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  • VALKYRIE DRIVE -WITCH-

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

VALKYRIE DRIVE -WITCH-

最終更新:2025年05月12日 11:41

zombi2baisoku

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「ひぎゃんっ!?」

完全な不意打ちを食らったタラオが吹き飛び、地面を転がる。
予期せぬ事態が起きたと察知し、ブラックバロンもやちよへ伸ばした手を引っ込め振り返った。
その時にはもう黒々とした物体が迫りつつあり、このままでは激突は確実。
と言ってもそこはテナガザルとの死闘に勝利した男。
弾かれるように飛び退き回避、だがそれはやちよから意識を外したのに他ならない。

機を逃してたまるかとやちよは駆け出す。
衣服が裂かれ肌を晒しているのも、今この瞬間だけは気にしていられない。
吹き飛ばされた際にタラオの手から落ちたソウルジェムを拾い、急ぎ魔法少女へ変身。
再度青の衣装を纏い槍を手にしたやちよを、立ち上がったブラックバロンが睨む。

「は…?」

が、思わず間の抜けた声が漏れた。
無理も無いだろう、やちよの隣に立つナニカ。
タラオへ体当たりをかまし、自分も同じく吹き飛ばそうとしたモノ。
その正体が余りにも予想外過ぎたのだから。

十字架が描かれた巨大な箱。
死者を納め墓地に埋葬する用途のソレは、棺桶。
そう、棺桶だ。
何故か目玉が浮かび上がり、複数本の手足が生えている以外は普通の棺桶である。

「よくもやってくれたですねぇ…!!」

困惑するブラックバロンの意識を引き戻したのは、家来の怒りに満ちた声。
顔を打ったのか鼻血を垂らしながらも、両目がドス黒い色に染まっている。
浮かべる怒りは、先のミラーモンスターへ向けた時の比ではない。
世界で最も失われてはならない人間である自分に、鼻血を流させた。
それがどれだけ罪深いか理解していないのか。
視線だけで殺せるならとっくにやちよの命を奪っているだろう程の、苛烈な形相だった。

「おバカなメスブタ如きがこのボクに傷を付けるなんて、絶対に許されないですよ!大人しく男に媚びだけ売ってれば良いのに、そんなことも分からないアバズレはここで死ねで~す!」

3歳児のレパートリーとは思えない罵しりの言葉を吐きながら、戦極ドライバーを装着。
ポケットから取り出したロックシードを叩き込む。

『ブドウ!』

「変身ですぅ~!」

『ロックオン!ハイィー!』

『ブドウアームズ!龍・砲!ハッハッハッ!』

緑色のライドウェアを纏い、クッラクから出現した巨大なブドウを頭から被る。
果実を展開し装甲に変化させるのは全アーマードライダー共通だ。
騎士の甲冑に似たブラックバロンとは違う、中華風の鎧を着込んだような戦士。
アーマードライダー龍玄への変身が完了。
専用のアームズウェポン、ブドウ龍砲を持つ右手が跳ね上がり怒りに身を任せトリガーを引いた。

「っ!」

地を蹴り銃弾を躱す。
蜂の巣にならずに済み安堵する余裕も無く、黄色い槍が迫り来る。

対処はこれまでと何ら変わらない。
槍を振るって弾き返し、間髪入れずに突き刺せばバナスピアーで防御される。
互いに長得物をぶつけ合い火花が散る、両者共に一撃たりとも貰いはしない。
これまでと違うのは、ブラックバロンに加勢する者が現れた事だろう。
ブドウ龍砲から発射された銃弾がやちよへ殺到、身を捩り躱すがそちらにばかり意識を割く訳にもいかない。
気を逸らせば一瞬でバナスピアーの餌食だ。
回避し終えると同時に槍を数本生成し、至近距離からブラックバロン目掛け射出。
舌打ち交じりに叩き落とされ、その間も龍玄による援護射撃は続く。

(随分使い慣れてるわね…)

タラオが子供ながらに救いようのない下衆なのは分かったが、それにしたって仮面ライダーの力を使いこなしているのは驚きだ。
実力が伴わない者が援護に回っても、却って実力者の足を引っ張るだけ。
しかし龍玄はやちよへ的確な射撃を行い、間違ってもブラックバロンに誤射するようなヘマは一度もない。
目の前で起きているのは現実でありながら、俄かに信じ難い光景だ。

アーマードライダーは超人的な戦闘能力を変身者に齎す、通常の兵器とは一線を画すシステムである。
当然専用のアームズウェポンもまた、既存の科学技術では再現困難な性能を誇る。
龍玄が使うハンドガンタイプのアームズウェポン、ブドウ龍砲もその例に漏れない。
照準補助ユニットが射撃精度を最大限に高め、ターゲットの位置や角度を正確に計算。
グリップ部分に搭載された機能が射撃時のブレを最小限に抑える。
それらに加えて龍玄が備え持つ分析センサーにより、射撃速度と照準の自動補正も行われているのだ。

アーマードライダーとアームズウェポン、それぞれの機能を発揮すれば正確な射撃も容易い。

それ程までに高機能なアーマードライダーの力を以てしても、やちよにはただの一発も銃弾が当たらない。
ブドウ龍砲は秒間100発もの高速連射が可能。
だというのにどれだけ銃弾をバラ撒こうとやちよは全て躱し、或いは槍で弾き落とす。

苛立ち更にブドウ龍砲を連射しても結果は同じだ。
龍玄が中~遠距離にて高い性能を発揮するアーマードライダーなのは本当であり、タラオが3歳児ながら使いこなしているのはシアゴーストを撃破した事からも明らかだろう。
とはいえ武器の性能だけでは埋められない、経験の差というものがここに来て響く。
12歳でキュゥべえと契約し、現在に至るまで培った魔法少女としての戦闘技能と踏んで来た場数。
NPCのミラーモンスターにはない強みを持つ参加者が相手では、如何にタラオがアーマードライダーに変身していても分が悪過ぎた。
憎々し気に仮面の下で歯軋りをする。

タラオとは反対にやちよはあくまで冷静さを保った表情で、ブラックバロンとの攻防を繰り返す。
とはいえ神経は張り詰めており、龍玄の銃弾を決して甘く見てはいない。
変身者が実戦経験不足ではあるものの、アーマードライダーとしての機能の高さには疑う余地が無い。
万が一胸元のソウルジェムに被弾してしまったら、洒落にならない。
それでも未だ一発も受けていないのは、流石の実力と言うべきか。

「うわぁっ!?」

ブドウ龍砲を連射中の龍玄が素っ頓狂な悲鳴を上げ飛び退く。
僅かに遅れて頭部のあった場所を拳が横切った。
振り返った龍玄のカメラアイが捉えたのは、生意気にも自分を撥ねた棺桶。
シュッシュッと拳を突き出しファイティングポーズを取っている。

龍玄の後頭部には龍尾環というセンサー機能が搭載されている。
これは生物の気の流れを読み取る事が可能であり、視覚では捉えられない背後からの攻撃も察知出来るのだ。
棺桶の拳を躱せたのもこの龍尾環のおかげ。
尤も、今のタラオの頭にあるのは龍玄の能力への感心ではない。

「気味の悪い棺桶なんかがボクを殴ろうとするなんて生意気です~!」

人間ですら無い化け物が磯野家の将来を担う優秀な子を殺そうとするなど、あってたまるものか。
脳みその無い棺桶だから、自分に暴力を振るうのが如何に愚かしいかも理解出来ていないのだろう。
自分はカツオのような親不孝者の不良息子とは違う。
殴りたいのならカツオみたいな磯野家の恥を、好きなだけサンドバッグにしていろ。
仮にも同じ屋根の下で暮らす家族をこき下ろし、ブドウ龍砲を棺桶に向けた。

「死ぬです!」

6連装式の銃口が火を吹く。
瞬きの間にバラバラにしてしまう弾幕に襲われても棺桶は慌てない。
デイパックから飛び出した時と同じく地に手足を付け、這うように移動。
巨体に見合わぬ俊敏さに、龍玄の方が翻弄される。

時折銃弾が掠めるも棺桶は早さを維持したまま。
再度タラオへ距離を詰めると勢い良く立ち上がる。
そっちから近付いて来たなら好都合、ブドウ龍砲が棺桶に浮かび上がった眼を睨みつけた。
が、トリガーが引かれる寸前で龍玄の腹部へ走る痛み。
複数ある足の一本で放たれた、ヤクザキックをモロに受けたからだ。

「ひぎゃっ!?」

装甲を纏った龍玄の体重は100kgを超える。
にも関わらず足が地面から浮く勢いで蹴り飛ばされた。
ゴロゴロと地を転がり、屈辱に歯軋りしながら立ち上がったのはブラックバロンの近く。
偶然か意図してここまで蹴り飛ばしたのかはともかく、やちよには好都合。
敵が一ヶ所に固まったなら、纏めて片付けるのみ。
後方へと跳びながら槍を複数本射出。
追いかけようと足を動かしかけたブラックバロンを牽制した。

「はぁぁ…!!」

槍を突き立て魔力を集中する。
魔法少女の大技(マギア)を叩き込む準備に入った。
敵は手強く、それでいて見下げ果てた性根の連中。
容赦してやる理由は無い、全力の技をぶつけるのに何の躊躇も無い。
パラダイスキングは勿論のこと、タラオに対しても里見灯花を知っているだけに子供だからと甘く見はしなかった。

やちよを取り囲むようにして10本の槍が生成。
一本一本に籠められた魔力は、これまで射出していた際の倍以上。
更には突き立てた槍にも祈りを込めるように目を閉じ、魔力を注ぎ込む。
目を見開き槍を一回転、生成された得物が全てブラックバロン達に照準を合わせる。

「チッ、めんどくせぇのが来るな…」

やちよから溢れ出す力の奔流に、ブラックバロンも正しく脅威を認識。
スーツで覆った肌が総毛立つ感覚は、放送前に万丈と一戦交えた時にも感じた。
赤いドラゴンのブレスと共に放たれた蹴り技。
現在相対している敵は仮面ライダーではないが、高威力の技を使う気だと察せられる。
ならば棒立ちで食らってやるなど真っ平御免。
相応の対処を行うまで。

「合わせろガキ!」

『バナナオーレ!』

「わ、分かったです!」

『ブドウスカッシュ!』

やちよの放つ戦意に龍玄も危機感を覚え頷く。
それぞれカッティングブレードを操作、ロックシードからアームズウェポンへとエネルギーが流れ込む。
二人が武器を構えると同時にやちよも槍を投擲し、展開していた全てを射出。
威力と速度の両方がこれまでよりも格段に上。

しかしそれはアーマードライダー達も同じだ。
連射したエネルギー弾が撃ち落とし、巨大な紫のバナナ状エネルギーで粉砕する。
焦りはしたが被弾せず凌いだ、そう安心するにはまだ早い。

「私の槍で、貫くから!!」

投擲したのとは別の槍がやちよの手元にある。
しかもそこに籠められた魔力は間違いなく、射出したものより莫大。
ブラックバロン達目掛け、爆発的な加速を以て突撃。
まるでやちよ自身が弾丸と化したかの如き、最速の一撃だ。

「クソがぁっ!!」

エネルギーはまだアームズウェポンに残留している。
ブラックバロンがバナスピアーを振るう横では、龍玄もまたブドウ龍砲のトリガーに指を掛けた。

「舐めるなですぅ!メスブタ!」

銃口から発射されたのは今までのような銃弾ではない。
巨大なドラゴンの形をしたエネルギー弾だ。
無謀にも突撃して来る女を食らうべく、牙を剥き出しにした。

アーマードライダー二体が放つ、必殺の威力を秘めた攻撃。
それらを前にし、尚もやちよに恐れは微塵も存在しない。

「もう誰にも…奪わせない!」

己が顎で喰い殺さんとするドラゴン。
焼き潰し肉片すらも消し去ろうとするバナナ状エネルギー。
殺意の塊二つへ真っ向から勝負を挑み、ただ前へ前へと突き進む。
邪悪なる意思ではやちよを止められない、自分を絶望から救った桜色の輝きにもう一度会うまで止まる事はない。
想いの強さを形にしたかの如き槍に貫かれ、ドラゴンと紫のバナナが消し飛ぶ。
驚愕する暇すら与えられず、ブラックバロンの装甲に穂先が到達。
龍玄を巻き込みながら大きく吹き飛ばされた。

「うおおおおお!?」
「ひぎゅえええええええ!?」

貫通までは防いだのは、流石アーマードライダーの装甲と言うべきだろう。
尤もダメージは決して軽くは無く、地面に叩きつけられ呻き声を上げる。
これでまだ変身解除までいっていないのだから、奇跡と言う他ない。

「ふ、ふ、ふざけるなです……こんなことは絶対に許されないですよ……」

全身が痛みを訴え、立ち上がるだけでも体の各所が悲鳴を上げる。
アーマードライダーに変身しているおかげでダメージを軽減出来ていると言っても、タラオはまだ3歳の幼児。
普通であれば激痛に泣き叫び殺し合いどころではない。
だがタラオの脳内を占めるのは肉体の痛みではなく、傷を負わせたやちよへの圧倒的な怒り。
常日頃から祖父母を始めとして周囲に甘やかされているタラオからしたら、自分が傷付けられたこの状況が夢だと疑いたくなる。
残念ながら紛れも無い現実であり、目の前に居る女はフグ田タラオに暴力を振るうという地獄で千度切り刻まれ万度その身を焼かれても許されざる大罪を犯した。
許さない、億に一つもこの女を許すなどあってはならない。
3歳児らしからぬ思考能力の持ち主であるタラオなら、一旦退いて体力の回復に努めるべきと考えるかもしれない。
但しそれはタラオがもっと落ち着いていられたらの場合。
やちよへの大き過ぎる怒りは冷静さを奪い、感情に身を任せた行動を促す。
己の怒りに後押しされタラオはデイパックに手を突っ込み、取り出した物を投げ付けた。

「なっ、おい!」

隣にいるパラダイスキングの声すら、タラオを止めるだけの力は無かった。
勝手な真似をした家来への怒りは、瞬く間に驚愕へと変わる。
タラオが投げたのは緑色のキューブ。
まさか爆弾なのかと嘗ての戦いでダイナマイトを使用したパラダイスキングは焦るが、すぐに違うと分かった。
何せタラオが投げ付けたのは爆弾などよりも、もっと危険な支給品。
パラダイスキングにはキューブの正体が分からなかったが、やちよは違う。
何故アレがここにあるのか、アレを使う魔法少女は不参加の筈。
いや考えるのは後回し、今はキューブをどうにかしなくてはと動き出そうとするが一歩遅い。

「出て来てく~ださ~い!」

聖人だろうと殺意を抱かせるような、非常に鬱陶しい口調。
それを気にする者はこの場にはおらず、キューブの中から出現した存在に意識を奪われている。

見上げる程の巨体は生物と程遠い、振り子時計に酷似したフォルム。
割れたガラス板を両手で抱え、振り子の重心には上下逆の真っ赤な唇。
怖気の走る魔力を発するこの正体は魔女。
希望を抱き願いを叶えた魔法少女の成れの果て、振子の魔女だ。

「ついでにこれも使ってあげますから、感謝するですよ~」

魔女を出現させただけでは飽き足らず、タラオはもう一つの支給品も使う。
右手に掲げたのは何かのイラストが描かれたカード。
デュエルモンスターズの魔法カードだと知るのは同封された説明書を読んでいたタラオのみ。
カードから発せられた光が振子の魔女に当たると、おぞましいプレッシャーが更に引き上げられた。
間違いなく余計な真似をされたとわかり、やちよの眉間に皺が寄る。

戦闘の再開を告げるように奇声が鳴り響き、それぞれが弾かれたように動いた。

「はぁっ!」

先手必勝で槍を振り被ったのはやちよ。
この魔女とは一度戦った事がある。
倒したのは鶴乃とフェリシアだが、攻撃パターンは把握済みだ。

振子の魔女が以前と同じままならば、やちよの攻撃も通っただろう。
此度は違う、タラオが使ったカードの効果がより大きな力を与えた。
ガラス板で槍による突きを防御、やちよが次の手に出るのを待たず両手を突き出す。
反応速度が明らかに上がっていると、ガラス板による攻撃で吹き飛ばされながら理解。
空中で体勢を整え着地、地面に爪先が着いた時点で赤いナニカが殺到した。

赤いモノの正体は無数の毛糸。
縛り上げ、身動きを封じ、息絶えるまで締め続ける。
そのような意図で放たれるも槍を振り回し斬り落とす。
されど襲い来る毛糸の数に限界は皆無、やちよ一人では対処が間に合わなくなり槍が絡め取られた。
力任せに千切ろうとしたがビクともせず、手放し新たな槍を生成し装備。

「ぐっ…!」
「あのガキ、俺様の許可なく勝手な真似に出たが…ま、今はお前が先だぜぇ!」

振子の魔女へもう一度攻撃する筈だったが、接近したブラックバロンと鍔競り合う。
そうだ、魔女が出現したからといってそれまで交戦していた相手が消える訳じゃない。
腹部を蹴り上げんと伸ばされた足を避け、反対に槍を突き出すも跳躍して躱された。

追いかけようとし、すぐさまブラックバロンと同じように後方へ跳んでの回避へと移った。

「ちょこまか鬱陶しいですね~。おねえちゃんはネズミさんですか~?」

嘲笑の言葉と共にやちよへ放たれたのは銃弾。
ブドウ龍砲を連射する龍玄だ。

振子の魔女が狙うのはあくまでやちよのみ。
主催者の手で細工でもされているのか、支給された参加者に従うようだった。
多対一の戦闘はこれが初めてではなくとも、不利な状況に立たされたのは事実。
龍玄の相手を引き受けてくれていた棺桶は赤い毛糸が邪魔をし、やちよの方へ気を回す余裕は無さそうである。
となると必然的にやちよ一人で、アーマードライダーと魔女の三体を相手取らなくてはならない。

『バナナスパーキング!』

カッティングブレードを三度操作し、バナスピアーを地面に刺す。
何かマズいものが来ると察したやちよが再び飛び退くと、地面からはバナナ状のエネルギーが突き出た。
あと少し回避が遅れていたら直撃は免れなかっただろう。

ブラックバロンの攻撃は今の一撃のみではない。
やちよを追撃するように二つ目、三つ目と次々にバナナ状のエネルギーが地面から襲い掛かる。
地を駆け、或いは跳躍し躱す彼女を狙う者はブラックバロン一人では無かった。

『ブドウスパーキング!』

響いた電子音声がやちよへ新たな攻撃の合図だと知らせる。
ブドウの粒に似たエネルギーが龍玄を中心に発生。
やがてそれはドラゴンの形状へと集束、やちよを喰らい殺すべく突撃。
回避と同時に槍を龍玄目掛けて射出、向こうも地面を転がり何とか避けた。

ブラックバロンと龍玄の攻撃を躱し続けたやちよへ、今度は振子の魔女が仕掛ける。
龍玄が放ったドラゴンを跳躍し避けた為、現在やちよは地面から足を離したまま。
そこへ迫るは赤い毛糸。
やちよの視界全てを覆い隠す程の毛糸が殺到、身動きが取れなくなるばかりかそのまま圧殺されてもおかしくはない。
豪快に得物を振り回し、生成した槍を連射して片っ端から毛糸を切り裂く。
視界が晴れたやちよが真っ先に目にしたのは、目前へと迫った振子の重心。
大回転させた振子が直撃すれば無事では済まない。
体中の筋肉が痛むのを無視して躱すも、風圧だけで吹き飛ばされ地面を転がった。

『バナナスカッシュ!』

『ブドウスカッシュ!』

聞こえた二つの電子音声に思わず歯軋りをする。
よりにもよってこのタイミングとは、意地の悪い連中だ。
躱そうにも無理な体勢で動いたせいかズキリと痛みが走り、次の動きが遅れる。
マギアで迎え撃つ時間も無い。

「…っ!!!」

だが何もしない選択肢など有り得ない。
僅かな時間の許す限り槍を生成し、アーマードライダー達へと一斉に射出。
ブラックバロンと龍玄がいるのはやちよの頭上。
アームズウェポンではなく自らの右脚にエネルギーを集中させての飛び蹴りを放ったのだ。
加速した二人を止めるのは安易ではないが、槍を受けある程度は勢いも落ちる。

「ふぅ…!」

足元に水魔法を使い敏捷力を強化。
ブラックバロン達の蹴りが叩き込まれるのを紙一重で躱すが安心は出来ない。
現にガラス板がやちよを叩き潰さんと頭上から振り下ろされた。

巨大故に攻撃範囲も広く、躱し切るのは至難の業。
それでも加速した移動を止めずにいたおかげか、掠りもしなかった。
されど命中はしなくとも、ガラス板叩きつけた際の余波までは避けられない。

「っあ…!」

暴風が叩きつけられたような感触に、足がもつれ体勢が崩れる。
急ぎ立ち上がらねばという焦りも空しく、やちよの腹部へ蹴りが叩き込まれた。

「がっ……」

血の混じった胃液を吐き散らし蹲る。
槍を支えに立ち上がろうとするが、それも無意味に終わった。
銃声が響き槍を弾き飛ばされ、倒れ伏してしまう。

「おねえちゃんみたいなゴミはそうやってゴキブリさんみたいに這ってるのがお似合いです~♪」

上機嫌の声がやちよへと降り注ぐ。
自分を攻撃した女へ蹴りを放ち、銃弾を撃ち込んでやったのだ。
ようやくストレスを解消出来たが自分の受けた屈辱はこんな程度では済まされない。
仮面の下では笑みを作りながらも、ドス黒い炎を両目に宿していた。

「おいおい、こいつに用があるのは俺様の方だ。ガキにはまだ早ぇよ」

放って置いたら好き放題しそうな家来を制止し、我先にと前へ出るのはブラックバロン。
少々予定とは違う形となったが、結果が良ければ問題無い。
タラオには色々言ってやりたい事があるが後回しだ。

「お前はあのデカい化け物と一緒に棺桶を壊して来い。良いな?」

伝えると向こうはあからさまに不満を抱いたのが、仮面の上からでも分かった。
二度も同じことを言う気は無い。
それより足元で倒れ伏し、スリットから白く細い脚を覗かせる女を自分のモノにする方が重要である。

「――っ!!」

下劣極まりない欲にまみれた視線、やちよの全身を嫌悪感が駆け巡った。
このまま凌辱され、玩具にされ、都合の良い道具にされる。
冗談じゃない、そんな末路を誰が認めるものか。
死んでたまるか、汚されてたまるか、諦めてたまるか。
まだ自分は何も――





《そうね、このままじゃ良くないわね》





声が、聞こえた。


○○○


《好きでもない男に大切なモノを奪われて、性根の腐った子供に玩具にされて》

《もしかしたら殺されるかもしれない》

《でも仕方のない事だわ。私にとっては当然の末路だもの》

《私の願いがかなえとメルを殺した。いろはまで私の願いの巻き添えになった》

《皆を殺した私には相応しい罰だと思わない?》

そうだ。
私が生き残りたいと願ってしまったから。
だからかなえもメルも、私の願いの犠牲になった。

いろはだってそう。
あんな態度を取った私を見限らなかった、私の心を救ってくれた。

なのに、なのに私は何てことをしてしまったの。
奈落の底へ落ちていくいろはの手を掴めず、いろはを助けられず。
私はいろはに貰ってばかり、いろはから奪ってばかり。

《今更になって気付いたの?本当に救えないわね》

《私なんかが生きてたら、今度こそいろはが死んじゃうわよ》

いろはが死ぬ。
私のせいで。
そんなのは駄目だ、そんなのは耐えられない。

だったら、私は――






――『やちよさん!』





光が、私の中に淡い桜色の光が灯る。
そして思い出す。
私を暗闇から救い出したあの女の子を。
私の手を握り締め、どんな慰めよりも力強い約束をしてくれた瞬間を。

七海やちよがずっと求めていたものをくれた、環いろはを。

死ねない。
やっぱりまだ死ねない、死ぬ訳にはいかない。
もう一度いろはに会うまで、誰が死んでやるものか。

《そう、じゃあどうするのかしら?》

そんなの決まってるじゃない。
私の邪魔をする奴らは。
いろはを傷付けるような連中はみんな

「殺してやる」





黒い雫が一滴、落ちる。


◆


「な、なんだぁっ!?」

目の前で起きている事に理解が追い付かない。
ブラックバロンの叫びに籠められたのは、困惑以外の何ものでもなかった。
事態の変化に付いていけないのは龍玄も同じ。
異様な気配に振り向けば、ブラックバロン同様に素っ頓狂な声を出すのを抑えられない。
二人が見つめる先、倒れ伏した瑠璃色の髪の女が立ちあがっていた。

だが果たして今の彼女を、つい数秒前までの彼女と同じに扱って良いのだろうか。

本来人間には二本しかない腕が増え、計四本をだらりとぶら下げている。
腕の先に五本指の生え揃った手は存在せず、代わりに巨大な切符鋏。
左足は最早原型を留めず長大化、尻尾にも似たソレが先端で揺らすのは淡い光を放つカンテラ。

頭に被る黒い幅広の帽子はこれまで無かったもの。
垂らされたベールから覗く表情は、業火の如き怒りに満ちている。
環いろはという太陽を求め、立ち塞がる全てを滅さんとする穢れに染まった三日月。

モギリのドッペル。
旅立つ少女達を見送る事しか出来なかった、七海やちよの後悔と絶望の象徴。

ベール越しのやちよの瞳と、ブラックバロンのカメラアイがかち合う。
瞬間、ライドウェアの下の肌が泡立った。
テナガザルとの支配権を懸けた闘争で幾度となく味わった、命の危機を知らせる感覚。

『バナナスパーキング!』

飛び退きながらカッティングブレードを操作。
降り立つや否や地面にバナスピアーを突き立てると、やちよの足元からバナナ状のエネルギーが突き出る。
人間以上の生命力と、既存の生物を超えた強度の外骨格を持つインベスをも死に追いやる威力。
魔法少女が相手であっても、直撃を許せばタダでは済まない。
それが当たらない、当たらないなら脅威にはなり得ない。
攻撃の回避自体はこれまでもやっていたが、此度は速度が異様と言っても良いレベルに上がっていた。
四本の腕と一本の足を使った獣のようにも見える方法で移動、五肢に掛かる余りの力に地面が削られていく。
バナナ状のエネルギーが掠りもせず、あっという間にブラックバロンの目と鼻の先まで到達した。

バナスピアーを振るう腕も、今のやちよには余りにも遅い。
二対四本の切符鋏による殴打が炸裂、装甲が砕けたと錯覚する程の衝撃。
悲鳴すらも出せずブラックバロンは殴り飛ばされた。

やちよと互角に渡り合ったアーマードライダーを呆気なく撃破。
次の標的を視界に入れようとし、銃声が木霊した。

「うわああああ~!死ねです化け物~!!」

焦燥を隠しもせずにトリガーを引き続ける姿からは、完全に余裕が消え去っていた。
散々大人達を舐めて見下していたタラオも理解したのだ。
今のやちよは非常にマズい存在になったと。
最早嬲るだとかお返ししてやるだとかはどうだって良い、一刻も早く殺さなくては。

『ブドウスカッシュ!』

カッティングブレードを操作し銃弾を強化。
威力と連射性をより高めたブドウ龍砲のエネルギー弾は、やはりと言うべきか命中せず。
ならばドラゴン状のエネルギーを叩き込もうとし、やちよの姿が視界から消えた。
何処へ行ったと探し回る必要は無い、龍尾環が背後からの襲撃を察知――

するよりも早く、龍玄が胴体を掴まれた。
恐るべき事にアーマードライダーの機能をも、モギリのドッペルは上回ったのだ。

切符鋏による拘束から逃れようと、龍玄は藻掻くもビクともせず。
なら至近距離で撃ち殺すべく照準を合わせるが、それもまた無意味。
掴んだままの龍玄を地面に叩きつけた。
背中から来る痛みと衝撃が、右手のブドウ龍砲を手放してしまうという最悪のミスを招く。

(し、しまったです…!)

ここでようやくタラオは自分の失敗を悟る。
自分の方針はどんな手を使ってでも生き延びること、意地を張って殺しに拘る必要は無い。
やちよが姿を変えた時、若しくはブラックバロンが殴り飛ばされた時点で逃げていれば良かったのだ。
焦りと恐怖から銃を連射してしまい、逃亡の機会を自ら潰してしまった。

後悔しても最早遅い。

「た、助けてくだっ、ぎゃああああああああああ!!!??!いだ、いだいでずぅ~~~~!!!」

命乞いなど届きはしない。
頭部を、胴体を、四肢を切符鋏が挟み力を込める。
粉砕か捩じ切るか、どちらにしてもマトモな死に方は許されないだろう。
龍玄の装甲とライドウェアが即死を防いでおり、それが却って苦痛を長引かせていた。

「っ!!チッ!」

タラオへの惨たらしい死は訪れない。
切符鋏から龍玄を解放したやちよが大きく跳躍、赤い毛糸をやり過ごす。

タラオにとって幸運だったのは、事前に振子の魔女を出していたこと。
支給された参加者へ従う意思でもあるのか、タラオの危機を見ない振りはしない。
赤い毛糸が触手のようにうねり、やちよを絡め取ろうとする。
何度斬り落とされても魔女本体を始末しない限り、キリが無かった。

「今がチャンスってな!」

やちよの意識は僅かな間だが、振子の魔女へ釘付けになった。
であれば、他の者達にとっては見逃せないチャンス。
どうにか復帰したブラックバロンがタンポポロックシードを起動。
ダンデライナーへ飛び乗り急発進、ダメージの大きさ故か変身解除されたタラオの首根っこを掴み拾う。
やちよが気付くもブラックバロンはお構いなしだ。

ダンデライナーはスピードを落とさずに急上昇。
地上の連中が何かをする前に、戦場から飛び去って行った。

「あばよねえちゃん!次に会う時まで生きてたら、そん時は改めて俺の女にしてやるよ!」
「なっ…!待ちなさい!っ、この…!」

やちよの怒声には耳も貸さず、残していったのは変わらず腹立たしい捨て台詞だけ。
静止の声が空しく響き、すぐさま振子の魔女の奇声に掻き消される。
ブラックバロンが逃げるまでの足止め、あわよくばこのままやちよを排除するつもりか。
目障りな巨体を見上げるやちよの瞳に黒い殺意が宿った。

深海のように色濃い長髪が、怒りで揺らぐ。

「邪魔よ!!!」

五肢を地面に叩き付け、その反動で跳ぶ。
振子の魔女すら見下ろす位置まで移動すると、カンテラを激しく揺らした。
そして起こるはやちよを中心に出現する大量の水。
これまで使っていた水の魔法とは比べ物にならない激流が、振子の魔女をあっという間に飲み込む。

赤い毛糸を飛ばし、振子を大きく回転させ、ガラス板を狂ったように振るう。
決死の抵抗は無意味。
振り子時計に酷似した体は激流に耐え切れず砕け散り、へし折れた振子の重心が地面に落ちた。
歪む真っ赤な唇が伝えたいのは苦痛か、それとも別の何かか。
いずれにしろ、正しく他者へ伝わる機会は訪れない。

罪人を裁く刃の如く振り下ろされた切符鋏が、堕ちた魂を粉砕した。

「逃がさない…!」

魔女が上げる断末魔の叫びなどどうだっていい。
戦いを引き起こした男とその手下を逃してしまった。

《すぐに追って殺さないとね?》

聞こえた声には頷かずとも、その通りだと同意。
あの男が今度はいろはに目を付け、唾棄すべき欲望の餌食にするかもしれない。
加えていろははお人好しな性格だ。
中身が下衆でも見た目が幼い子供なら、騙される可能性は大いにある。
あんな奴らがいろはを手に掛ける、そんな事態になどさせてなるものか。

(いろはを殺そうとする奴らは許せない…一人も生かしてはおかない…!)

胸の奥底で燃え上がる黒い炎。
いろはを傷付ける者、いろはを奪おうとする者、何よりいろはを守れなかった弱い自分。
自身をも壊しかねない怒りが心を支配する。

《ならどうすればいいのか分かってるでしょう?》

そうだ、全員殺せばいい。
逃げた二人組も、ゲームに賛同した連中も、マギウスの魔法少女達も。
自分を裏切ったみふゆとフェリシアだって生かしては――

「――――っ!?」

冷水を浴びせられたように、急速にやちよの思考は冷静さを取り戻した。
いつの間にか顔を覆っていた白い仮面が砕け、ドッペルも解除。
嵐が過ぎ去った後の戦場にて、自分が今考えた内容を追い出すように頭を振るう。
みふゆ達がマギウスの翼の一員になったとしても、殺すなど有り得ない。
自分がやるのは彼女達を手に掛けるのではなく、連れ戻す事だろうに。

(今のはドッペルのせい…?)

調整屋を訪れた時、みたまが言っていたのを思い出す。
ドッペルには強い依存性と副作用があると。
荒んでいるとはいえ、普段のやちよならばしない酷く殺意に満ち溢れた思考。
これもまたドッペルを使った影響なのだろうか。

やちよ自身は魔法少女を運命から解放するという、マギウスの言葉を信じていない。
確かにドッペルは魔女化を防ぐ、しかし欠陥が無い訳でもない。
使い続けるのは良い事とは思えず、さりとてこの先の戦いを考えれば使わなければ切り抜けられないかもしれない。

「……」

ふと視界の端にチラリと入り込んだ何かに近付き、拾ってみると見慣れた物。
グリーフシード、魔女を倒した証拠であり魔法少女には必要不可欠。
結果的には良かったと言えるのかもしれない。
ドッペルを使った事で穢れは取り除かれ、グリーフシードも手に入った。
ゲームに賛同した連中を逃がしたのを考えれば、素直に喜べない部分もあるが。

あの二人の姿はとっくに見えなくなった。
追跡しようにも振子の魔女に妨害されたせいで、どっちへ行ったのか分からない。
後ろ髪を引かれる思いだが、ここは当初の予定通り東方面を調べに行く。
それと新しい服が手に入るまでは、魔法少女に変身したままにしておこう。
幾ら何でも全裸の数歩手前のような格好で動き回る程、自分の見た目に無頓着にはなれなかった。

まずは放ったデイパックを回収しようとした時、ちょいちょいと肩を突かれた。
振り返るとやちよに支給された棺桶が立っている。
どうやら振子の魔女へ放った激流に巻き込まれる前に、退避していたらしい。

「さっきはありがとう、おかげで助かったわ」

合図をしたらデイパックから出て来るよう指示を出していた為、危機を一つ脱せた。
最初に支給品の確認をした時は、使い魔の類と思い身構えたものだ。
移動するのでデイパックに戻そうとし、そこで棺桶はやちよの予想外の行動をした。
タラオを撥ねた時のように手足を地に付け、親指で自身の背中(便宜上背中という事にしておく)を指したではないか。

「えっと……もしかして乗れって言いたいの?」

言葉の代わりに親指を立てて返される。
思いもよらぬ提案に顔が引き攣った。
手足の生えた棺桶に乗って移動する女、他人から見たらいらない警戒をされる事間違いなし。
ただ一方で移動手段があるのはそう悪く無い。
余計な体力の消費を抑えられ、徒歩よりも迅速な移動が可能。
その移動手段の見た目が棺桶という一点が、大きな問題ではあるのだが。

メリットとデメリットを天秤に掛け、暫し悩んだ後に結局乗る事にした。
早く動けばその分いろはを見付けられる確率も高くなると自分に言い聞かせ、棺桶に乗る。

「じゃあ、お願いしても良いかしら?」

やちよの言葉に応える様に棺桶は走り出す。
その背にちょこんと正座しながら、何とも言えない思いで冷たい夜風に目を細めた。


【E-4/一日目/黎明】

【七海やちよ@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、精神疲労、魔法少女に変身中、棺桶に乗って移動中
[装備]:環いろはの写真@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)、アーカードの棺桶@HELLSING
[道具]:基本支給品一式、グリーフシード×1@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)、ランダム支給品×0~2(確認済み、グリーフシードは無い)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。
1:東方面を探索。6時間後にE-4で桐生さん達と合流する。
2:いろはに会いたい。
3:マギウスの魔法少女達を警戒。一応フェリシアも。
4:さっきの二人組(パラダイスキング、タラオ)にも警戒しておく。
5:桐生さんはともかくエボルトは信用できない。
6:ドッペルの使用は控えた方が良いとは思うけど…。
7:代わりの服を見付けるまでは変身を解けないわね…。
[備考]
※参戦時期はセカンドシーズン2話で黒江と遭遇する前。


◆◆◆


「ったく、勝手な真似ばっかりしやがって」
「ごめんなさいです…」

ダンデライナーを運転しながら、パラダイスキングは家来の愚行を咎めた。
王の腰にしがみつき、叱責を受けたタラオは落ち込んだ様子を見せる。
あくまで表面上は反省した風に見せているだけで、内心はパラダイスキングへ唾を吐きかているが。
自称王様の痛い輩如きが、一体何の権限があって自分に説教をしているのか。
ガミガミ叱られるのなどカツオの役目だろうに。

「ふん…まぁいい。少しは寛大な所も見せてやらなきゃ、王様は務まらなねぇからな」

一度くらいは家来のミスを許してやる。
しかし次も自分の許可なく勝手な真似に出るようなら、最早手下としての価値は無い。
とにかく今はどこか休める場所を探すのが先決だ。
傷を癒した後に動き出し、次にやちよと出会う時があれば今度こそ屈服させ自分の女にする。
やちよの強さは先程の戦闘で十分身に染みた。

(あんだけ強い女をモノにした瞬間ってのは、さぞかし気持ちいんだろうなぁ)

一度欲しいと思ったものはそう簡単に諦めないのが王様だ。
この程度で諦めると思ったら大間違いである。

(許さないですよあの女…!)

邪悪に笑う王の背後で、タラオが思うのもまた同じ女。
自分をここまで痛めつけたあの女は絶対に許さない。
この礼はたっぷりしてやらねば、到底怒りが治まりそうも無かった。

どこまでも自分勝手な思いを抱く主従を乗せ、ダンデライナーが夜空を駆ける。
次に彼らが混乱を引き起こすのは、果たして何処か。


【E-4(上空)/一日目/黎明】

【パラダイスキング@クレヨンしんちゃん】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:量産型戦極ドライバー+バナナロックシード(ナンバー無し)@仮面ライダー鎧武、タンポポロックシード@仮面ライダー鎧武
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:優勝する。
1:もっと強い武器を手に入れる。
2:タラオを家来として利用する。が、次もまた勝手な真似をしたらタダじゃおかない。
3:万丈の奴は次に会う時があったら殺す。
4:青い髪の女(やちよ)は次に会えば屈服させ自分の女にする。
5:主催者(檀黎斗)の持つ力が欲しい!
[備考]
※参戦時期は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』終了後。

【フグ田タラオ@サザエさん二次創作】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、屈辱と怒り(大)
[装備]:量産型戦極ドライバー+ブドウロックシード(ナンバー無し)@仮面ライダー鎧武
[道具]:基本支給品一式、巨大化(3時間使用不可)@遊戯王OCG、ランダム支給品1~3(確認済み、ボーちゃんの分)
[思考・状況]
基本:生き残るべきは僕なのですぅ♪
1:どんな手を使ってでも生き残るですぅ♪
2:僕は何も悪くないですぅ♪
3:パラダイスキングを利用して賢く生き残るですぅ♪
4:あの女(やちよ)は絶対に許さないです…!!
[備考]
※性格が二次創作出典なので原作よりもクズな性格になっています。
※ボーちゃんの死体は川に流されました。
 どこまで流されたかは後続の書き手に任せます。

【アーカードの棺桶@HELLSING】
アーカード専用の棺。本人曰く「最後の領地」。
拘束制御術式第零号解放時には棺桶が開き死者の河が出て来る。
本編の数十年前を描いた外伝にも登場。
複数の手足を生やし少女形態のアーカードを乗せ疾走、吸血鬼をしばき倒す、タバコを吸ったりもした。

【グリーフシード@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
魔女を倒した際に得られる。
魔力の消費によるソウルジェムの穢れを吸って移し替えることが可能。

【振子の魔女@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
電波塔のウワサ結界内にマギウスのアリナ・グレイが隠していた魔女。
巨大な振子時計のような見た目をしており、手に持ったガラス板や赤い毛糸で攻撃をする。
本ロワにおいてはアリナが使うキューブ型の結界に閉じ込められた形で参加者に支給された。

【巨大化@遊戯王OCG】
装備魔法
(1):自分のLPが相手より少ない場合、
装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。
自分のLPが相手より多い場合、
装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の半分になる。
原作及びアニメ版では海馬瀬人が使用した魔法カード。
本ロワにおいてはデュエルディスクにセットしなくても発動可能、一度使用すれば3時間経過しなければ再使用不可能。
またデュエルモンスターズのモンスターのみだけではなく、参加者自身や他の支給された生物、NPCも効果の指定として選べる。


042:魔王爆誕!黒白黒パーティー完成!! 投下順 044:集いし願い 未界域のヴェアヴォルフ
時系列順
002:前途多難のエンカウント 七海やちよ 045:RIDE OR DIE(前編)
021:タラちゃん、仮面ライダーになる パラダイスキング 060:Stronger ─負け犬たちの後夜祭─
フグ田タラオ
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