■背景:
君はかつて、全てを奪われた。
少年だった君の暮らす村を、法王庁の異端審問が襲ったのだ。
やさしかった両親は君を逃がすために死に、なつかしい風景は跡形もなく焼き尽くされた。
濡れ衣だった。
それら全てが、何かの政治闘争の一部だったらしい、と後に聞いたが、そんなことはどうでもよかった。
ただ憎かった。
領主が、法王庁が、世界の全てが。
あれから十年。
放浪しつつどうにか食いつないだが、君が体験する世界は醜いものに満ちていた。
そして、君は、ふとしたことから、旧時代の遺物、強大なアーティファクトを手にすることになる。
君との間に精神的な結合を果たしたそれはもはや君以外の誰にも使いこなせず。
法王庁は、やむなく君をエージェントとして迎え入れた。
・・・だが、君が法王庁に加わったのには、別の理由があった。
君の相棒は、君に語ったのだ。
自分自身は、ひとつの鍵、旧時代末期に作り出され、使われぬまま眠る超兵器の鍵に過ぎないことを。
それを目覚めさせ、世界を再び旧き神々の下に取り戻すことが、それの使命なのだ、と。
君は、全てを滅ぼすため、それの精神を受け入れた。
法王庁に加わったのも、そのために動きやすい立場を手にするためだった。
そして君は、今、法王庁の仲間たちとともにいる。
そうして、彼らとともに働きながら、君は自分に向けて繰り返すのだ。
君はかつて、全てを奪われた。
・・・だから、君は何も持っていない。
持ってなどいない。
■解説:
あなたは、特殊な事情により「カテゴリーA以上のAF」を所有しています(通常の異端審問官は「カテゴリーB」クラスを所有)。
「法王庁」に所属していなくても構いません。
あなたは、仲間たちとは別の目的を持っています。
それは、世界を滅ぼすことです。
あなたの「相棒」に言わせれば、それは世界を滅ぼすことではなく、旧い世界を取り戻すことなのですが。
この世界に守るべき価値のあるものなど何もない、そういう姿勢をとってください。
しかし、本当は、かつての自分のような、弱いものが虐げられることが我慢ならないのです。
わかりますね?
あなたは、全てを奪われた人間です。
しかし、あなたは今も何も持たないのでしょうか?
いつか決断を迫られたとき、あなたは本当に全てを滅ぼすことができるのでしょうか?
それを決めるのは、プレイヤーであるあなたなのです。
ところで、あなたの「相棒」は、それ自身の意思を持っています。
あなたと「相棒」の意見が分かれれば、「相棒」はあなたの身体を乗っ取ろうとするでしょう。
旧時代の遺物に身体を憑依されてしまえば、確実に「法王庁」により「異端」として処理されるでしょう。