ルートヴィヒ・ノイン(ルートヴィヒの九人)とは銀河帝国宰相兼皇太子ルートヴィヒ元帥が自らの派閥(皇太子派)の中で最優秀とみなした九名の将官をさす。

概略

 宇宙歴790年代、銀河帝国のルートヴィヒ皇太子は完全実力主義の信奉者であった。彼は身分や年齢に囚われず、優れた人材をどんどん抜擢した。彼の下では二階級昇進や三階級昇進も当たり前。その結果、自らの元帥府に所属する一〇〇人近い将官のほとんどは平民や下級貴族出身の若手から抜擢された。その中で最優秀の九名が「ルートヴィヒ・ノイン(ルートヴィヒの九人)」と称された。帝国軍は「ルートヴィヒ・ノイン」の勇名をしきりに喧伝した。そして、全員に流線型の艦体とワルキューレの名前を持つ新型艦を与え、どの戦場にいても目立つようにさせた。こうして、宇宙歴794年、第六次イゼルローン要塞攻防戦では自由惑星同盟軍の間で有能な敵を見ればルートヴィヒ皇太子の配下と考える習慣がいつの間にかでき上がっていた。(28話)

 しかし、「ルートヴィヒ・ノイン」の勇名は個別の戦場で小艦隊を率いて挙げられたものでしかなかった。宇宙歴795年、第三次ティアマト会戦においてはじめて一つの戦場に勢揃いした彼らは協調性の無さをさらけ出し、ラザール・ロボス元帥のもとで指揮を振るうウランフ中将、ジェフリー・パエッタ中将、クレメンス・ドーソン中将らに完敗を喫した。

 敗戦後、ルートヴィヒ皇太子は再起できぬまま暗殺で世を去り、皇太子派の花形であった「ルートヴィヒ・ノイン」は様々な運命をたどった。

構成員

テオドール・ハウサー大将 第三次ティアマト会戦の敗戦責任者として処刑。
ロルフ・オットー・ブラウヒッチ中将 収監されたのち、ローエングラム派に参加。
ヴァーゲンザイル中将 収監されたのち、ローエングラム派に参加。
カルナップ中将 収監されたのち、ローエングラム派に参加。
コッホ少将 収監されたのち、ローエングラム派に参加。
カール・グスタフ・ケンプ中将 捕虜から帰還したのち、ローエングラム派に参加。
エルラッハ中将 収監されたのち、リンダーホーフ侯爵の傘下を経て、キルヒアイス派に参加。第九次イゼルローン要塞攻防戦で戦死。
クルト・フォン・エルクスレーベン大将 収監されたのち、自由惑星同盟に亡命。第一艦隊司令官に就任するも、エルクスレーベン事件で失脚。
カール・フォン・ゾンバルト少将 収監されたのち、自由惑星同盟に亡命。ヤン提督のもとで活躍し、ヤン・ウェンリー一二星将の一人になる。
最終更新:2020年06月15日 23:05