Nのステージ/英雄─ヒーロー─ ◆gry038wOvE
ガドルは左脇腹に抱えた痛みを、数秒に一度吹き飛ばしていた。
まるで麻薬のように痛みが消えていくが、また数秒で痛みは舞い戻ってくる。
その繰り返しを、戦いの中で行っていた。
特に、ネクサスの攻撃は強力だった。
手刀を繰り出し、三日月型の光刃でガドルの体を切り裂こうとする。
ガドルはそれを跳ね返すが、パンチ、キックと、当初とは全く違う勢いで攻撃を続ける。
この戦士との戦いが最も面白かった。
「ヘァッ!」
他の戦士のように、戦いながら余計な口を挟むこともない。
それはあの霧彦の、最も不愉快な部分だった。……ただ、同時に物足りなさも感じる。
彼のような熱意を、今ひとつ感じることができないのだ。戦いに対する情熱は、拳や足で説いてくる。
しかし、そこから感じる感覚は、おそらくガドルには理解できない感情が込められており、彼にとっても愉快なものではなかったのだ。
だが、不可解なのはこの理解できない言葉──グロンギの言葉でもリントの言葉でもない、ただの動物の鳴き声と大差ないこの一言に、感情が込められている気がした。
何かを誰かに訴えかけようとしている。
仲間か。後ろにいる戦士たちへ、か。それとも霧彦のように見知らぬ誰かへの言葉か。
ガドルは、数歩後退した。
そんなところに、ダブルと杏子が二人で飛びかかってきた。
ガドルは、この崇高な戦いを二人に侮辱されたような気分で、その剛力を以って、二人をそれぞれ端へと跳ね返す。
──逃げろ──
当のネクサスは、ダブルと杏子にそう訴えたかったのである。
こうして戦うとき、支えてくれる仲間は必要だ。それは知っている。
だが、巻き込みたくない思いも、姫矢には確かにある。
姫矢をこれまで支配してきた思いだった。
セラを巻き込んでしまったときから、ずっとそうだった。
あの時の姫矢は、自分の正義感で、戦場に向かいカメラを向け続けていた。
死んでいく人々を見てもカメラに手をあてたまま、その手で誰かを助けようとは思わなかった。
戦場でのストレスで、人間らしい思いが少しくらい欠けていたのかもしれない。
僅かなその人間らしい思いは全てセラに対して注がれていた。
そのセラを、あの時、自分の行動が原因で死なせてしまった────。
皮肉にも、
姫矢准はその瞬間に撮った写真で、賞を取ってしまったのである。
何故助けなかったんだ、という批判の声も少しは世界から沸いた。その弾圧による苦しみが、辛うじて姫矢を保っていたのかもしれない。
もし、手放しに褒められ続けたならば、姫矢は世間の評価と自分自身とのギャップに苦しめられ続けただろう。自分は、そんな人間じゃない──と。
そして、誰も自分を正しく認識してくれない孤独や、過大評価によるストレスが彼をひたすらに苦しめ続けた。
ただ、セラの時に感じ続けた罪の意識から、姫矢はウルトラマンとして人々を守り続けた。
人を守り続けた末に、いつか死ねことで、自分の贖罪は完遂されるのだと、ずっと思っていた。
──何故か、不思議と、そんな自分が重なる相手が此処にはいた。
赤い髪、赤い衣装の、まるで男のような言葉遣いの少女である。
何故か、彼女の瞳には、自分自身と似た孤独を感じたのだった。
それに、彼女も「罪」という言葉に異常な反応を示していた。
だから、姫矢は彼女が逃げ去ってくれることを望んだ。
この場にいる中で、誰かが敗北を喫して死ぬというのなら、それは杏子だろう。
ダブルは戦略面にも特化しているゆえ、辛うじて生き残る目もある。だが、このまま混戦すれば杏子はおそらく救われることはない。
ダブルと杏子には極力逃げて欲しかったのだ。
そんな姫矢の思いは届かない。
「ガドル……本当に楽しそうだね。このままだと、ガドルの負けもあるかもね」
ダグバは、その混戦を見て、いてもたってもいられなくなったのか。
やはりベンチから、立ち上がった。戦うも戦わないも、彼の気まぐれだった。
ガドルとこれだけ遣り合える相手たちならば、やはり随分楽しめる相手なのだな、とダグバは思ったのだ。
これだけの時間待たされるとは、ダグバも思わなかったのだ。
「それに、このままだと退屈かな……混ざるよ、ガドル」
「この戦士には手を出すな。あとは好きにしろ」
ガドルはネクサスに向かって走っていった。
ダブルも杏子も、このネクサスに比べれば全く相手にならない。
しかし、座り続けることに飽きたダグバは、それでも充分なようだった。それに、ダグバはダブルを面白い相手だと思っていたのだ。
だが、ダブルと戦うには一人、邪魔者がいる。
あの赤い少女──杏子だ。
この子とダブルは知り合いらしいが、もしこの子がダグバの手で死ねばダブルはどうなるだろう。
もっと強くなる? どうやら、その目があるようだ。
くすっ、とダグバは笑った。
「いいよ、ガドル。僕は──」
杏子に向かって、白と金の戦士へと変身したダグバが走り出す。
カブトムシとクワガタ。二人の相対すべき脅威が、同時に三人を襲う形になった。
ダブルは、一瞬防護のために警戒する。
しかし、ダグバは杏子の方へと走り出した。
「いきなり私が相手かよっ!」
額に汗を浮かべながら、向かい来るダグバに警戒して杏子は槍を構える。
しかし、それはダグバを前にはあまりに遅い行動だった。
ダグバは杏子の顔面に拳をたたきつけ、杏子の体をあっさり後方へ吹き飛ばしてしまう。
杏子は、その一瞬の出来事に、何が起こったのか理解できなかった。まるで、いま杏子の意識はダグバに殴られたあの場所にあって、体だけが宙を舞っているような……不思議な感覚に陥る。
更に、その空中の杏子を追尾したダグバが、無数の拳を杏子の体中に叩き込んだ。
杏子が空中で再び飛んでいく前に、何度も何度も。
「あが、ぁっ!!」
そして、杏子が地面に落ちる。
ダブルやネクサスも反応できないほどの、一瞬の出来事だった。
「……おいっ! お前の相手はこっちだ! マッチョメン!」
「ふふふ……」
ダグバはダブルの言葉を無視する。
ダブルの相手をするのは、もっと後でいい。
まずは杏子を殺して、ダブルが強くなるのを待ちたいのだ。
「君は僕を笑顔にしてくれなくてもいいよ」
杏子は、迫ってくるダグバに怯えた。
ただ、全身も動かないし、迫り来るダグバに繰り出せる術もなさそうに思えた。
槍を杖代わりに立ち上がることさえ、難しい。
安らかさなどなく、ただ回避できそうにない苦痛の未来に怯えて、体を奮わせた。
「君は餌みたいなものだから」
ダグバが、地中に向けて再び拳を振るおうとした。
このまま喰らえば、後方に吹き飛ぶ余地もなく、拳とアスファルトに挟まれて顔を潰すだろう。
視覚機能や、嗅覚機能も奪い、歯を折り、顔を醜いものに変える。
その恐ろしい未来が、影を帯びて近付いてきた。
杏子は、すぐに目を瞑り、せめてその恐怖を、いつ来るともわからない薄い恐怖にしようとした。
「杏子ぉっ!!」
ダブルの声が聞こえた。
彼は杏子を助けるために走り出していたのである。
彼の行動は当然だった。ダグバへの恐怖も当然のように感じていたが、それを抑え、仮面ライダーとしての使命を胸に抱きながら。
しかし、一歩遅かった。
杏子の顔が潰されたわけではない。
そんなダブルの真横を、銀色の光が抜かしていったのだ。
「────デュァァッ!!」
ダグバの体を、ネクサスが真横に突き飛ばす。
ネクサスに戦線を離脱されて棒立ちするガドルが、ネクサスのように杏子を助けようとしたが一歩遅れていたダブルが、その様子を眺めていた。
杏子は、ようやく目を開け、自らの真上に銀色の戦士が立っていることに気がついた。
「……ぁ……」
助けてくれたのか、といいたかったが、声が出ない。
声の出し方を一瞬忘れるくらいの恐怖だったのか。
ネクサスは、ただ、杏子に向けて首を縦に振る動作をした。その様子に、杏子は少し安心して正気を取り戻した。
「邪魔が入ったね」
ダグバはすぐに、ネクサスの方に向けて歩き出した。
杏子の殺害を邪魔した事に対する怒りはない。一人殺すことにそこまで強い執着はない。
あるとすれば、それは強い者を殺そうとしたときの場合だ。
ただ、まだ杏子を殺すことを諦めてはいない。ダブルを強くする為にも。
「ガドル。やっぱり僕もこいつと戦うよ」
ダグバは、ネクサスの首を掴んだ。
杏子の上で、二人の強き戦士が戦い合っている。
杏子は、身動きも取れないような状態になった。ネクサスも、そこを避けたかったが、身動きが取れない。
「ハァッ!」
ネクサスの体を吹き飛ばすと、ダグバはすぐにその体に向けて掌を翳した。
ネクサスの頭部が炎に包まれる。
そんなネクサスの体に、ダグバは容赦なく、何度も何度も、殴り、蹴る。
「あんたの相手は、私だろっ!!」
杏子は、その後ろで立ち上がり、ダグバの体に後ろから槍を突き刺そうとした。
しかし、その攻撃もダグバの右手に弾かれた。ダグバは、杏子の方を見向きもしなかった。
彼は、杏子に最早興味がなかった。
「その戦士の相手は俺だ、ダグバ」
ガドルも怒りを燃やした。
ネクサスは自分の相手だったはずだ。それを、横取りする形でダグバは殴っている。
それも、戦いというより一方的に攻撃するだけだった。
攻撃を受ける暇もない。戦いというより、ただの虐殺だ。
「助けるぜ」
ダブルもそこへ割って入ろうとする。
ダグバは別にネクサスに執着しているわけではないから、手放すのはかなりあっさりだった。
すぐに、ネクサスの体を地面に向けてたたきつける。
それは、ガドルに明け渡すような意味合いだった。
ネクサスは地面をもがいた。
ガドルの無事とは対照的に、ネクサスの体は弱っていた。
それを見て、ガドルの興は一気にそがれる。
この場で最も戦いたかった相手は、ダグバの邪魔によって弱ってしまったのだ。
「余計な事をしてくれたな、ダグバ! 興が失せた」
ガドルは変身を解き、軍人風の屈強な男に姿を戻した。
そして、先ほどまでの戦闘意欲を忘れて、彼はその場の全てを冷めた目で見つめるようになってしまった。
ネクサスの相手をすることも、ダブルの相手をすることも、杏子の相手をすることも、どうでもよくなってしまったのだ。
結局、ここから先はダグバの独壇場。ガドルは引き際を見極め、ここから去っていく。
「……あいつ……っ!! クソ……っ!!」
「翔太郎。今は杏子ちゃんと銀色の戦士を助けよう」
「ああ、わかってる……!!」
霧彦、フェイト、ユーノの仇であるあの男を倒したかったが、それよりもダグバの相手をしなければならない。
杏子やあの銀色の戦士のように、傷ついた仲間がいるのなら、それを助けるのを優先する。
それが、あの京水のいった「仁義」だ。
「おらぁっ!!」
ダブルは、杏子に襲いかかろうというダグバに立ち向う。
しかし、相手にもされず、一払いで地面に投げられてしまう。
これまで戦ってきたどんなドーパントよりも強いのではないか、という相手だった。
仮面ライダーエターナルに匹敵する……あるいは、それ以上の相手だ。ガドルさえそのレベルだったが、ダグバはその上を行くようだ。
それも、ファングもエクストリームもなしというのは少しきつい。
「ねえ、もっと僕を笑顔にしてよ……」
そういいながら、杏子の体に向けてダグバは片手を翳した。
あれは、ネクサスの体を燃やした技である。
ネクサスは、すぐに、ダグバの手を目がけて、片手で軽い光線を放った。
ダグバの掌の向き先が変わり、アスファルトが小さく燃える。燃えるというより、一箇所だけ熱く光ったというところだろうか。
ダグバがネクサスの方を向いた。
ネクサスは、少しだけ戦うのを躊躇った。
これ以上戦っても、やはりダグバは杏子とダブルを狙うだろう。
このままでは埒が明かない。
戦いは際限なく続いてしまう。
「デェァッ!!」
──しかし、それでも、戦うしかない。
護るための戦いは、姫矢の中で続いている。
たくさんの人を護るために。
幸いにも、敵は一人になった。まだ勝機はある。
ウルトラマンネクサスは、このゲームで、希望を失わない人々の仇となる相手を倒す為ならば、その命さえ惜しまない。
ネクサスは、ダグバに向かって走り出した。
その体を抱きつけるように飛びかかる。
ダグバは鬱陶しく思っているようだったが、すぐに杏子を手放してネクサスに意識を集中させた。
杏子は、首元から、嘔吐でもするかのような声を上げて咳き込んだ。
しかし、生きているのならば安心である。
──この光を継ぐ者が、生きていく意思を掴んでいくのなら、俺はこの少女に……俺と同じように何かの原因で自責し続けるこの少女に──
「ハァッ」
ネクサスは、ダグバの顔面にパンチを繰り出した。
ダグバの体は大きく後ろへ吹き飛んだ。
そして、その隙に彼は両腕を伸ばし、クロスし、体中のエネルギーを腕の先に集中させる。
エネルギーといっても、残りは僅かな量に過ぎない。倒せるかどうかはわからないし、ダメージを負いすぎた現状、使えば命さえも吸ってしまいかねない。
──光を託す!──
ダグバもすぐに歩き出す。そして、更にそのすぐ後に走り出す。
あと十歩、
光線が放出できるネルギーを溜めるまで、あと五秒はかかりそうだというのに。
あと七歩、
金色の鞭と、青い弾丸が、ダグバの走行を邪魔した。
ネクサスの右横で、仮面ライダーダブル・ルナトリガーが全力でダグバの攻撃を邪魔していたのだ。左右の特性を使い、ダグバがこちらへ来るのをひたすら防ぐ。
確かに前へ前へと進んではいるが、ネクサスの邪魔ができそうな様子ではなかった。
「お前のことは全くわからなかったが、強くて悪いやつじゃねえ……ってことだけはわかったんだ、協力してやる」
「僕たちが少しだけ時間を稼ぐよ、その間にパワーを溜めるといい、銀色の巨人。……なんだか、僕にも君が大きく見えてね」
そうこういわれているうちに、ダグバが、ネクサスの手の届きそうなところまで近付いた──
──……だが、もう遅い!!──
ダグバの前で、ネクサスの手が今度はL字に組まれていた。
ダグバは邪魔をしようとしていたにも関わらず、ネクサスが必殺を使おうとしていたらしいことに気づいて興奮した。
「その技なら、僕を笑顔にできるかな?」
オーバレイ・シュトローム────それは、今の彼の成せる最大の必殺技であった。
そのLから発される光を見た瞬間、ダグバの体は膨大なエネルギーに包まれた。
立っていることさえままならず、己の体の形さえ認識できないような、ただ思考だけがあるような感覚。
全身の力が抜け、視界が真っ白になり、腕も足も動かない。感覚らしい感覚が抜け、意識だけが転がっていた。
彼の顔は笑っていたし、気分も高揚していたが、顔の筋肉がどのように動いているかも認識できなかった。
ダグバの体が、光の中に消えていき、その場所から消えていった。
「──おい、どうしたんだ……私たちが勝ったのか?」
──オーバレイ・シュトロームの光が消えたとき、そこには
ン・ダグバ・ゼバも、ウルトラマンネクサスもいなかった。
しかし、減った人間もいれば、増えた人間がいる。
変身に必要な……或いは、生命の維持に必要なエネルギーを失った姫矢准という男が、空を見上げて寝転んでいた。
その手には、エボルトラスターが握られているが、変身できることを示す光がなかった。
「……逃げろ。きっと、まだ敵が来る」
自分の顔を覗きこむ仮面ライダーダブルと
佐倉杏子に、姫矢准はそう言った。
ダグバが倒れたかどうかわからない。
しかし、ダグバが倒れようが倒れまいが関係はない。
おそらく、これだけの騒ぎをすれば、それに乗じてあの男──
血祭ドウコクがやってくる。
そいつから逃げてくれと、姫矢は思っていた。
「あんただったのかよ……すげえ強かったんだな」
杏子が言う。
しかし、姫矢は笑えてきた。
その強さを継ぐ人間として、姫矢は彼女を選んだのだ。
彼女はそれを知らないし、姫矢の名前さえ知らない。姫矢だって、彼女の名前を知らない。
彼女の瞳や仕草から何かを感じ、この力を使って欲しい人間として選んだだけだ。
この運命は、ダークザギとて読めなかった。
ダークザギの予言では、サード・デュナミストとなるのは、千樹憐という少年だったはずなのである。
姫矢は、海辺で出会った少年を無意識のうちにデュナミストに選択するはずだった。
しかし、彼は今、本来出会うはずのない相手と出会い、サード・デュナミストに選択した。運命さえ覆した、主催者の魔力である。
「……おい、あんたの名前聞いてないぜ。……おっと、俺も言ってなかったな。俺は
左翔太郎」
「僕は
フィリップだ。しばらく姿を見せることはできないけど、ダブルに変身した時だけよろしく」
「私は、佐倉杏子」
なるほど、杏子というのか。
姫矢は、こんな若い(というより幼い)相手に光を継げるのか疑問に思ったが、やはり彼女が次のウルトラマンに相応しいと感じた。
彼女がこれから、孤門や凪、石堀といったナイトレイダーの面々と出会えれば心強いだろう。
彼らならば、きっと新たなウルトラマンを支えてくれる。
特に、孤門ならば……。
「俺の名前なんかどうでもいい……とにかく逃げろ……」
ただ、姫矢はこの戦友たちを逃がさねばならない。
ドウコクはきっと来る。
その時、姫矢は間違いなく殺されるだろう。持ち場と言える場所にいないのだから。
第一、ドウコクは姫矢を使うために行動していた。使いようのなくなった姫矢は殺されるに違いない。
「逃げるったって、あんた……」
「翔太郎、杏子ちゃん。確かにこの人の言うとおりだ。この人を連れて逃げた方がいい。あの放送に加え、この騒ぎだ。別の参加者が来るかもしれない。
ダグバだって、死体が確認できるわけでもないし……いや、僕も彼は死んだと思うけど」
翔太郎は、来た敵を倒すことも考えたが、姫矢の状態を見てそれは無理と判断する。
少なくとも、姫矢がいる状態では仮面ライダーも戦えまい。
ここは、誰とも遭遇しない場所へ向かって逃げるべきだ。
「左、フィリップ、杏子……俺もすぐに行く……先に行ってくれ」
姫矢は天を仰ぎながら、二人に言った。
しかし、ダブルは行こうとしない。姫矢を背負おうとしていた。
だが、そんな事をすれば移動速度が減少するのは明白。その後も、おそらく体の回復は乏しく、彼や彼女の足かせとなってしまう可能性が高い。
それに、このまましばらくすれば姫矢は「ウルトラマン」ではなくなってしまうのだ。
「放っておけるか!」
ダブルの言葉に、姫矢は嘘をつく。
「動けないのは変身後の副作用だ。数分で治る。俺を待たずに、なるべく早く行った方がいい……俺もすぐに行く。心配することはない」
「…………どうする? 翔太郎」
「……おい、えーっと」
「姫矢准、だ」
先ほどはどうでもいいと言ったが、会話に余計な時間がかかるのなら名乗ったほうが便利だ。
とはいえ、すぐに逃がすつもりだった。
「姫矢。俺はお前信じるからな。俺たちは真っ直ぐ向こうに行く」
「そうだな……突き当たりで落ち合おう」
「ああ」
ダブルが走って去っていく。
姫矢がそれを見て安心していると、杏子がこちらを見た。
彼女はまだ逃げていないらしい。
「なあ、あのダグバっていう奴は倒せたのか?」
「……いや、おそらく」
「そうか。……また私と一緒にあいつを倒してくれよ」
「ああ。それより、もし君がこの先で何か不思議な力を授かったら、孤門という男に会うといい。そいつが協力してくれる」
「わかった。でも、すぐに来てくれるんだよな」
「ああ……すぐに行く」
杏子が去っていく。
この全身から失われていく力が、変身の副作用によるものだということは嘘だ。
必殺技のエネルギーのために、全てを犠牲にした……その結果に過ぎない。
ゆえに、これは
自業自得。
姫矢の顔を、今度は異形の怪物が見つめる。
まるで血でも浴びたかのように真っ赤な怪人だった。ビーストではない。
彼は、そう……外道だ。
「……あいつらを逃がしたのか? 姫矢」
「……」
「そうか。それはご苦労なこった」
血祭ドウコクの表情は恐ろしい。
先ほどまで、二人の戦士が姫矢の表情を不安げに見つめていたが、ドウコクは一片の不安さえ見当たらない。
首につけた金属を外す事だけを、彼は考えているのだろう。
「……姫矢。俺はお前に荷物番を任せたはずだが?」
「……」
「荷物番もできねえような奴は、仲間とは呼べねえよ」
ドウコクは、降竜蓋世刀を姫矢の首元にくっつけた。
彼らしい、古風な殺し方。斬首だ。
その目的は、ただ単純に彼がそういう乱世と縁があるからではない。
この場においては、首輪を得るためだ。
「一つだけ条件付で生かしてやってもいいぜ」
「何?」
「今お前が逃がした奴等を、お前の手で殺せ。さあ、どうする? 姫矢?」
「……御免だ」
姫矢が即答すると、ドウコクの刀で、一切の容赦なく、姫矢の首が、切り裂かれた。
彼の右手にはもう、エボルトラスターという変身道具はなく、ウルトラマンとはもう関係のないただの男性でしかなかった。
何も知らずに、杏子と翔太郎が、今も向こうへ走っている。
ドウコクは、そちらを少しだけ見た。
「……この首輪が手に入っただけ、お前は役に立ったな。まあ、今回はこれで勘弁してやる」
ドウコクは二人を追うのはやめることにした。
もっと別の場所に行き、市街地内で適当な相手を見つけたい。
あとは首輪解除に役立たなそうな人間を探すなり、シンケンジャーらを殺すなり、自由だ。
ドウコクはまた、一人で適当に市街地を歩き始めた。
【姫矢准@ウルトラマンネクサス 死亡】
【1日目/昼前】
【H-7/市街地】
【血祭ドウコク@侍戦隊シンケンジャー】
[状態]:健康、少し苛立ち
[装備]:降竜蓋世刀@侍戦隊シンケンジャー
[道具]:姫矢の首輪
[思考]
基本:その時の気分で皆殺し
0:崩れ落ちた建物(H-8エリア)の方に向かう。
1:首輪を解除できる人間やシンケンジャーを捜す
2:昇竜抜山刀を持ってるヤツを見つけ出し、殺して取り返す
3:シンケンジャーを殺す
4:加頭を殺す
5:アクマロも殺す
[備考]
※第四十八幕以降からの参戦です。よって、水切れを起こしません。
※ザルバが意思を持っていることに気づいていません。
※ブラストショットは姫矢の支給品だと思っています。
※ガドルの呼びかけを聞いていません。
※支給品を姫矢に預けました。
★ ★ ★ ★ ★
「ふふふ…………ははは…………」
ダグバは、人間の体に戻って笑っていた。
その体はボロボロとは無縁。しかし、傷も浅くはない。少しだけ体の節々、その内部が傷む程度だろうか。少なくとも、戦闘不能のレベルではなかった。
ダグバは建物に背をもたれて、ゆっくりと重い腰を上げる。
「本当に面白いね、このゲゲル」
変身能力者の祭典。
クウガやガドル、ゴオマやダグバのような戦士など、この場では珍しくもない。グロンギの社会からリントの社会に出て、力を取り戻すまでしばらくダグバは弱いリントを見てきた。
しかし、変身能力を得たリントは、ダグバを楽しませるに充分な力を持っているのだ。
グロンギの頂点であったダグバも、十二分楽しめる戦いだった。
「……」
さて、タワー襲撃、ガドル放送と続いて、この付近の参加者はある程度密集しただろう。
ただ、川を越えた向こう側にもまだ街はある。
ガドルの放送はそちらには届いていないだろうし、向こうに行くのも悪くない。
「……クウガ、今度こそ君に会えるかな?」
【1日目/昼前】
【H-8/市街地】
【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
[状態]: 全身に中程度のダメージ
[装備]:クモジャキーの剣@ハートキャッチプリキュア!、T-2ガイアメモリ(ナスカ)@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式×2(食料と水は3人分)、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、ランダム支給品(ほむら1~2(武器ではない))
[思考]
基本:この状況を楽しむ。
0:警察署側に向かう。
1:市街地を適当に歩いて、リント達を探す。
2:強い変身能力者たちに期待
[備考]
※参戦時期はクウガアルティメットフォームとの戦闘前です
※発火能力の威力は下がっています。少なくとも一撃で人間を焼き尽くすほどの威力はありません。
★ ★ ★ ★ ★
杏子の脳裏に、不意に不思議なイメージが沸いた。
不思議な遺跡がある。
二つの篝火と、棺桶のような石がある。
しかし、そこには死を連想させる不快さはなく、不思議と安らかな気分になった。
心を落ち着かせるような、透き通った音楽も聞こえた。
「ここは……」
気がつけば、先ほど見た戦士が、杏子を見ていた。
それはまさしく巨人。杏子は、何もない空間に浮いていて、その巨大な戦士が杏子を巨大な顔で見つめている。
「なあ、あの兄ちゃんはどうしたんだ?」
杏子の問いかけに、その戦士は寂しげに首を振った。
杏子は俯いて、その答えを受け入れるのを躊躇った。
結局、ダブルや杏子は彼を見捨てて逃げてしまったことになる。助ける余地はいくらでもあったはずなのに。
父、母、妹、マミ、フェイト、ユーノ、せつな……あらゆる人を喪った挙句に、またこうして失敗を繰り返してしまうのだろうか。
ならば、杏子という人間が生きている意味はどこにあるのか。
「これが、あの兄ちゃんの言ってた不思議な力ってやつか……あの兄ちゃんは、全部わかったうえで……」
おそらく、「変身の副作用」で死んでしまうのだろうと、杏子は思った。
姫矢の様子から察すると、そういう結果になる。何せ、杏子たちが離れてからそう時間が経っていないのに、彼は死んだのだ。
何度となく変身してエネルギーを使いすぎた彼は、きっともう衰弱しきっていたのだろう。
杏子や翔太郎に死体を見せないために、彼は孤独に死んだのだ。
「……わかった。今度は、私が犠牲になる」
贖罪のために、この力で誰かを守り、その果てに死ぬ。
その生贄となるのも悪くないだろう。
杏子のせいで、何人も死んだのだ。
──彼女は、どこか、かつての姫矢に似ていた。
「まずは孤門って奴を、捜しに行くよ」
孤門はあの広間で一度顔を見ている。あの若い男を捜せば、この力について色々わかるはずだ。それまでは杏子の解釈で行く。
遺跡やウルトラマンのイメージが杏子の中から消えていく。
気づいた時には、現実で杏子は、突き当たりの場所に来ていた。
変身を解いた左翔太郎が、そこにいる。その翔太郎の目を見て、杏子は不意に恐ろしくなった。一つだけ、彼に隠し事をしなければならないことに気づいたのだ。
そう、あの事は翔太郎やフィリップには教えない……教えられない。
姫矢の死を知れば、彼らは動揺するだろう。そして、杏子と同じく自分を責める。
いつかバレるとしても、今はまだ、その必要はないと思う。
「どうした、杏子」
「兄ちゃん。少し向こうに行こう。あの兄ちゃんの荷物を取りに行く」
姫矢はデイパックを持ってこなかった。
……ということは、せつなの死んだあの場所に、姫矢はデイパックを置きっぱなしにしている可能性が高い。
杏子はそれを取りに行こうと思ったのだ。
いや、むしろこの道路の延長線上に姫矢の死体が見えてしまう可能性があるので、それを見せないためという意味合いが強い。
「荷物?」
「ああ、実はあの兄ちゃんとは、少し前に会ってたんだ。あの兄ちゃんは、荷物をそこに置いてきたから、そこで落ち合おうって、後から私に言ったんだ」
「おい……それは本当か!?」
「ああ。だから、そっちに行こう。すぐ近くだ」
「わかった!」
杏子は、姫矢についてもウルトラマンについても、翔太郎には何も教えない。
いざという時は、ウルトラマンに変身して戦うかもしれない。教えるとするなら、その時か、あるいはもっと別の事情で隠しとおすことが困難になった場合。
杏子はとりあえず、うろ覚えの道を歩き出した。
この近くに、せつなの死んだあの場所があるはずだ。杏子はそれを探した。
そういえば、せつなからは一つ預かり物をしていた。
アカルン。これが力になってくれると、せつなは言った。
キュアパッション、ウルトラマンネクサス。二人の戦士の変身道具を継いだ彼女は、その力を自分の贖罪に利用することを少しだけ躊躇う気持ちもあった。
だが、二人が望んだように、杏子は誰かを護るために戦わなければならない。
そして、戦いを続ける中で死ななければならない……。
【1日目/昼前】
【G-8/市街地】
※エリア内のどこかに、支給品一式×2、魔導輪ザルバ@牙狼、箸袋コレクション@超光戦士シャンゼリオン、ドウコクのランダム支給品0~2、せつなの死体が放置されています。
【左翔太郎@仮面ライダーW】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、照井、霧彦の死に対する悲しみと怒り
[装備]:ダブルドライバー@仮面ライダーW (腰に装着中)
[道具]:支給品一式、ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、トリガー)、ランダム支給品1~3個(本人確認済み) 、ナスカメモリ(レベル3まで進化、使用できるかは不明)@仮面ライダーW、ガイアドライバー(フィルター機能破損)
[思考]
基本:殺し合いを止め、フィリップを救出する
0:杏子についていき、姫矢を待つ。
1:ここにいるみんなと力を合わせて、一緒に行動する。
2:あの怪人(ガドル、ダグバ)は絶対に倒してみせる。
3:仲間を集める
4:出来るなら杏子を救いたい
5:
泉京水は信頼できないが、みんなを守る為に戦うならば一緒に行動する。
[備考]
※参戦時期はTV本編終了後です
※他世界の情報についてある程度知りました。
(何をどの程度知ったかは後続の書き手さんに任せます)
※魔法少女についての情報を知りました。
※姫矢の死を知りません。
【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、ソウルジェムの濁り(大)、自分自身に対する強い疑問、ユーノとフェイトを見捨てた事に対して複雑な感情、マミの死への怒り、せつなの死への悲しみ、ネクサスの光継承
[装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、エボルトラスター@ウルトラマンネクサス、ブラストショット@ウルトラマンネクサス
[道具]:基本支給品一式×2、伝説の道着@らんま1/2、せつなのランダム支給品0~2、リンクルン@フレッシュプリキュア!
[思考]
基本:姫矢の力を継ぎ、人を守った後死ぬことで贖罪を果たす 。
0:姫矢の死は翔太郎には隠しつつ、姫矢の支給品を回収しに向かう。
1:
孤門一輝という人物に会いに行く。
2:自分の感情と行動が理解できない。
3:翔太郎に対して……?
4:あたしは本当にやり直す事が出来るのか……?
5:
美樹さやかも参加している……?
[備考]
※魔法少女まどか☆マギカ6話終了後からの参戦です。
※首輪は首にではなくソウルジェムに巻かれています。
※魔法少女の身体の特性により、少なくともこの負傷で死に至ることはありません。
※左翔太郎、
フェイト・テスタロッサ、
ユーノ・スクライアの姿を、かつての自分自身と被らせています。
※殺し合いの裏にキュゥべえがいる可能性を考えています。
※ガドルの呼びかけを聞いていません。
※彼女の行動はあくまで贖罪のためであり、自分の感情に気づいたわけではありません。
※姫矢が死んだのはネクサスの力による消耗のせいだと考えています。
★ ★ ★ ★ ★
「くっ……火事か……」
タカヤと京水がマップ中央に向かおうとしたとき、そこには燃え盛る炎があった。
いつか、ダグバが作り出した炎であった。いつか、シャンゼリオンやほむらがメタルドーパントと戦った場所であり、いつか、霧彦が向かおうとした場所である。
さて、これをどうすべきか。
「まるで燃えるような恋のような炎ねっ!」
「言ってる場合かっ!! ……まあ、今は放っておこう。あとでこの火を消さないとな」
一応、回り道できないこともない。
小火ならともかく、ある程度燃え盛っており、ボルテッカで吹き飛ばしてしまうのも随分時間がかかりそうだ。
おそらく、この先に行けば、彼がエビルとの決着をつける頃には街に戻るのも大変な状態だろう。
禁止エリアも近いので、かなりの遠回りが予想される。
「……誰だ、こんな火をつけたのは……。まあいい」
モロトフも、数分後に同じようにこの炎の壁にぶち当たる。
随分と調子に乗って戦っている相手がいるな、という程度の認識だ。
この付近には別の参加者はいないようなので、その参加者はいないらしいが。
「……今はブレードを追うのみだ」
【1日目/昼前】
【G-7/森】
【
相羽タカヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:両肩部に刺傷、疲労(中)
[装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式、メモリーキューブ@仮面ライダーSPIRITS、ランダム支給品0~2
[思考]
基本:主催者を倒す。
1:シンヤを倒す為、マップ中央に向かう。
2:俺はいつまでコイツ(京水)と付き合わなければならないんだ……
3:シンヤ、モロトフを倒す。
4:克己、
ノーザ、冴子、霧彦、左達を襲った怪人(ガドル)を警戒。
5:記憶……か。
6:後でG-7の火を消す。
[備考]
※参戦時期は第42話バルザックとの会話直後、その為ブラスター化が可能です。
※ブラスター化完了後なので肉体崩壊する事はありませんが、ブラスター化する度に記憶障害は進行していきます。なお、現状はまだそのことを明確に自覚したわけではありません。
※参加者同士が時間軸、または世界の違う人間であると考えています。
【泉京水@仮面ライダーW】
[状態]:疲労(小)
[装備]:T-2ルナメモリ@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式、細胞維持酵素×4@仮面ライダーW、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、ランダム支給品0~1
[思考]
基本:剛三ちゃんの仇を取るために財団Xの連中を潰す。
0:ナスカを倒す
1:タカヤちゃんが気になる! 後、シンヤちゃんやモロトフちゃんとも会ってみたい!
東せつなには負けない!
2:克己ちゃんと合流したい。克己ちゃんのスタンスがどうあれ彼の為に全てを捧げる!
3:仮面ライダー(左翔太郎)とは、一応共闘する。
4:後でG-7の火を消す。
[備考]
※参戦時期は仮面ライダーオーズに倒された直後です。
【モロトフ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、強い苛立ち、ランスに変身中
[装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式、拡声器、ランダム支給品0~2個(確認済)
[思考]
基本:参加者及び主催者全て倒す。
0:しばらくブレード(タカヤ)の後を追う。
1:ブレードとエビルの戦いを見届け、隙を見て勝者を殺害する。
2:その後、市街地に移動して拡声器を使い、集った参加者達を排除。
3:ブレード(タカヤ)とはとりあえず戦わない。
4:プリキュアと魔法少女なる存在を皆殺しにする。
5:キュアピーチ(本名を知らない)と佐倉杏子の生死に関してはどうでもいい。ただし、生きてまた現れるなら今度こそ排除する。
6:
ゴ・ガドル・バという小物もいずれ始末する。
[備考]
※参戦時期は死亡後(第39話)です。
※参加者の時間軸が異なる可能性に気付きました。
※ボルテッカの威力が通常より低いと感じ、加頭が何かを施したと推測しています。
※ガドルの呼びかけを聞きましたが戦いの音に巻き込まれたので、全てを聞けたわけではありません。
★ ★ ★ ★ ★
ガドルは再び、街を出て、街の外にいる参加者を探し始めた。
ダグバに邪魔をされたことは不愉快だった。それゆえ、ダグバが留まるであろう街を抜け、今度は先ほど来た道をなぞるように彷徨おうとしていた。
「山の方に向かうか」
禁止エリアもあるが、向こう側には村もある。
街に次いで、人が集まる場所といえば山の頂上か村だろうか。
山の頂上ならば、周囲の観察もしやすく、ある意味穴場ともいえる。
それに、市街地よりも声が通りやすく、拡声器を使って周囲の参加者を呼びやすいだろう。
ある意味、ガドルにとっては都合の良い場所かもしれない。
何より、クウガを探すためにも。
「……クウガ、貴様はどこにいる」
せめて、己を倒したクウガへのリターンマッチを邪魔されたくはないと、ガドルは意気込んでいた。
ダグバを倒すのは、最後の二人となった時でいい。
それまでに、ダグバを越える力を得ていかなければならないだろう。
ガドルは、真っ直ぐに山の方へと歩き始めた。
【1日目/昼前】
【H-5/森】
【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ(中)(回復中)、右脇に斬傷(回復中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×2、ガドルのランダム支給品1~3(本人確認済み、グリーフシードはない) 、フェイトのランダム支給品1~2、ユーノのランダム支給品1~2個 、イングラムM10@現実?、火炎杖@らんま1/2、拡声器@現実
[思考]
基本:ダグバを倒し殺し合いに優勝する
0:山の頂上に向かう。
1:クウガ(五代)と再び戦い、雪辱を果たす。
2:強者との戦いで自分の力を高める。
※死亡後からの参戦です
※フォトンランサーファランクスシフトにより大量の電撃を受けた事で身体がある程度強化されています。
※フォトンランサーファランクスシフトをもう一度受けたので、身体に何らかの変化が起こっている可能性があります。(実際にどうなっているかは、後続の書き手さんにお任せします)
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最終更新:2013年03月15日 00:31