、イリヤ、悟飯、悟空、シュライバーに借りを返す。
5:メリュジーヌの容姿はかなりタイプ。
6:可能であれば眷属を作りたい。
[備考]
※アインズ戦直後からの参戦です。
※魔法の威力や効果等が制限により弱体化しています。
※その他スキル等の制限に関しては後続の書き手様にお任せします。
※スキルの使用可能回数の上限に達しました、通常時に戻るまで12時間程時間が必要です。
※日番谷と情報交換しましたが、聞かされたのは交戦したシュライバーと美遊のことのみです。
※マジカルルビーと(強制的)に契約を交わしました。
※キウルのキョンシーが爆発四散したため、死亡遊戯は現在空です。
[状態]:怒り(大)、ダメージ(大)(回復中)、MP消費(中)(回復中)
スキル使用不能、プリズマシャルティアに変身中。
[装備]:スポイトランス@オーバーロード、カレイドステッキ・マジカルルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 、古代遺物『死亡遊戯』。
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]基本方針:優勝する
0:酷い目に遭いんした……
1:真紅の全身鎧を見つけ出し奪還する。
2:黒髪のガキ(悟飯)はブチ殺したい、が…自滅してくれるならそれはそれで愉快。
3:自分以外の100レベルプレイヤーと100レベルNPCの存在を警戒する。
4:武装を取り戻し次第、エルフ、イリヤ、悟飯、悟空、シュライバーに借りを返す。
5:メリュジーヌの容姿はかなりタイプ。
6:可能であれば眷属を作りたい。
[備考]
※アインズ戦直後からの参戦です。
※魔法の威力や効果等が制限により弱体化しています。
※その他スキル等の制限に関しては後続の書き手様にお任せします。
※スキルの使用可能回数の上限に達しました、通常時に戻るまで12時間程時間が必要です。
※日番谷と情報交換しましたが、聞かされたのは交戦したシュライバーと美遊のことのみです。
※マジカルルビーと(強制的)に契約を交わしました。
※キウルのキョンシーが爆発四散したため、死亡遊戯は現在空です。
つまらない横槍のせいで興が削がれた、ここまでだね。
白銀のモーゼルを懐に仕舞いながら、シュライバーは開口一番にそう口にした。
肌を突き刺す様な殺意はそのままだが、表情は如何にも萎えたと言いたげな物で。
油断なく意識を尖らせながらも悟空は戦闘の終結を悟り、界王拳を解除する。
白銀のモーゼルを懐に仕舞いながら、シュライバーは開口一番にそう口にした。
肌を突き刺す様な殺意はそのままだが、表情は如何にも萎えたと言いたげな物で。
油断なく意識を尖らせながらも悟空は戦闘の終結を悟り、界王拳を解除する。
「まぁまぁだったよ。創造まで見せる価値があると思ったのは君の息子と、君くらいの物さ」
先ほどの激突でシュライバーは一つの確信を得た。
活動位階は愚か形成位階ですら、目の前の男を確実に抹殺するには不足だということ。
解放すれば一分以内にこの島全土を焦土とする形成ですら、この男は退けて見せるだろう。
孫悟飯と引き比べても、強い。肉体や経験は元より、魂が強靭なのだ。
この男を下せるとするなら、創造の無限加速。
ウォルフガング・シュライバーが出せる正真正銘の最高速度。それを置いて他にない。
本来であれば今すぐにでも殺し合いたい相手ではあるが、乃亜のハンデがそれを阻む。
恐らくこれ以上の戦闘続行を選べば、疲労が襲ってくる頃合いだろう。
故に業腹ではあるが、余計な介入を理由として戦闘の中断を彼は選んだ。
活動位階は愚か形成位階ですら、目の前の男を確実に抹殺するには不足だということ。
解放すれば一分以内にこの島全土を焦土とする形成ですら、この男は退けて見せるだろう。
孫悟飯と引き比べても、強い。肉体や経験は元より、魂が強靭なのだ。
この男を下せるとするなら、創造の無限加速。
ウォルフガング・シュライバーが出せる正真正銘の最高速度。それを置いて他にない。
本来であれば今すぐにでも殺し合いたい相手ではあるが、乃亜のハンデがそれを阻む。
恐らくこれ以上の戦闘続行を選べば、疲労が襲ってくる頃合いだろう。
故に業腹ではあるが、余計な介入を理由として戦闘の中断を彼は選んだ。
「断っておくけど、僕の本来の速さはこんな物じゃない。
乃亜の鬱陶しいハンデが明け次第…君を今度こそハイドリヒ卿に捧ぐ轍に変えに来る」
乃亜の鬱陶しいハンデが明け次第…君を今度こそハイドリヒ卿に捧ぐ轍に変えに来る」
ツァラトゥストラは別格としても、六十年を超える殺戮の日々の中で───
君を超える贄は、きっと怒りの日(ディエス・イレ)まで現れないだろう。
絶対に、逃がさない。誰にも渡さない。必ず君の魂は獣の軍勢に捧げる。
歓喜と、陶酔と、狂気と、殺意が入り混じった声で、凶獣は告げた。
その宣告は、この島の意志の強い少年少女…ガッシュやナルト、イリヤですら。
耳にすれば怖気を感じるであろう、根源的な恐怖を呼び覚ます物だった。
しかし、孫悟空の反応は違った。この期に及んでも彼の表情は。
どこか期待を孕んだ、不撓の風格を保っていた。
君を超える贄は、きっと怒りの日(ディエス・イレ)まで現れないだろう。
絶対に、逃がさない。誰にも渡さない。必ず君の魂は獣の軍勢に捧げる。
歓喜と、陶酔と、狂気と、殺意が入り混じった声で、凶獣は告げた。
その宣告は、この島の意志の強い少年少女…ガッシュやナルト、イリヤですら。
耳にすれば怖気を感じるであろう、根源的な恐怖を呼び覚ます物だった。
しかし、孫悟空の反応は違った。この期に及んでも彼の表情は。
どこか期待を孕んだ、不撓の風格を保っていた。
「あぁ、まだ手があるのはオラも同じだ。次はとことんやろうぜ」
悟空もまた、超サイヤ人の変身という切り札を残している。
乃亜のハンデにより未だ使用不能ではあるが、使用可能となれば今度こそ。
狂える白騎士を、この手で討ち取る。その意志を臆することなく表明して見せた。
乃亜のハンデにより未だ使用不能ではあるが、使用可能となれば今度こそ。
狂える白騎士を、この手で討ち取る。その意志を臆することなく表明して見せた。
「そうかい。それじゃあ精々、その時まで後ろには気を付ける事だね」
捨て言葉染みた台詞を一言吐き、シュライバーは悟空に背を向ける。
どこか含みを感じさせるその言葉に悟空は疑問を抱き、どういう意味だと問いかける。
だが、狂える白騎士が素直に答える筈もなく、隠された真意は伝えられない。
他の事なんて考えている暇があったら、僕との戦争に集中しろ。それが彼の答えだった。
どこか含みを感じさせるその言葉に悟空は疑問を抱き、どういう意味だと問いかける。
だが、狂える白騎士が素直に答える筈もなく、隠された真意は伝えられない。
他の事なんて考えている暇があったら、僕との戦争に集中しろ。それが彼の答えだった。
「……ま、確かにな。でも、これだけは教えろよ」
────悟飯の奴は、強かっただろ。
問いかけた孫悟空の表情は、子供の顔では断じてない。息子を誇る父の顔をしていた。
それを見ていると、眼帯に包まれた眼窩から何かがドロリと溢れそうな感覚を覚え。
白狼は問われてから一拍の間を置いて、吼えるように問いに答える。
問いかけた孫悟空の表情は、子供の顔では断じてない。息子を誇る父の顔をしていた。
それを見ていると、眼帯に包まれた眼窩から何かがドロリと溢れそうな感覚を覚え。
白狼は問われてから一拍の間を置いて、吼えるように問いに答える。
「……あぁ、君の息子も、この島の劣等共に比べれば大分“マシ”ではあったね」
もっとも、それだけに失望させられたけど。
続いたその言葉は凶獣の胸の内に留まり、伝えられることは無い。
結局、息子が今どんな状況に置かれているのか父は知る事無く、突風が吹いて。
焔を伴い吹き抜けた風が止まった時には、ウォルフガング・シュライバーは姿を消していた。
続いたその言葉は凶獣の胸の内に留まり、伝えられることは無い。
結局、息子が今どんな状況に置かれているのか父は知る事無く、突風が吹いて。
焔を伴い吹き抜けた風が止まった時には、ウォルフガング・シュライバーは姿を消していた。
【A-4/1日目/昼】
【ウォルフガング・シュライバー@Dies Irae】
[状態]:疲労(大)、形成使用不可(日中まで)、創造使用不可(真夜中まで)、
欲求不満(大)、イライラ
[装備]:モーゼルC96@Dies irae、修羅化身グランシャリオ@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本方針:皆殺し。
0:銃を探す。
1:敵討ちをしたいのでルサルカ(アンナ)を殺す。
2:創造が使用可能になり次第孫悟空を殺す。孫悟飯?誰だっけ。
3:ブラックを探し回る。途中で見付けた参加者も皆殺し。
4:ガッシュ、一姫、さくら、ガムテ、無惨、沙都子、カオス、日番谷は必ず殺す。
5:ザミエルには失望したよ。
6:黒円卓の聖遺物を持っている連中は、更に優先して皆殺しにする。
7:でかい女(シャーロット・リンリン)を見つけ出し、喧嘩を売って殺す。
8:どいつもこいつも雁首揃えて聖遺物を盗まれやがって、まともなのは僕だけか?
[備考]
※マリィルートで、ルサルカを殺害して以降からの参戦です。
※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
※形成は一度の使用で12時間使用不可、創造は24時間使用不可
※グランシャリオの鎧越しであれば、相手に触れられたとは認識しません。
[状態]:疲労(大)、形成使用不可(日中まで)、創造使用不可(真夜中まで)、
欲求不満(大)、イライラ
[装備]:モーゼルC96@Dies irae、修羅化身グランシャリオ@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本方針:皆殺し。
0:銃を探す。
1:敵討ちをしたいのでルサルカ(アンナ)を殺す。
2:創造が使用可能になり次第孫悟空を殺す。孫悟飯?誰だっけ。
3:ブラックを探し回る。途中で見付けた参加者も皆殺し。
4:ガッシュ、一姫、さくら、ガムテ、無惨、沙都子、カオス、日番谷は必ず殺す。
5:ザミエルには失望したよ。
6:黒円卓の聖遺物を持っている連中は、更に優先して皆殺しにする。
7:でかい女(シャーロット・リンリン)を見つけ出し、喧嘩を売って殺す。
8:どいつもこいつも雁首揃えて聖遺物を盗まれやがって、まともなのは僕だけか?
[備考]
※マリィルートで、ルサルカを殺害して以降からの参戦です。
※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
※形成は一度の使用で12時間使用不可、創造は24時間使用不可
※グランシャリオの鎧越しであれば、相手に触れられたとは認識しません。
もぐもぐもぐ、ごくん。
むぐむぐむぐ、ごくん。
むぐむぐむぐ、ごくん。
「それで、仕留められたのか?」
「いんや、でもこれで彼奴はオラに狙いを絞るだろうな」
「いんや、でもこれで彼奴はオラに狙いを絞るだろうな」
無事カルデアに戻り、案内された食堂にて。
食糧庫から見つかった、何の肉からできているか分からない巨大ハムを貪りながら。
孫悟空は待っていたリルトットと先ほどの戦闘の顛末を伝えていた。
食糧庫から見つかった、何の肉からできているか分からない巨大ハムを貪りながら。
孫悟空は待っていたリルトットと先ほどの戦闘の顛末を伝えていた。
「いたいのいたいの、とんでけー」
悟空の背後では小恋が悟空の負った傷や痣に手を添えて、おまじないをかけている。
傷の回復効果は痛みが退くくらいで、痣や傷跡はそのままだったけれど。
疲労については大分マシになり、小恋の治療のお陰で幾ばくかの余裕もできた。
更に界王拳の倍率で三倍までなら、疲弊も抑えられることが分かったのは収穫だったといえるだろう。
傷の回復効果は痛みが退くくらいで、痣や傷跡はそのままだったけれど。
疲労については大分マシになり、小恋の治療のお陰で幾ばくかの余裕もできた。
更に界王拳の倍率で三倍までなら、疲弊も抑えられることが分かったのは収穫だったといえるだろう。
「ふふー、みのりちゃんやヒメみたいにチューはしてあげられないけど……
おまじないでごくうおにいちゃんがげんきになるなら、小恋がんばる!」
「おう、サンキュー小恋。おめぇのお陰で助かってる」
おまじないでごくうおにいちゃんがげんきになるなら、小恋がんばる!」
「おう、サンキュー小恋。おめぇのお陰で助かってる」
褒められてえっへんと得意げに手を腰に添えて、平たい胸を張る小恋。
猿野郎が正面を向いてるからいいが、お前色々見えそうになってるぞ。
リルはそんな思いを抱くが、口に出すことはせずに。それよりももっと重要な事を尋ねた。
猿野郎が正面を向いてるからいいが、お前色々見えそうになってるぞ。
リルはそんな思いを抱くが、口に出すことはせずに。それよりももっと重要な事を尋ねた。
「テメェが狙われるのはどーでもいいが、ちゃんと勝てんのか?」
「んー……もっと早くなるって言ってたからなぁ……」
「んー……もっと早くなるって言ってたからなぁ……」
自分も超サイヤ人と言う奥の手がある物の。
超サイヤ人になった所で、シュライバーもまた速さが更に上がるというのなら。
結局の所、速度差は如何ともしがたいのではないか。
それに加えて、今回使った手段はもう通用しないだろう。
そして今の所、圧倒的な速度差を埋める手段は思いついていない。
超サイヤ人になった所で、シュライバーもまた速さが更に上がるというのなら。
結局の所、速度差は如何ともしがたいのではないか。
それに加えて、今回使った手段はもう通用しないだろう。
そして今の所、圧倒的な速度差を埋める手段は思いついていない。
「ど……どうすっかな………」
「おいおい、泥船に乗るつもりはねーぞ」
「おいおい、泥船に乗るつもりはねーぞ」
歯に衣着せぬ物言いをしながらも、リルも追及はしない。
あれだけの霊圧量と、そして孫悟空の話通りの速度の持ち主ならば。
ユーハバッハの聖別により,、滅却師完聖体になれない現在の自分では手に負えない相手だ。
加えて友好的かつ孫悟空並みの戦力が早々見つかるとも思えない。
その為、今ここで見切りをつけるという選択肢は彼女にはなかった。
無論このまま対抗手段が無いようなら、再びシュライバーとやらが襲ってきた時は、
悟空を前に蹴り出してさっさと逃げる腹積もりではあるが。
あれだけの霊圧量と、そして孫悟空の話通りの速度の持ち主ならば。
ユーハバッハの聖別により,、滅却師完聖体になれない現在の自分では手に負えない相手だ。
加えて友好的かつ孫悟空並みの戦力が早々見つかるとも思えない。
その為、今ここで見切りをつけるという選択肢は彼女にはなかった。
無論このまま対抗手段が無いようなら、再びシュライバーとやらが襲ってきた時は、
悟空を前に蹴り出してさっさと逃げる腹積もりではあるが。
(んなことになる前に、さっさと首輪の外し方とやらを教えて貰いたいもんだな)
悟空を切って逃げるという選択肢は、リルにとっても余り望ましくない。
特記戦力並みのこの男が勝てない相手にリルは勝てないだろうし、逃げるにも限界がある。
三日以内には禁止エリアに追い立てられ、接敵は避けられなくなるだろうから。
願わくば、そうなる前に首輪を外してこんな島から早急におさらばしたい。
そのために、もう一度悟空の意志を確認する。
特記戦力並みのこの男が勝てない相手にリルは勝てないだろうし、逃げるにも限界がある。
三日以内には禁止エリアに追い立てられ、接敵は避けられなくなるだろうから。
願わくば、そうなる前に首輪を外してこんな島から早急におさらばしたい。
そのために、もう一度悟空の意志を確認する。
「……浮かねぇ顔をしてるが、このままここで待つって事でいいんだな?」
リルの目には、悟空の瞳の奥には何か気がかりな事がある様に映った。
それ故に出た方針の確認。
尋ねられた悟空はブチリとかみ千切ったハムを嚥下し、短く「あぁ」と答えた。
それ故に出た方針の確認。
尋ねられた悟空はブチリとかみ千切ったハムを嚥下し、短く「あぁ」と答えた。
──悟飯の事は気になるけど、ネモ達が無事なら下手にここを動く訳にゃいかねぇ。
シュライバーの含みを感じさせる物言いは気になった。
彼や黒衣の女(リーゼロッテ)の様に油断ならない相手はこの島に確かにいる。
だが、それでも……戦闘で悟飯が遅れを取るとは悟空には思えなかった。
何しろこの島にいる悟飯は、セルを倒した時の全盛期の悟飯である可能性が高いのだから。
悟飯の戦闘時の慢心する性質で何かシュライバーの不興を買ったのか。
それとも、他に何か予期せぬアクシデントが起きたのか。
起きたとして、その深刻さはどの程度の物なのか。情報が殆ど無かった。
情報が殆どない以上、これまで出会った参加者の実力から悟飯の安否を推測する他ないが、
そうなるとやはり悟飯を本気で追い詰められる参加者がいるとは考えづらかった。
懸念すべきは、黒衣の女のような狡猾な者からの不意打ち位のものだ。
彼や黒衣の女(リーゼロッテ)の様に油断ならない相手はこの島に確かにいる。
だが、それでも……戦闘で悟飯が遅れを取るとは悟空には思えなかった。
何しろこの島にいる悟飯は、セルを倒した時の全盛期の悟飯である可能性が高いのだから。
悟飯の戦闘時の慢心する性質で何かシュライバーの不興を買ったのか。
それとも、他に何か予期せぬアクシデントが起きたのか。
起きたとして、その深刻さはどの程度の物なのか。情報が殆ど無かった。
情報が殆どない以上、これまで出会った参加者の実力から悟飯の安否を推測する他ないが、
そうなるとやはり悟飯を本気で追い詰められる参加者がいるとは考えづらかった。
懸念すべきは、黒衣の女のような狡猾な者からの不意打ち位のものだ。
…もしこの時、悟飯を襲った災厄を正しく認知していれば。
彼はもしかすれば息子を探すことに全力を挙げていたかもしれない。
彼はもしかすれば息子を探すことに全力を挙げていたかもしれない。
(……放送を聞けば、悟飯が生きてるかどうかも分かる、か)
まぁ万が一。無いとは思うが。
念のため、最悪の想定をしておくべきかもしれない。
だが、その場合であってもここから脱出すればドラゴンボールで巻き返せる。
故に優先順位は脱出。そのために必要な人材であるネモの優先度は下げられない。
念のため、最悪の想定をしておくべきかもしれない。
だが、その場合であってもここから脱出すればドラゴンボールで巻き返せる。
故に優先順位は脱出。そのために必要な人材であるネモの優先度は下げられない。
───大丈夫だ。その間に死んじまった奴は、ドラゴンボールで必ず生き返らせる。
そう。そう言ったからには、脱出を何より最優先すると言ったからには。
例え実の息子であったとしても、特別扱いはできない。
自分の息子だけ依怙贔屓をする様な真似をすれば、信用を失う事になるだろうし。
悟飯の捜索を優先した結果、ネモ達を死なせるような事になれば目も当てられない。
情報の発信源が狂人シュライバーである以上、杞憂である可能性も大いにあるのだから。
だから彼は澱のように胸の奥に沈殿する感情を、理性で蓋をした。
例え実の息子であったとしても、特別扱いはできない。
自分の息子だけ依怙贔屓をする様な真似をすれば、信用を失う事になるだろうし。
悟飯の捜索を優先した結果、ネモ達を死なせるような事になれば目も当てられない。
情報の発信源が狂人シュライバーである以上、杞憂である可能性も大いにあるのだから。
だから彼は澱のように胸の奥に沈殿する感情を、理性で蓋をした。
(悟飯……でぇじょうぶだとは思うけどよ。オラと会うまで、無事でいろよ)
……全てを放り投げて息子の元へと駆けつけるには。
孫悟飯と言う少年は余りにも強く。
そして孫悟空という男には、守らなければならない者が余りにも多かった。
孫悟飯と言う少年は余りにも強く。
そして孫悟空という男には、守らなければならない者が余りにも多かった。
【C-2 人理継続保証機関フィニス・カルデア/1日目/昼】
【孫悟空@ドラゴンボールGT】
[状態]:右肩に損傷(中)、ダメージ(小)、界王拳の反動(小)、悟飯に対する絶大な信頼と期待とワクワク
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み)、首輪の解析データが記されたメモ
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。
1:首輪の解析を優先。悟飯ならこの殺し合いを止めに動いてくれてるだろ。
2:悟飯を探す。も、もしセルゲームの頃の悟飯なら……へへっ。
3:ネモに協力する。カルデアに向かいネモと合流する。
4:カオスの奴は止める。
5:しおも見張らなきゃいけねえけど、あんま余裕ねえし、色々考えとかねえと。
6:リルと小恋もカルデアに連れていく。脱出計画の全容を伝えるのはネモと合流後。
7:シュライバーを警戒する。リーゼロッテを警戒する。
8:悟飯……?
[備考]
※参戦時期はベビー編終了直後。
※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
※SSは一度の変身で12時間使用不可、SS2は24時間使用不可。
※SS3、SS4はそもそも制限によりなれません。
※瞬間移動も制限により使用不能です。
※舞空術、気の探知が著しく制限されています。戦闘時を除くと基本使用不能です。
※記憶を読むといった能力も使えません。
※悟飯の参戦時期をセルゲームの頃だと推測しました。
※ドラゴンボールについての会話が制限されています。一律で禁止されているか、優勝狙いの参加者相手の限定的なものかは後続の書き手にお任せします。
※界王拳使用時のハンデの影響を大まかに把握しました。三倍までなら軽めの反動で使用できます。
[状態]:右肩に損傷(中)、ダメージ(小)、界王拳の反動(小)、悟飯に対する絶大な信頼と期待とワクワク
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み)、首輪の解析データが記されたメモ
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。
1:首輪の解析を優先。悟飯ならこの殺し合いを止めに動いてくれてるだろ。
2:悟飯を探す。も、もしセルゲームの頃の悟飯なら……へへっ。
3:ネモに協力する。カルデアに向かいネモと合流する。
4:カオスの奴は止める。
5:しおも見張らなきゃいけねえけど、あんま余裕ねえし、色々考えとかねえと。
6:リルと小恋もカルデアに連れていく。脱出計画の全容を伝えるのはネモと合流後。
7:シュライバーを警戒する。リーゼロッテを警戒する。
8:悟飯……?
[備考]
※参戦時期はベビー編終了直後。
※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
※SSは一度の変身で12時間使用不可、SS2は24時間使用不可。
※SS3、SS4はそもそも制限によりなれません。
※瞬間移動も制限により使用不能です。
※舞空術、気の探知が著しく制限されています。戦闘時を除くと基本使用不能です。
※記憶を読むといった能力も使えません。
※悟飯の参戦時期をセルゲームの頃だと推測しました。
※ドラゴンボールについての会話が制限されています。一律で禁止されているか、優勝狙いの参加者相手の限定的なものかは後続の書き手にお任せします。
※界王拳使用時のハンデの影響を大まかに把握しました。三倍までなら軽めの反動で使用できます。
【リルトット・ランパード@BLEACH】
[状態]:健康、銀髪(グレーテル)に対する嫌悪感(中)
[装備]:可楽の団扇@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品一式、トーナツの詰め合わせ@ONE PIECE、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:脱出優先。殺し合いに乗るかは一旦保留。
0:悟空と共にカルデアに向かう。
1:チビ(小恋)と行動。機を見て悟空達に押し付ける。
2:首輪を外せる奴を探す。ネモって奴が有力か?
3:十番隊の隊長(日番谷)となら、まぁ手を組めるだろうな。
4:あの痴女(ヤミ)には二度と会いたくない、どっかで勝手にくたばっとけ。
5:銀髪にはイカレた奴しかいねぇのか?
[備考]
※参戦時期はノベライズ版『Can't Fear Your Own World』終了後。
※静血装で首輪周辺の皮膚の防御力強化は不可能なようです。
[状態]:健康、銀髪(グレーテル)に対する嫌悪感(中)
[装備]:可楽の団扇@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品一式、トーナツの詰め合わせ@ONE PIECE、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:脱出優先。殺し合いに乗るかは一旦保留。
0:悟空と共にカルデアに向かう。
1:チビ(小恋)と行動。機を見て悟空達に押し付ける。
2:首輪を外せる奴を探す。ネモって奴が有力か?
3:十番隊の隊長(日番谷)となら、まぁ手を組めるだろうな。
4:あの痴女(ヤミ)には二度と会いたくない、どっかで勝手にくたばっとけ。
5:銀髪にはイカレた奴しかいねぇのか?
[備考]
※参戦時期はノベライズ版『Can't Fear Your Own World』終了後。
※静血装で首輪周辺の皮膚の防御力強化は不可能なようです。
【鈴原小恋@お姉さんは女子小学生に興味があります。】
[状態]:精神的疲労(中)、チユチユの実の能力者。
[装備]ブラック・マジシャン・ガールのコスプレ@現地調達
[道具]:なし
[思考・状況]
基本方針:みのりちゃんたちのところにかえる。
1:おねえちゃん(リル)といっしょにいる。
2:おにいちゃん(悟空)とおねえちゃんとカルデアをたんけんする。
[備考]
※参戦時期は原作6巻以降。
※チユチユの実の能力者になりました。
※カナヅチになった事を知りません、また、能力についても殆ど把握していません。
※能力も発現仕立てなので、かなり未発達でムラがあります。
[状態]:精神的疲労(中)、チユチユの実の能力者。
[装備]ブラック・マジシャン・ガールのコスプレ@現地調達
[道具]:なし
[思考・状況]
基本方針:みのりちゃんたちのところにかえる。
1:おねえちゃん(リル)といっしょにいる。
2:おにいちゃん(悟空)とおねえちゃんとカルデアをたんけんする。
[備考]
※参戦時期は原作6巻以降。
※チユチユの実の能力者になりました。
※カナヅチになった事を知りません、また、能力についても殆ど把握していません。
※能力も発現仕立てなので、かなり未発達でムラがあります。
110:ルサルカ・シュヴェーゲリンの受難 | 投下順に読む | 112:狂気と惨劇の舞台へ |
時系列順に読む | ||
094:Ave Maria | 孫悟空 | 122:人は大抵、何かの途中で終わってしまうものだけど/夢は夢で終われない |
リルトット・ランパード | 136:深海から、天へと至る戦い | |
鈴原小恋 | ||
104:僕は真ん中 どっち向けばいい? | ウォルフガング・シュライバー | 121:INSANE |
102:澆季溷濁(前編) | シャルティア・ブラッドフォールン | 126:次回「城之内死す」デュエルスタンバイ! |