・異端審問官視点で‘マグノリア世界の冒険’を観察すると、‘法王庁から授かる聖務’という導入で始まる『依頼型シナリオ』が定型になる(もちろんシナリオは、「巻き込まれ型」でも「持ち込まれ型」でも「日常型」でも構築可能)。
当コラムでは「依頼型シナリオのガイドラインと題し、他のエンタメ作品の『依頼型シナリオ』の構成要素を抽出し、定番となる「マグノリアシナリオの基礎骨格」をパッチワークにより試作する。
なお、異端審問官は法王庁という巨大な‘組織’に所属していることから、参考作品の抽出は『主人公は組織に所属していおり、仕事は組織からの‘任務’である』ことを条件とし、探偵業に代表される『主人公は‘フリーランス’であり、仕事は依頼者から持ち込まれる。あるいは、斡旋所で選択の自由がある』ものは除外した。
・「依頼型シナリオ」のガイドライン
『組織に所属している主人公が、組織より任務を受け執行する』定型を、大まかに拾い集めてみた。
① 時代劇:
・概要:‘勧善懲悪’の定番・王道・お約束の宝庫。小学生でも言えるストーリーライン。偉大なるマンネリズム。ゆえに一ひねりを加えるだけで、無限の応用が可能。
・参考作品名:「隠密同心」とか「仕事人」とか‘仕事斡旋型’。
・起承フェイズキーワード:表の法では裁けぬ闇。元締めによる仕事の斡旋。
・転フェイズキーワード:情報収集の過程によるゲストキャラとの出会い。小さな‘善’が巨大な‘悪’に潰されと事を知り、使命を上回る義憤で行動。
・結フェイズキーワード:悪党を前にした気風のいい啖呵と各キャラの戦闘スタイルによる大太刀回り。ゲストとの余韻を残した別れ(「お世話になりました」「今度こそ、胸を張って歩いていきな。お天日様おっ母さんは、いつでもお前の歩く道を見ているんだからな」)
② 刑事もの:
・概要:‘フィクション’だからこその明瞭な‘事件’と‘悩み’と‘対立’。
・参考作品:あぶなかったり、西部だったり、太陽にほえり、踊って大捜査するあの辺り。
・起承フェイズキーワード:個性溢れるはみだし刑事。頑固で口やかましいが、部下思いで責任感と行動力のある上司。一癖、二癖くせある脇キャラ(鑑識班、整備班、情報提供者)。
・転フェイズキーワード:浮かび上がる犯人の背後(やむ得ぬ事情、犯罪組織の存在)。現場と上層部の軋轢。
・結フェイズ:派手な銃撃戦。思いつめた犯人の説得(論破)。‘組織の理論’で固まった上層部への直訴と行動。
・その他:‘殉職シーン’は、エンターテイメントにおける‘退場シーンの美学’の結晶:ワイシャツを赤く染め、満足げに目を閉じる若手。取り乱し呼び続ける、普段は猿犬の中の同僚。沈痛な眼差しで静かに見送るベテラン。不動の姿勢で敬礼をする制服警官たち。
③退魔もの:
・概要:‘一般人に手に負えない怪奇(妖怪、魔物、超常現象)を相手にするスペシャリスト’、という意味では最も参考になる。昔から少年・青年漫画、娯楽映画の一角を占めるジャンルであり、重箱の隅はまだまだ突っつける。
・固有作品:「孔雀王」とか「ヘルシング」とか「クロノクルセイド」とか「ゴーストハンターRPG」。
・起承フェイズキーワード:怪奇による事件発生。
・その他:‘敵’が怪奇であるため、ラスボスが‘魔王’級の‘世界・人類の敵’になり、物語の中盤から大風呂敷を広げることも。広げたシナリオを綺麗に畳めれば感嘆物だが、途中でグダグダになる事も少なくない。
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