不意に触れて
本日の更新はお休みです。
こちらより、
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
ウィリアム
「む。唇に何かついていました?」
「いや、少しだけ俺の系譜の気配が強まったからな。何か思い出していたのか?」
「それで、指でちょんとしてくれたのです?」
「ああ。せっかく二人で砂漠の夜市に来たんだ。笑顔でいて欲しいからな」
「ふふ。あの屋台の串焼きで元気になりますよ!」
ヒルド
「…ネア様?」
「む、…むぅ。窓からの木漏れ日で羽があまりにも綺麗で、つい指で触れてしまいました」
「あなたであれば、お好きに触っていただいて構いませんよ。ただ、少し不意打ちでしたので…」
「で、では!私にお返しします?」
「おや、どこでも構わないのですか?」
「…む、むぐ」
エーダリア
「…なぜ、膝裏に飛びついたのだ」
「
エーダリア様?何かあったのですか?」
「
ノアベルトがボールを持って来て、後ろから飛び付いてきてな…」
「まぁ。だから
エーダリア様の前に書類が落ちていて、狐さんが涙目なのですね」
「書類は拾えばいいが、踏んでしまったら危ないではないか」
ノア
「僕はさ、後ろからぎゅっと抱き締めて貰うの結構好きなんだよね」
「なぜ突然申告されたのだ」
「今日は、刺されそうになって悲しい日だから、お兄ちゃんは妹に慰めて貰いたいなぁ」
「えいっ」
「…え、これ何?夢…?」
「むぅ。やってあげたのに、なぜ固まるのだ」
「わーお。幸せだぞ!」
バンル
「
バンル、そう言えばお前の使い魔は、卵サンドが好きだったな?」
「…
エーダリア様?突然、どうされました?」
「今も誕生日を毎年祝っていると聞いてな。お前に食べて貰うことにはなるが、視察先で売っていたのだ。…っ、泣いているのか?!」
「ドロシーも喜ぶでしょう。最高の贈り物だ」
エイミンハーヌ
「それで、
エーダリア様から貰った卵サンドを食べるのに、どうして呼ばれたんだ?」
「ドロシーは、俺の角を気に入っていたからな。これで最高の誕生日祝いだろう」
「それで突然、触れられたのか。
バンルが今も誕生日を祝うだけで、彼は充分に幸せだと思うぞ」
「泣かせる気だな?」
ダリル
「…この前、
バンルに卵サンドを贈ったそうじゃないか」
「…っ、なぜ知っているんだ」
「魔術の繋ぎはきちんと切ったんだろうね?市販の品とは言え、食べ物なんだよ」
「勿論だ。
バンルにも失礼だからな」
「まぁ、そりゃぁそうだ。ウィーム領主が同性に懸想してると思われたくなけりゃね」
ディノ
「おや、壊してしまった。でも構わないかな」
「ええ。ネアに手を出そうとしたのですから、排除しておいた方がいいでしょう」
「どうして時々このような者が現れるのだろう。ネアは、私のものなのに
…」
「シルハーン、今日はフレンチトーストの日では?」
「うん。ネアが焼いてくれるんだ」
ネア
「ディノ?」
「…ずるい」
「少ししょんぼりでしたので、ぎゅっとしてみました。お昼には、美味しい紅茶も淹れますね」
「うん」
「それと、私の大事な魔物は、よくない物に怖い目に遭わされていませんか?」
「…ネア、」
「ディノを怖がらせた物は、私が容赦なく踏み滅ぼしますからね!」
ゼノーシュ
「
グラスト、あのね、…」
「
ゼノーシュ、手を繋ごうか。今日は街が混んでいるからな」
「うん!僕もね、そうしたいなって思ってたの!でもね、今、手をぎゅっとしてくれたから凄く嬉しかったんだよ?」
「はは、俺も
ゼノーシュと一緒に見回り出来て嬉しいよ」
「わぁ、ほんとう?」
アイザック
「最近はランシーンに行かないんですか?」
「ミンク様!い、今は触れずにいて差し上げて下さい!!ランシーンは苗植えの時期ですから…」
「ポチ?」
「…もうポチでいいですけれどね」
「…ミンクの言う通り、最近は出かけておりませんでしたね。そろそろ、繁忙期も終わる頃でしょう」
ヴェンツェル
「
ドリー…何のつもりだ?」
「今日の執務で少し落ち込んだんだろう。少し空の散歩でもすれば、気も晴れるだろう」
「っ、待て!最近の王都では、ますます私とお前がという噂が立っているのだからな?!」
「言わせておけばいい。それより、少し息抜きをするべきだ」
「
ドリー!!」
アルテア
「…っ、おい!」
「むぐ。尻尾の付け根をこしこしなのです」
「やめろ!どこからでもいい。情緒を借りてこい!」
「ういっく!これは白けものさんを撫でたいからではなく、今日は私を守ってくれた使い魔さんを大事にするのですよ?」
「ったく。酔っ払いが」
「お膝の上に乗せられました」
本日はここ迄となります。
お付き合いいただき、有り難うございました!
最終更新:2022年05月07日 12:16