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マグロワイヤル①

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匿名ユーザー

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イルグナーは、口元を緩めた。 
緊張しているのではない。 
笑ったのだ。 

極彩色の刺繍で彩られた遮光カーテン。 
精密な彫刻が施された石柱。 
天窓のステンドグラスから差し込む日の光が、謁見室に敷き詰められた肉厚の絨毯と、壁に掲げられた『三耀旗』を照らしてる。 
無骨な外見の『選王城』であるが、贅沢の粋をこらした内装からは戦時の城でありながら、外装とは別の圧迫感を漂わせていた。 

イルグナーは、前髪が僅かにかかる鼻梁の先端を震わせ、笑った。 
この権威の象徴たる部屋に、卑民の生まれである自分が土足で踏み入るのが面白かった。 
薄汚れた軽装鎧の姿で、正面奥まで進む。 

三名がそこにいた。 
正面奥。 
金糸銀釦の長衣を纏った痩せぎすの男。 
端正とも言える顔立ちであるが、その目は近づく人間の様子を伺う猫の様に忙しなくこちらの一挙一足を伺っている。 
正面左。 
黄金甲冑に身を包んだ壮年の男。 
白髪が混じった髪であるが、爪先から毛先まで精力が漲っている。 
口元には豪放な口髭を持ってしても隠し切れない軋みが浮かんでいる。 
正面右。 
真紅の上衣に顎まで埋めた小柄な老人。 
痩せて窪んだ眼窩は、他を圧倒する光を宿している。 
そして部屋の中央には、『三耀旗』と同じ意匠が彫られた空位の椅子。 

笑わずにはいられない。 
この三人は、列国の王達である。 
雪原国ヘレーンジ。 
長流国プロキア。 
北の門番テレス。 
いずれも近年急速に国力を増大させ、他国を侵略・吸収し急成長を遂げた軍事国家だ。 
アスガルドを二分する超大国、‘竜の’ミッドガルド、‘巨神の’ヨルツヘイムといえども、その勢いは無視できない。 


イルグナーは口元を緩めながら慇懃に礼をする。 
分かっている。 
王達は、イルグナーなど歯牙にも掛けていない。 
イルグナーは、形だけの護衛。 
畏怖、憎悪、威圧。 
三者三様の視線は、イルグナーの背後に注がれている。 

長身。 
肩まで伸びた黒髪。 
老齢に差し掛かっているはずだが、僅かな皺が浮かぶだけの肌。 
医者や学者が身につける、裏地に白麻を使用した長衣を纏い、武器の類は一切身に付けていない。 

「イルグナー」 
「ハッ」 
呼びかけた師であり主である男の声に、イルグナーは向き直り、頭を下げた。 
必然的に、三人の王に対して背を向ける形になる。 
「私はかつて偉大な王達に使え、求められるままに軍略を、治政を、国法を授けたが、私が去る前に・・・」 
薄く、笑う 
「客人を前にした礼を、教授する必要があったようだな」 
「然り」 
部下に背を向かせての、この物言い。 
慇懃にして不遜、そして無礼。 
だが、口調自体は平坦であり、その本心は霧の立ち込める湖面のように誰にも掴めない。 
 
顔を強張らせ、紅潮し、湧き上がる感情を必死で押さえ込んだ三人の王は、やがて目配らせをし、切り出した。 
「我ら三王国は、本日を持って消滅する」 
「ヘーレンジの雪は、たった今、溶ける」 
「プロキアの長流は、今日、遡行する」 
「テレスの大門は、これより開かれる」 
三人の王は、一斉に立ち上がり、膝をついた。 

「我らの国旗は、今日生まれる」 
「三つの国は消滅し、一つの国が産声を上げる」 
「竜の牙に抗い、巨神の拳を受け止める偉大なる千年王国」 
「我らは宣言する。今日生まれる一つの国の全ての権利を貴方に委ねよう」 
「我らを導く、我らの新しい王は貴方しかいない」 
「さあ、玉座にお座りください」 

『殲滅軍師、ベルザイン様』  


重い沈黙が謁見の間を支配する。 
権力を極めた王達が、必死に圧迫する沈黙に耐え、ベルザインの返答を待つ。 

「・・・真実は時として出来の悪い冗談だ」 
短く呟いた。 
それが、答えだった。 
「帰るぞ、イルグナー」 
「御意」 

「待て!待て!待たぬか、ベルザイン!」 
踵を返したベルザインに、黄金甲冑のプロキア王が吼えた。 
「帰ると言うか!このワシの願いを聞いて、帰ると言うのか!」 
「・・・はて」 
ベルザインは足を止め、一瞥した。 
「五年の間にお耳を悪くなされたか?」 

「無体はお止めください、ベルザイン殿」 
金糸銀ボタンのヘレーンジ王が悲鳴のような声を出す。 
「我らは全ての地位と権利を貴方へ差し出したのだ。 
三国の国力を合わせれば、‘竜’にも‘巨神’にも、勝てる術はある。 
貴方なら、可能なはずだ! 
この上何を望まれる?」 
「・・・生憎と」 
ベルザインは、静かに答えた。 
「地上の権利などに興味は有りませぬ」 

「ならば、何を欲する?」 
真紅長衣のテレス王が詰問する。 
「幾多の国を渡り歩き、繁栄と勝利をもたらした殲滅軍師は何を望む」 
「・・・天の理(ことわり)を」 

「ならば、天へと上り存分に理(ことわり)とやらを堪能するがいい!!」 
プロキア王が再び吼えると、壁の一部が崩れ、カーテンが落ち、天窓が割れた。 
向けられるのは、完全武装の兵達が向ける、鏃の列。 


「フンッ!寄生するしか能のない俗物が! 
為政者の王道の本質を見抜けぬまま死ぬが良い!」 
「本当に残念です。 
ですが、見方でなければ、貴方は邪魔なんです」 
「時間こそかかるが、我らだけでも、アスガルドの覇権はとってくれるぞ!」 

「・・・やはり出来の悪い冗談か」 
「今更後悔などしても遅いわ!」 
ベルザインの嘆息を、負け惜しみと受け取ったのか、プロキア王は嗤う。 
「この程度の兵しか用意しないのか」 
「何?」 
「重装兵四百、突撃兵三百、射撃兵二百、錬金術団百。 
この砦に集めたたったこれだけの戦力で、この殲滅軍師が撃てるとおもったか?」 
ベルザインの口調は平坦なままだ。 
だが、三王は思わずたじろいだ。 
撃て、その一言が言えない。 


「‘ベルザインの子供達 ’の遊び相手が務まると思ったか?」 
直後、爆音が響いた。 

「あはははっ!軽い!軽すぎだよ!」 
小柄の体が、独楽の様に回転し、中庭に詰め掛けた突撃兵達の間を疾走する。 
「君達の命は軽すぎる!」 
中性的な美貌に嗜虐的な笑みを浮かべながら、‘トリガー・ハッピー’ファイサスは、殺戮に酔いしれる。 
不可視の‘何か’が、鎧ごと兵士達を切り裂いていく。 
「あはははははっ!話になりやしない!」 
絶叫と血飛沫の中、ファイサスは笑い続ける。  

「あー、面倒くさい」 
‘レッド・オーが’は、城の塔から降り注ぐ豪雨のような、矢の中で、立ち尽くしている。 
足元には、おびただしい死体。 
重装兵達が、鎧ごとひしゃげた姿に潰され、無残な姿を晒している。 
「距離とれば良いってもんでもないのに。 
矢が如きで死ねたら苦労しないわ」 
無造作に伸ばした髪を掻き揚げ、塔に向かって前進する。 
鎧はほとんど付けておらず、上下分かれた皮服のみ。 
時折、鏃が褐色の肌に突き刺さるが、軽く払うだけで枯葉のように落ちていく。 
左手に付けられた大きすぎる手甲、いや、『大きすぎる左手』に付けられた手甲を塔の外壁に叩きつける。 
「ああ、やっぱり簡単だったかな」 
踵を返した‘レッド・オーガ’クォンタルの背後で、塔は篭城した射撃兵部隊ごと積み木のように崩れていった。  


「さて、冗談に付き合うのもこれくらいに致しましょうか」 
謁見の間。 
穏やかな口調のベルザインに、王達は同調する。 
中庭の殺戮の嵐は、内壁を越え、ここまで聞こえてくる。 

「そうだ、これは冗談だ!冗談だよベルザイン!」 
「私達が君を殺す訳がないじゃないか!」 
「君も冗談だろう!そうなんだろう?」 
必死の懇願をする王達の前に、ベルザインは淡々と答える。 
「・・・冗談に付き合うのも悪くない」 
「そうだろう!そうだとも!」 
「・・・‘子供達’を呼び寄せる、丁度いい口実ができたのだから」 

「イルグナー」 
「はい」 
硬直する王達を残し、ベルザインはもう一度、言った。 
「帰るぞ」 

イルグナーは、右手を一閃。 
体内で生成された科学物質が気体として汗腺より、空気中に分散。 
そして、指をパチンと鳴らす。 
指先に仕込まれた火打石が、散布された可燃性に引火。 
‘トリック・ボム’イルグナーにより‘爆弾’により、謁見の間は大爆発に包まれた。 


「さて、イルグナー」 
指向性を計算された爆発により、イルグナーとベルザインは無傷。 
「お前に頼みたいことがある」 
「喜んでお受けいたします」 
頭を下げるイルグナーに、ベルザインは静かに告げる。 

「我が愛娘。アニエスの元へ向かえ。 
そして、その首を持って帰るのだ」 


・高安さん原案のマグロワイヤルをリメイク。 
ムッ殺し合いが始まる所。 

・ベルザインさんのキャラ 
創作に出てくるパラルススとか、カリオストロとか、サンジェルマンのイメージかな。 
年齢不詳のカリスマに溢れる山師。 
うさんくさいのが、かっこいいキャラ。に、したい。 

・ゲームマスター(黒幕):殲滅軍師ベルザイン 
幾多の小国を渡り歩き、勝利と破滅をもたらして来た。 
少数精鋭の‘ベルザインの子供達’を従える。 
彼の身体が老い始めた事により、彼は新しい若く強い体を求める。 
殺し合い参加者は‘不老’の特性を備えたもの。 
生き残りを新たな肉体として使用を目論む。 

・「コールドブラッド」アニエス 
子供達の中でも、最強の魔力を持つ少女。 
時越えの錬金術師。 
時間を練成する事で、己の肉体の老化を止める。 
冷酷、無感情、無表情。 
のはずだったが、ある理由により、ベルザインの元から離反。 
ロワイヤルの最初のターゲット。 
ツール(要検討):狂道化 
軽口を叩く、自我を持つAF。 
その効果は一見魔力の増幅だが、実はアニエスのオーバーロードを防ぐリミッター。 

・「キラープリンセス」ラニエル 
策略家。傾国の美姫。 
自動人形(オートマター)であり、死とは無縁。 
自身の戦闘能力はそれほど高くないが、人を動かす、組織を運営する能力に長ける。 
ツール:幻衣 
纏った者の姿を、意のままに変える。 
対象の感覚に訴えるため、変身後は触っても分からない。 

・「レッドオーガ」 
片腕の女戦士。 
豪放、豪胆。でも横着。 
子供たちの中で、直接戦闘能力が一番高い。 
ロワイヤル途中で仮死状態で眠りにつく。 
後の、あの人である。 
初期状態でツールを2つ持つ。 
ツール:バロンの銀鎖 
結界を作り出す鎖。 
攻撃力は皆無だが、1対1のバトルを強制的に行える。 
ツール:斧(考え中) 

・「トリガーハッピー」 サイフォス 
字の如く、快楽殺人者。能力はそこそこ。 
生体部品による肉体のため、老化はない。 
男なのか、女なのかハッキリしろ! 
ツール(要検討):奪命小剣 
殺した者の命を、文字通り奪い、自分のものとする。 
細胞情報をコピーし、使用者の損傷した細胞は、即修復される。 
最大ストック数は、決まっている(3くらい?) 

・(主人公) イルグナー 
当初はベルザインの忠実な犬。 
爆弾生成能力。 
ただし、不老能力はないため、所詮は使い捨て。 
捨て駒として、離反したアニエスを追い、物語は始まる。 

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