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小話「華の記憶」

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匿名ユーザー

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【小話】アズにゃん編「華の記憶」

「喰らえ、そして答えよ『テスティレンスサイズ』」
真冬の雪原に、刃の華が咲いた。
足元に突き立てた大鎌の柄を中心に、巨大な黄金の刃が六方向に延びる。
一枚の刃が、少女の身長のゆうに二倍はあり、少女に向かって放たれた数十本にも及ぶ氷の矢を防ぐ。

「ッ!?」
氷の矢を放った洗礼者達に動揺が広がる。
当たり前だ。
襲撃を仕掛ける寸前まで、楽な仕事と勘定していたのだから。
『西の教会』の残党であるアズールを仕留めれば更なる褒美が約束されている。
重AFを振るうアズールだが、教会陥落時の負傷が癒えてないことは明白だった。
数で押せば勝てる。
楽な仕事。
栄光と出世。
報酬。
金。
更なる『奇跡』。
アズールを発見した洗礼者達は、目をギラつかせながら歓声と供に一斉に攻撃を仕掛けた。

だが、背後から疾風の様に飛び込んできた少女が、洗礼者達のあらゆる攻撃を防いだ。
少年と見間違うかのような中性的な容貌に、華奢な体。
その手にした一本の大鎌が少女と一体化したかのように自在に動く。

「・・・成る程」
己が対峙した洗礼者を雪原に沈めたアズールは、その光景を見て、戦闘が始まってからの疑問点が解決した事に気づく。
少女と知り合って半日。
遂に先ほどまで、少女の言葉にも、仕草にも、表情にも、温度が感じられない無機質な印象的を受けていた。
それが、戦闘が始まると同時に、少女から圧倒的な躍動感が放出されている。
口数が増えた訳でもない。
笑みを浮かべる訳でもない。
ただ、洗練された無駄のない動きを通じて、少女が『戦いを楽しんでいる』事が、アズールには理解出来た。
見るものに憧憬を懐かせるような、あまりに純粋な感情表現。

更に。
「散華」
少女の言葉を合図に刃の華が散る。
爪先ほどの小さな刃は少女を中心に渦巻く華吹雪となり、周囲を囲む洗礼者達に吹き荒れる。
赤い華が無数に雪原に咲き、そして散ると、後には少女とアズールを残し、動くものはいなかった。

「決めたわ、あなたに着いていく。・・・戦う相手に困りそうにないから」
戦闘前と同じ、淡々とした語り口。
使用者の生命力を食らう『テスティレンスサイズ』をあれほど使用しながら、体力も精神力も殆ど磨耗した様子はない。

「・・・まるで」
アズールにかつての記憶が甦る。
同じ第七課に属していた重AFを駆る尼僧服姿の少女。
『バランスさえ取れれば簡単』と言い切り、実際に『第三世代グングニル級』AFを軽々と使いこなした。
静と動。
陰と陽。
タイプはまるで違うが、カナン・ヨハナンに対し、師であるイルドルフが呟いた言葉が、目の前の少女に対して重なった。

「・・・『白き腕』だな」
 


 

69: 拾郎:2016/01/25 20:28 No.165
>>68

アズにゃん編を勝手に動かす事に抵抗がありながらも、『やりたい(見たい)シーン』を優先。

鉛君が「『白き腕』て言うのは、マグ世界では『ヒョロガリもやし野郎』ぐらいの蔑称なんだけど、古来は『身の丈以上の力を振るうもの』という畏怖の称号だった」と語った事があります。

『白き腕』についてグダグダ設定を考えたけど、まあ、AFに関して天才的なセンスがある、位のイメージ。
あと、高安さんの1ページイラスト「イルドルフがカナンを見て、白き腕と呟くシーン」をリスペクト。

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