ダンゲロスSS上海
あの伝説の探検隊が帰ってきた! アマゾン奥地1500km! 上海の密林に 謎の観光客 Sちゃんは実在した!
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のちに新作映画発表会で起こった事件について、当時、取材のために居合わせた客の一人はこう語っている。
「生きた心地がしなかったね。まさかあんな事件に巻き込まれるとは」
「なんだか自分がジェット・ワンの映画に出演しているような気分でしたね。突然周囲の一帯の空間が、アマゾンっぽく変貌していくんですよね。怖くないですか?うんことアマゾンの一大スペクタクル。終わってみるといい経験だった気もするけどもう一度体験してみたいかと言われたら二度とごめんですね」
「彼らは本当に救世主だった。太可愛了。僕から言えるのはそれだけだよ――――」
■■■■
昼の日差しが煌々と近代的なビルが建ち並ぶ上海の街を照らしている。近年の中国の爆発的な発展を象徴するようなコンクリートジャングル。
その中に存在する上海を代表する高級ホテル。上海殺戮ホテル。
上海の歴史あるこのホテルは百年節の一環として組み込まれた目玉イベントの一つ名アクションスター、ジェット・ワンの5年ぶり新作発表会の会場であった。
その中に存在する上海を代表する高級ホテル。上海殺戮ホテル。
上海の歴史あるこのホテルは百年節の一環として組み込まれた目玉イベントの一つ名アクションスター、ジェット・ワンの5年ぶり新作発表会の会場であった。
黒塗りの高級車が次々とホテルのエントランスに到着する。
車から降りてくるのは中国各地から集まった有力者達。豪勢な衣装に身を包んだセレブ達。その中には当然、魔幇に近い者も存在する。
真っ赤なカーペットが敷かれたエントランスではスーツに身を包んだ男達が無線で連絡を取り合っている。
取材に来たマスコミの一部がその光景を写真に収めようとフラッシュを焚いた。
車から降りてくるのは中国各地から集まった有力者達。豪勢な衣装に身を包んだセレブ達。その中には当然、魔幇に近い者も存在する。
真っ赤なカーペットが敷かれたエントランスではスーツに身を包んだ男達が無線で連絡を取り合っている。
取材に来たマスコミの一部がその光景を写真に収めようとフラッシュを焚いた。
そして、カルミア・チャムリーもまた護衛である喬芽芽と共にこのホテルに訪れていた。
新作発表会の主役であるジェット・ワンが清王朝のダイヤの情報を持っている。
その情報を元に彼に接触するためにホテルにやってきたのであった。
その情報を元に彼に接触するためにホテルにやってきたのであった。
カムリアの乗る高級車がエントランスに滑り込む。後部座席のドアが開き、中から安全を確かめながら、芽芽が降りてくる。その後カルミアが降りてくる。
二人は真っ赤なカーペットが敷かれた通路を進んでいく。香港の有力者である彼女は、会場にVIP待遇で入場することができた。
二人は真っ赤なカーペットが敷かれた通路を進んでいく。香港の有力者である彼女は、会場にVIP待遇で入場することができた。
そして、ホテルのエントランスで支配人が彼女を出迎えた。
「カルミア様ですね」
「ええ」
「ええ」
カルミアが支配人に恭しく会釈を返す。
「そちらの方は?」
支配人が値踏みするようにカルミアの同行者の姿を見る。
ピンクのグラデーションヘアで地雷系ファッションに身を包んだ美少女はVIPの同行者として浮いている。
彼が怪訝に思うのも無理はないだろう。
「護衛ですわ。最近上海は物騒ですもの」
「ダイヤの問題ですな。この魔都上海で魔幇に逆らうものがいるとは命知らずもいたものです」
「まったくですわね」
ピンクのグラデーションヘアで地雷系ファッションに身を包んだ美少女はVIPの同行者として浮いている。
彼が怪訝に思うのも無理はないだろう。
「護衛ですわ。最近上海は物騒ですもの」
「ダイヤの問題ですな。この魔都上海で魔幇に逆らうものがいるとは命知らずもいたものです」
「まったくですわね」
カルミアは支配人としばらく会話した後、玄関に進んでいった。
ガラス張りの自動ドアが開くと温かなホテル内部の空気がカルミアの方へ流れ出る。
中には煌びやかな空間が二人を待っていた。
ガラス張りの自動ドアが開くと温かなホテル内部の空気がカルミアの方へ流れ出る。
中には煌びやかな空間が二人を待っていた。
□□□□
ホテルのロビー。上空では豪奢なシャンデリアが室内を照らし出し、革張りのソファでは休憩する人々の姿が散見されている。
カルミアと共に並んでロビーを歩く芽芽はポケットから小さな手鏡を取り出し、自分の髪を整える。ツインテールの髪が一緒に揺れている。
カルミアと共に並んでロビーを歩く芽芽はポケットから小さな手鏡を取り出し、自分の髪を整える。ツインテールの髪が一緒に揺れている。
「よくやりますわね」
カルミアは呆れたように呟いた。
こんな厳戒下のホテルで刺客が襲ってくる可能性は低いかもしれないが、緊張感に欠けているように感じる。
こんな厳戒下のホテルで刺客が襲ってくる可能性は低いかもしれないが、緊張感に欠けているように感じる。
「かわいいは一日にしてならず。私は世界一かわいいけど、それは努力しない理由にはならないわ」
もちろんゴミにまみれてたって芽芽はかわいい。だが、それはよりカワイイを追求しない理由にはならない。
「私ほどじゃないけど、貴女だってかわいいんだから貴女も努力すべきだと思うわ。いえ違うわね。須く全ての人類は私を目指して努力するべきなのよ」
傲慢にもほどがある言葉を自信満々に言う芽芽。
「それにこれは便利よ。振り向かなくても後ろが見えるんだもの」
鏡を指差す。髪を整えると同時に背後に刺客がいないか鏡越しに見ていたのだ。
「髪を整えていただけはありませんでしたのね」
「ふふん、当然。言っているでしょう。大船に乗った気分でいればいいの。貴方を守っているのは世界一の美少女なんだから」
「ふふん、当然。言っているでしょう。大船に乗った気分でいればいいの。貴方を守っているのは世界一の美少女なんだから」
芽芽が首元のチョーカーのハートを指で弾き、自信満々に胸を張っていう。
するととある声が聞こえてきた。
「へえ世界一の美少女たぁ吹かすじゃねぇか。俺の連れのタオマオの魅力には流石に及ばねぇと思うがな。」
声がした方にいたのは郭 亀岩と桃猫であった。彼らも逃亡生活を続ける中で、ここに清王朝のダイヤの情報があると聞きつけてホテルにやってきたのだった。
「面白いことを言うわね、貴方」
芽芽が聞き捨てならないとばかりに亀岩の言葉に反応し、彼に詰め寄る。
普段なら他者のかわいさにまつわる発言は嫉妬による戯言だろうと聞き流すのだが、自分よりかわいいといわれると黙っていられなかった。
普段なら他者のかわいさにまつわる発言は嫉妬による戯言だろうと聞き流すのだが、自分よりかわいいといわれると黙っていられなかった。
「私以上に魅力的な美少女ですって?」
「ああそうさ」
「ああそうさ」
亀岩が桃猫を指さす。芽芽がそちらの方を見た。
「そんな」
芽芽が桃猫の姿を見て衝撃を受けたようにその場に立ち尽くした。
彼女の顔は信じられないものを見た
彼女の顔は信じられないものを見た
「そこにいるのは私・・・・・・?」
ピンクのグラデーションヘア、黒とピンクのフリルワンピース、厚底ブーツ。
芽芽には桃猫の姿が自分自身に見えたのだった。
「いえ、私にはアレはダイヤに見えますわね。輝き、色、美しさ。まるで清王朝のダイヤ」
芽芽の隣にいたカルミアが芽芽の言葉を否定するようにいった。
「ボスの推測じゃ、タオマオはあいつを見たやつが真に欲するものを映し出すらしい。まあ、オレはこいつがオレ好みの最高の美少女だってことは疑っていないがな」
亀岩が所属する【点心會】のボス、嗣信の推測によれば、桃猫は彼女を見た者にその人物が真に欲するものを彼女に映し出す。
自分を世界で一番カワイイと信じる喬芽芽がそこに映し出したものは彼女自身であった。
それはギリシャ神話のナルキッソスが湖面に映った自分自身に恋をしたように、芽芽が一番に欲するものもまた自分自身であったのだ。
自分を世界で一番カワイイと信じる喬芽芽がそこに映し出したものは彼女自身であった。
それはギリシャ神話のナルキッソスが湖面に映った自分自身に恋をしたように、芽芽が一番に欲するものもまた自分自身であったのだ。
「ええ認めざるを得ないわね。貴方の連れがカワイイと言うことは」
桃猫の姿が自分自身である以上、桃猫がカワイイということを否定することは困難だ。
だが―――
だが―――
「けど、姿形をまねしただけで、本当に最高の美少女かしら。それ以外も最高なのがカワイイ美少女じゃないかしら」
髪を払いながら芽芽が言った。珍しくライバルになりそうな人物が現れ、彼女の瞳は燃えていたのであった。
「俺の連れのタオマオは外見以外も最高だ。お前こそ」
亀岩が芽芽に反論する。出会ってから大して期間も経ってない彼が桃猫のことをどれぐらい知っているのかと思わないでもないが、芽芽もカルミアもそのことは特に知らないので誰もツッコまなかった。
「上等じゃない!!だったら勝負よ!ここでどっちが本物の美少女か、決着つけるわよ!」
「やってやろうじゃねえか!!」
「やってやろうじゃねえか!!」
こうして、桃猫本人の意思を置き去りにして、ホテルのロビーで芽芽と桃猫による美少女対決が始まった。
最初こそ少し渋っていたが、だんだんノリノリになっていく桃猫。当然のように美少女アピールを始める芽芽。
二人が様々なかわいいポーズをとったり、様ザなアピールを繰り返していく。
こうして二人のバトルがエスカレートしていく。
二人が様々なかわいいポーズをとったり、様ザなアピールを繰り返していく。
こうして二人のバトルがエスカレートしていく。
カルミアは何でこんなことをしているのかと呆れるようにそれを見ていた。
最終的に決着はつかなかった。お互い負けを認めることはなかった。
「やるアルね」
「あなたこそ」
「あなたこそ」
だが、勝負の果てに二人の間に友情が芽生える。
握手を交わし、友情を確かめ合う二人。
握手を交わし、友情を確かめ合う二人。
その後、4人はひとまず協力関係を結ぶことになり、4人は新作発表会の会場に向かうことになった。
■■■■
4人は重厚で壮麗な装飾を施された木製のドアを開き、ホテルのボールルームに足を踏み入れた。
すでに記者や招待されたVIP、排泄物のような色の魔法少女などがそこには座っていた。
見るからに場違いな魔法少女の傍らにはソフトクリームのような形をした頭の妖精と、中学生らしき少年がいた。
すでに記者や招待されたVIP、排泄物のような色の魔法少女などがそこには座っていた。
見るからに場違いな魔法少女の傍らにはソフトクリームのような形をした頭の妖精と、中学生らしき少年がいた。
「ジェット・ワンの新作楽しみですね」
「ええ、彼のアクションは素晴らしいですからね」
「ええ、彼のアクションは素晴らしいですからね」
今回の発表会への期待を口にする観衆達。
遅れて部屋に入場してきたカルミアたちも、用意されていたVIP席に座る。亀岩達も護衛ということにして一緒だ。桃猫はあまり目に触れないよう、動いていた、
遅れて部屋に入場してきたカルミアたちも、用意されていたVIP席に座る。亀岩達も護衛ということにして一緒だ。桃猫はあまり目に触れないよう、動いていた、
「レディィィィィース&ジェントルメェェン!皆様、今日はようこそお越し下さいました!!」
巨大なスクリーンを背景に、司会者が壇上で高らかと発表会の開幕を宣言した。
息を呑むざわめきが、ボールルームの天井に反響する。
息を呑むざわめきが、ボールルームの天井に反響する。
「それでは早速本日の主役にご登場願いましょう。ジェェェェェェッッッツト・ワァァァァァン!!」
その直後、会場の照明が全て落とされる。
そして、暗闇に包まれた部屋の中、スポットライトが一人の男を照らし出した。
そして、暗闇に包まれた部屋の中、スポットライトが一人の男を照らし出した。
一瞬の沈黙の後、熱気に満ちた室内に主役が部屋中を揺らすような喝采と共に迎えられる。大量のフラッシュが夜空に煌めく星々のように瞬き、シャッター音が雨のように降り注ぐ。
上海を代表するスーパースター、ジェット・ワン。
映画を知るものであれば、誰もが彼のことを知っていた。
今やブルース・リーやジャッキー・チェンに比肩するともいわれる上海の生きる伝説。
タキシードの上からでも分かる鍛え抜かれた筋肉は、上海大賽の参加者にすら見劣りはしないだろう。
幼少期から京劇や中国武術を学び、その肉体に裏打ちされたスタントを用いない多彩なアクションは世界的に評価されている。
映画を知るものであれば、誰もが彼のことを知っていた。
今やブルース・リーやジャッキー・チェンに比肩するともいわれる上海の生きる伝説。
タキシードの上からでも分かる鍛え抜かれた筋肉は、上海大賽の参加者にすら見劣りはしないだろう。
幼少期から京劇や中国武術を学び、その肉体に裏打ちされたスタントを用いない多彩なアクションは世界的に評価されている。
5年もの間沈黙を保ってきた彼が、新しい映画を作るというのだ。
世界中がこの発表会に注目した。ダイヤの騒動がなければ上海の話題はこれ一色であったであろう。
世界中がこの発表会に注目した。ダイヤの騒動がなければ上海の話題はこれ一色であったであろう。
ジェット・ワンは右手をあげ、観客席の方に手を振る。靴音とともに彼は司会者が待つ壇上に向かっていった。
「みなさん。今日はオレのために集まってくれてありがとう」
ジェット・ワンがその場にいる観衆に向かって語り始めた。
「今回の映画『アマゾンハンター』はアマゾンを舞台にした新作だ。作品をプロデュースしてくれるのは俺の盟友。物語は武術を極めた達人がアマゾンに挑み、数々の脅威を乗り越えた後、秘宝を手にする」
背後のスクリーンに劇しい光や緑色の稲妻の走る演出とともに「亚马逊猎人」のロゴとアマゾンをバックにポーズを構えるジェット・ワンの姿が大きく映し出される。
「今回の作品はオレのキャリアの中でも本当に危険なミッションだった。アマゾンの奥地で数多くの危険なスタントを敢行した。全て本物だ。CGなんて全く使っちゃいない」
同時にスクリーンに映し出される映画のワンシーン。ジェット・ワンがアマゾン川の急流を船で進みながら秘宝を狙うライバルと戦う迫力のある映像。
ジェット・ワンの演説に聴衆は聴き入っていた。時折カメラマンのフラッシュの音が聞こえてくる。
もはや映画の成功は約束されている。聴衆はそう感じていた。
異変が起こったのはそんな空気の最中であった。
もはや映画の成功は約束されている。聴衆はそう感じていた。
異変が起こったのはそんな空気の最中であった。
「おい、何か変じゃないか?」
観衆の一人が不審な薫りを感じ、違和感を口にする。
室内だというのに、何故か森の中にいるような土や腐葉土の香りがどこからともなく漂ってきたのだ。なんとなく扉の外からのように感じる。
室内だというのに、何故か森の中にいるような土や腐葉土の香りがどこからともなく漂ってきたのだ。なんとなく扉の外からのように感じる。
「ホテルによる、何らかの演出でしょうか?アマゾンが舞台であるという話ですし」
「ならいいのですが」
「ならいいのですが」
不穏な空気が瀰漫する中、彼らは訝しんだが、それ以上追求しなかった。
結果的にみれば、それは間違いだった。
結果的にみれば、それは間違いだった。
それが現れたのはジェット・ワンのスピーチも佳境に差し迫るその時だった。
「レッツアマゾン!アマゾンの財宝!ゲットだぜー!」
威勢のいい大きな声と勢いよく扉が開く音とともにそこに立っていたのは、濃灰色のショートヘアで褐色肌の少女Sちゃんであった。
スピーチ中のジェット・ワンや聴衆が何事かとそちらの方へ顔を向ける。
「アマゾン最高!!みんなもアマゾンを体験するべきです!」
瞳を輝かせながらそういった彼女の言葉を合図として、それは始まった。
床の継ぎ目から、緑色の蔦がにょきにょきと生えてきて葉を広げる。そのまま床を突き破り、聴衆の一人に巻き付いていった。
「な、なんだ」
映画のような光景に現実感を失った観衆が呆然としたまま、異変を見つめていた。
壁の装飾がどこのものともしれない古代文明の遺跡の彫刻のように変化していく。地面から突如生えてきた大樹がボールルームの天井を突き破った。どこからともなく得体の知れない生物の鳴き声が聞こえてくる。
「きゃああああああああああああああ!」
ついに客席から悲鳴が上がった。突如現れた大自然の驚異から逃げ纏う客達。
これが全てSちゃんの能力『百年節スペシャル魔都アマゾン探検隊シリーズ』に引き起こされた現象であった。
彼女の能力は本来、わからないことや謎がある発言をトリガーに、Sちゃんと発言者や周囲の人間を異空間のアマゾンに引きずり込む能力なのだが、暴走した結果なぜかこうなっていた。
能力はさらに部屋を滔滔と浸食し、アマゾンに作り変えていく。壁や床からは見たこともないような鬱蒼とした植物が茂り、どこからともなく現れた謎の怪生物たちが乱入していく。
まず最初に飛び出してきたのはアマゾンバイオゴリラの集団だ。
一般的なバイオゴリラと違って、ジャングルでなくアマゾンの掟に従って襲いかかってくるが行動原理は大して変らないぞ。
一般的なバイオゴリラと違って、ジャングルでなくアマゾンの掟に従って襲いかかってくるが行動原理は大して変らないぞ。
さらにアマゾンシャンハイガニ、アマゾンジャイアントパンダ、アマゾンオオダヌキ、アマゾンフタコブラクダ、アマゾンブルードラゴン、アマゾンライダー(バイクに乗ったモヒカンザコ)、などのアマゾン固有種が次から次へ現れたのだ。
アマゾン怪生物を前に混乱する客達を横目に、Sちゃんは満足気な笑顔で、突如その場に現れた謎の祭壇の上でその場に立っていた。
「どうですかアマゾンの奥地は!最高でしょう!さあみんなもアマゾン最高と言いましょう!」
そんな中、亀岩と芽芽が動いた。
「この現象、あの子が原因みたいね」
「そうだな」
「そうだな」
二人はアイコンタクトをし、動き始める
「タオマオ!!」
まず、襲い来る敵の数の多さから桃猫を守り切れないと判断した亀岩が彼女の額に人差し指をかざし、魔人能力を発動させる。
「玄武印!!」
光は桃猫の全身を包み込み、護りの盾となった。
「下がってろ」
「わかったアル」
「わかったアル」
桃猫をかばいつつ、亀岩がにわか太極拳を構える。桃猫も下がりながら、ノリンコNP34を構えて、襲撃者に備える。【玄武印】なしでこの数と戦うのは相当分が悪いが、桃猫を守るためには仕方がない。芽芽と協力してどうにかするしかない。
「アマゾン チカラ ツヨイヤツ イキノコル」
バイオゴリラが6本の腕で威嚇するようにドラミングを行っている。
このままいけばこの場にいる全てを、バイオゴリラの拳が粉砕することになるだろう!
このままいけばこの場にいる全てを、バイオゴリラの拳が粉砕することになるだろう!
「ふーん、キュートさの欠片もないかわいくないゴリラね」
そんな荒ぶるバイオゴリラに立ち向かったのが芽芽が立ち向かう。
「アマゾン チカラ ツヨイヤツ イキノコル カワイイ ムイミ」
芽芽に襲いかかるアマゾンバイオゴリラ。
「本当にそうかしら?」
芽芽が首をかしげる様な仕草をし、ゴリラにウインクをする。
「アマゾン チカラ スベテ」
腕を大きく振りかぶり、芽芽が殴りかかるバイオゴリラ。
だが、芽芽に直撃した拳は特に手応えなく弾かれる。
だが、芽芽に直撃した拳は特に手応えなく弾かれる。
「ナニッ」
「ねっ、力が全てじゃないでしょ」
「ねっ、力が全てじゃないでしょ」
芽芽が唇の前で指を振る。
そして、芽芽はくるりとツインテールを指に巻きつけて整え、それから巻き付いたツインテールのように足を回転させて蹴った。
そして、芽芽はくるりとツインテールを指に巻きつけて整え、それから巻き付いたツインテールのように足を回転させて蹴った。
蹴られて吹っ飛んでいくバイオゴリラ。
「力が全てじゃない。カワイイが全てなの」
芽芽が首元のチョーカーのハートを指で弾き、ゴリラに告げる。
だが、バイオゴリラは一体だけではない。集団で取り囲むように襲いかかるバイオゴリラ。
ちょこんとかわいらしくステップをし、バイオゴリラの拳を回避する芽芽。
そして芽芽はその場で飛び上がり、その場で高速スピン。厚底ブーツで周囲にいた全てのバイオゴリラ達の顎を蹴り上げる。
黒とピンクのフリルが熱帯雨林に咲くラフレシアの花弁のようだった。
ちょこんとかわいらしくステップをし、バイオゴリラの拳を回避する芽芽。
そして芽芽はその場で飛び上がり、その場で高速スピン。厚底ブーツで周囲にいた全てのバイオゴリラ達の顎を蹴り上げる。
黒とピンクのフリルが熱帯雨林に咲くラフレシアの花弁のようだった。
着地と同時にスカートがふわりと浮かび上がり、それを両手で押さえつけ整える芽芽。
指にはめられた10の指輪がキラリと光った。
指にはめられた10の指輪がキラリと光った。
「必殺、プープダイナマイトォォ!」
いつの間にか席から立ち上がっていた茶色の魔法少女のステッキから大容量のうんこが勢いよく噴出した。
排泄物に埋もれるゴリラたち。
排泄物に埋もれるゴリラたち。
「私は、大地に産み落とされた、ひとつなぎのうんこ。キュアアースホール!」
うんこの魔法少女が名乗りを上げた。彼女は和夫とともに彼のお姉さんを探すためにこの新作映画発表会に参加していたのだ。
亀岩もにわか太極拳でゴリラを蹴り飛ばした。
護衛対象を守りながらアマゾン軍団をなぎ倒していく全員。
そして、ジェット・ワンもアクションで鍛えた蹴りでバイオゴリラを吹き飛ばした。
リアルなアクションスターであるジェット・ワンは当然このような敵もものともしないのだ。
リアルなアクションスターであるジェット・ワンは当然このような敵もものともしないのだ。
「うんうん、みんなアマゾンを満喫していますね」
暴走するSちゃんは目を爛々と輝かせながら言った。
すると、どこからかアマゾン大鉄球が転がってきた。インディー・ジョーンズに出てくるアレだ。一同は次から次へとゴロゴロと転がってくる球を何とか回避する。観客達やカルミアや桃猫たちも何とか逃げ切っていた。
ジェット・ワンはこの場に留まり、集まった観客達を守る旨を芽芽達に告げ、事件の解決を彼等に託した。
そんな彼らを待ち受けていたのはアマゾンモアイだ。大きく開かれた口からアマゾンレーザーが放たれた。
芽芽はレーザーを回避し、モアイを蹴り飛ばした。
「ヒャッハー!!」
「ヒャッハー!!」
「ヒャッハー!!」
次はアマゾンライダーが続々と襲いかかってきた。
アマゾンバイク力によってアマゾン化したボールルームを縦横無尽に駆け回る。
なお、Sちゃんの能力欄はSちゃんでアマゾンっぽいものが出てくると書かれており、特に現代文明の産物や人間のような存在がが排除されているわけでもないので、バイクやモヒカンが出てくることは取り立てて問題はない、
アマゾンバイク力によってアマゾン化したボールルームを縦横無尽に駆け回る。
なお、Sちゃんの能力欄はSちゃんでアマゾンっぽいものが出てくると書かれており、特に現代文明の産物や人間のような存在がが排除されているわけでもないので、バイクやモヒカンが出てくることは取り立てて問題はない、
迫りくるアマゾンライダーが棍棒を振り下ろし、火炎放射器を放とうとする。
だが、亀岩の拳銃が激発し弾丸が放たれた。アマゾンライダーを正確に撃ち抜いた。
芽芽が厚底ブーツでかわいらしくステップしながら、地面を蹴った。そして両足キックでアマゾンライダーの顔面を蹴り飛ばした。
だが、芽芽は着地に失敗してしまう。頭をこつんと叩いて、舌を出す。
その後、色々あって、芽芽が巻き添えでキュアアースホールのうんこを食らってしまった。
だが、喬芽芽は美少女である。
彼女にとってそれは何があっても揺るがない事実だ。
例え汚物にまみれたとしてもそれは変わらない。
彼女にとってそれは何があっても揺るがない事実だ。
例え汚物にまみれたとしてもそれは変わらない。
【キュートでラブリーな世界一の美少女】
それが喬芽芽が彼女自身に持った絶対的な心理。
であれば、うんこなどかわいさにおいて何するものであろうか。
であれば、うんこなどかわいさにおいて何するものであろうか。
「とはいえ、終わったら着替えないとね」
カルミアも困るでしょうしと、呟きながら、厚底ブーツでキックを放つ芽芽。吹き飛ぶアマゾン怪生物。
その後も、恐怖のアマゾン的存在の数々を退けた末、彼女たちはホテル内のアマゾンの最奥地で待ち受けるSちゃんのもとにたどり着いた。
「ふはははははははっ!アマゾンでは!戦わなければ生き残れない!アマゾンの試練を乗り越えてよくここまで来ましたね」
謎の祭壇の上でSちゃんが腕を組み、偉そうにふんぞり返っていた。
「アンタのせいで酷い目に遭ったじゃない!!なんでこんなことをしてんのよ!?」
途中でうんこ塗れになった芽芽が怒ってSちゃんに詰め寄る。
汚物にまみれても、芽芽が美少女であるという事実に疑う余地はないが、それはそれとして汚物まみれにさせられれば怒る。
汚物にまみれても、芽芽が美少女であるという事実に疑う余地はないが、それはそれとして汚物まみれにさせられれば怒る。
「魔都…つまり概ねアマゾン。ダイヤなんて血眼になって奪い合わなくてもアマゾンの奥地には全てがあります。で・す・が」
何かに取り憑かれたような目つきでSちゃんが告げる。
「愚かなみなさんは清王朝のダイヤなどというものに現を抜かしています。そんなものがアマゾンへ行くより上等なんでしょうか?そこで上海の皆様にアマゾンの奥地を体験してもらうことでアマゾンの大自然の方が清王朝のダイヤよりすばらしいんだぞと理解してもらおうと思ったのです」
動機を告げるSちゃんの輝く眼には、一片の曇りも存在しない。
「そんなふざけたことに俺の桃猫を巻き込みやがって」
「異論があるなら私を倒してみることですね」
「異論があるなら私を倒してみることですね」
その言葉とともにSちゃんが動いた。
アマゾン野伏力により、一瞬にしてカメレオンのようにアマゾンの地形に溶け込み、弓から矢を放った。
更にアマゾン怪生物がキュアアースホールと亀岩を襲う。
アマゾン野伏力により、一瞬にしてカメレオンのようにアマゾンの地形に溶け込み、弓から矢を放った。
更にアマゾン怪生物がキュアアースホールと亀岩を襲う。
放たれた矢が流星のように進む。
矢の向かう先に立っていた芽芽は、両手でハートのポーズを作ると、それを受け止めた。
矢の向かう先に立っていた芽芽は、両手でハートのポーズを作ると、それを受け止めた。
「やりますね、でもこれならどうでしょう」
Sちゃんが不適に笑った。
突如、芽芽が立っていた地面が消失した。アマゾン落とし穴だ。
突如、芽芽が立っていた地面が消失した。アマゾン落とし穴だ。
芽芽はトムとジェリーのトムみたいな動きをしたあと、落とし穴の端を掴み、なんとか這い上がる。
アマゾン怪生物をなんとか振り払い、亀岩が隙をついてにわか八極拳でSちゃんに襲いかかるが、鉈で反撃した。
その後もうんこが放たれたり、芽芽がかわいいポーズをしたり、亀岩が拳銃を撃ったり、うんこが放たれたりする、一進一退の戦闘が繰り広げられた。
だが、決着の時はついに訪れた。芽芽がハートを描くような軌道でSちゃんの顔面にキック。Sちゃんが吹っ飛び、そのまま気を失った。
■■■■
Sちゃんを倒したことで、彼女の能力は効果を失い、会場だったボールルームやホテル全域は急速に元の空間を取り戻した。
無数に現れたアマゾン空間やアマゾン怪生物は消失し、後には蹂躙の爪痕が残された部屋だけが残った。
なお、うんこはアマゾンと一切関係ないため、Sちゃんが気絶してもそこは元に戻らないぞ!
事件の終息を気に、カルミアや桃猫達がやってきた。
「うっ……芽芽、あなた着替えた方がいいですわ。かわいい服装が全部台無しですわよ」
鼻を摘まむような仕草をして、カルミアが芽芽に指摘する。
「わかってるわよ。まっ、それでも私が一番かわいいんだけど」
芽芽がカルミアに返事をした。
すると、気絶していたSちゃんが目を覚ました。
すると、気絶していたSちゃんが目を覚ました。
「はっ、どうやら私は操られていたようですね・・・私は悪くない・・・」
あまり反省していないようだったので、芽芽は指輪の金属部が当たるようにチョップをした。
頭を押さえるSちゃん。
今度は反省の弁を口にするSちゃん。
頭を押さえるSちゃん。
今度は反省の弁を口にするSちゃん。
「どうやら思いっきり蹴り飛ばしたお陰で正気に戻ったようね」
そして、芽芽にしばかれて落ち着いたSちゃんは今回の騒動の経緯について語った。
Sちゃんの話によれば、観光のために魔都上海にたどり着いて、魔都上海つまりアマゾンと浮かれていたところ、謎の人物によって、洗脳されこのような振る舞いをしていたということだった。
その謎の人物はダイヤ騒動を引き起こし、現在上海を混乱に陥れている黒幕らしい。
その謎の人物はダイヤ騒動を引き起こし、現在上海を混乱に陥れている黒幕らしい。
「Sちゃんのアマゾンに対する純粋な想いを黒幕は利用したというわけね」
「絶対に許せないぜ」
「絶対に許せないぜ」
怒りに震える一同。正気に戻ったSちゃんとダイヤの情報を得るため一行はジェット・ワンの元へ向かっう。
果たしてこれから彼らをどんな事件が待ち受けているのか?
ボールルームのスクリーンにはスタッフロールが流れていた。
劇終