のら犬にさえなれない(後編) ◆gry038wOvE


 ……。

「先ほどレーダーアイで見たところでは、周囲10km以内に敵の姿は無い。おそらくすぐに誰かが俺たちの目の前に現れる事はないだろう」

 …………。

「今なら行ける、という事か。どうする? みんな」

 ………………。

「勿論、行くわ……!」

 ……………………さて。
 俺たちは、ほんの一時的にだが、警察署を出ていた。会議室のホワイトボードに伝言を残す。俺たちは、風呂に入るために外出していると。
 沖さんはここまでの道程を殆ど記憶しており、この偽りの街を「庭」にしていた。北も南も知りつくしている。俺は風都なら隅から隅まで覚えているが、ここは風都じゃない。俺はこの街の姿を覚えるのは苦手だった。

 俺たちの前には、銭湯がある。
 銭湯──何とレトロな響きか。一家に一台風呂がある時代に、廃れていってしまうこの施設。銭湯屋が潰れるたびに、俺たちは切なさを感じるだろう。風都にも良い銭湯があるので紹介したいが、それはまた後にしよう。

「よっしゃぁぁぁぁぁ! 久々の銭湯だぁぁぁぁぁぁっ!」

 ……俺のこの時の歓喜の叫びは無視してくれ。

「はしゃぎすぎだ、翔太郎。いくら周囲に人がいないからって」
「でも、結構汗かきましたからね……。少しはのんびりしたいです」

 そう、ヴィヴィオの運動は、いわば風呂の前の僅かな休憩だ。
 その時の汗──それから、今日一日の全ての汗と悲しみを洗い流すには、今日の終わりに風呂に入るのが一番いい。

「そうだね。みんな、一日疲れただろうから、少しゆっくりするといいよ」

 孤門が言う。
 一日のご褒美としては、まあ妥当だろう。
 銭湯に入るのが久しぶりという奴は、ここにもいるだろうか。
 俺たちは、そこへ足を踏み入れた。
 俺たちは無人の番台に330円払い、「男」と「女」の二つの更衣室に入った。






 ……そして、そんな俺を待っていたのは、男祭りだ。

 当たり前だが、男湯には男しかいない。孤門一輝、沖一也、俺、フィリップの四人のマッチョメンが全裸で、横一列Gメン歩きで、タオル一枚を手に持って、銭湯の中へと進んでいく、冗談のような光景。恐ろしいのは全員、首輪だけはしている事だ。
 所謂裸の付き合い、男祭り。下町人情まっしぐらの世界だ。下町生まれの日本男児は、裸の付き合いで絆を深める。だから、これは何という話でもない。
 あの富士山なんか、いかにも下町の風呂屋じゃないか。──そう、ここからは俺もハードボイルドをやめて、少し下町風情のある、「日本のハードボイルド」の世界に入る。
 タオルはいらねえ。俺はタオルをぶん投げる。
 湯船にタオルを入れる行為は禁止されている。俺たちはタオルを外し、行水するようにお湯を浴びる。
 これが日本の風呂。俺たちの風呂。

『……おい、ヴィヴィオ、走んな! あぶねえぞぉー!』

 ……と、そんな俺の耳には、嘘のような言葉が聞こえた。
 俺は半分既に湯船に漬かろうとしていた。

 ──俺たち四人は、その声の方を凝視した。
 まさか、これは──そう。
 壁。
 壁だ。俺たちの横には、壁がある。湯煙と音声が、二つの壁の上を通る。……もしや、これは本当に昔ながらの銭湯ではないか。

 女湯の声が、そのまま男湯に筒抜けになっているという、例の気まずい銭湯だ。
 この壁一枚だけが、男湯と女湯を区切っている。女同士がバストの大きさを語り合うかもしれないのが恐ろしい。そうした会話も全て筒抜ける。気づいてしまえば、男湯の側から声をかける事もできず、声を出すのも何となく避けられる。

 しかし、孤門たちは気にしない風に全身をお湯に漬けていった。

「あ、あの……沖さん、言いにくいんですけど、沖さんは水の中に入って大丈夫なんですか?」

 ──孤門、空気読め! 聞こえなかったのか、今の杏子の声が。このすぐ隣にいる杏子は服を着ていない。お互いにそんな声が聞こえたら凄く気まずいんだ!
 お前、普通に喋り出して隣に聞こえたらどうする気だ。男の声が女湯に聞こえると何となく気まずいんだよ、こういうところは。

「……人工皮膚の感度でも、殆ど生身と同じ温度を感じる事ができる。たとえ体が機械でも、魂はこうして洗われるんだ。改造人間の体は、水が苦手という事もない。むしろ長時間の潜水もできるほどだからな。……まあ、生活は人間と変わらないさ」

 そして、沖さんが更に長い説明をする。これは流石に聞こえたんじゃないだろうか。それよか、沖さんの耳に隣の銭湯の声が入っていないわけがない。常人の俺でも聞こえるくらいだ。
 沖さんはこの程度なら無視を決め込めるようだ。

『ねえ、杏子。いま何か聞こえなかったー?』
『気のせいだろー』
『そうですよー』

 隣から聞こえる声。女湯は声を大きくして楽しんでいるが、男湯はぼそぼそと喋っているだけなので、さして隣に響くような声ではないらしい。
 俺のほか、三人も黙り始めた。やはり、男性陣は、こういう時は聞かなかったフリをしてぼーっとしているのが一番いいのだろう。
 ふと、隣から声が聞こえてきた。

『……つーかさ、ずっと気になってたんだけど、美希。おまえ胸デカくね?』

 いきなりお約束かよ! お前も空気読めよ杏子!
 こっちではいい年こいた男が揃って赤面してんだよ(フィリップ除く)!
 美希の胸がやたらデカいのは服の上からでもわかるけど!

「ンーッ!! ンッンッ!! ンッ!!」

 俺はわざとらしい咳払で、何となく隣の浴槽にこちらの存在を知らせようとした。見れば、沖さんや孤門も苦笑いをしつつ、どこか赤面していた。
 流石に、今の俺の咳払いが届けば、流石にそんな話はやめるだろう。

『マミとどっちがデカいかな? ……流石にマミか。あれは破格だ』
『なのはママやフェイトママに比べたら、まだまだですよ!』
『ちょ……ちょっとやめてよ、二人とも!』

 壁の上の僅かな隙間から筒抜けてくる女湯のから騒ぎ。
 女三人寄ればかしましいとはよく言ったもので、男の肩身は狭くなるばかりだ。
 ……俺の咳払いは届いてくれなかったらしい。

「さあ、検索を始めよう……。キーワードは、『無差別格闘天道流』」

 一方、フィリップは、何もお構いなしに検索を始めている。こいつだけは湯船から出て、ちゃんと腰にタオルを巻いていた。興味のあるデーターベースを閲覧しては、湯気で真っ白になった鏡に指で何か書き込んでいる。
 『無限の本棚』を用いて、とにかくここで出会ったあらゆる単語について調べているようだ。フィリップはフィリップのままである。俺はたまにこいつのマイペースさがうらやましい。

『……うわはははは、やめてくださいよ、杏子さん!』
『おら、こちょこちょこちょこちょー』
『うわっ! ほんとにやめなさい! こら、あ……! あっ……』

 マジで何やってんだあいつら……。
 何か杏子が暴れているらしく、波音のようなものがこちらまで響いてくるほどだ。
 俺は、顔の半分をお湯に委ねて、湯船でとにかく耳を塞いだ。これ以上聞いてはならない気がした。孤門も同じ状態になっている。沖さんに至っては、水中だろうが無関係に隣の声が聞こえるので、既に拳法の極意で無心モードに入っている。

『……あー、もう、本当に元気すぎるわよ』
『へへへ。まあ、有り余ってるってほどじゃないけどな……』

 ……しかし、耳を漬けているふりをして、実は聞いているのが男の常。
 いくら相手が女子中学生以下とはいえ、何を話しているのかは気になってしまうのが情なのだ。
 向こうもさっきまで暴れていたが、随分と静かになった様子である。



 俺は、次に彼女らがどんな言葉を言い合うのか、少し期待していた。

『…………ねぇ、杏子。あなた、あの四人の中で誰が一番イケメンだと思う?』

 修学旅行か! ──と、思わず俺は心の中で突っ込んだ。
 美希はいきなり、杏子にそんな事を訊いている。好きな人が誰か、ではなく、誰が一番イケメンか、という問いだ。
 これはまた微妙に俺たちにも緊張が走る。「好きな人」という条件ならば、元の世界の人間などもありえる。それで、自分が周囲と競い合う必要もなくなる。しかし、四人の中で誰が一番イケメンか、という質問だと、「選んでくれ」という期待が湧かざるを得ない。
 目の前にいる三人がライバル。──少し敵対心が湧いてしまう。俺たちの耳に全部筒抜けだと知っていれば、おそらくしないであろう質問。だからこそ、本気になる。
 周囲の人間よりも自分がイケメンだと、そう信じて、答えを待つ。

 杏子、頼む。俺を選んでくれ。

『……フィリップの兄ちゃんかな』
『そう』

 意外とあっさりと答えられてしまった。この瞬間、少しフィリップに対するジェラシーと羨望が湧いたのは言うまでもない。
 俺の事は選ばれないが、まあいい。それは孤門も沖さんも同じだ。伊達にモテない語りをした仲だけはある。
 すると、杏子は訊き返した。

『美希は?』
『……ずっと一緒にいたせいもあるけど、やっぱり孤門さんかしら』(←面食い)
『ふーん。確かにカッコいいよな。ヴィヴィオは?』
『やっぱり沖さんですね!』(←格闘馬鹿)

 うおおおおおおおおおおおおおォォォオィ!!! ちょっと待て!! これ俺だけ選ばれてねえぞ!!!!
 これは予想外だ。選ばれた一人以外は団結できるかと思ったが、甘かった。
 このままだと、俺の居心地が悪いだけに終わってしまう。

 ……まずいぞ。このまま会話を終えると、俺だけ立つ瀬がねえ。ハードボイルドは死んだのか。ハードボイルドがカッコいいと言われる時代は終わったのか! ボギー、ボギー、あんたの時代は良かった……男がピカピカのキザでいられて。
 クソッ……前が見られない。俺の前で、孤門と沖さんがどんな顔をしているのかを見たくない。憐れんでいる。きっと憐れんでいるはずだ。

『え? クリスはフィリップさんでも孤門さんでも沖さんでもって?』

 ん。クリスもいるのか。男だか女だかわからないが、とにかくラストチャンスだ。
 うさぎのぬいぐるみでも何でもいいから、俺が選ばれればそれだけでホッとする。
 勝ち負けとかはいいんだ。とにかく、俺の話題を出してくれ。

『ふむふむ……。ああ、なるほど。…………さんがハードボイルドでカッコいいと』

 お……? 一部聞き取れなかったのが不安だが、これはどう考えても俺だ。ざっと見渡しても、ハードボイルドの条件に合うのは俺だけ。そもそもハードボイルドを目指しているのは俺だけだから、俺以外にありえない。
 もはやハードボイルドは俺の枕詞。他に該当者がいるはずがない。
 仮にクリスが男だとしても、それは男の憧れとして俺を選んだという事。俺のハードボイルドさにあこがれを持ってもおかしくはないだろう。

『へー、冴島鋼牙か……確かに、ああいうのをハードボイルドっていうんだよなぁ』

 そっちかよ!!
 ハードボイルドといえば俺だろ、あいつじゃなくて!!
 変な言い回しで期待させるんじゃねえ!!

『……ねえ、杏子。あなた、翔太郎さん派じゃないの?』
『何派とかあるのか? ……まあいいけど』
『いや、翔太郎さんは”アレ”だけど、一応イケメンじゃない。それにあなた、ずっと一緒にいたでしょ?』

 アレって何だよ。一応って何だよ。もう突っ込むのも疲れる話だ。
 とにかく、イケメンの一言を聞けただけでもよしとしよう。

『確かにあの兄ちゃんは”アレ”だけど、一応顔は良いんだよな。”アレ”だけど』

 ……やっぱり、何だか傷つくから、アレを連呼するのはやめてくれ。曖昧すぎていくらでも想像の余地があるのが傷つく。

『……でも、本当に尊敬してるし、憧れてるよ。あたしをいつも勇気づけてくれた人、なんだよな。良い人だよ』
『好きだったりする?』
『あ、それ私も聞きたいです!』

 今度はさっきまでの蔑ろっぷりが嘘のように、急に俺の話題で活気づいて来た。……が、それもまた不穏といえば不穏だ。
 話してほしいような、話してほしくないような複雑な心境が俺を襲う。
 フィリップがこっちの世界に戻ってきて、耳を傾け始めていた。俺の方を見てニヤつくのをやめろ。俺はハードボイルドだ。女子中学生、略してJCには興味はない。仮にホレられたとしても、俺は背中を向けてカッコよく去っていくのみだ……。

『……あー、悪いけど、そういう話は苦手だ。人の恋路を茶化すのは得意なんだけど、茶化されるのは好きじゃないんだ』

 杏子も同じだ。恋愛対象ではないだろう。俺としては、杏子の解答が無駄にハードボイルドなのが鼻につくが、まあいい。男女バディもなかなかハードボイルドじゃないか。

『でも、まぁ……あたしがもう少し大人で、魔法少女じゃなければ、もしかしたら、アリだったかもな』

 ん。マジかよ。
 ……でも待て。魔法少女じゃなければ……って。

『……今はまだ、いや……今はもう、わからねえや、はは……』

 そうか……。
 ……俺は、その言葉を聞いた時、ふと杏子の身の上を思い出した。「結局、わからない」というのが、杏子の出した答えだが、それは俺に向けられた言葉じゃない。誰に対しても、きっと同じ言葉が向くだろう。
 杏子は魔法少女だ。既に体は人とは違う。彼女の本体はソウルジェムにある。……杏子は、そんな体で恋をしてはいけないと思っているのだろう。人じゃないから、人とは違うから。仲間がいても、恋人はいちゃいけない。

 魔法少女の体。それが負い目なのだろう。一人で生きるという決意もまだ、根っこにある。

 杏子は、「恋」というのを知らない。天道あかねの恋の話を問いかける事があっても、自分の恋は語らない──語れない。
 俺は、それが少し寂しい気もした。
 せめて、杏子が誰かを好きになる事があるのなら、俺はそいつを応援したい。俺たちみたく、安全なドライバーで変身するのではなく、自分の体も、家族も、命もかけて変身する少女たち──魔法少女の人生に、ほんの少しでもいい。華を贈りたかった。誰かを好きになる事さえできない生涯なんて、面白くも何ともない。

「……」

 この場にいる中で、俺とフィリップと杏子だけが知る、魔法少女の本当の事情。
 俺たちだけしか知らない秘密──孤門たちは、今の会話をどう思っただろう。戦う宿命が周囲を傷つけないために恋を捨てたと思っているのだろうか。
 違う……。杏子は、体ごと、人間のそれとは少し違う物になってしまっている。沖さんなら、もっとよく、その意味がわかるのかもしれない。それでも、沖さんに伝える事はできない。杏子自身が、それを周囲に伝えないようにしているのだ。
 俺たちは杏子の言葉がいかに重い意味を持っていたのか、悟られないように──それを表情に出さないようにしなければならなかった。
 何事もなかったかのように、女湯では会話が続いていく。……杏子が抱えていた孤独に、気づく者はなく。

 杏子、お前だって、いつかはきっと……。






 それからまた少し経って、全員おとなしくなってからは、彼女たちは少し違った話をし始めた。

『……でもさ。やっぱり、お風呂に来るならさ。みんなで一緒に入りたかったよね』

 その時、俺が聞いたヴィヴィオの声は、どこか哀愁に満ちていた。俺たちの中で、一瞬時間が止まった。誰もが、その言葉で現実に引き戻されたような気がした。湯煙だけが流れていく。
 俺たちは刹那的に、それを忘れた気になっていたが、頭の片隅に、そんな想いもあった。この風呂がこんなに広いのなら、まだ生きてこうして体の疲れを洗い流せる仲間が入る余地はある。

『前にいつきさん、一緒にお風呂に入ろうって言ったけど……やっぱり……』

 湯煙が目に入り、涙と混ざり合う。しゃがれ声と、喘ぐような鳴き声が男湯にも、女湯にも響きだした。

『やっぱり……』

 ヴィヴィオがいま、泣いているのを俺たちは知っていた。女たちだけの秘密の涙だと、彼女たちは思っているのだろう。それは男湯にも響いていた。
 彼女は確かに、強い。それでも、もう終わろうとしている今日という日の全てを振り返ると、涙だけがこぼれていくようだった。彼女の涙は、この狭い海に受け止められる。俺たちの一日の汗を洗い流すこの適温が、共に洗い流してくれるだろう。
 俺たちは、このヴィヴィオの涙を、正真正銘に聞かなかった事にしようと思った。
 それでも、誰かを守れなかった自分自身の罪がそこにあるのなら、この言葉を聞きのがしてはならないと、俺は思っていた。彼女たちが仲間を喪った事をどれだけ悲しんでいるのか──それは、俺たちが知らなきゃいけない現実だ。
 ヴィヴィオは、こうして風呂に入っている時に、ずっと何かを思い出していたようだ。

『前に合宿で、アインハルトさんや……ティアナさん、スバルさんとも一緒にお風呂に入った事があって……なのはママやフェイトママとも、いつも一緒にお風呂に入ってて……』

 日常。昨日まであったはずの日々。それが、崩れ去った一日。彼女は、それを風呂で思い出した。生暖かい煙が目に入っていくとともに、堪えていた涙は、落ち着いていた心は、だんだんと均衡を保つのを忘れる。
 それは俺にもわかった。こうして、隣から聞こえる声を辿っていくと、俺も照井竜──昨日まで隣で一緒に解決していたような仲間の死がだんだんと実感として胸に湧き出てくるような気がした。
 あいつが俺たちの探偵事務所のドアを叩く事はもうない。
 仮面ライダーアクセルが俺たちとともに街を救う事ももうない。
 それが明日からの日々。自分がいた場所に戻っても、修復されないであろう日常世界。
 果たして、俺たちが戻った世界には誰かが迎えてくれるのだろうか。──照井竜が、そこにいる日常は、あるのだろうか。

『もう、……もう、会えないのかなぁ……』

 俺は、その言葉が聞きたくなくて、一度潜って、また浮き上がった。もう会えない、それがおそらく真実。
 虚空を見上げ、照井の姿を思い出す。俺の頭の中からは、あいつの笑顔が消えなかった。
 俺たちが知る誰かの姿──消えていってしまった人間の姿。
 俺たちはその未練を断ち切れるのだろうか。本当に断ち切れているのだろうか。
 大切な人がそこにあった日の事を、何度でも思い浮かべるんじゃないだろうか。

『そうだよね……もっと、もっと一緒にいたかったよね……』

 美希の声は、慰めるというよりは、涙混じりの共感だった。
 そう、彼女もいま、泣いている。──山吹祈里や、東せつな、来海えりか明堂院いつき月影ゆり。失った仲間は多い。
 共に歩んできた道を振り返ってみると、置いて行かれた仲間の姿だけがある。もう、同じ道を一緒に歩んでいく事はない。

『当たり前だろ……あたしだって、もっと……もっとさ、もっと……別の会い方をしたかった人が……いるよ……』

 杏子の声は、涙こそ入り組んでいなかったが、遠い何かを見つめているように郷愁的だった。彼女ももう、大人よりも過酷な人生を生きてきている。誰かの死を耐えるのだけは一人前なのだろう。
 それでも、わからない。
 俺は杏子が泣いているのか否か、俺がそれをはっきりと知る事はなかった。

 ……俺もそこにいる彼女たちに声をかけたかった。かける言葉がないとしても、ここに男女を隔てる壁があるとしても。
 俺は、まだ何人もの仲間が死んでいった事を覚えている。
 死んだ仲間の数を数える事ができる。その名前を記憶している。

 女湯からの泣き声は重なり合う。
 俺たちは、それを黙って聞いていた。
 自分の無力、あるいは、この殺し合いの残酷さ、無情さ。
 誰かの悪意が生み出したこの悪趣味なゲームを、俺たちは一刻も早く終わらせたいと、切に願った。
 今も、恥知らずな誰かが、俺たちの声を聞いているだろう。
 殺し合いに巻き込まれていく俺たちの運命を、誰かが見て、聞いている。──俺はそいつを、ぶっ飛ばすだけでは気が済まないのだろう。

 残り、十九人、もしくはそれ以下──俺たちは、その数の重みを、改めて思い出した。






 ……俺は、風呂から出て着替えて、ドライヤーで髪を乾かすと、すぐにコーヒー牛乳のある自動販売機にお金を入れた。風呂上りといえば、やはりコーヒー牛乳が王道だ。ここに異論を挟む奴はそうそういない。
 俺は、自動販売機に引っかかっている針にキャップを刺して、瓶牛乳を開ける。
 それを飲み干すと、俺はわざとらしい声をあげた。美味い、と、コーヒー牛乳に賛辞を贈る。ここはもう、更衣室の外だ。男女問わず、俺の姿に目を向けた。

「女は長風呂だって聞いてたが、思ったより早かったな」
「こんな状況ですから、あまり長風呂もしていられません」

 美希はそう返す。涙の痕はない。涙を乾かすのに少し時間がかかったのかもしれない。ヴィヴィオにも、美希にも、杏子にも、誰の目にも涙の痕はなかった。
 俺たちは、やはり知らないふりを通そうと思った。誰もそんなルールを口にする事はなかったが、暗黙の了解だった。今更触れる奴もいない。

「んじゃ、まあ、少し休んだらすぐに警察署に戻るか。もう良い子が寝る時間はとっくに過ぎちまってる」

 時刻はもう、二十三時半も超えている。随分風呂も長引いた。
 風呂上り、俺たちの一部はもう眠くなりかけていた。ヴィヴィオや美希の顔色からは、それがはっきりと見て取れた。
 美希はモデルだ。普段は早寝早起きが基本。美容にも気を使っている。生活のリズムも随分狂わされただろう。
 俺は、牛乳瓶をケースに入れた。勿論、最初の一人だ。この銭湯に立ち寄って、自動販売機に硬貨を入れて、コーヒー牛乳を飲んだ最初の一人が俺らしい。
 続けて、俺よりゆっくりと牛乳を飲み干していた残りの奴らも、空き瓶をケースに入れた。

「……忘れ物はない?」

 孤門はしっかり者だ。こういう事をよく言ってくれる。
 これはだいたい、美希か孤門の役回りだ。几帳面というか、周囲をやたら気遣うタイプというか。……俺は、デイパックがある事や、手元に道具や財布がある事を確認した。

「……って、翔太郎さん、帽子は?」

 そう訊いたのが、美希だ。やっぱりこっちもしっかり者には違いない。
 俺は大事な帽子を忘れていた。おそらく、髪を乾かした時。ドライヤーをかける時に外して、そのまま洗面台に置き忘れたのだろう。
 俺はその時の情景を思い出した。

「あっ、そうだ。洗面台に忘れた……悪い、みんな。ちょっと取ってくる」
「おいおい、あれ大事なチャームポイントだろ。忘れるなよ」

 杏子が俺の背中に茶化す。
 俺が帽子を忘れる事など滅多にない。俺にとって、帽子とは、俺の師匠が刻み込んだハードボイルドの掟そのものだからだ。俺はずっと、帽子が似合う男に憧れて生きてきた。一人前の男に憧れて生きてきた。
 だから、その帽子を忘れるという事は、俺が少なからず動揺しているという事だった。
 俺は、すぐに「男」と書かれた暖簾をくぐった。






 帽子は、やはり俺の睨んだ通り、洗面台の上にあった。
 俺はそれを手に取ると、再び鏡を見た。
 勿論、鏡には俺が映っている。他にはロッカーしか映っていない。この銭湯には本当に誰もいないだろう。単独行動だからといって、誰かが襲ってくる事もない。

「うっし……」

 俺は、それでもわざと声を出した。
 目の前にいる男に気合を入れるように。俺がまだ、杏子の師でいられるように。
 俺も鳴海壮吉のような、おやっさんのような立派な人間になりたい。
 死者への未練──それがまだ俺の中に少しでもある事を、杏子に悟られたくはない。
 勿論、俺の中にはきっとそんな生ぬるい優しさがあるだろう。
 フィリップがいなくなった一年、俺はずっとフィリップがいる日常を想定して行動し続けた。フィリップの名前を呼び、フィリップに協力を仰ごうとしてきた。
 おやっさんがいなくなった時も、広々とした事務所をどう使えばいいのか、ずっと迷っていた。
 照井がいなくなった今の俺。
 ユーノも、フェイトも、霧彦も、姫矢も、いつきも……守り切れなかった俺。
 また、いつどんな失態を犯してしまうかわからない。俺の心の均衡が、俺のハーフボイルドが、いつまた、些細なミスを起こすかもわからない。

(しっかりしろよ、ハーフボイルド野郎。……お前を尊敬して、お前に憧れている奴がいるんだとよ。みっともない姿は見せるんじゃねえぞ)

 ドン、と。小さなパンチを、鏡の前へと一発。
 鏡を割る気はない。鏡の向こうの俺の拳に、少しでも響いてくれればいい。
 鏡の向こうから放たれたパンチは、俺の右拳を少しだけ、じんとさせる。
 俺はそれで気合を入れた。

(おやっさん……。あんたも俺を弟子に持つ時、こんな気持ちだったのか? ……あんたも本当は、仮面の裏で、帽子の下で……悲しみを抱いていたのか?)

 おやっさんは、ずっと自分が仮面ライダースカルである事を隠していた。
 俺が知らない痛みを、悲しみを、事情を、おやっさんはまだ抱えていたのかもしれない。
 俺は、それに全て気づく事はなかった。
 俺が杏子の前で隠し続けている、痛み。罪。心の傷。弱さ。──それを隠して、俺はただのハーフボイルドな、面白い兄ちゃんを気取らなきゃならない。
 いや、それが全て俺の偽りというわけじゃない。それも含めて俺自身だが、そこには悲しみを隠すためのフィルターという役割もある。

(……俺の抱えている辛さなんか、あいつは知らなくてもいい。俺の方が大人なんだ。あいつの方がずっと辛い想いをしている。……せめて、俺たちだけは、あいつが本音でいられる居場所じゃねえと……じゃねえと、あいつは潰れちまう)

 俺は、ソフト帽をかぶりなおして、キリッとした表情を鏡に見せる。
 大丈夫。俺はまた、一人前の顔付きに近づいている。帽子が似合う男になり続けている。
 そこに弱さはない。──俺の弱さは映っていない。
 俺は、そのまま銭湯の更衣室を出た。






「いやー、さっぱりしたねー」

 女性陣たちは、より一層、絆を深めたという感じか。三人とも風呂が嫌いなわけではないらしい。俺たちの全員の体からは白い煙が立っている。こんな状態で夜風に晒されるのは寒さを余すだけのように思えたが、時折温かい風も吹いた。

「一日の疲れも少しは取れたか?」

 俺が女性陣に訊くと、「おう」、「はい」と肯定の声が届いた。
 どうやら、殺し合いの最中でも風呂の時間を作ったのは正解だったらしい。
 つかの間の休息という感じだが、充分に心の栄養になる時間が取れた。この小一時間も、そのために潰されたと思えば怒りも湧かないところだろう。
 彼女らは、あとは眠りにつくだけだ。もう丸一日寝ていないわけだから、眠くないはずがない。

 帰り際、沖さんが俺とフィリップの方を向いて言った。

「……そういえば、一つ伝え忘れていた事がある」

 俺たちは全員、足を止めた。沖さんの言葉を真剣に聞こうとしていた。
 何を伝えるのだろうか──ここに来てから、前置きがあるニュースに、あまり良い印象はないので、咄嗟に真剣な表情にさせられてしまう。

「先ほど、レーダーアイが海上に謎の建造物があるのを捉えた。……こちらの島と繋がっているが、俺の記憶では、つい少し前まで存在しなかった建物だ。そこには妙な人型の置物が乗っていた。……実はもともとあったのを見落としていただけかもしれないが、あんな不自然な場所は地図にも載っていないんだ」

 レーダーアイが使用されたのは、おそらく俺たちを探す時だ。その時は俺たちを優先したが、一つの異変としてそれを認識していたのだろう。ただ、話すタイミングがなく、頭の片隅に置かれていた。
 どうやら、この会場にまで、色んな異変が起こっているらしい。
 殺し合いが行われている島の周囲の海上に、謎の建造物が現れる。──風都でもありえないような出来事だ。

「……その時、少しだが建物の看板の文字が見えたんだ。フィリップくん、一応、それについて検索をお願いしてもいいか?」
「ええ。……構いませんよ」

 フィリップは勿論、快く受け入れた。
 レーダーハンドと『無限の本棚』、どうやら便利さに関しては、どちらもピカイチのようだ。

「海上に現れた謎の建造物──その名前は」

 フィリップが検索の準備を始める。

「かもめビリヤード場」

 かもめビリヤード場……って、どっかで聞いた気がするな……。

「……なんだ。その単語ならば、検索の必要はない……」

 そうだ、フィリップ。
 だって、その「かもめビリヤード場」を、俺たちは本棚の中身よりもよく知っているじゃないか。
 だって、その「かもめビリヤード場」ってのは……






「……うちの探偵事務所じゃねえか!!!!」




【1日目 深夜】
【F-9/警察署前】


蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
[状態]:ダメージ(中)、祈里やせつなの死に怒り 、精神的疲労
[装備]:リンクルン(ベリー)@フレッシュプリキュア!
[道具]:支給品一式((食料と水を少し消費+ペットボトル一本消費)、シンヤのマイクロレコーダー@宇宙の騎士テッカマンブレード、双ディスク@侍戦隊シンケンジャー、リンクルン(パイン)@フレッシュプリキュア!、ガイアメモリに関するポスター、杏子からの500円硬貨
[思考]
基本:こんな馬鹿げた戦いに乗るつもりはない。
0:警察署に帰る。
1:警察署内では予定通りに行動する。
2:プリキュアのみんな(特にラブが)が心配。
[備考]
※プリキュアオールスターズDX3冒頭で、ファッションショーを見ているシーンからの参戦です。
※その為、ブラックホールに関する出来事は知りませんが、いつきから聞きました。
※放送を聞いたときに戦闘したため、第二回放送をおぼろげにしか聞いていません。
※聞き逃した第二回放送についてや、乱馬関連の出来事を知りました。
※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。
※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。

【沖一也@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、強い決意、お風呂に入ってさっぱり
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2、首輪(祈里)、ガイアメモリに関するポスター、お菓子・薬・飲み物少々、D-BOY FILE@宇宙の騎士テッカマンブレード、杏子の書置き(握りつぶされてます)
[思考]
基本:殺し合いを防ぎ、加頭を倒す
0:警察署に帰る。その前にフィリップくんに『かもめビリヤード』を検索してもらおう
1:本郷猛の遺志を継いで、仮面ライダーとして人類を護る。
2:警察署内では予定通りに行動する。
3:結城と合流したい。
4:仮面ライダーZXか…
[備考]
※参戦時期は第1部最終話(3巻終了後)終了直後です。
※一文字からBADANや村雨についての説明を簡単に聞きました
※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました
※18時に市街地で一文字と合流する話になっています。
ノーザが死んだ理由は本郷猛と相打ちになったかアクマロが裏切ったか、そのどちらかの可能性を推測しています。
※第二回放送のニードルのなぞなぞを解きました。そのため、警察署が危険であることを理解しています。
※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。
ダークプリキュアは仮面ライダーエターナルと会っていると思っています。
※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はレーダーハンドの使用と、パワーハンドの威力向上です。
※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。

高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:上半身火傷(ティオの治療でやや回復)、左腕骨折(手当て済+ティオの治療でやや回復)、誰かに首を絞められた跡、決意、臨死体験による心情の感覚の変化、お風呂に入ってさっぱり
[装備]:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、稲妻電光剣@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式(アインハルト(食料と水を少し消費))、アスティオン(疲労・睡眠中)@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ほむらの制服の袖、マッハキャリバー(待機状態・破損有(使用可能な程度))@魔法少女リリカルなのはシリーズ、リボルバーナックル(両手・収納中)@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
0:警察署に帰る。
1:生きる。
2:警察署内では予定通りに行動する。
[備考]
※参戦時期はvivid、アインハルトと仲良くなって以降のどこか(少なくてもMemory;21以降)です
※乱馬の嘘に薄々気付いているものの、その事を責めるつもりは全くありません。
※ガドルの呼びかけを聞いていません。
※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。
※第二回放送のボーナス関連の話は一切聞いておらず、とりあえず孤門から「警察署は危険」と教わっただけです。
※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。
※一度心肺停止状態になりましたが、孤門の心肺蘇生法とAEDによって生存。臨死体験をしました。それにより、少し考え方や価値観がプラス思考に変わり、精神面でも落ち着いています。
※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。


【孤門一輝@ウルトラマンネクサス】
[状態]:ダメージ(中)、ナイトレイダーの制服を着用 、精神的疲労、お風呂に入ってさっぱり
[装備]:ディバイトランチャー@ウルトラマンネクサス
[道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2(戦闘に使えるものがない)、リコちゃん人形@仮面ライダーW、ガイアメモリに関するポスター×3、ガンバルクイナ君@ウルトラマンネクサス
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
0:警察署に帰る。
1:みんなを何としてでも保護し、この島から脱出する。
2:警察署内では予定通りに行動する。
3:石堀さん、美希ちゃんの友達と一刻も早く合流したい。
[備考]
※溝呂木が死亡した後からの参戦です(石堀の正体がダークザギであることは知りません)。
※パラレルワールドの存在を聞いたことで、溝呂木がまだダークメフィストであった頃の世界から来ていると推測しています。
※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。
※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。
※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。

左翔太郎@仮面ライダーW】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、胸骨を骨折(身体を折り曲げると痛みます・応急処置済)、上半身に無数の痣(応急処置済)、照井と霧彦の死に対する悲しみと怒り、お風呂に入ってさっぱり
[装備]:ダブルドライバー@仮面ライダーW、T2ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW、犬捕獲用の拳銃@超光戦士シャンゼリオン、散華斑痕刀@侍戦隊シンケンジャー
[道具]:支給品一式、ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、トリガー)、ナスカメモリ(レベル3まで進化、使用自体は可能(但し必ずしも3に到達するわけではない))@仮面ライダーW、ガイアドライバー(フィルター機能破損、使用には問題なし) 、少々のお菓子、デンデンセンサー@仮面ライダーW
[思考]
基本:殺し合いを止め主催陣を打倒する。
0:俺の事務所があるのかよ!
1:ガドル、ドウコクは絶対にに倒してみせる。あかねの暴走も止める。
2:仲間を集める。
3:出来るなら杏子を救いたい。もし彼女が魔女になる時は必ず殺す。
4:現れる2体の魔女は必ず倒す。
[備考]
※参戦時期はTV本編終了後です。
※他世界の情報についてある程度知りました。
(何をどの程度知ったかは後続の書き手さんに任せます)
※魔法少女の真実(魔女化)を知りました。
※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はフィリップ、ファングメモリ、エクストリームメモリの解放です。これによりファングジョーカー、サイクロンジョーカーエクストリームへの変身が可能となりました。


【フィリップ@仮面ライダーW】
[状態]:健康、お風呂に入ってさっぱり
[装備]:無し
[道具]:ガイアメモリ(サイクロン、ヒート、ルナ、ファング)@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW
[思考]
基本:殺し合いを止め主催陣を打倒する。
0:かもめビリヤード……。
1:翔太郎及び仲間達のサポートをする。
[備考]
※参戦時期はTV本編終了後です。
※検索によりまどマギ世界(おりマギ含む)の事を把握しました。
※参加者では無く支給品扱いですが首輪を装着しています。
※検索によりスーパー1についてや、赤心少林拳について知りました。元祖無差別格闘等、伝えられた格闘流派についても全て調べているようです。
※アンノウンハンドについて調べる事はできませんでした(孤門たちの世界でその正体が不明であるほか、記憶操作・情報改竄などが行われているためです)。

佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、ソウルジェムの濁り(小)、腹部・胸部に赤い斬り痕(出血などはしていません)、ユーノとフェイトを見捨てた事に対して複雑な感情、マミの死への怒り、せつなの死への悲しみ、ネクサスの光継承、ドウコクへの怒り、真実を知ったことによるショック(大分解消)、お風呂に入ってさっぱり
[装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、エボルトラスター@ウルトラマンネクサス、ブラストショット@ウルトラマンネクサス
[道具]:基本支給品一式×3(杏子、せつな、姫矢)、リンクルン(パッション)@フレッシュプリキュア!、乱馬の左腕、ランダム支給品0~1(せつな) 、美希からのシュークリーム
[思考]
基本:姫矢の力を継ぎ、魔女になる瞬間まで翔太郎とともに人の助けになる。
0:警察署に帰る……予定。
1:翔太郎達と共に警察署に戻り、色々事情を説明する。但し、魔法少女の真実についてはどこまで話せば良いか……
[備考]
※参戦時期は6話終了後です。
※首輪は首にではなくソウルジェムに巻かれています。
※左翔太郎、フェイト・テスタロッサユーノ・スクライアの姿を、かつての自分自身と被らせています。
※殺し合いの裏にキュゥべえがいる可能性を考えています。
※アカルンに認められました。プリキュアへの変身はできるかわかりませんが、少なくとも瞬間移動は使えるようです。
※瞬間移動は、1人の限界が1キロ以内です。2人だとその半分、3人だと1/3…と減少します(参加者以外は数に入りません)。短距離での連続移動は問題ありませんが、長距離での連続移動はだんだん距離が短くなります。
※彼女のジュネッスは、パッションレッドのジュネッスです。技はほぼ姫矢のジュネッスと変わらず、ジュネッスキックを応用した一人ジョーカーエクストリームなどを自力で学習しています。
※第三回放送指定のボーナスにより、魔女化の真実について知りました。

【特記事項】
※G-9にあったチェックマシン@仮面ライダーSPIRITSは163話の段階(杏子達の買い出し)で警察署前に移動させました。

【フィリップと翔太郎の推測】
※このデスゲームは参加者同士の殺し合いから、主催陣対参加者の構図に以降しつつある。
※24時以降に出現する魔女、21時以降解禁される制限は主催戦を見据えてのもの。
※現在表向きに現れている主催陣(加頭、サラマンダー男爵、ニードル、ゴバット、織莉子)は全員、本当の敵ではない可能性が高い。
※本当の敵(黒幕)は現在も現れていない可能性が高い、但し上述の主催陣あるいは参加者の中に潜んでいる可能性も低いがある。
※主催側は全ての世界の地球の記憶(『無限の記憶』と呼称)とアクセスでき、地球の本棚に干渉できる『存在』を手にしている。
※その為、その『存在』を奪取しなければ勝てる可能性は限りなく低く、仮にその『存在』が奪われたまま逃げられた場合、似た事が繰り返される可能性が高い。
※地球の本棚は監視されている可能性が高く、核心に触れる内容の検索は危険、但し現状現れている主催者を含めた参加者については問題無い可能性が高い。
※以上の内容は現時点での推測である為、間違っている可能性はある。但し、『無限の記憶』にアクセスできる『存在』だけはほぼ確実。
※以上の内容は下手に明かす事は危険故、現在の段階ではまだ他の参加者に明かすべきではない。




 ──次回、変身ロワイアル!!
(♪BGM『W-B-X ~W-Boiled Extreme』)

『……おい、お前ら何者だ? どうしてそれを使ってんだ』

『君は左翔太郎くんか。私は結城丈二。君と同じく仮面ライダーをやっている』

『君……いや、君たちの実力を、あえてここで試させてもらう!』

 (BGMがこの辺で終了。)


時系列順で読む

投下順で読む


Back:のら犬にさえなれない(後編) 左翔太郎 Next:孤独も罪も(前編)
Back:のら犬にさえなれない(後編) フィリップ Next:孤独も罪も(前編)
Back:のら犬にさえなれない(後編) 佐倉杏子 Next:孤独も罪も(前編)
Back:のら犬にさえなれない(後編) 孤門一輝 Next:The Gears of Destiny - 託される思い、激昂の闘姫 -
Back:のら犬にさえなれない(後編) 蒼乃美希 Next:The Gears of Destiny - 託される思い、激昂の闘姫 -
Back:のら犬にさえなれない(後編) 沖一也 Next:The Gears of Destiny - 託される思い、激昂の闘姫 -
Back:のら犬にさえなれない(後編) 高町ヴィヴィオ Next:The Gears of Destiny - 託される思い、激昂の闘姫 -


最終更新:2014年05月20日 21:49