3-1 「猟犬(ヘルハウンド)」


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背景:
水の詰まった袋が割れるような音がして、教会の床、壁、そして天井、あらゆる場所が赤く染められていった。
人数的には圧倒的な差があり、兵士たちが奴を「包囲した」状態だった。
例え奴が元異端審問官であったとしても、相手は一人のはずだった。
しかし奴は、その状況を認識すると、赤黒い闇の中でにたりと笑った。
「くそっ!憑かれてやがる!・・・化け物め!」
「だ、駄目です。退きましょう!」
僅か数分の間で、礼拝堂内部は赤く染められた。
みな浮き足立っていた。
教会の扉が開け放たれ、無慈悲に輝く月光と共に、二つの人影が礼拝堂に伸びる。
一つは女のもの。
一つは君のもの。
胸に異端審問官の聖印を持つ女が、教会の内部の惨状に視線を走らせた後、口を開いた。
「なるほど。確かに憑かれているな。これより目標を『異端』と認識する。・・・そうだな、拘束封印解除を40%まで承認する。・・・出番だ」
「かかかかっ・・・人使いが荒いなぁ」
女の言葉を受けて、君は炎を挟んで対面する「異端」と同じ笑いを浮かべた。
「人では無いだろう、お前は」
「かかっ!・・・確かに」
もう一度笑う君に、女は冷徹とした表情で言葉を続ける。
「‘法王庁特別区’でこれだけの事を仕出かした。・・・連中には、もう一度思い出させる必要があるだろう。
‘我々が、‘法王庁’がいかなる存在であるをな」
「それで?」
建前はいい。
君にとっては、次の一言が重要だった。
「片付けろ」
「了解した」
鋼鉄を思わせる女の命令に、君は満面の笑みと共に頷く。
今度のおもちゃは、多少は遊び甲斐がありそうだ。
闇の中で、君の瞳に銀色の光が灯る。
纏っていたコートをいびつに歪む肉体によって引き裂きながら、無造作に間合いを詰め、歩く。
「かかかっ・・・退屈していたか?ならば私と遊べばいい。この世は喜びに満ちていることを教えてやろう」
「や、やつらは・・・?」
「き、聞いた事がある。法王庁は異端審問官とは別に‘悪魔を噛み殺す猟犬’を飼っていると・・・」
そして、‘化け物’同士の殺し合いが始まった。
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解説:
法王庁が、より強力な「異端」と対峙する為に「異端」の技術を用いて創造された、それが「猟犬」です。
「法王庁の手駒」という点では「罪人」と同様ですが、あなたは「異端」の特殊能力を有しています。
そのため、猟犬にはその能力を制御するための‘拘束封印’が法王庁の「遺失技術管理室」によって施されています。
あなたはその力を、どのようにして手に入れたのでしょうか?。
法王庁によって‘適正あり’と判断され、強制的に「悪魔」の体組織を移植されたのかもしれませんし、ある目的のため、あなたが自ら志願したのかもしれません。
また、偶然によって(あるいは、第三者の意図によって)悪魔と接触し同化したあなたを、法王庁が捕獲したのかもしれません。
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あなたは自分の身体を、そして能力を呪っているでしょうか?
誇っているでしょうか?
いずれにせよ、戦いを続けていく上で「考える事」を放棄する事は、「悪魔」と同じ事であることを覚えておいて下さい。
また‘背景’に登場する「猟犬」は、「悪魔(第4章 4-6参照)」の能力を所有していますが、マスターの承認があれば、他の「異端」の能力を所有していても構いません(AF能力が内蔵されたオートマター等)。
‘猟犬’とは、‘異端’の能力(の一部)を持ち、(原則的に)法王庁に協力する者の事をさす。
‘猟犬’としての能力の獲得は、その多くが人体実験や移植手術、偶発的な接触による後天的なものであり、その存在の希少性が高いことから、法王庁も(主に‘異端狩り’における)価値を認めている。
法王庁自身も「遺失技術管理室」を中心に、秘密裏に研究を重ねているが、‘猟犬’として活動可能な被験者は、その一部に過ぎない。
‘猟犬’は、普段はある程度の自由な生活が可能であり、法王庁も、望む範囲でその生活の補助・援助をする。ただし、見えない範囲で常に監視が付きまとい、‘罪人’との違いは「檻の中で飼われるか、外で飼われるか」の違いだけという話もある。
また、‘猟犬’の能力は、一般人からみれば、恐怖と差別の対象であり、‘異端狩り’の最中は、その心理的効果を考慮した行動が要求される。
◇ ‘猟犬’能力
PCとなる‘猟犬’は、‘悪魔’あるいは‘オートマター’能力を所有しています。
GMからの指示がなければ、能力・弱点を含めて作成ポイント80P以内で作成して下さい。
能力
1.「加速」(30P/1Lv):
使用宣言をすると、1Lvに付き3ターンの間「能力値:敏捷または体力(+3)」で行動が可能。
例)悪魔:感覚の鋭敏化、四肢の強化、等
AM(オートマター):人工筋肉、補助機関、等
2.「鈎爪」(10P/1Lv)
武器等を装備しなくても、1Lにつき+3の攻撃部位を所有している
例)悪魔:鈎爪、角、牙、等
AM:内蔵クロー、電気ショック、等
3.「防護点」(10P/1Lv)
防具等を装備しなくても、1Lにつき1点の防護点を所有している
例)悪魔:鱗、甲殻、毛皮等
AM:人工皮膚、内蔵シールド等
4.「再生」(10P/1Lv)
1Lに付き、戦闘ターン終了時に「負傷ゲージ」が1点回復する。
例)悪魔:再生能力、生え変わり等
AM:自己修復機能等
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5.「超感覚」(10P)
暗闇で物が見えたり、超音波が聞き取れたり、鋭い嗅覚を持ち合わせている。どれか一種類を選択。
例)悪魔:感覚器官の特化・追加、等
AM:センサー、等
6.「射撃攻撃」(10P/1Lv)
1Lvごとに、「1D+1」の「近~中距離」射撃攻撃が可能。属性を火・水・風・土・無から設定すること。
例)悪魔:火炎の放射、「鋼の羽」の射出、等
AM:内蔵火器、仕込クロスボウ、等
6.「飛行」(30P)
短時間の飛行能力を所有。
例)悪魔:翼、皮膜、等
AM:飛行装置、等
7.「しもべの所有」(20/40P)
後述の「しもべ」を所有している。20Pでは「タイプA」、「40P」ではタイプBの能力値となる。「しもべ」の外見は自由に設定すること。
例)悪魔:体に巣食う獣、大型鳥類(のような姿をした‘何か’)、狼・犬(のような姿をした‘何か’)、等
AM:遠隔操作ユニット、軌道上の衛星?メイドロボ??等
8.「特殊」(さまざま)
:GMが許可する能力を設定してください。
例)自己進化、自己増殖、マグノリア触手???等
弱点:
1つの能力につき「-50%」以内なら、いくつ「弱点」を組み合わせても構いません。
1.「使うと負傷」(―10%/1L)
その能力を使用すると、1点のダメージが負傷ゲージに入る。
例)強化された部位に元の肉体が耐えられない、
肉体的拒絶反応がある、等
2.「使うと疲労」(―10%/1L)
その能力を使用すると、2点のダメージが疲労ゲージに入る。
例)使用に集中力が要求される、精神的拒絶反応がある、等
3.「維持が困難」(―20%)
その能力を使用するには、定期的に最初に設定した「あるもの」が必要。「あるもの」の供給を怠ると、その能力は使用不能となる。
例)新鮮な肉・血、特殊な油、‘クリスタル’等
4.「異形化」(―20%/―40%)
その能力を使用すると、使用する部位が、通常の人間が拒否反応を示すような「異形」に変化する。―20%なら使用時だけ「異形」となり、―40%なら平常時も「異形」の状態である。
例)‘獣’のような姿に変わる、
人工皮膚が裂け機械の腕が剥き出しになる、等
5.「暴走」(-20%/―40%)
戦闘終了時に「意思力:難」で判定を行い、―20%なら3個以上、―40%なら5個以上の成功が出ないと暴走する。暴走した場合、再判定は最低でも30分後に行なう。
例)破壊衝動が抑え切れない、‘別人格’の覚醒、等
サンプル:
‘猟犬’であるオルティアは、「猟犬能力」として「鈎爪 3LV」を所有している。
必要ポイントは30Pだが、「弱点」として「異形化(使用時)」を設定しているので、―20%の24Pで獲得できる。
その代わり、使用時は、爪が異様に巨大化してしまう。まだ作成ポイントが56P余っているので、オルティアは他の「能力」の獲得が可能である。