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  • 特急第七号

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特急第七号

最終更新:2019年12月29日 04:44

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特急第七号
山本周五郎


【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)保科《ほしな》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)科|順吉《じゅんきち》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定]
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号またはUnicode、底本のページと行数)
(例)※[#感嘆符疑問符、1-8-78]


[#3字下げ]一、保険料五万円[#「一、保険料五万円」は中見出し]

「保科《ほしな》さん、社長がお呼びですよ」
「おい来た、――」東洋保険会社の若手で、ばりばりの腕利《うでき》きと云《い》われた保科|順吉《じゅんきち》は、給仕の知らせで直《す》ぐに社長室へ行った。
「お呼びですか、社長」
「まあ掛け給《たま》え」
 行方《なめかた》社長は自分の側《そば》にある椅子《いす》へ保科をかけさせると、
「実は今夜、大阪まで行って貰《もら》いたいんだ」
「承知しました」
「然《しか》し、些《ちょ》っと面倒な用件がある」
「――はあ」
「今朝、郵船ビルに事務所のあるロナルド兄弟商会から、貴重品輸送に就《つい》て五万円の盗難保険を申込んで来た、――貴重品というのは宝石ひと筐《かご》で、鳩《はと》の卵ほどもある金剛石《ダイアモンド》一|顆《か》あとは碧緑玉《エメラルド》や蛋白石《オパール》、紅玉《ルビー》など、合せて十万ほどの品だそうだ」
「大阪へ送るんですね」
「そうだ、――ところが君」と社長は葉巻の火を揉消《もみけ》して、ぐっと身《からだ》を乗出しながら云った。
「契約をして了《しま》ってから、厭《いや》な事を聞いたんだよ」
「何ですか」
「その宝石を狙《ねら》っている奴《やつ》があるらしいんだ、と云うのは、――二週間ほど前から、ロナルド商会へ時々妙な脅迫状が舞込むと云うんだ……。その鳩の卵ほどある金剛石には『東方の星』と云う名がついていて、世界的にも知られた名だそうだが、脅迫状の文面は、その宝石を必ず盗んで見せると、繰返し云って寄来《よこ》すのだそうだ」
「誰かの悪戯《いたずら》でしょう」
「ところが既に事実があるんだ」
 社長は新《あたらし》い葉巻に火を点《つ》けながら、
「二年ばかり前、同じロナルド商会で二十万円ばかりの宝石類を下関まで輸送した事がある。その時も国際保険会社へ二十万円の保険を附けて送ったんだが、見事列車の中で盗まれた」
 三年以前、ロナルド商会の番頭が、宝石類を持って下関へ向う途中、二等車の中でその宝石が盗まれた。『二十万円の宝石事件』として、当時の新聞を騒がしたものであるが、犯人は結局|捉《つかま》らず、国際保険会社は遂《つい》に二十万円の保険料を支払ったのである。
「その時の事を精《くわ》しく話して下さい」
「精しく話す迄《まで》もない、極めて簡単なんだ。列車が名古屋を出発して間もなく、その番頭が便所へ立った。その隙《すき》に盗まれたらしい、京都へ着くまえに調べてみると、宝石を入れた筐《かご》が紛失しているので、大騒ぎになり、――京都へ着くと共に警官が来て取調べた」
「その時、二等車の乗客は?」
「同じ車室に三人いたそうだが、身体検査をしてみると、その中の一人の紳士の|隠し《ポケット》から五六|顆《か》の宝石が出て来た」
「それが犯人だったのですね」
「警官たちもそう思った。ところで、熟《よ》く調べてみるとその紳士は大阪の有名な富豪で、事件には何の関係もない事が分った、――つまり真犯人は、嫌疑を他へ向ける為《ため》に、態《わざ》と宝石の二三を紳士の|隠し《ポケット》へ落し込み、警官たちが其方《そっち》を調べている間《うち》に、口を拭《ぬぐ》って逃亡したと云うのが真相さ」
「――なるほど、……なるほど」
 保科青年は右手の拇指《おやゆび》の爪《つめ》を噛《か》みながら、眤《じっ》と何事か考えている様子だった。
「そう云う事実があるから、今度も迂濶《うかつ》には出来ないんだ、そこで」
「僕に護衛して行けと仰有《おっしゃ》るんですね」
「何しろ下手をすると五万円の損害だからな」
「僕には些《ち》っと弁償できない金額ですね」
 保科青年は明るく笑って、「承知しました、ひとつ間違いのないようにやってみます」
「頼む、――」
「然し社長、少し金が経《かか》りますよ」
「必要なだけ会計から持って行き給え」
「――午後二時か」
 保科順吉は時計を見て立上った。
「何処《どこ》かへ行くのか」
「些《ちょ》っと養老院へ行って来ます」
「養老院だって? ――?」
 行方社長は仰天した。十万円の宝石事件と養老院と何の関係があるのだ※[#感嘆符疑問符、1-8-78]
「君、――気は慥《たしか》かい?」
「細工は粒々《りゅうりゅう》ですよ、あっはははは」
 保科順吉は元気に笑いながら出て行った。

[#3字下げ]二、人相の悪い男?[#「二、人相の悪い男?」は中見出し]

 東京駅発、下関行特急行第七号列車は、既に発車の準備を了《お》えて、歩廊《プラットフォーム》に着いている。
 午後九時五分前、ロナルド兄弟商会の主人、ロナルド・パアカア氏は、片手に小型の手提鞄《てさげかばん》を持ち、専属私立探偵の門野村右衛門《かどのむらえもん》氏を伴って二等車へ乗込んで来た。そして車室の中央部左側の席を取って腰をかけると、先《ま》ず車室の中を見廻した。
 乗客はまだ二人しかいない、一人は前部の左側にいる老紳士、もう一人はロナルド氏の右手少し後にいるが、――この男は些《ちょ》っと妙だ、髭面《ひげづら》で眼のぎろりとした、顔色の黝《あおぐろ》い、口の大きな、ひどく兇悪《きょうあく》な人相をしていて、着ている物も古ぼけた背広服と云う、二等車などの客には相応《ふさ》わしからぬ風態《ふうてい》である。
「ははあ――」
 私立探偵の門野村右衛門氏は頷《うなず》いて、
「怪《あやし》い奴だわい、脅迫状を寄来《よこ》した奴の一味か、そうでなくとも悪党には相違ない。――だが門野村右衛門がいるとは彼奴《きゃつ》も知ってまいて、下手に動いてみるが宜《い》い……その時は、……その時は村右衛門の腕がどんなものか知るだろうぜ」
 願わくばそう有りたいものである、――いったい門野村右衛門と云う人物は、その古風な名に相応わしく、体つきから動作までがひどく大時代《おおじだい》で、鼻下に鯰髭《なまずひげ》を生やし、古ぼけたモオニングを着ているという有様。そして、自分がいなければ、日本の探偵界は闇《やみ》だ……と云う大きな自信を持っていた。
 発車|間際《まぎわ》になって、学生服を着た一人の青年が、あたふたとこの車室の中へ入って来た。大学の制服正帽で、手に旅行革袋《バッグ》をひとつ持ち、車室の一番後部に席を取って腰掛けた。云うまでもなく我等の保科順吉である。
「ははあ、今度は学生か」
 門野村右衛門氏はじろりと一瞥《いちべつ》して呟《つぶや》いた、「学生なんぞは、まあ捨てて置こう、――問題はあの悪党が、この村右衛門の眼に狂いがあるかどうか、まあ見ているが宜《い》い」
 宜《よろ》しい拝見するとしよう。――かくて愈《いよい》よ午後九時十分、十万円の宝石と、それをめぐる人々乗せた特急第七号は東京駅を発車した。
 保科順吉は列車が動き出すと共に、革袋《バック》から週刊新聞を取出して拡《ひろ》げたが、無論読むためではなく、新聞の蔭《かげ》から車室の様子を観察する積《つも》りなのだ。彼は先ず一番前にいる紳士を見た、――これは臘虎《らっこ》の衿《えり》の附いた外套《がいとう》を着た五十年配の男で、椅子《クション》の具合でも悪いか、頻《しき》りに身動きをしながら、窓の方を見やっている。その次にはロナルド・パアカア氏、門野村右衛門探偵の二人、
「なるほど、あれが専属の名探偵か」
 保科青年はにやりとして次へ眼を移した。右側にいる例の人相の悪い男へ、――然し此方《こっち》からは熟《よ》く悪漢面《あっかんづら》が見えなかったので、保科順吉はちら[#「ちら」に傍点]と見ただけで眼を外《そ》らせた。
 横浜でも二等車の乗客は無かった、――国府津《こうづ》へ着いたのが午後十一時、ここでも乗客なし、遂に車室の客は以上の五名と定《き》まった。ロナルド商会へ脅迫状を寄来した悪漢は、その五名の中にいるだろうか? ――この疾走中の特急列車の中で、怪賊は果して如何《いか》なる手段に出ようとするか?
「愈よ危険は迫って来たぞ」
 保科順吉は秘《ひそ》かに武者顫《むしゃぶる》いをした。
 列車は何事もなく丹那隧道《たんなトンネル》を通過した。ロナルド氏は窓に凭《もた》れて仮睡しているし、あの紳士は何か書物を読んでいる、人相の悪い男は横浜を出る頃からぐっすりと眠りこけている様子だ、――そして名探偵村右衛門氏だけは、木菟《みみずく》のような眼をきょろつかせて、いざ来《こ》い来《きた》れ? と云《い》わんばかりに四角張って力んでいた。
 午前一時過ぎ、列車は静岡駅へ着いた、――そしてここで些《ちょ》いとした騒ぎがあった。
 それは、保科順吉が坐《すわ》り草臥《くたび》れたので、三分停車を利用して歩廊《プラットフォーム》へ下り、大股《おおまた》に列車の側を歩き廻っていると、窓からロナルド氏が首を出して『珈琲《コーヒー》牛乳』りの若者と何か声高に口論をしているのである。――近寄って行って見るとロナルド氏はいま買った珈琲牛乳が不味《まず》いと云って飲みかけのやつを返そうとする、若い駅売りは怒って、
「半分飲んだ物は受取らぬ」
 と云っているのだ。ロナルド氏は、
「美味《ウマ》クナイカラ美味《ウマ》クナイト云ッタノデ、代金ハ払イマス、其方《ソッチ》ノ大壜《オオビン》ヲ取ッテ下サイ」
「此方《こっち》は三十銭です」
「三十銭|宜《イ》イデス、下サイ」
 駅売りは大壜の方を取って差出した。ロナルド氏は直ぐに飲んでみたが、
「不味《マズ》イ、コンナ物飲メマセン」
「代金を頂きます」
「金ハ払イマス、然シコンナヒドイ物売ル、実ニ怪《ケ》シカラン駅長ニ申告シマス」
「どうぞお勝手に、――」
 金を受取った若い駅売りは、ロナルド氏が突返《つっかえ》した飲みかけの壜を納《しま》うと、ぷんぷん怒りながら窓際を離れた。――この様子を見ていた保科青年が、その駅売りが此方《こっち》へ来るのを待兼《まちか》ねたように、
「おい君、――」
 と呼び止めながら、近寄って行った。

[#3字下げ]三、事件突発![#「三、事件突発!」は中見出し]

「珈琲牛乳をくれないか」
「ヘイ、十五銭」
「ここで飲むから蓋《ふた》を脱《と》ってくれ給え」
 そう云って、小銭を出しながら、保科順吉は駅売りの若者の胸許《むなもと》を見た、灰色ジャンパアの胸の処《ところ》に丸い番号票が附いている、それは不都合な行為のあった場合、駅長へ申告するために附けてあるもの[#「もの」に傍点]で、その若者の番号は三十七番だった。
「君はまだ新米だね」
 若い駅売りが基の蓋を脱《と》るのに苦心しているのを見た保科青年は、
「宜《よ》し僕がやろう」
 と受取って代金を払い、
「いまの外国人は随分口やかましい奴だな」
「全くあんな人に遭っちゃ敵《かな》いませんよ、――毎度有難うございます」
 そう云って駅売りは去って行く、その時発車の合図があったので、保科青年も列車へ乗込んだ、――そして静岡を出発した。
 席へ戻って、ゆっくりと珈琲牛乳を飲みながら、読みさしの週刊新聞を拡げ、そっと車室の中を見廻している、――と、列車が静岡を出て五分ほどした時、例の紳士が席を立って此方《こっち》へ歩いて来た。便所へでも行ったらしい、後部の方へ立去ったが、二三分すると戻って来て再び元の席へ就いた。
 車室の人々はみんな各々《めいめい》の座席に納《おさま》り、あの名探偵村右衛門さえ、頑張り疲れが出たとみえて、もうさっきからこくりこくりと居眠りを始めて居た、――列車は轟々《ごうごう》と耳を聾《ろう》するばかりの響きをたてながら、雨催《あめもおよ》いの深夜の鉄路を、西へ西へと驀進《ばくしん》している。と……その時、不意に車室内の電燈がいっぺんに消えたのである。
「あ、――電燈線の故障だな」
 保科青年がそう呟く、刹那《せつな》! 鼻を摘《つま》まれても分らぬ闇の中で、どしん[#「どしん」に傍点]と烈《はげ》しく物を打つ気配が起り、
「きゃ――ッ」
 と云う悲鳴と、人の倒れる物音、それと同時に門野村右衛門氏の喚《わめ》く声が起った。
「みんな騒ぐな、曲者《くせもの》の尻尾《しっぽ》は押えたぞ、さあ来い、門野村右衛門が相手だ、うわっ!」
 ごつん[#「ごつん」に傍点]と云う音、「畜生、やったな、もう逃さんぞ、さあ来い、己《おれ》は門野村右衛門だ、何奴《どいつ》此奴《こいつ》の容赦は無い、片っ端からふん縛《じば》ってくれる、ふん縛ってくれるぞ!」
 村右衛門氏の喚きが終らぬ内に、車室の電燈がぱっと点《とも》り、
「――どうしたのですか」
 と後部から車掌が入って来た。
 見ると、車室の中央に門野村右衛門氏が、額に大きな瘤《こぶ》を拵《こしら》えて忿怒《ふんぬ》の形相|凄《すご》く、喚きたてている、――その足下《あしもと》にロナルド・パアカア氏が俯伏せに倒れていて、宝石を納めた手提鞄が、ぱっくり蓋を明《あ》けたまま投出されてあった。紳士は吃驚《びっくり》して座席から振返っているし、――あの人相の悪い男は、眼を大きく瞠《みひら》いたまま身動きもせずにいた。
 村右衛門や探偵は直ぐにロナルド氏を援《たす》け起して座席《シート》へ横にし、傷を調べると額をひどく打たれているが、大した傷ではなかった、――そこで手提鞄の中を検《あらた》めると、宝石が無い……『東方の星』その他十万円の宝石は遂に盗まれたのである。
「みんな席を動かないで!」
 村右衛門探偵は叫んだ、「事件は簡単だ、車掌さん、――いま電燈の消えた刹那に、誰かがロナルド氏と私を殴打《おうだ》し、この鞄の中からまんまと貴重品を盗み出したのだ。外から入って来た者はない、事件はこの車室の中だけで起ったのだ。私は御存じかも知れぬが門野村右衛門じゃ、探偵術に就ては些《いささ》か自信がある、――失礼ながら捜査を終るまでみんな席を動かずにいて頂きたい。車掌さん立会って下さい」
 見事に脹《ふく》れて来る額の瘤(さっきごつん[#「ごつん」に傍点]と音のした時やられ[#「やられ」に傍点]たものらしい)を撫《な》でながら愈《いよい》よ名探偵は活躍を始めた。
 彼は紳士の処へ行って、前部から人の出入りの無かった事を慥《たしか》め、座席の隅々まで、まるで這《は》うようにして捜査を始めた、然し何処からも宝石筐は出て来なかった、――然しロナルド氏の座席《シート》の下から、一本の太い洋杖《ステッキ》を発見した。
「ははあ、――」
 と村右衛門探偵は勝誇ったように立上って云った。
「到頭《とうとう》みつけたぞ、これがロナルド氏を殴った兇器だ、この洋杖《ステッキ》の持主こそ当の犯人じゃ。諸君、――この洋杖《ステッキ》は何誰《どなた》の物ですかね?」
 誰も答える者はない。
「名乗って頂きたい、黙っていたところで指紋を調べれば分る事だ、さあ白状し給え」
「――失礼ですが」
 と例の紳士が立上った。

[#3字下げ]四、犯人捕縛?[#「四、犯人捕縛?」は中見出し]

「私はさっき便所へ立ちましたが、通りすがりに見たところに依《よ》ると、その洋杖《ステッキ》は彼方《あちら》の方《かた》が持っておられたと思います」
 そう云って紳士は人相の悪い男の方を指さした。名探偵は我意を得たりと、
「なるほど、いや宜《よ》く証言をして下さいました。実際のところ私も知っていたのです。なに事件は単純なものですよ」
 村右衛門氏はその男の方へ近寄って、
「この洋杖《ステッキ》は君の物だろうね」
「――」
 人相の悪い男はぎろりと眼を光らせたが、急におどおどした様子で、
「は、はい、その……さようです」
「まさか違うとも云えまいさ。ふむ! ところで君はこの事件の犯人だと云うことも認めるだろうな?」
「と、とんでもない、決してそんな」
「もうそんな問答には及ばんでしょう」
 紳士が側から腹立たしそうに云った。「殴ったのがその様杖《ステッキ》であり、様杖《ステッキ》の持主がその人である以上、宝石を盗んだ犯人はそのに違いありませんよ。身体検査をしてみたら宜《い》いでしょう。そうすれば」
「否《いや》、貴方《あなた》は黙っていて下さい」
 探偵は紳士の言葉を遮って、
「事件に就ては私が万事承知です、もうこれだけの事実を慥《たしか》めて置けば大丈夫、身体検査は警官の仕事です、――車掌さん、浜松へ電報を打って、警官に駅まで出張して貰ってくれ給え」
「――承知しました」
「ああ君」
 車掌が去ろうとした時、――今まで黙って事件の成行を見戍《みまも》っていた保科順吉は、手早く革袋《バッグ》の中から電報頼信紙を取出して何か認《したた》め、車掌を呼止めて、
「僕も電報を打ちたいから頼みます、どうか大急ぎでこれを、――」
「承知しました」
 車掌は保科青年から頼信紙を受取ると、足早にこの車室から出て行った。――果して保科青年は何処へ電報を打ったのであろうか、奇怪な事件を乗せたまま列車は全速力で疾走している。
 かくて特急第七号列車は、午前三時五分浜松駅へと着いた。駅には浜松署の捜査係長|河口警部《かわぐちけいぶ》をはじめ五名の警官が待兼ねていて、直ぐに問題の二等車だけを一台切離し、待避線へ入れて置いて列車は出発した。
 待避線へ入れられた二等車には勿論《もちろん》、五名の者も席を動かずにいる、――やがて河口係長はじめ警官たちが入って来た。
「事件の経過を説明致しましょう、――私はこういう者です」
 門野村右衛門は真先に立って、係長に名刺を差出した。名探偵門野の名を知ったらさぞ驚くだろう――と、秘かに鼻をうごめかしていたが、河口警部はちらと瞥見《べっけん》したきりで、
「事件を聞きましょう」
 と云った。村右衛門氏は拍子抜けのした形だったが、気を執直《とりなお》して説明を始めた、――河口警部は要点を手帖《てちょう》に書き留めながら黙って聞いていたが、名探偵の陳述が終ると、
「なるほど、――すると要点は、
 一、午後一時二十分頃電燈が消えた。
 二、何者かがロナルド氏、並びに門野村右衛門氏を殴打した。
 三、車掌が電燈線を直して来た時、手鞄の中の貴重品が盗まれているのを発見した。
 四、兇器は洋杖《ステッキ》、持主は同車の男。
 五、外部から人の出入り無し。
 これに相違ないな?」
「相違ありません、実に御明察です」
 名探偵は妙なところでお世辞を云う、――河口警部ちら[#「ちら」に傍点]と村右衛門氏の額の瘤を見て、笑いを噛殺《かみころ》しながら振返った。そして例の人相の悪い男の側へ近寄って、
「この洋杖《ステッキ》は君の物に相違ないかね?」
「へ、へい、全くで……さようでございます」
 男は蒼白《あおざ》めた顔で頻《しきり》に叩頭《おじぎ》をした。
「すると君は、電燈の消えたのを利用して、この洋杖《ステッキ》でロナルド氏と探偵さんを殴り、手提鞄の中から……」
「ち、違《ちげ》えます、私《あっし》は決して」
「弁解は沢山だ、体を検《しら》べる」
 係長はそう云って男の身体検査を始めたが、驚くべし、忽《たちま》ち上衣《うわぎ》の|隠し《ポケット》から三|顆《か》の碧緑玉《エメラルド》が出て来た。
「――これは何だね?」
「ああ※[#感嘆符疑問符、1-8-78]」
 男は仰天したが、必死の勢《いきおい》で、「知りません、そんな物ぁ知りません。電燈の消えた時、闇の中で誰かが私《あっし》に触れました。そのとき其奴が入れたのでしょう、私は知りません」
「そんな言訳《いいわけ》を信用すると思うのかね」
 係長は冷笑して、
「おい、手錠をかけろ」
 と部下に命じた。――その時である、保科順吉が席から立って来て、
「お待ち下さい、その男は犯人ではありませんよ!」
 と叫んだ。

[#3字下げ]五、意外な真相[#「五、意外な真相」は中見出し]

「君は誰だ、――?」
「こう云う者です」
 腹立たしげな捜査係長の手に自分の名刺を渡しながら、保科青年は云った。
「ロナルド氏の宝石に就ては、僕も会社から護衛を命ぜられて来たのです」
「それで、この男が犯人でないと云う理由は?」
「この人が犯人だなんて馬鹿気《ばかげ》ていますよ」
 保科青年はにやりと笑って、「と云うのはですね、この人は僕が東京の養老院から雇って来たので、然《しか》も半身不随です」
「――え?」
「脳溢血《のういっけつ》で半身不随です、この車室へ入るんだって、皆様は知りませんが僕と駅夫と二人がかりで担《かつ》ぎ込んだんですからね、独りで立つことも出来ぬ病人に、洋杖《ステッキ》で人を殴ったり、貴重品を盗んだりする事が出来る筈《はず》はありません」
 遖《あっぱ》れ保科順吉、――養老院へ行くと云った謎《なぞ》のような言葉は、ここではじめて了解できる。
「では犯人は誰だ?」
「その前に、――失礼ですが貴方《あなた》」
 と保科青年は例の紳士の方へ振返って、「貴方は門野探偵が洋杖《ステッキ》の持主を訊《たず》ねた時、真先《まっさき》に持主を指名なさいましたね」
「云いました。悪かったですか?」
「大変に結構です、――然し、その時|貴方《あなた》は続けて、宝石を盗んだのは其奴《そいつ》に違いない、と仰有《おっしゃ》いましたね」
「それがどうかしたかね?」
「少しおかしいんですよ、何故《なぜ》かと云うとですね、あの時は未だ盗まれた物が『宝石』だと云う事は誰も云っていないんです、探偵さんもただ『貴重品が盗まれた』と云ったばかりですからね、――それなのに貴方だけが、宝石と云う事を知っていらしったのは変じゃ有りませんか、如何《いかが》です」
「ば、ば、馬鹿な、儂《わし》は……」
 と紳士はひどく吃《ども》りながら、「儂は、ただそう思ったのだ、思ったから――」
「いや結構です、これ以上弁解なさる必要はありません」
「ダガ宝石ハ」
 とロナルド氏が座席へ横になったままで、心配そうに叫んだ。
「宝石ハドウシマシタ、アノ宝石、十万円、盗マレテハ大損害デス」
「なに宝石は直ぐお手へ戻りますさ」
 保科青年はちらと腕時計見て、「もうこんな時間か。では係長、ロナルド氏だけ医務室へ運んで休養させて上げたら如何ですか、殴られた傷が痛む様子ですから」
「そうしよう、君、――援けて上げ給え」
 係長の命で部下の警官三名が、呻《うな》っているロナルド氏を援け起し、車室から下りて駅の構内にある医務室へと運んで行った。
「ところで、犯人はどうした?」
 河口警部が苛立《いらだ》たしそうに促すと、
「犯人? いやどう致しまして」
 保科は微笑して、「この事件には犯人などは一人もいませんよ、もう五分待って下さい、いま事実をすっかり証明して御覧に入れます」
「――五分だって?」
「や、到着しました」
 保科順吉は窓の外を見て、「係長どうか僕と一緒においで下さい」
 そう云って車室を出た。――残った三名には警官を附けて置いて、二人は線路を横切りながら駅の歩廊《プラットフォーム》へあがる。その時……下り十五号急行が駅へ入って来て停車した。
「早く、此方《こっち》へ来て下さい」
「――や、ここは医務室じゃないか」
 保科青年は、黙って、――と云う合図をしながら、医務室の横手の扉《ドア》をそっと[#「そっと」に傍点]明《あ》け、河口警部の耳へ口を寄せて、
「いま面白い芝居が始まります、音を立てないように見ていて下さい」
「――」
 警部は黙って頷いた。
 医務室の中には、ロナルド・パアカア氏が唯《ただ》一人、寝台に横《よこた》わっているばかりだ、――とやがて正面の扉《ドア》を明けて、灰色のジャンパアを着た一人の若者が入って来た。見ると意外にもそれは、静岡駅でロナルド氏と口論をした駅売りの男である。
「早かったでしょう。ロナルド様《さん》」
 男は寝台の方へ寄って行きながら去った。ロナルド氏は若者の顔を見るなり、
「ア※[#感嘆符二つ、1-8-75] ドウシテ来タンダ、馬鹿※[#感嘆符二つ、1-8-75]」
 と寝台の上へ跳起《とびお》きながら叫んだ。
「どうしてって例の物を持って来たんですよ、来いと仰有ったから」
「東京デ会ウ約束ジャナイカ、コンナトコヘ来テモシ露《バ》レタラドウスルカ、馬鹿」
「だって直ぐ来いって電報が」
「電報ナド打チハセン※[#感嘆符二つ、1-8-75]」
「――いや、その電報は僕が打ったんですよ」
 そう云いながら、保科順吉は河口警部と共に部屋の中につかつかと入って来た。――いやロナルドの仰天したこと。
「いや君、どうも御苦労さま」
 保科青年は、若い駅売りの持っている珈琲牛乳の壜を、横から奪取《うばいと》って、
「ロナルドさん、僕がさっき申上げたでしょう。宝石は直ぐお手へ戻りますって、――さあお受取り下さい」
 そう云いながら壜を逆さまにした。見よ、そのとたんに壜の中から、『東方の星』をはじめ多くの宝石が、眩《まばゆ》いばかりに光を放ちながら、さらさらとロナルド氏の膝《ひざ》の上へこぼれ落ちたのである。
「これで万事OKです」
 保科順吉は河口警部の方へ振返って云った。
「簡単に云えば、これはつまり保険金を騙《かた》るのが目的だったのです。事件を説明すると、ロナルド氏はこの若者を静岡駅の駅売りに化け込ませ、態《わざ》と口論をしている隙に壜の中へ宝石を落し込んだのです、何故そんな事をしたかと云うと、自分が持っていては警官に身体検査をされる時みつかるし、車室の中には隠し場所がありませんからね、――はっは、勿論あとで約束の場所で宝石は取戻し、併せて五万円の盗難保険金を物にしようとしたんです。ところが、僕の電報でこの若者がここへ現われたため、何もかもおじゃんになったと云う訳ですよ」
「然し、君はどうしてこの事件の謎が分ったのだね、実にすばらしい解決だが」
「なあに簡単なものですよ」
 と保科青年は答えた。「三年前の事件の時にも、嫌疑を他へ向けるために、大阪のある富豪の外套の中へ二三の宝石を入れた――と云う事実を聞いて、今度も必ず同じ手を用いるだろうと思ったもんですから、態と養老院から半身不随の男を雇入れ、同時に他《ほか》の客の入って来ないように、座席を全部買占めて置いたんです。果して彼等はひっかかりました。――静岡駅の口論もそうです、旅馴《たびな》れている筈のロナルド氏が、今更駅売りの珈琲牛乳に文句を云うのも妙ですし、更に大壜の方まで試すと云うのは普通じゃ有りません。「これは宝石を入れたな!」と思いましたから僕はその駅売りの番号票を見て置いたうえ、あとから電報で呼寄せたのです。電燈線を切ったのは、あの紳士です、――便所へ立った時仕掛けをして置き、消えるのを持って、養老院の男の洋杖《ステッキ》を取り、ロナルド氏と探偵を殴って、そっと自分の席へ戻っていたんですよ。……これが事件の真相です、つまりロナルドと紳士と、この駅売りの男と三名の共謀です、犯人はいない――と申上げた意味はこれでお解りでしょうな警部さん。あの名探偵は何にも知りません。まるで小鳩《こばと》のように純真無邪気な善人ですよ」
 そう云って保科順吉は、大声に笑いながら医務室を出て行った。――この報告を聞いたとき、行方社長がどんな顔をして悦《よろこ》ぶか、それをたのしく空想しながら……。



底本:「周五郎少年文庫 殺人仮装行列 探偵小説集」新潮文庫、新潮社
   2018(平成30)年11月1日発行
底本の親本:「新少年」
   1937(昭和12)年3月号
初出:「新少年」
   1937(昭和12)年3月号
入力:特定非営利活動法人はるかぜ

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