【設定】
地球連邦軍が一年戦争時から蓄積したエゥーゴやティターンズを含むMS母艦のノウハウをすべて投入した「ラー・カイラム級」機動戦艦の一番艦(ネームシップ)。
砲の数は少ないが、ミサイルと連装メガ粒子砲、そして多数の艦載機による高い火力と500m近い大型艦の割に機動戦艦の名に相応しい高い機動性による戦場への展開力を両立した傑作艦となっている。
基本的に本艦のダウングレード版とも言えるクラップ級と共に運用されている。
完成度の高さからU.C.150年代でも同型艦が運用されており、
ジェガンと並び連邦軍では最も息の長い艦種となった。
【同型艦】
アドミラル・ティアンム
一年戦争のチェンバロ作戦最高司令官の名を冠する艦艇。
U.C.0120年にガンダムF90のテスト運用を行っていたが、ガンダム強奪事件を機に火星独立ジオン軍掃討の為に火星に派遣されている。
エイブラム
U.C.0122年に発生した第二次オールズモビル戦役において、ガンダムF90の移送及びオールズモビル掃討作戦に参加した。
エイジャックス
ギリシャ神話の英雄の名を冠する艦艇。
U.C.0123年に発生したゼブラゾーン事件において、ネオ・ジオンの残党狩りを行っていた地球連邦軍特務部隊「第306部隊」の旗艦。
ラー・グスタ
U.C.0123年時点のフロンティア・サイド駐留軍の艦艇。
クロスボーン・バンガードがフロンティア・サイドを占領した際にダミー隕石で艦体を隠しつつフロンティアIVに接近した。
ジャンヌ・ダルク
オルレアンの乙女の名を冠した艦艇。
基礎設計から50年以上が経過した
ザンスカール戦争時代ではもはや旧式だが、ビーム・シールドを搭載するなどの改修を施されている。
【武装】
対空機銃
艦のあらゆる場所に22基設置されている機銃。
ミサイル・ランチャー
艦首の左右に射出口が6基存在する。
連装メガ粒子砲
本艦の主砲となるメガ粒子砲。
前面上部に2基、前面下部に1基、後方に1基の計4基8門が設置されている。
ラプラス事変時には前面下部の1基が取り除かれている。
核ミサイル
アクシズ破壊の為に使用した戦略兵器。
【原作の活躍】
地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」の旗艦として登場、艦長はブライト・ノア。
5thルナ攻防戦では作戦失敗したものの、ロンデニオンでカムラン・ブルームから核ミサイル15基を受領(横流しとも)し、
νガンダムも配備され万全の体制を整えてアクシズでの決戦に臨む。
核ミサイルによる外部からの破壊には失敗するものの、ラー・チャターの艦を盾にした決死の防衛等もあり激戦の最中アクシズに取り付き、ブライト指揮の工作部隊が内部に侵入、爆薬を設置してアクシズを離れ、紆余曲折はあったもののそのまま終戦を迎えることとなった。
3年後のラプラス事変においてもロンド・ベルの旗艦として登場。
新型エンジン「ミノフスキー・クラフト・エンジン」の重力下での実地試験のために地球に降下していたところ、ブライトがローナンからの協力要請を承諾したことと
バンシィの配備によりラプラスの箱に関する事件に関わることとなる。
【艦長】
ブライト・ノア
CV:鈴置 洋孝(逆襲のシャア) / 成田 剣(ガンダムUC)
地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」の旗艦ラー・カイラムの艦長。
一年戦争時には敵として、
グリプス戦役時には味方として戦ったネオ・ジオン総帥
シャア・アズナブルの野望を阻止する為に奔走した。
この時、息子のハサウェイも初陣を飾ることになるのだが、ブライトは彼に遺書を書かせるなど、軍人としての心構えを息子に見せ、伝えた。
しかし、まさかこの戦争での
ある出来事が原因で、息子がシャアの思想に共感し、テロリストになるとは思わなかっただろう。
U.C.0096年では、ロンド・ベル隊の司令官に就任、相変わらず旗艦「ラー・カイラム」の艦長として政治的にも現場指揮官としても多忙な日々を過ごしている。
【原作名台詞:逆襲のシャア】
- 「お前まで戦場に出てきたら、母さんとチェーミンはどうなるんだ!!」
- クェスを取り戻す為にラー・カイラムに密行していたハサウェイを修正して。軍人としてだけでなく父親としての厳格さも窺える。
- 「すまんが、みんなの命をくれ」
- クルーに対するブリーフィングの最後にブライトが言ったセリフで、これに対するクルーたちの返答は「無言の敬礼返し」であった
非常に格好いいシーンであり、同時にブライトに対するクルー全員の絶大な信頼を現わしている。
- スーパーロボット大戦シリーズでも最終作戦などの時に用いられ、ガンダムシリーズのパイロットのみならず、ガンダムシリーズ以外のリアルロボット系のパイロットやスーパーロボット系のパイロットにも受け入れられる事になる。
- 「ラー・カイラムでアクシズを押すんだよ!」
- アクシズの分断に成功したものの、爆発が強すぎて後部が地球に落下する計算になり、なんとか必死に止めようとする。
副官のメランからは「無茶言わないでください!」と制止される。
【原作名台詞:ガンダムUC】
- 「甘ったれるな! その発想自体、貴様が自分で自分を特別扱いしている証拠だ。もとより貴様が何者だろうと、特別扱いするつもりはない。必要なら働いてもらう。だが、出撃したら必ず帰ってこい。それができたら、お前を当たり前のパイロットと認めてやる。」
- 出自を気にする余り、自分を特別扱いしないでほしいという旨の発言をしたリディを一喝する。この発言はリディも感心し、ブライトを信頼するようになる。
- 「その時、君の目の前にガンダムがあったのは偶然かもしれない。今までガンダムに乗ってきた者も皆そうだった。だが、ガンダムに乗るかどうかは自分で決めたことであって、偶然ではないはずだ。違うか?」
「かつてガンダムに乗った者たちと同じく、君もガンダムに選ばれたのだと思いたい。いつもそれは、結果的に必然だった…善くも悪くも、な」
「絶望を退ける勇気を持て。君がガンダムのパイロット…『ニュータイプ』であるなら」- 連邦に捕まり迷走するバナージ・リンクスを勇気付けた一連の台詞で、これまで最も多くのガンダムパイロットと関わってきたブライトだからこその台詞。
バナージはこの言葉に勇気付けられ、ユニコーンと共に革新し始める。
【原作名台詞:閃光のハサウェイ】
- 「そうでもないさ。歴代のガンダムは、連邦軍にいても、いつも反骨の精神をもった者が乗っていたな。そして、ガンダムの最後は、いつもこうだ。首がなくなったり、機体が焼かれたり、バラバラになったり……。しかし、反骨精神は、ガンダムがなくなったあとでも健在だったものだ」
- 捕獲されたΞガンダムを見ながらメカニックマンに「不穏分子が使うモビルスーツに、ガンダムという名称をつかうなんて、許せないでしょう?」と言われたブライトの返事。
アムロ・レイ、カミーユ・ビダン、ジュドー・アーシタ、バナージ・リンクスといったガンダムパイロットらを見続けてきた経験のこもった台詞で歴代のファンなら感涙もの。
しかし、ブライト自身はΞガンダムに自分の息子が乗っていることを知らないまま終わったのだった…。
【搭乗員】
アストナージ・メドッソ
CV:森 しん
【原作名台詞】
- 「サラダを一緒に食べるんじゃなかったのか…」
- ギュネイのヤクト・ドーガに握り潰されたケーラの遺体を目の当たりにして。
ケーラとの約束が叶う事はなかった…
【その他名台詞】
- 「なんだよ、この改造のしかたは?これじゃ効率が悪いぞ?チューンナップするんならもっと狙いをしぼりこめ」
「次からは気をつけるんだな。俺が監督するからには、機体のチューンナップももう少しは効率よくできるようになってもらわなきゃ困るぜ」- ゲーム『スーパーロボット大戦F完結編』において、ロンド・ベルに合流した時の台詞。
彼が合流することで機体の更なる強化が図れるようになることから「伝説のメカニック」と呼ばれることに。
- 「わがままを言うな。ジェガンは、いい機体だぞ」
「それこそ何百年後でも名機と称えられる予感がする」- ゲーム『スーパーロボット大戦T』から、「ガンダムがいい」と駄々をこねたエルに対して。
- 実際にジェガンは連邦が消極的だったとはいえ、30年後も現役で使われ、そこから更に30年後でも訓練や警備用に使われる事になる名機となった。
- また、『スーパーロボット大戦X』では遥か未来の世界の人物がその優秀さを語る場面がある。
【VS.シリーズの活躍】
EXVS.
家庭版から登場し、CPU機として参戦。
2連装メガ粒子主砲と、1発だけ核ミサイルが混じったマルチロック可能な艦首ミサイルが武器。
体力が減ると一斉射撃を行ってくる。
ホワイトベース同様、艦長のブライトはボイス無し。
FBではCPU戦で登場。
EXVS.FORCE
部隊戦の戦艦として登場。
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
逆襲のシャアが参戦している作品では味方母艦として旧シリーズから登場。
「ガンダムUC」と同時参戦していても出典は「逆襲のシャア」となっており、この辺りは
レウルーラも同様。
旧シリーズは戦艦自体が使い物にならない性能だったが、シリーズが進むにつれて性能も見直され、自軍部隊の旗艦として遜色ない艦に仕上がっていった。
ブライトも艦長キャラとしては最強格の能力を持つ。
また、シナリオ面でも自軍部隊の司令官ポジションである事も多く、多くの後輩艦長やパイロット達を導く存在としても一際目立つ。
【余談】
2006年に鈴置氏が逝去後、長らくライブラリ出演の処置がとられていたブライト・ノアだが、『ガンダムUC』にてブライトが登場する事になり、アニメ化にあたり声優がどうなるか注目されていた。
その後、鈴置氏の代役を務めた事があった成田剣氏が起用される。元々声質や演技が似ていた事もあり、「言われるまで気づかなかった」とファンからも好評。
成田氏は生前の鈴置氏と交流があり共演した事もあったが、鈴置氏がブライト役だった事は氏の存命時は知らなかったらしい。
最終更新:2023年09月01日 09:20