1・移民船団の放浪~
何らかの理由で母星を離れ、数世紀に渡り『入植可能な惑星(ヘブン)』を捜し、外宇宙を放浪している。
長きにわたる旅と見えない希望は、目に見えない疲労となり、船全体を包み込んでいる。
1-1 外宇宙船の設定
・移民艦≪方舟≫
多くの文化、技術、生態系を圧縮保存し、移民を乗せた船。推定10万人の移民たちは冷凍保管(コールドスリープ)されており、少数の『管理者』達により運行管理されている。
入植可能惑星発見後に、当該惑星の大気、温度、表面の地形や生態系を母星の環境に似せて変更し、凍結されている生命体が解凍後に速やかに居住できるようにするテラフォーミング機能が備えつけられている。
・護衛巡洋艦《ユグドラシル》
方舟を護衛を目的とした戦闘艦。
方舟と同様に少数の『管理者』達により運行されているが、「戦闘員」の要素が強い。
「超長時間に渡る管理業務」ストレスに耐性を備えた方舟側の管理者に対し、「超長時間の間待機していても、非常時の戦闘に対応可能」な精神補強が施されている。
・記録保管システム≪ミーミル≫
方舟に搭載された記録システム。
有形・無形に関わらず、あらゆる「母星」の記録が保管されている、
スリープ中の事故による損傷、解凍時エラーに備え、コールドスリープ中の移民10万人分の個人記憶も保管されている。
1-2 移民船団の漂着
二隻の外宇宙船がマグ世界の舞台となる惑星に漂着する。
計画的な入植ではなく、事故または反乱等により、≪方舟≫及び≪ユグドラシル≫の航行機能が低下した上での漂着であった。
漂着当時の 惑星マグはあらゆる生体系の生存を拒む極寒の惑星であった。
方舟の生命維持能力すら浸食する過酷な環境は、「管理者」達の生命を脅かした。
方舟管理者達は、百年単位のテラフォーミングを実施、移民たちと供に自身もコールドスリープに入る事を決断。
次に目覚める際には、テラフォーミングが終了し、『入植可能な惑星(ヘブン)』で目覚める、はずだった。
だが、一部の「管理者」達及び一部の移民者達は、テラフォーミング完了以前に、何らかの理由により中途覚醒。
早期覚醒の「管理者」達は、連続したコールドスリープは移民たちの肉体が耐えられないため、生命維持を目的とした方舟の機能の一部を起動。
だが、不完全な起動は不完全な解凍となり、テラフォーミングシステムにもエラーにより停止する。
やむを得ず早期覚醒の「管理者」達は、部分回答された技術を用い、ミーミルからの不完全な記憶転写により「母星」の記憶を持たずに覚醒した移民たちと、アスガルド半島で生存圏を形成していく。