ウランフ(Uranff、宇宙暦750年頃 - 宇宙歴798年)は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。

1 外見

 浅黒く精悍な顔が生まれつきの将帥と言った印象を見る者に与える。(32話)

2 略歴

2-1 前世

 宇宙歴796年8月帝国領侵攻作戦「諸惑星の自由」に参加した同盟軍第一〇艦隊司令官。惑星リューゲン軌道上にてビッテンフェルト提督に敗れて戦死した。後々までその死はヤンに惜しまれた。

2ー2 新版

 宇宙歴791年、イゼルローン方面辺境奪回を目的とする「自由の夜明け」作戦において第八艦隊B分艦隊司令官を務め、ドラゴニア方面軍に所属。階級は宇宙軍少将。一一月二八日にはオグニツァ星域において帝国軍の分艦隊と遭遇し、二時間の戦闘の末に撃破した。(11話)
 宇宙歴793年には第七艦隊司令官グスタフ・フェルディーン中将のもとで副司令官を務めている。副官はダスティ・アッテンボロー宇宙軍大尉。(13話)同年三月二五日の第二次シャンダルーア星域会戦では勝利に決定的な役割を果たす。 
 宇宙歴794年、宇宙軍中将に昇進し、第九艦隊司令官に就任。シトレ派。(15話)
 宇宙歴795年の第三次ティアマト会戦に第九艦隊を率いて参戦、四月二日深夜一時、帝国軍左翼の突出部に一点集中砲撃と一翼包囲で痛烈な横撃を加え、カルナップ艦隊を敗走させ、カール・グスタフ・ケンプ中将を捕虜にした。(33話)この活躍によって、次の次の宇宙艦隊司令長官有力候補となった。(34話)
 宇宙暦796年末、定年を迎えたアレクサンドル・ビュコック中将の後を継いで第五艦隊司令官に転任。(52話)
 宇宙歴798年の「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦では第一統合軍集団司令官を務めた。アムリッツァ星域会戦では全体指揮を執り、宿将メルカッツ上級大将と互角の戦いぶりを見せ、これを打ち破った。その後、第一段作戦「フィンブルの冬」ではイアン・ホーウッド宇宙軍中将率いる第三統合軍集団と共に三度にわたってメルカッツ艦隊と戦い、いずれも勝利した。(57話)第二段作戦「ギャラルホルンの叫び」ではビブレスト要塞を陥落させた。第三段作戦「ヴィーグリーズ会戦」における第一次ヴァルハラ会戦では同盟軍の中央に布陣、第一統合軍集団の全体指揮を執った。(58話)この戦いの後、大将待遇の宇宙軍中将へと昇格し、宇宙艦隊司令長官代理に就任した。(60話)反体制派支援作戦「エガリテ作戦」ではヴァナヘイムブラウンシュヴァイク派と交戦した。(61話)同年の遠征軍総司令部の戦力増強案には反対した。(62話)遠征軍総司令部から事実上の選挙干渉を命じる文書が通達されると、その後に「特定の政党や候補者に肩入れしてはならない」との一文を添えることで、通達の空文化を狙った。
 宇宙歴799年、正式に宇宙軍大将に昇進、宇宙艦隊司令長官に就任した。(63話)同年、四月一〇日、「我々と総司令部の交渉は決裂した。あくまで作戦を継続しろと彼らは言っている。第一統合軍集団には現状の戦線を維持する能力はない。まして、攻勢に出るなど不可能だ。これ以上留まっていれば、退却する余力さえ残らないだろう」と述べ、独断での撤退を決断する。(65話)ウァナヘイム撤退作戦の最中、ニーダークンブト星系第三惑星近辺にて、帝国軍一万隻と遭遇、救援を不要と言い切り、民間人の退避の為の遅延戦闘を行い、足の遅い艦を逃がすために戦っていたところ、旗艦に直撃弾を受け戦死する。死後元帥に昇進。その死は第一統合軍集団の戦意を高揚させた。(66話)

2-3 旧版

3 能力

 普通の分艦隊司令官は一年か二年おきに転任するが、ウランフは大きな出兵があるたびに出征部隊に転任して戦った。現役宇宙軍軍人の中で分艦隊司令官時代にこういう扱いを受けたのは、ラザール・ロボスジェフリー・パエッタアレクサンドル・ビュコックモシェ・フルダイライオネル・モートンウィレム・ホーランドとウランフの七人だけ。かなり高い評価を受けている。(24話)
 並外れた勇敢さと柔軟な用兵手腕を兼ね備える。やや年上のジェフリー・パエッタ中将と勇名を等しくする。市民からは「黒鷲(ブラック・イーグル)」と呼ばれている。(32話)シドニー・シトレ元帥の戦術面における一番弟子。(33話)
 「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦では軍集団司令官としての役割を完璧にこなし、統合作戦本部長宇宙艦隊司令長官たるにふさわしい器量を見せた。(58話)
 帝国軍の名将メルカッツ上級大将と近い性質を持っている。劣勢を互角に、互角の戦いを優勢に持っていけるが、負け戦を勝ち戦にすることはできない。(66話)


4 性格

 慈善活動に熱心。軍人というより武人であり、大きな戦いになるほど力を発揮する性格。(55話)
 エリヤの事を信用できないと嫌っているが、その能力に信用し好悪を超えて冬バラ会との交渉を信任した。(65話)酷評であっても、小細工なしに切り込んでくるタイプ。(66話)かなり大きな器量の持ち主といえる。



公職
先代:
不明         
    自由惑星同盟宇宙軍    
第九艦隊司令官
宇宙歴793年12月 - 宇宙歴796年12月
次代:
ジャミール・アル=サレム   
先代:
アレクサンドル・ビュコック   
    自由惑星同盟宇宙軍    
第五艦隊司令官
宇宙歴796年12月 - 宇宙歴799年1月
次代:
メネセス         
先代:
新設         
    自由惑星同盟軍    
第一統合軍集団司令官
宇宙歴798年1月 - 宇宙歴799年4月
次代:
マーゴ・ベネット   
先代:
ラザール・ロボス   
    自由惑星同盟宇宙軍    
宇宙艦隊司令長官
宇宙歴799年1月 - 宇宙歴799年4月
次代:
アレクサンドル・ビュコック   
最終更新:2025年04月14日 11:36