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ウィーム


概要

現在の領主はエーダリア
財産の質を持つ土地。それ故に、土地そのものは不可侵の質。
ウィームそのものを滅ぼすことは出来ないが、統一戦争のようにより頑強な管理が可能な者が現れてしまうと、統治者の変更はあり得る。
街は円環状にひろがっている。哺乳類寄りの精霊や妖精が多い。

雪を沿わせる高い山と、深い森、更には深淵の湖に囲まれた北の王都は、自然の要塞によって守られている。
また、魔術に長けた人間も多いので、防衛は目に見える形では特化していない。
ヴェルクレア国内一、また大陸一の潤沢な魔術を蓄えた土地で、リーエンベルクに降る雪には祝福の気配が強く、淡く光る。

芸術や音楽や魔術が栄えている。壮麗で繊細で雪と森で情緒的。山と森と湖に囲まれている。ウィームの領民達の生活水準は非常に高く、魔術の叡智に恵まれた住人たちは豪胆かつ優美でマイペース。

ウィームの特産に、精巧な硝子彫刻に金の彩色を重ねて瑪瑙で磨く硝子製品がある。

統一前、旧ウィーム時代の初期から全盛期にかけては二つの王家により統治がなされていた。が、様々な事情から片方の王家はウィームから出奔、あるいは市井に下りることを選んだ。そのもう一つの王家の者達の身体的特徴は、ゆるやかに巻いた黒髪に青や菫色混じりの灰色の瞳を持つという。絵画でしか残されなかったその王族の記録は、統一戦争で全て焼かれて消失した(k251)。

また、王家としてたくさんの名を持つ事で、魔術の豊かな土地からくる、呪いや障りを防いでいた。
グレアムがクライメルの呪いの黒馬車の標的として淡いの向こうへと逃げのびてゆく王子の為に、ウィームに彼の為だけの王家を立ち上げたので、旧ウィームには厳密にいうと3つの王家が存在していたことが、短い期間であるが統括の魔物として治めていたゼノーシュの口から語られた。(k292)

人間の認識ではウィーム王朝は滅びたとされるが、

よって、人外者たちの認識では、現存する国としてはカルウィと同等に古い国。

統一戦争集結直後にヴェルクレアから赴任してきた領主は大変吝嗇だったため、リーエンベルク内のわかりやすく価値のある設備や品物の多くが売り払われたが、領民達の力によりその領主が追い払われた後に、領主代行として赴任してきた当時ヴェルリア国軍の大尉であったオフェトリウスが、前領主のやりように荒ぶるウィーム市民を平定し、当時の情勢からして手に入りにくい消耗品などをシカトラームに備蓄しておいてくれた経緯がある。

地域

ウィーム(旧王都周辺)

旧王都全体としてではなく、旧王宮とその周辺の街を指してウィームと呼ぶことがある。領地名と明確に分ける場合はウィーム中央と表現される。

絵画と音楽の街で非常に物価が高い。オペラハウス、美術館に自然史博物館、野外オペラが名所となっている。
紅茶とケーキも有名店が多い。


リーエンベルク
またの名を北の王宮という(が、ヴェルリアでリーエンベルクをこう呼ぶのは少々危険)。元は北の王族のための王宮だった為。白と青磁青を基調としている。国境の森に囲まれている。
雪狩りの為の好立地に作られた北の王族(ウィーム王族)の為の王宮。
王家の白鳥城と称される華やかな見た目に反して、要塞としての機能も高い。
大小合わせて七百の部屋があるが、現在使用されているのが、本棟の二十七、ネアの住む離宮内の別棟の十一。50

  • 本棟/本宮……執務室がある。離宮から歩いて数分で着く。本棟の大廊下は、壁紙や天井画のうっとりとするような精緻な暗さと窓の外の純白のコントラストが広がっており、胸の奥がすうっとするような感嘆をもたらす。現在使用されているのは二十七部屋。エーダリアの私室はこの棟にある。

  • 離宮……ネアやディノ、銀狐の部屋がある。禁足地とされる魔術的隔離地の森に面した東棟。現在使用されているのは十一部屋。

  • 別棟……衛兵用の控え室がある。

  • 外客棟……外からの客の受け入れるための会議室や客間、談話室、備蓄庫、遮蔽室等がある棟。本棟や離宮と回廊で繋がっている。度々リーエンベルクに泊まるアルテア専用の部屋になりつつある客間は住居棟にも近く、外門も見える。また、ここの他にも外客用の施設がある。魔術の潤沢なリーエンベルクで、不用意に来客を驚かせたりしないよう、内装を気紛れに変えることを防ぐ不変の質を部屋の構築の際に書き加えてある。リーエンベルクの中で最も転移のハードルが低い。

  • 住居棟……会食堂や厨房、仮設厨房にもなる保管庫など生活に必要な施設が集まった棟。イブメリアの飾り木を飾り、門にならない暖炉が灯る居間もここにある。

  • 騎士棟……騎士達の個室や関係施設がある棟。本棟や離宮とは屋外の回廊で繋がっている。

  • 西塔……バベルクレアの花火を打ち上げに使われている。

  • 禁足地の森……リーエンベルクに隣接。その国の為政者でも力の及ばない、原始的な魔術の地。土地の魔術が非常に濃く不特定多数の立ち入りを拒み、ウィームの防壁の一部となっている。

  • 中庭……中央にある素晴らしい彫刻のある噴水は、周囲に真っ白な水仙と青紫のアネモネを咲き誇らせており、おとぎの国のようなロマンチックさがある。厩舎に住んでいた馬の亡霊が出る。

  • 旧王家の礼拝堂……真夜中十二時の鐘を鳴らしている。

  • 地下の魔術基盤……リーエンベルクに敷かれた全ての魔術を支える重要な場所。影絵の深層にあり、転移の間の隣にある白い雪の結晶石と水色の氷の結晶石の象嵌細工の螺旋階段から降りる事が出来る。淡い色の波がひたひたと打ち寄せる海岸を思わせる床には、一枚の基板の覆いの足場を挟み、どこまでも澄明な海の色が敷き詰められている。その下をゆらゆらと模様を変える波紋を潜るように泳ぐ色鮮やかな鉱石で出来た魚達のひとつひとつが、重要な魔術基盤となっている。地下層にはこのような基盤が多く活動しており、地下の庭園には蝶、外壁を司る境界線には魔術基盤の鳥がいる。自己補修の機能を持たせるため、生き物のをとったことで、時に魔術的な事故がおきることもある(309)。エーダリアが季節の変わり目や、時間の空いた時等に降りて細やかにチェックしている。その際、エーダリアがリーエンベルクに対する深い愛を伝えたところ、歓喜した魔術基盤によって普段は無い壮麗な部屋がたくさん現れたり、壁やカーテン等の意匠に花が咲きまくる椿事が起きた(k14)。

  • 影絵の花畑……かつて禁足地の森のあわいにあった花畑。夜の月明かりの下に広がる森の中の花畑で、淡い淡いレモン色の花々から鎮静効果のある特殊な魔術が敷かれ、疫病の患者や悪変に蝕まれている生き物達を治療の間隔離するのに使われていた。花畑自体は既に失われているが、影絵として残ったので、リーエンベルクの管轄となっている。悪変した氷狼に襲われたベージの治療に使われた(k21)。

  • 客人の間

  • 謁見の間

  • 談話室

  • 衛兵用の控室……別棟にある。リーエンベルクの建築にあたった者はかなりの完璧主義者だったのか、初見の客なら来客用の控室だと思ってしまうくらいの造りになっている。けれども離宮にくらべればやや簡素なしつらえ。来客というほどの身分ではない、警戒が必要な人と話すのに使われている。

  • 騎士棟の一室……任務帰りの騎士達の為の、遮蔽と解術を敷いた部屋。気付かずに持ち帰った呪いや穢れなどを引き剥がす効果など、様々な魔術の叡智が敷き詰められた、リーエンベルクの中でも高度な魔術の粋が集まる場所になっている。銀狐の誕生日を祝う朝食会に使われた。(975話)

  • 遮蔽魔術の広間……外客棟にある広間の一つ。外からのお客を受け入れる部屋として作られただけに、その壮麗さは目を奪う。内側のものを外に出さないという魔術の遮蔽がある部屋で、問題のあるお客がいた際に、この部屋ごと隔離出来るような魔術で覆われており、かつては、国交のない国の使節などとの会談もこの部屋で行われたと言われている。気象性の悪夢の時(559話)や、あわいの波が押し寄せた夏至祭(802話)、呪物の傘になったクラ・ノイとの対話などに使われた。(k12話)

  • 特別隔離区画……リーエンベルクの中に何か所か設けられている。外部からの浸食を防ぎ内部の施設を守る為の場所と、内部で行われていることを外部より隠匿する場所の二種類がある。

  • 会食堂……住居棟にある皆で食事をしたり、酒宴を楽しんだりする部屋。行事によってはふんだんに花を活けて華やかに飾り付けられることもある。平常時の詳しい描写はほとんどないが、会話の様子からして大きな長いテーブルに皆がつく形なのではないかと思われる。

  • 大浴場……元は王族専用の浴場。手入れに時間がかかるので、現在はあまり使っていないが、時々真夜中に気まぐれにとても芳しい百合とオレンジの香りのお湯を湛えて、それとなく住人達にお知らせしてくれる。内装も最盛期の立派なものになっている。

  • 来客用の茶葉の保管庫……談話室の隣にある。茶葉の為に室温管理の魔術が敷かれている。

  • 図書室……歴代の王の胸像や見事な天井画が素晴らしい、目にも麗しい王宮のものらしい図書室。ダリルダレンの書架にほとんどの蔵書を収めているので、王宮にしては微々たる所蔵数で、閲覧禁止の書架などもない。三階分が吹き抜けになった天井の高いスペースになっていて、上の部分の書架には、可動式の階段をかけて登る仕組みになっている。

  • 夕墨の部屋……終戦前に、南の王族と密談が持たれた部屋だと言われている。墨がかった茜色を基調としており、ゼノーシュが普段使わない部屋でお茶をしたいと開拓した部屋。

  • 大広間……薔薇の祝祭の見本として集められた大量の薔薇を並べるのに使われている。旧王朝時代から大切に使われふんだんに魔術を吸い込んだカーテンは、部屋の薔薇に感化されてしまうくらいに自我を育て、例年はしゃいで織り模様の蔓薔薇を咲かせてしまう。また、出るという噂の首無し貴婦人以外にも、薔薇を喜ぶリーエンベルクの亡霊達が大集合する。

  • 冬の大広間/冬の広間……光りの加減で織り模様が浮かび青い影を落とす美しいドレープのカーテンに、雪の結晶のように見える素晴らしい雪と氷の結晶石のシャンデリア、こつこつと踏む床の結晶石は雪のように青く白く、窓の外の雪景色と合わせれば冬の美しさの全てを集めたように見える美しい広間。660話では、天井画の左の端に描かれた妖精の騎士は、白薔薇の妖精に扮してはいるがエーヴァルト王であることを、ネアはエルトから聞き、エーダリアは山猫のドロシーから教えてもらっていた。ネアの誕生日を祝う会に毎年使われており、独身最後の誕生日には冬告げの舞踏会からネアが持ち帰った冬聖の小枝を喜んだ家事妖精達が、きらきらとダイヤモンドダストの降る冬の夜が広がる特別仕様にしてくれた。景観を魔術で移植して、広間の湖水水晶の床石には霧が這い、装飾として部屋の隅にはイブメリアを思わせる雪をかぶったモミの木のような青緑の葉を持つ針葉樹の木があり、ダイヤモンドダストが陽の光に煌めく雨のように降っていて、雪まであるのに寒くない素晴らしい部屋となった。(977話)

  • 霧の間……秋から冬の間にかけての霧深い夜にしか現れない長らく実在が疑われていた幻の広間。人外者が霧と夜会を楽しむ為の部屋なので、魔物か、妖精、或いは竜が三人以上いなければ開かない。見事なシャンデリアはクリスタルのようにも見える霧の結晶石製で、中心に淡い水色を滲ませて縁の部分は乳白色になっており、ふんわりと霧を纏って輝く。部屋の壁の全てが暗く澄んだ青に紫の色味が重ねた濃紺の夜の結晶石でできており、シャンデリアがどこまでも続く夜の大広間に浮かんだ霧の中の月のように見える。初代の夜霧の魔物の作品。ネアが作った収穫祭のパイを食べる日のために開かれた。(927話)

  • 雪と花の小部屋……バレンタインデーのリーエンベルクに突如現れたお部屋のひとつ。繊細な金細工のドアノブがついた美しい扉の向こうに、ふわりと積もった美しい雪景色と、立派なライラックの大木が部屋の輪郭を示すように生えて、薄紫の花をずっしりと咲かせている。その枝の中に守られるようにして、灰色がかった淡い薔薇色の花をみっしり咲かせた冬薔薇の茂みに囲まれた小さなガゼボがある。八角形の造りの白いガゼボには、中央に丸い森結晶のテーブルが備え付けられており、壁と一体になっている椅子の上には、細やかに光る糸を縫い込んだ淡い水色の天鵞絨のような手触りのふかふかとしたクッションが敷かれている。そのガセボでネアが焼いたバレンタインデーのチョコレートシフォンケーキを囲んで、ディノとネア、ちびふわになったアルテアの3人で小さなお茶会となった。(k13)


ネアの厨房
森の中にある洋館。初めてのイブメリアの贈り物として、ディノからネアへプレゼントされたもの。ウィームの森の中ではあるが、影絵側に作られている。
任意の扉の鍵穴に、透明な硝子細工めいた専用の鍵を挿すと、その扉がそのまま厨房の入り口になる。
ネアの認識では十分に戸建ての別宅扱いだが、ディノの認識ではあくまで厨房。
プレゼントされた当初、きちんと準備されていたのは厨房エリアだけだったが、後にアルテアが手を入れ、寝室など他の部屋も整えられた。

ダリルダレンの書架/ダリルダレンの書庫
国内最高峰であり、世界で一番美しい図書館とも言われる。
ダリルダレンの書庫は領民達にとっての図書館にあたる所で、その蔵書の全てをダリルが管理している訳ではなく、入ってすぐの区画には領雇用の公務職員である司書たちが管理する一般棟がある。特に資格なく貸し出しが許可され、夜中に誰かがそこから出てくるような本はない。
ダリルダレンの書架と呼ばれる部分が、大聖堂のような建物の本館となるダリルの領域で、ドーナツ状にその周囲を囲む一般棟の図書館を出て、中庭の外回廊を通る。螺旋階段を登るようにゆっくりと知識を深めてその叡智の最奥に近付いてゆくのが、書の魔術の作法であり、この建物の作りはその形を正しく現している。
羊皮紙や紙の匂いに、蓄積された魔術の歴史のミントのような独特な香りに包まれた薄暗い書架で、膨大な結界を組み上げて迷路のように外周を取り囲んでいる。エーダリア曰く「趣味の悪い要塞」。
書架前の広場は野外オペラの会場になっており、近くに王立博物館と歌劇場がある。

ローゼンガルデン(ローゼンガルテン)
リーエンベルクの正面、街を挟んで反対側にある薔薇の丘。薔薇の祝祭の日には祝祭の舞台となる場所だが、冬になると雪に閉ざされ、ひっそりと荊のカーテンを纏う。夏至の日はカップル以外にも美しい薔薇の妖精達への求愛者が多く押し寄せ、人の集まるカフェやレストランの周囲以外は、なみいるライバル達を殲滅せんと荒ぶる求婚者が潜む危険区域となる。

ザハ
老舗のレストランホテル。オーベルジュに近い。
高価なチョコレートケーキが有名。ウィームの中心街にあり、真紅の絨毯と旗が目印。
一階にカフェ兼レストラン、二階にラウンジ。一階と二階は吹き抜けで繋がっている。
カフェ内は白とミントグリーンを基調にした上品な雰囲気。少しお値段は張る。
十年程前に倒れた王家から出奔した料理人たちが奮起し、ザハという歴史は長いがあまり奮わなくなっていた高級ホテルの料理部門を安定させた。菓子部門もある。

アクス商会
欲望の魔物・アイザックの営む商会。表向きに卸すのは物品ばかりだが、実際には、情報や市場調整が商売の中枢を占めており、幹部には高位の人外者が多く在籍している。
店構えは高級紳士服店を装っているが、商会としての敷居は高く、特定の顧客としか取引をしない。アルテアは上客の一人で、いくつか専用の商品庫がある模様。さらに資産の一部をあらかじめ預けており、アルテアに代わり、アクス商会が買付けなども担っている。
また、紹介状のないお客は入れない。
ネアはアルテアの紹介で訪れて以降、狩りで得た希少な獲物を頻繁に持ち込んでは換金してもらっており、アクスからも将来性のあるよい取引相手と見做されている。
アクス商会を示す紋様の鍵がロゴになっている。
ヴェルリアにある古い塔やアルビクロムにある瀟洒な商館など、各地に支店がある。
本店はウィームで、リノアールの向かい側にあり、上等な蒸留酒を結晶化させたような、茶褐色半透明の石材で建てられた瀟洒な外観となっている。

リノアール
世界に誇る品揃えの高級複合商店。三階建ての離宮めいた造りの建物で、高級百貨店のような外観。
店舗内に違法併設された別店舗などもあり、魔術道具の店や、妖精の営む宝石店もある。

飴玉屋
ウィームの中央通りの、リノアールより一本手前の通りに位置しており、ゼノーシュ御用達のクッキー専門店の二店舗隣にある。

銀狐専門店
ウィーム領主の襟巻きになっている銀狐グッズの専門店。
銀狐を模した陶器人形や、ネアを泣かせたくじ引きカード、銀狐柄のポーチやハンカチ、塩入れなど、銀狐ファンのウィーム市民の心を鷲掴みにする品を販売している。一番人気の商品が「狐印の塩」なことからも、おそらく銀狐の正体はバレバレ。店主はエーダリアの会の役員。

スープ専門店
ウィーム中央内にあるスープの専門店。
ネアのスープの飲み方を偏愛する店主のアレクシスが世界中を回ってレシピを考え、エーダリアの熱烈なファンである妹一家が店を回している。
店主が居る時は試作品や、特殊効果のつく特別なスープが飲めるので、その日を狙って魔術師達や他の料理人達は勿論、ザハの料理人やアクス商会の面々、リーエンベルクの料理人も後学の為にと足を運ぶ。
ネアが一時期ドはまりした山羊のチーズのスープや、スプーンの精がウォルターの辛いスープにスープの精を派生させたり、果ての薔薇についての情報をくれたのもこの店。時々ネアの元に新作スープのお知らせが届けられる。

スフレ専門店
ウィームの中心地から少し外れたお屋敷街にある旧ロクマリア公爵の駐在館であった壮麗な建物に入っている店。
豊富な種類のスフレを絵入りのメニューから選ぶ事ができる。

歌劇場
王立歌劇場ことオペラハウス。
ウィームの市街地、ダリルダレンの書架の近くにあり、ヴェルリア王都の歌劇場よりも大きく美しい。屋根には竜の彫刻が施されている。
数ある席のなかでも、最高のボックス席は薔薇のロージェと呼ばれている。
前の広場には小さな噴水があり、イブメリアには美しくライトアップされる。

大聖堂
ウィームの一番端にある、複数の塔からなる高層建築。
ザルツからの主要交通路で旧王都に入る時、必ず正面に大聖堂が見えるような配置になっており、国を跨ぎ中立の権力を有する教会を王都の守りとして利用した意図も見て取れる。

議事堂
傘祭りの広場に面して建っている壮麗な建物。
ウィームの内政に深く関わっており、日々諸侯との重要な会議などに利用されている。
ぐるりと周囲を円柱で囲みドーム状の天井を乗せた構造の建物で、屋根の上にはウィームの権力の象徴でもあった雪竜の彫刻がある。また、建物全体を大きな木に見立て、内外の屋根の部分には精緻な木の葉の彫刻が施されている。
特に背の高い吹き抜けになっている内天井は葉や枝を模して彩色された装飾で森の木々が茂るような表現がなされ、またその奥に隠されたステンドグラスを通した光が実際の木漏れ日のように落ちる事から、議事堂には魔術の森の天蓋あり、と言われている。
中は円形の議会場を囲むようにドーナツ状の回廊があり、傘祭りの際は外来客と騎士の昼食時の交流の場となっている。

封印庫
立派な円柱に支えられた白大理石の神殿のような建物。
入り口の奥に円堂と半球形のドームがある。円柱の奥の壁は大きな扉があり、堅牢な魔術刻印で施錠されている。
送り出しや焚き上げを必要とする祟り物や、滅する事で大きな被害が出る危険な魔術的な品々が数多く封印されている。
そのなかの保管庫には傘祭りを待つ使用済みの傘が数多く納められている。
また、シカトラームへの入り口もここに隠されている。
この建物の前の大きな通りでは、定期的に夜市場が開かれ、不思議な品物や特別な品物めあての客で賑わっている。

シカトラーム
どこの国や土地にも属さず、特別な魔術の理と、その為に用意された守護者達によって運営されている魔術銀行。
ウィームに二年以上住んだ者、特定の許可証を持つ者達にしか明かされない特別な場所。
当初の預け入れは魔術だけだったが、今は、資産価値は高くても、保管が難しい秘宝など表の銀行に預け入れが難しい財産も受け入れている。
中は十二の区画の分れており、それぞれに番地がある。持ち主が居なくなって開かなくなった扉もある。
シカトラームの入場規制の魔術そのものが命を得て妖精となった〝許可証検査の妖精〟のほか、許可証周りで一人の魔物と、内部の管理で二人の妖精と一人の精霊、そして三人の魔物が役職を拝する管理者として運営に携わっている。
各人それぞれ普段は他の仕事をしているが、シカトラームが開くときだけその役割を思い出す不思議な仕組み。
シカトラームの建物自体は、元はノアベルトの城を改築したもので、基本的な制度や魔術の預け入れの術式の仕組みもノアベルトが整えた。その後アルテアグレアムも携わっているが、現在はノアベルトやアルテアも驚くほどの変化を遂げている。
封印庫にある特殊な金庫室の扉に許可証を見せると、廊下の突き当たりに、譜面台と銀の譜面が現れる。
その譜面を魔術の調べで奏でれば、地下に降りる階段の扉が開く。譜面の旋律を奏でる魔術で、ウィームの民かどうかを測っている。
許可証が届いて招かれたネア達一行に限っては、思わぬ大冒険を経て目的の品へとたどり着く事になった。(950)

ウィーム美術館
ウィームの町中にある壮麗な建物の美術館。
エントランスの中央は吹き抜けになっており、立派な装飾の階段とそれを囲むようにおかれた壁画があり、その両方を楽しめるよう3階にカフェが併設されている。
死者の日には、同伴者なしの墓犬や死者も美術鑑賞を楽しめる試みが始められたばかり。(933話)

地下墓地
ウィームにある旧時代の地下墓地群。
別名で死者の街と呼ばれており、豊穣祭の季節には亡霊になった死者達が出てきて大変賑やかになる。

王立博物館
新規の収蔵品は儀式詠唱の式典により所蔵の作品であるという着在の魔術添付を行っている。この添付を受けられない収蔵品は他の収蔵品から余所者めと仲間はずれにされる。四十年前、そうして仲間外れにされた収蔵品が思い余って脱走する騒ぎがあったことが、儀式詠唱をしに行くエーダリアの口から語られた。(k194)

スケート場
冬になると凍るザルツへと続く大きな川が、冬季限定のスケート場として解放されている。
昼夜を問わず人がいるため雪熊など悪い生き物が出る事もあり、滑る人への猟銃を借し出しなども行われている。
ラベンダー蜂蜜入りのホットミルクやザハのクリーム珈琲など、スケート場限定の美味しい飲み物が売られているので、市民ばかりでなく観光客にも人気がある。



アルバンの山

ウィームの西側に位置する雪山。
リーエンベルク御用達の牧場をはじめ、ソリ滑り、咎竜事件、雪菓子採取などのエピソードで登場。


ザルツ

ウィーム第二の都市。
ウィーム領内ではウィーム中央に次ぐ大都市。国交のない国からの留学も受け入れている大学があり、ヴェルリアの中でも手薄な拠点の一つ。ウィームとザルツとの間には大きな川があり、スケートが出来る。世界的に有名なのは音楽院だがザルツの魔術大学は音楽の研究から派生した魔術に長けている。動物園も有名。ザルツ銘菓として有名なのはクーヘンで、ザルツクーヘンとも言われる。
ザルツを任されている伯爵とヒルドは折り合いが悪いが、過去に何かがあった訳でもなく、単純に性格の不一致である。

シュタルト

貴族達の別荘地になっている、湖水地方にある湖岸の小さな町。湖岸に沿う町並みはウィームの真珠と言われている。千人程の人口の小さな町だが、住民に見合わない数の屋敷が立ち並ぶ。
透明度が高い湖と塩の採掘地としても知られ、元は塩の魔物の城であった岩塩抗は地下街のように入り組んでいる。岩塩坑へ降りるための木造滑り台や、地底湖など一部を一般客に公開して観光資源とし、残りの部分は現在も採掘中である。レース産業が有名。

ヴェルツ

最も暗い夜が訪れる、暗く黒い街。
夜の気配が強すぎて他の要素を避けてしまうため、雪は降らない。

建材の黒大理石の産出地で、四方をその黒大理石が採掘される山で囲まれている。
最も暗い夜が来る街のため、純粋な黒の大理石が産出される。生粋の黒は珍しい為、各国で重宝されている。
また、この大理石は光を吸うことから、貴人の大罪人の牢獄にも使用されている。

黒みのある建材のほとんどが揃うヴェルツは、この土地の建物の殆どを黒いものに揃えてしまっている。
石畳も漆黒で、土壌も黒が強く、生い茂る木々も黒みの強い針のようなモミの木ばかり。
その代わり、どの家々にも壁に手書きでレリーフや柱などが色鮮やかに描かれており、それがこの土地の伝統的な建築手法となっている。

カスティリオ

小さな港がある、ラベンダー畑とオリーブ畑に囲まれた小さな町。
夏の終わりと冬の始まりに降る追憶の雨を蓄えたラベンダーやオリーブを売ることで生計を立てている。

クーデリ

ウィームから見て西にある学徒の都市。リーエンベルクの西にある。

グラニ

ウィーム近郊の温泉街の一つ。温泉プールがある。
海側からはウィーム中央より更に内陸に入る土地。

グリシーヌ

ウィームとヴェルリアの境にある。

ツグリの村

ツダリの隣に位置する。ツダリから移住した若者達が作った村で、同じ南瓜でもやや革新的な品種を出荷している。
南瓜祭りに似た、悪いものを溜めた南瓜を頭で割って鎮める儀式が行われる。

ツダリの街

南瓜の名産地。昔ながらの美味しい南瓜を作っている。
毎年南瓜祭りが行われる。

ツベルトの草原

ウィーム北西にある。
毒舌な鶏や鴨、そしてここにしか生息しない草原牛に草原山羊がいる。
ほんのりとミントのような香りを持つ牧草地は、穏やかさと不変の祝福をかけられた稀有な土地であり、平穏を司る精霊が住んでいた恩恵なのだと言われている。

トウフェム

アルバンの西側にある小さな集落で、人差し指ほどの大きさの小さな人形の産地。
ほっこり可愛い系の人型の人形に、集落の女達の器用さで凝りに凝った民族衣装やドレスなどを着せており、その色鮮やかで可憐な素晴らしい仕上がりは、人外者への対価や献上品として利用されるほど。
年に一度、作った人形達で人形遊びをして、桃の精霊に奉納する人形飾りの祝祭がある。
それに利用される人形飾りの桃を手に入れたエーダリアが、カット済みの桃を食堂に置いたまま席をはずしてしまったため、知らず桃を食べてしまったネアが幼児に変身する事件が起きた。(k29)

ビャシヤ村

ウィームの北部にある山間の村。
酪農と特殊な魔術を持つ者による雪森結晶の細工が有名。
土地の魔術がよく、魂が育ちきっておらずに未熟な者の中に、大地や自然に近しい目を持つ者が育ちやすい。
作られている災いを封じる為の精緻な彫り物が有名な雪森結晶の装飾品は、小さな滴型の石に細やかで美しい彫り物をし、込められた魔術が石を輝かせて持ち主を守る。
旧ウィーム王家に永きに渡って守り石を納めており、エーダリアの祖母リリィも足を運んで守り石の作成行程を学んだ。
最後の石の納品が叶わず死んでしまった届け人が、のちに祟りものになって事件を起こした。


フィラハ

観光地。美しい渓谷と、織物や鉱石の産出で有名なウィームの秋の都と呼ばれる土地。(495


フエビエ

ウィーム領の最北端に近い土地にある。絵付けの陶器などが有名。
二度目の送り火の魔物捜索の際の候補地で、擬態が得意なノアを探しにきた黒狼姿のギードとばったり遭遇することになった。

ミノスの村

k369で銀狐の予防接種のために訪れた、祠守りの竜たちを守護者とする集落。すでに役目を終えた迷宮を利用して作られている。

その他(地名が特定されていない)

狐温泉
ウィームの北部にある小さな古城。
お城の中央に湧き出てきた湯は、獣型の人外者や魔術師に人気があり、特に狐系統の獣にはかなりの効用がある。
様々な土地の祝福に溢れたとてもよい匂いがする人気の温泉。

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最終更新:2026年07月27日 19:46