あわいの駅で、たいへん愛くるしい魔物と…
本日の更新はお休みとなります。
こちらでアンケートを取らせていただいたお題で、
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
ディノ
「次の列車まで、まだ時間があるようだね。もう一度駅を出てみるかい?」
「いえ、酔っ払いへべれけちびふわが、また狂乱するかもしれません」
「そうだね。また逃げ出してしまうと困るから、ここにいようか」
「はい。恐ろしい砂糖菓子の駅なのです」
「
アルテアは、これでいいのかな…」
ウィリアム
「ネア、…その、待ってくれ!」
「む?少し積み上げ過ぎましたか?」
「そ、そうだな。あわいの駅に毛長兎の村があった事も驚きだが、これはさすがに多いかな」
「毛皮の会の同志として、ウィリアムさんを怖がらない兎さんを沢山抱っこして欲しかったのです」
「どう下せばいいんだ…」
グレアム
「ほぇ、グレアムだ」
「
ヨシュア、なぜこんなところに?ネア!」
「むぅ。ぎゃん泣きのヨシュアさんに、あわいの駅に迷い込まされたのです」
「そうだったのか。ウィームへの帰り道で出会えて良かった。…それと、まさかそれは野生のウィーミアか?」
「ええ。拾っ」
「俺が抱いていよう」
アレクシス
「ネアとディノか。どうしたんだ、こんな所で」
「ちびふわが、お砂糖の駅で列車から脱走し、終点まで行かない列車に乗る羽目になりました…」
「フッキュウ…」
「それなら、列車をおびき寄せるスープを置いておこう。これでいい筈だ」
「列車が、…来るのだね」
「ああ。ほら、来たぞ」
ゼノーシュ
「僕ね、どうしてもこの駅で降りたいの。いい?」
「うむ。ゼノが言うなら降りましょう!」
「この駅を出た所に、美味しいケーキ屋さんがあるの。
グラストに買っていくんだ!」
「ありゃ。じゃあ僕達も、
エーダリアと
ヒルドに買って帰ろうか」
「はい!」
「グラスト喜んでくれるかな」
エーダリア
「やれやれ、やっと寝ましたね」
「まさか、脱脂綿妖精の駅でボールだと勘違いするとは思わなかった…」
「危うくリードを手放すところでした。列車はこのまま乗っていれば、ウィームに着く筈です」
「…ヒルド、
ノアベルトはそれでいいのだろうか」
「ここでも仰向けで寝るとは…」
ネア
「…もふもふ棒です」
「ネア、それは持って帰れないから置いてゆこうか」
「竜さんではなく、棒でもですか?」
「ありゃ。相当気に入ってるぞ…」
「愛くるしいもふもふなので…ぎゃ!逃げられました!!」
「ほら、懐かないだろう?」
「お、おのれ。腕輪の金庫に入れておけば良かったです」
ミカ
「すまないな。巻き込んでしまった」
「いえ、こちらこそ助けていただけて良かったです。因みにこれは、お土産に出来るか思案中のもこもこ狐さんです」
「…あの銀狐が、嫌がるのでは?」
「…やはりそうでしょうか」
「魔物のようだしな。…そろそろ、真夜中の列車が来るようだ。行こうか」
トトラ
「久し振りだね」
「む。何やつ…」
「あ、皮?!…やっぱり、初めまして」
「ゼノに似ているので親近感を覚えてしまいますが、人違いだったようですね」
「…危なかった」
「ところで、ここがどこかご存知ですか?」
「
迷い子なのかな。ブナの森駅までなら案内出来るけれど、それでいい?」
アルテア
「ポケットの中を見せてみろ」
「なにもはいっておりません」
「…ほお、これは何だ?」
「多分、もふもふ猫さん風タオルでしょう」
「ったく。目を離した隙に魔物を手懐けるのはやめろ。余分を増やすなと言わなかったか」
「猫さん…」
「列車には持ち込めないぞ。捨てていくからな」
ダナエ
「…ダナエさん、今、とても愛くるしい鳴き声が聞こえたのですが…」
「何かいたのかい?」
「ダナエの口の中だ。何だったのかは、俺も見ていない」
「…おやつに」
「香りがいいし、甘くて美味しい」
「何だったのだ…」
「一瞬見えた限りだと、定規のような形だったな」
「何だったのだ」
以上となります!
お付き合いいただき、有難うございました。
最終更新:2022年05月07日 12:21