もくもくと天に昇っていく黒煙を、その5人は目撃していた。

「なあ!やっぱりあれって火事……だよな?」
「ええ、おそらく他の参加者の仕業ね。事故か意図的かは分からないけど、ただごとじゃないことは確かだわ」
「しかもあれかなり大規模だなぁ~~家一軒ぐらい燃えてんじゃねーの?」

ナランチャの疑問に対しトリッシュが答え、玉美がそれを補足する。
5人が現在いるのはE-6北部、サン・ジョルジョ・マジョーレ教会へと続く通りの途中である。
フーゴとジョナサンの行方を追うために移動しつつあったトリッシュたち5人は、現在彼女たちのいる場所から離れた位置に発生した火災の煙を発見した。

「オレ最近知り合いの家が燃えた事がありやしてね~、だから多分あれ家一軒丸々火事になってますよトリッシュ様」
「そう……やっぱり単なる事故じゃなさそうね、あの煙遠くからでも見えそうだから他の参加者も集まってくるかも…………アナスイ?」

玉美の話を聞きながらトリッシュは煙について少し考えるが、その時煙を睨みつけながら険しい顔をしているアナスイに気がつく。

「アナスイどうしたの?そんな恐い顔して……」
「……悪いが俺は今すぐにあの煙の所までいく、お前たちとはお別れだ」
「え!?」
「なっ……いきなりなに言ってんだよオメェ!!」
「あの煙の場所、空条邸かその周辺からのぼってるよな?」
「え、ええ……おそらくね」

アナスイの突飛な離脱宣言に一同は驚くものの、その表情はただならぬ事情があるのだと訴えかけている。

「俺の探している人があそこに向かっているかもしれない、だとすれば俺はすぐにそこにいかなくてはならない」

もし火事が起こっているのが『空条邸』ならば、その名から明らかに縁があるであろう、そしてアナスイの探し人である「空条承太郎」が来る可能性がある。一度別れたきり以降行方がさっぱり分かってなかった男を探し当てるのには絶好の、そしてまたとない機会であった。

「でもあなたまだケガが治りきっていないのよ?一人でいくなんて無謀だわ!」
「そうだぜ!空条邸なら教会に行くまでに前を通りかかるからそこまで一緒にいた方がいいって!」

トリッシュとナランチャは必死にアナスイを説得するものの、しかしアナスイは首を縦に振ろうとはしない。

「……俺はもう手遅れなんてごめんなんだよ」

ぽつりとそれだけ言い残し、アナスイは他の4人を置いて一人空条邸の方角へと走り出して行った。

「「アナスイ!!」」
「おいおいおいおい、本当に行っちまうかよ普通」

トリッシュとナランチャがアナスイを呼び止めようとするもアナスイは振り向かず、その背はどんどんと小さくなっていき、玉美は信じられないと目を瞬かせる。
トリッシュは行き場のなくなった手を降ろし、ジョニィの方へと顔を向ける。

「……アナスイは行ってしまったけど、ジョニィ、貴方はどうするの?……ジョニィ?」

トリッシュはジョニィに声をかけるが、肝心のジョニィはどこかぼんやりとした様子でサン・ジョルジョ・マジョーレ教会の方角を見ていた。
それに対し玉美が声をあげる。

「おい!トリッシュ様が話しかけてんのになんだその態度は!この!」
「ってぇ!!なにすんだこの小男ッ!」
「ああぁ!?やんのか!?」
「やめなさい2人とも!」

玉美が蹴りを入れたことでジョニィは正気に戻るものの、玉美と喧嘩腰になりかけトリッシュはそれを諫める。玉美ははい!トリッシュ様!と言うまでもなくそれに従い、ジョニィもかなり釈然としない表情であったものの渋々言われた通りにした。

「で、どうしたのジョニィ?なんか様子が変だったわよ」
「ああ……」

ジョニィは再びサン・ジョルジョ・マジョーレ教会の方へと向く。

「今、また気配を感じたんだ。多分ジョナサンのものだと思う」
「ジョナサンの!?」

ジョナサンの名を聞き、ナランチャがまた食って掛かる。

「ジョナサンは無事なんだよな!?」
「そこまでは分からない、けど……」

ジョニィは無意識に左肩へと手を伸ばす。
先程は距離が離れすぎたせいか一度ジョナサンの気配が途切れてしまったものの、今また途切れる前と同じ気配をおぼろ気ながらだが感じた。
けれど何故だろうか、先程とは違って、ジョニィの中の何かが訴えかけている。ジョナサンの身にに今ただならぬ事態が振りかかっていて、ジョニィへと助けを求めているのではないかと、根拠も何もないのに不思議とそんな確信がある。

「やっぱり今ジョナサンは危ない目にあってんのか?」
「だからそこまでは分からないって」
「……ねぇジョニィ、貴方これからどうするの?」
「どうするって……」
「あたしたちとしては一緒に来て欲しいわ。でも貴方も探してる人がいるんでしょう?」
「…………」

もちろん、ジョニィはジャイロのことを忘れた訳ではない、ジャイロを探すことはジョニィにとって何よりも優先すべきことであり、その順位は覆されることはないと思っていた。
けれどどうしたことだろうか、ジョニィは今それを理由にしてジョナサンの後を追うことを拒むことができなくなっていた。今ジョナサンを追って行かなければきっと後悔することになると、ジョニィは自然とそんな思考になっていた。
不思議な繋がりを感じる、自身と同じ名を持つあの青年を追うか。マイナスをゼロにする旅を共にし、戦いの果てに命を落とした親友を探しに行くか。


「僕……僕は────……?」


ジョニィ・ジョースターは、決断を迫られていた。



  □■□■



「…………」
「…………」

重々しく張りつめた沈黙と静寂がその空間に広がっている。
それはまるで割れる寸前までパンパンに膨らんだ風船が目の前にあるような緊張感に似ている。もう少し空気が入るか、ちょっとした衝撃があれば容易く割れてしまうような、そんな感覚がずっと続いている。
いやむしろ、彼────ジョナサンはそれを望んでいるのかも知れない。誰かがそれを割って、この醒めない夢でも見ているかのようなこの感覚を終わらせてくれる事を、彼は願っているのかも知れない。

「ジョ~ジョ?もしかしてお前、そこでそんなアホみたいに固まったままで待っていれば誰かがお前を助けに来てくれると……そんなこと考えている訳じゃないよなァ?」

けれどその心境はよりにもよってこの空気を生み出した男によって暴かれてしまった。そう、ジョナサンの宿敵、ディオ・ブランドー……DIOによって

ジョナサン・ジョースターはすべてを知った。
戦いの結末
己の最期
その後のディオの行方
そして────一世紀以上にも渡るディオとジョースター家の、壮大な因縁の物語を

「…………」
「黙ってないでなんか言ってみろよな。どうだジョジョ、100年後の自分の「肉体」とご対面した感想は?」
「…………」

ディオはわざとらしい笑みを浮かべながら、己の肉体を見せつけるようにジョナサンの正面に堂々とした姿勢で立つ。ジョナサンはそんな彼を、まだ夢でも見ているかのようなぼんやりとした、どこか虚ろな目で見る。

「……君は、」
「ん?」
「君はどうしてそんなにしてまで…………生きようとするんだ?」

ようやく言葉を発したジョナサンの問いに対し、ディオはくだらないと言わんばかりに鼻を鳴らす。

「ふん、何を言うかと思えばそんなことか、簡単なことだジョジョ、人は生きているうちにあらゆるものを欲する、それは名声であったり支配する力であったり金だったりする。
友人であったり結婚であったり人の役に立つことであったり愛と平和のためであったりする
だが何故人はそれを求める?何故求めてまで生きようとする?」
「何故……?」

コップに水が入っていくかのように、不思議とDIOの言葉はジョナサンの心に入り込んでくる。
ディオはジョナサンの周囲を回るようにゆっくりと歩きながら話しを続けた。

「それはなジョジョ、『安心』を得るためだとオレは思っている。
名声も支配も金も友人も結婚も人の役に立つことも愛も平和も、すべては自分が『安心』するために求めるのだ。『安心』こそが生きる上での『幸福』なのだ。
ではその反対に位置する感情、『恐怖』とは何だろうか?『恐怖』とは一体どんなときに沸き起こる?
それは『安心』を得られなかったとき、求めるものを得られなかったときだ。人はそれが起こったとき絶望し、『後悔』という形で心に刻み込み、何かに挑むことに『恐怖』するようになる
そうだろ?努力の末路がゼロになるだなんで誰だって思いたくないものだ
そうして人はどんどんと『恐怖』を心に抱えていく、挑むという行為をしなくなっていく。
しかし、人は大きな『恐怖』に直面すると、それまで得てきたものを失うかもしれないというそれ以上の『恐怖』を感じ、目の前の『恐怖』を振り払うために全身全霊をかけて積み上げてきたものを失うまいと何かを成し遂げようとする。それの連続によって人は『恐怖』を克服していくのだ。
……だがどれ程得ようとも、どれ程失おうとも、人の最後には必ず『死』が待ち受けている。それは人が抱える最大にして回避しようもない『恐怖』だ。『死』はなにもかもを台無しにしてしまう、それまで得てきたものをすべて無価値にしてしまう最悪の『恐怖』だ。
では真に『安心』を得るためには何をすべきだと思う?人にとってなにもかもを無にしてしまう『死』をいかに回避するか、あるいは『死』から……いや、あらゆる事柄から『恐怖』を取り払うには一体どうすべきだと思う?
……オレはそこにこそ生きるということの真理があると思っている。そしてそこに到達したとき真に『安心』を、『幸福』を得ることができるのだ。」

大衆を前に演説をする独裁者のような姿のディオに、ジョナサンは『恐怖』を覚えた。
ジョナサンの知っているディオと、目の前にいるディオには圧倒的な差がある。
もうこのディオはジョナサンの手の届かない場所にいるのではないか、ジョナサンの理解の範疇を越えた先に行ってしまったのではないか、……そんな気がした。

「このDIOは人を超越した……死を克服し、永遠を生きる唯一無二の存在となった。だから死の恐怖はこのDIOにはない
だがまだだ、まだオレは『幸福』を得ていない
故にオレは生きるのだ、真なる『安心』、『幸福』を得るために、『幸福』がある『天国』へと到達するためにな
真の勝利者とは『天国』を見た者のことだ……どんな犠牲を払ってでも、オレはそこへ行く」
「どんな犠牲を払ってでも……だって?」

ディオの言い放った言葉に、ジョナサンはぴくりと反応を返す。

「その犠牲が……例え血を分けた家族であってもか………?」

それはディオから話を聞いて以降、初めて感情の籠った言葉だった。

「なんだジョジョ?まさかお前「アレ」をずっと気にかけていたのか?無駄なことを……アレはオレが『天国』へ到達するための駒にするために作ったものだ。どうしようとオレの勝手だろう?」
「勝手……だと?ディオッッ!!彼は……ジョルノは君の血を引いた子どもだと言っていたじゃないかッ!自分の子どもを殺してまで得るものに虚しさを感じないのかッッ!!父の手で殺された彼の絶望に罪悪感はないのかッッ!!!」

ジョナサンの脳裏にはまだ色濃くこびりついている。ディオのスタンドがジョルノの腹を貫いたときの、ジョルノの愕然とした絶望に染まった顔が
それを歯牙にもかけないと言わんばかりのディオにジョナサンは嫌悪と怒りを持って声を荒げる。だがなおもディオは涼しい顔のまま、ジョナサンの言葉を切り捨てる。

「ほう、アレの名を知っていたか、まあそんなことはどうでもいい。血を分けた家族だからと言ってそれがどうだと言うのだ?どれ程血が繋がっていようと他人は他人、己とは異なる存在だ。違うかな?
それに忘れたのか?オレはジョースター家に来る前に父親を殺してる……今更身内殺しなんてなんでもないさ」
「 ッ!ディオ……!君は……君は……ッ!!」
「ああ、お前はそういうやつだった。家族には愛があって然るべき、親を伴侶を子を愛することこそが真の幸せに繋がると思っている……そんなヘドが出るような思考の持ち主だった。だがなぁジョジョ
エリナ・ジョースター
ジョージ・ジョースター
ジョージ・ジョースターⅡ世
リサリサ……もとい、エリザベス・ジョースター
空条ホリィ
空条徐倫
おっと、肉体的にはお前の息子でもあるアレもそうか」
「……ッ!」
「気付いたか?そうだ、いずれもお前と血の繋がりのある者、或いはその伴侶である者たち、それもこの殺し合いで死んだ者たちの名だ…………なあジョジョ


お前の愛が、やつらの一体何を救ったと言うのだ?」


鋭く冷たく尖った刃を傷口に差し込まれ、ズタズタに引き裂かれるようだった。滅多刺しにされ、バラバラにされ、元の形がなくなってしまうほどぐちゃぐちゃにされていく。……なにもかもが崩れていってしまう。

「あ………」
「お前の愛がやつらを守ったか?いやそんなことはない、守らなかったからこそやつらは死んでいったのだからな
結局愛なんてものはそれほどまでに無価値で無為で無力なものなんだよ
一体やつらはどれ程の恐怖を抱えながら死んでいったのだろう?どれ程の絶望にまみれながら死んでいったのだろう?
……そして何故お前はこうしてのうのうと生きているのだろう?」

言葉の刃が、ジョナサンの心に止めを刺しに来る。
ガツンと頭を殴られたようだった。足元に確かな足場がない。手を伸ばそうにも灯りなんて何処にもない、そこは暗闇の荒野だった。地図もない、どこにいけばいいのかも分からない場所に、ジョナサンは放り出されてしまった。

「………………」
「……ああそうだ、お前が望むのならばひとつ……チャンスをやろう」
「チャンス……?」
「そう、チャンスだ。失ったものを取り戻せる唯一のチャンスだ
なぁに、簡単なことだ。『最後に生き残ったものがたったひとつだけ願いを叶えることができる』……覚えがあるだろう?
そう、この殺し合いを生き延びることだ。それこそがお前に残された最後のチャンスだ。だがそれを許してくれるほどこのゲームは甘くない……とうにそれは知っているな
だからこそ、ジョジョ
オレと同盟を組まないか?」
「…………同盟、だって?君と……?」
「そう、このDIOとだ。」

ディオの言っていることの意味が分からず、ジョナサンはディオの言葉を何度も心の中で反復させる。

「いまいち分かりづらかったかな?つまりはだジョジョ、オレとお前が協力して脅威となる参加者を始末して回るんだ
幸いにも今のオレは部下と『友人』に恵まれていてな、この会場にいる参加者のほとんどの居場所を突き止めることも可能だ
無論、その中には殺し合いに乗っている者や、反対に殺し合いに乗ることを是としない連中もいる、そいつらはこの殺し合いで生き残る上で邪魔な存在だ。分かるだろう?
そいつらの居場所をオレがお前に教え、お前はそいつらを始末する。シンプルだろう?
……ああもちろん、生き残れるのはひとりのみだ、だからそういう連中を全員排除できれば、その時点で同盟は解消、その後生き残れるかはお前次第だ
だが悪くないだろう?少なくとも今お前がおかれている状況よりかは失ったものをチャラにできるチャンスに恵まれているのだからなァ?」

暗闇の荒野に、光が差し込む。
それはひどく魅力的で、甘く、暗闇に閉ざされた心ではすがり付きたくなるほどの蠱惑的な光だった。

けれど、
どれ程綺麗であっても、どれ程強い光であろうと────所詮それは幻影でしかない
だが、頭では理解していても、心がそれを訴えてくれない。他の道が見えない以上、それにすがり付くしかない。

「…………」
「どうだジョジョ?うまくいけば取り戻せるどころか、大切な者と……エリナと永遠を生きられるぞ?」
「────ッ!!」

エリナ
もう会えない……本当に大切な人

ディオがジョナサンの正面に立つ、彼の言葉がジョナサンの心を締め付ける。

「  会いたいだろう?  」

けど、もう一度会えるかもしれない
大切な人たちと、また会えるかもしれない、取り戻せるかもしれない

エリナ

僕はもう一度

君と────

──────────

───────────────







「違う」



☆★



「違う……?何が違うと?」
「失ったものを取り戻せるから殺す?失っても取り戻せるから殺す?……そんなのは、違う、絶対に間違ってる」

確かな意思をもってジョナサンはディオの目を見つめ返す。
その目は暗く染まってなどいない、虚ろな目などではない。
その瞳の奥にあるのは────黄金の輝きを放つ、誇り高き意思。
ジョースターの『黄金の精神』が、確かにそこにあった。

「僕はもう……どんな形であろうと、大切な人を、家族を失いたくない!!」

足は地を踏みしめている。暗闇の中には、己にしか見えない、しかし信じることのできる光輝く道が見えている。
迷いなどない。ジョナサンの心には、爽やかな風が吹いていた────
その時のジョナサンは不思議なことに────本人はちっとも不思議に思っていなかったが────ある一人の人物を思い出していた。

ジョニィ・ジョースター
同じジョースターの姓を持つ、繋がりを感じて出会った始めの一人
ジョニィは偶然と言っていたけれど、きっと彼とどこかで繋がりがあるとジョナサンは確信していた。
あの繋がりは断たれてはならない、助けられなかったジョルノのように……そんな未来は、絶対にあってはならない

「ディオ!!君が無為に他の人の命を奪うと言うのなら、僕の家族を奪うと言うのなら!、
僕は君との青春に、決着をつけてやるッッ!!!」

コオォォォ と波紋の呼吸を発する。ディオに対し戦いの覚悟を示す。態勢はすでに臨戦状態へとなっている。
ディオは変わらず涼しい顔をしていたが、しかしその瞳からは何を考えているのか読み取ることができない。
パチパチパチ、とディオは拍手をジョナサンに送った。

「……さすがだ、ジョジョ。これほどまで突き落とされても折れぬとは、叩けば叩くほど伸びるのは本当に変わらんな。やはりジョースターは侮れん


だがなぁジョジョ」

ディオの声が背後からする。ジョナサンの視界からはとうにディオの影はない。急いで振り向くものの、そこにもディオの姿は影も形もない。

「お前はこのDIOを倒せはしない……既にオレは世界を支配する力『ザ・ワールド』を得ている。そんな生っちょろい貴様の波紋ごとき、このDIOに届きさえもしない。フーフー吹くなら……死に逝く者への地獄のラッパでも吹いているほうが似合いだぞ?」

至るところから声がする、それなのにその姿を捉えることができない。

(こ……これがディオのスタンドの能力なのか!?一体僕の身に、何が起こっている!?)

反響しているわけではない、だがどれかが本物で、それ以外が偽物の声なんていう子供だましのようなものでもない。
ジョナサンがディオのスタンド能力を見分けるには、圧倒的にスタンドに対する知識と経験が足りなかった。

「本来はこれは「アレ」の役目だったのだがな……ジョジョ、オレはこれからお前の血を吸い、この肉体を馴染ませる。なにせこれはお前自身の体だ、これ以上ないまでに馴染むだろう。そこに余計なものなど一切必要ない」
「! そんな理由でジョルノを殺したのか!!」
「お前の血がある以上、アレの存在はオレにとって『天国』への道を阻む障害でしかない……だから始末したのだ」

淡々と事実のみを語るディオに対し、ジョナサンの怒りで握っている拳をさらに握りしめ、掌へと爪を食い込ませる。心は熱の激流で満たされていく。

「さあジョジョ、無駄な時間はここまでだ。
お前の血は我が永遠の糧となり、お前の肉体は我が未来であり続ける……

そしてその血を吸った暁にはジョジョオオ!!貴様に連なる者どもを根絶やしにしッ!我が『天国』への踏み台にしてくれるわ!!!」

ディオの姿が突如としてジョナサンの目の前に現れる、ディオの腕が振り上げられ、その指はジョナサンの血を吸うべく首筋へと向かおうとしている。驚愕しとっさに反撃しようとするも……

「もうおそい!回避不可能よッ!お前の血は我が永遠の糧となり、お前の肉体は我が未来であり続けるのだ、ジョジョオオォォ!!!」

ディオの手がジョナサンの首へと伸びる。もう届くまで数瞬もない

(そんな────僕はここで終わるのか……?何もできずに、何も成し遂げられずに、ただディオに血を吸われて死ぬのか……?)

それは絶対に回避するべき事象だった。けれどももう術はない。勇気も策も、圧倒的な力の前ではなす術もなく押し潰されるのみ。ただ惨めに、潰された姿を晒すしかない。

(エリナ…………すまない…………)

ジョナサンにはただ一言、愛しい人に何も出来なかったことを悔い、謝るしかなかった。

そして────



─────ブゥン!!!



「ぐおぉ……!?」
「……な……?」

ジョナサンに最期の時は訪れなかった。
代わりにジョナサンの元へ現れたのは……一匹の「蠅」

「い……今、一体……?」

ジョナサンの首筋にディオの指先が届く瞬間、まるでそれから庇うかのように一匹の蠅がディオの指先に触れ、ディオの指を弾き返した。

(この会場に来てから虫なんて見てはいない……じゃあこれはスタンドによるもの?誰が、一体どうして……?)

ジョナサンの中に渦巻く疑問は、しかしほとんど間を空けることなく解決することになる。

ザッ  ザッ

何故ならその蠅を産み出した本人が────死んだと思われていたその少年が、草木を踏みしめその陰から再びその身を現したのだから



「…………ジョルノ?」
「………………」

ジョナサンはその少年の横顔を捉えながら名を呼ぶ、しかし少年────ジョルノはそれが聞こえていないかのようにぴくりとも反応しない。
顔は青白く、歩みもおぼつかずふらついている。貫かれたはずの腹の傷口は何故か埋まっていたが、所々出血していた。

だがその顔だけは、激情に燃えるその瞳だけは、目の前の一人だけを映していた。

「DIO……貴方は……貴方は僕にとって……」

カラカラになった喉から、それでも彼は言葉を紡ぐ。
そして、目の前の『父だったもの』に言い放った。



「倒すべき、『悪』だ」



─────それは決別の宣戦布告だった。



☆☆★



「……面白いことを言ってくれるじゃあないか、我が息子よ。そのセリフ、鏡を見てからもう一度言ってみてくれないかな?」
「…………」

ダメージを反射された指をぷらぷらと揺らしながらDIOは挑発する、しかしジョルノの瞳はまったく揺らぐことはない。
だがDIOの言葉は事実を示しており、今のジョルノの姿は誰がどうみてもまさに満身創痍と言えるものだった。

「…………ええ、今の僕では貴方に勝てません。貴方のその『時を止める』能力に勝つ方法が、僕にはまだ分からない」
「ほほーう、我がスタンド能力を見破ったか、ひょっとしてかつて似たようなスタンド能力を持つ者と遭遇していたか?
……まあいい、ではこれからどうする?まさかまた殺されに舞い戻って来たわけでもあるまい?」

ジョルノの瞳がほんの少しだけ揺らぐのを、ジョナサンは確かに見た。けれどそれは本当に少しの間だけで、次の瞬間には元のはっきりとした覚悟を湛えた眼に戻っていた。

「そうですね、僕がこうして出てきたのは、ほんのちょっぴりの時間稼ぎです。」
「時間稼ぎだと?」
「ええ、そろそろ聞こえませんか?」

ジョルノの言いはなったその直後に、ジョナサンの耳に何かの音が聞こえてきた。


ブブブブ─────

「時間稼ぎ、そうです。いくら時を止めようと関係ない、僕が考えた精一杯の『逃走経路』」

ブブブブブブ─────

「例え時を止めようと……視界が防がれてしまえば意味はないでしょう?」

ブブブブブブブブブ─────!!

「ではまた近いうちにお会いしましょう───それまではさようなら、『父さん』」


そして
DIOとジョナサンの視界は、────ジョルノの産み出した大量の『虫』によって真っ黒に閉ざされた。



ぐい、と何かに腕を引っ張られ、思わず足がもつれそうになるも、腕を引かれるがままジョナサンはなんとか駆け出した。
耳は大量の虫が生み出す羽音に埋め尽くされ、視界もまた虫によって防がれているため一体何が起こっているのかさっぱり分からず、ジョナサンは己の身を引く存在に進む方向を委ねながら走り通した。
やがてジョナサンは階段を昇っていき、それが地上へと続いている階段だと気づいたころに大量の虫は一気に姿を消した。

「────はぁーーー!」

ほどなくして階段を昇りきり、ジョナサンは息を吐く、何せ走っていたうえに虫のせいで呼吸もままならなったのでここにくるまでずっと息苦しかったのだ。
呼吸が落ち着いた頃、ジョナサンは顔を上げる。そこはサン・ジョルジョ・マジョーレ教会の地上で、ジョナサンが訪れた時のまま、今にも崩れ落ちてしまいそうなほどボロボロであった。
その様子を少しだけ見渡し……間もなくジョナサンの視線はうずくまる金髪の少年の姿を捉えた。

「ジョルノ!!」

急いで傍まで駆けつけ、ジョルノの様子を確かめる。顔は先程よりも血の気がなく、腹の出血もひどくなっている。慌てて波紋を流し込み治療をする。それによりなんとか気色は良くなり、出血もかなり抑えられた。

「……う……」

ジョルノが小さく呻き、床に手をつき立ち上がろうとする。が、腕に力が入らず、足も震えており、立つどころか体を起こすことすらままならないようだった。

「無茶をしてはだめだ、今は体を休めて……」
「…………た……」
「え?」

ジョルノの口が微かに震え、何か言葉を紡ぐものの、ジョナサンの耳にはほとんど聞こえない。
耳を澄まし、ジョナサンはジョルノに聞き返す。

「すまないジョルノ、今なんて……」
「……貴方、どうして……僕の名前を、知ってるんですか……?」

DIOはジョナサンの前でジョルノの名前を直接呼んでない。
ジョナサンにジョルノのことを語っていた際も、始終「アレ」呼ばわりで決してジョルノの名を明かそうとしなかった。にも関わらずジョナサンはジョルノのことを前もって知っていたかのようにその名を呼び、DIOに食って掛かっていた。
ようやく途切れ途切れに聞こえてきたジョナサンに対する疑問に、ジョナサンは素直に答える。

「あ……ああ、君のことは君の仲間から聞いていた。ナランチャにフーゴ、それにトリッシュも」
「…………彼らは……」
「ああ、今は離れ離れになってしまったけど、みんな無事だ」

ジョナサンの返答に対し、ジョルノは安堵したかのように息を吐く、彼が今まで出会った人の中で知り合いだったのはグイード・ミスタ一人のみで、放送で呼ばれたブチャラティとアバッキオ、ポルナレフ以外の仲間の行方はまったく分からなかったので、ジョナサンの口から彼らの名前が出たのはジョルノにとって喜ばしいことであった。
しかし、今の状況では手放しに喜ぶことはできない。ジョルノはなおも力の入らない体で立ち上がろうとする。

「ジョルノ!今は動かなくて良い、移動したいのなら僕が君を抱えるから無茶は────」
「……今、立たなければ、ならないんです……」
「……ジョルノ?」

震える体で無理矢理立ち上がろうとするジョルノに対し、ジョナサンは気づきはじめる
先程のDIOに対するあの姿勢は、精一杯の虚勢だったのだと
彼の心が、その見た目以上に、ボロボロになっているのだと
そして今もなお、その事実をひた隠し、崩れ落ちそうになりながらも立ち上がろうとしているのだと
ジョナサンはそんな彼の様子を見、胸の奥がズキリと痛む。

(ジョルノはきっと強い子なんだ、今までも数々の困難を乗り越えて来たに違いない
けど……今は逆にそれが足枷になっている。どんなに傷つこうと、どんなにボロボロになっても、決して心は折れることはない……折れることを、自分自身が許さないんだ)

だったら、彼のために、自分は何ができる?


『お前の愛が、やつらの一体何を救ったと言うのだ?』


ディオの言葉の刃が、ジョナサンの胸に突き刺さる。
ジョナサンは一度、眼を閉じる。

(僕は……何もできなかった。大切な人が苦しんでいたときに、そんなことも知らずにのうのうと息を吸っていた……
けど、そこで立ち止まってはだめなんだ。今を生きている以上、いなくなってしまった人たちの分の意思を無駄にしてはならない
去ってしまった人たちの意思は、受け継いでいかなくてはならない、さらに先に進めていかなくてはならない)

(エリナ……今の僕に、ジョナサン・ジョースターに、できることは─────)


ジョナサンは眼を開く、その心に光が降り注ぐ
その瞳に映るのは─────


☆☆


どれ程崩れてしまいそうになっても、壊れそうになっても、挫けている時間はない、砕けるようなことはあってはならない、……折れるなんてもってのほか。


────たった一歩だけでいいんだ

────一歩踏み出して立ち上がるだけでいい

────それだけで僕はまた立ち向かえる

────『悪』に、立ち向かう勇気が出てくる

────ブチャラティ、アバッキオ、ポルナレフさん……ウェザー、彼らの意思を……

────タルカスさん、彼も恐らく、もう…………本当に、すみません

────けど、立ち止まっては行けない、僕は立ち上がらなければならない

────一歩、たった一歩だけでいいんだ、それだけで勇気が湧いてくる

────一歩、だけで……


『お前はもう────用済みだ』


────………………




「ジョルノ」



☆☆



己の名前が聞こえて、顔をあげる。
瞳に映ったのは、さっき会ったばかりの男
……そういえば、名前もまだ知らなかった。

「君は本当に強いな。……僕がディオに血を吸われそうになったときも、君は僕を庇ってくれた。もう自分のことで手一杯だったろうに、地下から僕を引っ張ってここまで僕を導いてくれた。本当の覚悟と勇気がなければ、こんなことできっこない」

男の手がジョルノの手を握る、とても大きくて、それでも不思議と暖かさを感じる手

「……参ったなあ。情けないけど、こんなときどんなことを話していいのか分からない
何か話せばいいのか何も言わない方がいいのか……
話すなら何を話せばいいのか、慰めればいいのか元気付ければいいのか、好みの音楽のことを語ればいいのか……
いや、ごめんよ、変なことばっかり言ってしまって
でもジョルノ、僕から君に言えることで、たった一つ確かなことがある。これだけ言わせて欲しい…………信じて欲しい」

男の口から不思議な呼吸音が聞こえる。
けれどもちっとも不快はない、男の握っている手から暖かな感覚が広がっていく。全身に染み渡っていく。……空いた隙間が満たされていく。



「僕は、君の味方だ」



ジョルノは男の手を無意識に握り返す。胸の奥が熱い何かで満たされ、溢れかえってくる。全身の芯に生命が注がれていくような感覚がする。……足はもう、震えていない。
男が立ち上がる。自然とつられてジョルノもまた立ち上がる。その動作の一つ一つがまったく苦にならない。男に支えてもらっているからだろうか、それとも……

「君が立ち上がりたいときは、僕も一緒に立ち上がろう
君が立ち向かいたいというなら、僕も一緒に立ち向かう
一人でなにもかもしようとしないでくれ、……僕が、君と一緒にいる」

ジョルノは顔をあげる、高い位置にある男の顔は穏やかだった。ジョルノが今まで見てきた色んな人のどの顔よりも、優しい顔
ジョルノの心には、いつか感じた爽やかな風が吹いていた。

「どうして」
「……なんだい?」
「貴方はどうして、そんなことが……」

ジョルノはDIOの息子で、DIOの体は男の体を乗ったもので。つまり男からしてみれば、ジョルノは愛した人ではない人との間で勝手に産まされた子で……

「やっぱり聞いてたんだ、ディオの話」
「……」
「そんなことは関係ないよ、君は僕を『救って』くれた、それだけで十分さ」

ゆるゆると男は首を振る。

(…………あ)

そしてひどく今更に、気づいた
なんで気がつかなかったのだろう、DIOの存在があまりに大きかったからだろうか、ジョルノが男のことをまったく知らなかったからだろうか。……とにかく、ジョルノはその時ようやく、その事実に気がついた。

(じゃあ、この人は僕の…………もう一人の────)


────父親


それは夢見心地なんてものじゃない、曖昧で漠然としてて、ぼんやりとした感覚でしか知覚できないことであった。
でも、それでも、本人たちに自覚がなくても、お互いに好みの音楽どころかその存在を知ったばかりだったとしても


『僕は、君の味方だ』


────その言葉はジョルノにとって、血の繋がりがある『家族』からの、初めての暖かな言葉だった。

「…………貴方は……」

なんと言えばいいのか分からないのはジョルノもまた同じで、それでも男のことをなにか知りたくて、形にしきる前に言葉に乗せようとして────



────……ブゥン



一匹の『蠅』が、ジョルノの元へとたどり着いた。

「……あれ?これはさっきの?」

男はそれを見て、きっと先程の逃走の際の、消えきっていなかった虫の一匹だと思ったのだろう。
でも違う、その蠅はもっとずっと以前にジョルノが生み出したものだった。ここにくる以前に『ある男』の元へと辿り着くよう向かわせたはずのものだった。

ジョルノは男から手を離し、代わりにその蠅を握る。次にジョルノが手を開けた時にはその蠅は姿を消し、手のひらには二つの『切れ端』があった。
一つは場所が書かれているメモ、一つは『ある男』のブーツの切れ端
本来ならその蠅はブーツの切れ端の持ち主の元へとたどり着くはずだった。けれど蠅は持ち主を見失い、主人の元へと戻ってきた。そのことが意味するのは……

「…………ジョルノ?」


────その蠅は『グイード・ミスタ』の死を知らせた、文字通りの「虫の知らせ」となった。



☆☆ ☆



ふらり ふらりと彼女は教会の中へと入っていく
己の思うがままに、体の感ずるがままに

やがて彼女の視界には、2人の人影が映る
2人とも何かに気をとられているようで、彼女には気がついていない
彼女は思う、あの2人から「気配」を感じると、ずっと知りたかった「空条徐倫」のルーツがあると
その内の一人に、彼女は記憶の中の影を重ねた

(………『父さん』………)

────彼女は2人に、ゆっくり近づいていく




【E-6 北部/一日目 午後】

ナランチャ・ギルガ
[スタンド]:『エアロスミス』
[時間軸]:アバッキオ死亡直後
[状態]:額にたんこぶ(処置済み)&出血(軽度、処置済み)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし)
[思考・状況]
基本行動方針:主催者をブッ飛ばす!
0.ブチャラティ、アバッキオ…!!
1.放送まちがいとかふざけんな!!
2.よくわかんないけどフーゴについていけばいいかな
3.フーゴとジョナサンを追う

トリッシュ・ウナ
[スタンド]:『スパイス・ガール』
[時間軸]:『恥知らずのパープルヘイズ』ラジオ番組に出演する直前
[状態]:肉体的疲労(中程度までに回復)、失恋直後、困惑
[装備]:吉良吉影のスカしたジャケット、ウェイトレスの服
[道具]:基本支給品×4、破られた服、ブローノ・ブチャラティの不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:打倒大統領。殺し合いを止め、ここから脱出する。
1.ルーシーが心配
2.地図の中心へ向かうように移動し協力できるような人物を探していく(ただし情報交換・方針決定次第)
3.フーゴとジョナサンを追う
4.ウェカピポもアバッキオも死んでしまったなんて…
5.玉美、うっさい

小林玉美
[スタンド]:『錠前(ザ・ロック)』
[時間軸]:広瀬康一を慕うようになった以降
[状態]:全身打撲(ほぼ回復)、悶絶(いろんな意味で。ただし行動に支障なし)
[装備]:H&K MARK23(0/12、予備弾0)
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:トリッシュを守る。
1.トリッシュ殿は拙者が守るでござる。
2.とりあえずトリッシュ様に従って犬のように付いて行く。
3.あくまでも従うのはトリッシュ様。いくら彼女の仲間と言えどあまりなめられたくはない。
4.トリッシュ様に従い、2人(フーゴとジョナサン)を追う。
【備考】 彼らはSBR関連の事、大統領の事、ジョナサンの時代の事、玉美の時代の事、フーゴ達の時代の事、この世界に来てからの事についての情報を交換しました(知っている範囲で)

【ジョニィ・ジョースター】
[スタンド]:『牙-タスク-』Act1
[時間軸]:SBR24巻 ネアポリス行きの船に乗船後
[状態]:疲労(小)、困惑
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、リボルバー拳銃(6/6:予備弾薬残り18発)
[思考・状況]
基本行動方針:ジャイロに会いたい。
1.ジャイロを探す。
2.第三回放送を目安にマンハッタン・トリニティ教会に出向く
3.ジョナサン!?僕の本名と同じだ。僕と彼との関係は?
4.ジョナサンを追う?それとも……
[備考]
※現在ジョナサンと共鳴しあってますが、距離が遠く他に気配が複数ある(DIOとジョルノ)ことに気がついてません。


ナルシソ・アナスイ
[スタンド]:『ダイバー・ダウン』
[時間軸]:SO17巻 空条承太郎に徐倫との結婚の許しを乞う直前
[状態]:全身ダメージ(中程度に回復)、体力消耗(中)、精神消耗(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済)
[思考・状況]
基本行動方針:空条徐倫の意志を継ぎ、空条承太郎を止める。
0.徐倫……
1.情報を集める。
2.空条邸へ向かう
【備考】
ジョニィとアナスイは、トリッシュ達と情報交換をしました。この世界に来てからのこと、ジョナサンの時代のこと、玉美の時代のこと、フーゴ達の時代のこと、そして第二回の放送の内容について聞いています。



【D-3 西側、街中のそれぞれどこか/一日目 午後】

ヴァニラ・アイス
[スタンド]:『クリーム』
[時間軸]:自分の首をはねる直前
[状態]:左肩貫通、プッツン
[装備]:リー・エンフィールド(10/10)、予備弾薬30発
[道具]:基本支給品一式、点滴、ランダム支給品1(確認済み)『オール・アロング・ウォッチタワー』のダイヤのK
[思考・状況] 基本的行動方針:DIO様のために行動する。
1.イギーと、一緒にいた少年(フーゴ)を始末する。


マッシモ・ヴォルペ
[時間軸]:殺人ウイルスに蝕まれている最中。
[スタンド]:『マニック・デプレッション』
[状態]:健康、怒り
[装備]:携帯電話
[道具]:基本支給品、大量の塩、注射器、紙コップ
[思考・状況]
基本行動方針:空条承太郎、DIO、そして自分自身のことを知りたい。
0.DIOの下に『空条徐倫』を連れて行く。
1.空条承太郎、DIO、そして自分自身のことを知りたい 。
2.天国を見るというDIOの情熱を理解。しかし天国そのものについては理解不能。
3.フーゴを殺す
[備考]
※現在怒りで3以外の事柄がほとんど頭にありません。時間が経つかなにかきっかけがあれば思い出すでしょう。
※携帯でDIOへ留守電を残しました。どのような内容なのかは後の書き手様にお任せします。


【どう猛な野獣タッグ 結成】

【イギー】
[時間軸]:JC23巻 ダービー戦前
[スタンド]:『ザ・フール』
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本行動方針:ここから脱出する。
1.ヴァニラ・アイスをぶっ飛ばす。
2.花京院に違和感。
3.煙突(ジョルノ)が気に喰わない
4.穴だらけ(フーゴ)と行動

パンナコッタ・フーゴ
[スタンド]:『パープル・ヘイズ・ディストーション』
[時間軸]:『恥知らずのパープルヘイズ』終了時点
[状態]:右足首にダメージ、体力消耗(中)、やや困惑
[装備]:DIOの投げたナイフ1本
[道具]:基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)、DIOの投げたナイフ×5、
[思考・状況]
基本行動方針:"ジョジョ"の夢と未来を受け継ぐ。
1.先の襲撃&追撃に引き続き警戒。
2.利用はお互い様、ムーロロと協力して情報を集め、ジョルノやブチャラティチームの仲間を探す(ウォッチタワーが二枚とも消えたため今の所はムーロロには連絡できません)
3.ヴォルペと襲撃してきた男(ヴァニラ)を倒す(ヴォルペ優先)
4.ひとまず犬(イギー)とともに行動
5.教会に戻りジョナサンと合流する
6.アバッキオ!?こんなはやく死ぬとは予想外だ。
7.ムーロロの身に何か起こったのか?
【備考】
『オール・アロング・ウォッチタワー』のハートのAとハートの2はムーロロの元に帰り、消えました。

【備考】
※サン・ジョルジョ・マジョーレ教会から南東方向にイギーVSヴァニラ、フーゴVSヴォルペの戦闘跡があります。



【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地上/一日目 午後】

【『ジョジョ』ファミリー】

【ジョナサン・ジョースター】
[能力]:『波紋法』
[時間軸]:怪人ドゥービー撃破後、ダイアーVSディオの直前
[状態]:全身ダメージ(小程度に回復)、貧血(ほぼ回復)、疲労(小)、
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし)
[思考・状況]
基本行動方針:力を持たない人々を守りつつ、主催者を打倒。
1.ジョルノと一緒にいる。……絶対に彼を一人にしない
2.ディオ……。
3.先の敵に警戒。まだ襲ってくる可能性もあるんだから。
4.フーゴやナランチャたちと合流したい
5.知り合いも過去や未来から来てるかも?
6.仲間の捜索、屍生人、吸血鬼の打倒。
7.ジョルノ……どうしたんだ……?
[備考]
※DIOからDIOとジョースター家の因縁の話を聞かされました。具体的にどんなこと聞かされDIOがどこまで話したのかは不明です。(後の書き手様にお任せします。)

ジョルノ・ジョバァーナ
[スタンド]:『ゴールド・エクスペリエンス』
[時間軸]:JC63巻ラスト、第五部終了直後
[状態]:体力消耗(大)、精神疲労(大)、腹部損傷・出血(G・E&波紋で回復中)
[装備]:閃光弾×3
[道具]:基本支給品一式、エイジャの赤石、不明支給品1~2(確認済み/ブラックモア) 地下地図、トランシーバー二つ、ミスタのブーツの切れ端とメモ
[思考・状況]
基本的思考:主催者を打倒し『夢』を叶える。
1.???
[参考]
※時間軸の違いに気付きましたが、まだ誰にも話していません。
※ミキタカの知り合いについて名前、容姿、スタンド能力を聞きました。
※DIOがジョナサンに話したDIOとジョースター家の因縁の話を一部始終聞きました。具体的にどんなことを話しどこまで聞いていたかは不明です。(後の書き手様にお任せします)
※149話「それでも明日を探せ」にて飛ばした蠅がミスタが死亡したことによりジョルノの元へと帰ってきました。


F・F
[スタンド]:『フー・ファイターズ』
[時間軸]:農場で徐倫たちと対峙する以前
[状態]:髪の毛を下ろしている
[装備]:体内にF・Fの首輪
[道具]:基本支給品×2(水ボトルなし)、ランダム支給品2~4(徐倫/F・F)
[思考・状況]
基本行動方針:存在していたい(?)
混乱
1.『あたし』は、DIOを許してはならない……?
2.もっと『空条徐倫』を知りたい。
3.敵対する者は殺す?
[備考]
※何故F・Fが教会に入れたのか(ジョンガリ・Aに狙撃されなかったのか?)の理由については後の書き手様にお任せします。




「ジョジョを連れて逃げたか……ふん、ジョースターと引き合うとはやはりこのDIOの息子、か」

「まあそう問題ではない、やつらはまたこのDIOの元へとやってくるだろう、やつらのジョースターの血が、くだらん正義感が、このDIOの存在を許しはしないからな」

「……やはりそうでなくてはな、わざわざ呼び寄せる必要などない、やつらは必ずこのDIOに立ち向かってくる……我が野望の前に立ち塞がってくる」

「……ああ、そうだ……!」

「我が野望の路上に転がる石クズどもよ……」

「我が天国への階段に立ち塞がる塵どもよ……!」

「貴様らの血肉をもって、我が永遠の、そして天国への足掛けとしてやるッ!」

「さあ、来い………!」



「『ジョースター』ッ!!」





【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地下/一日目 午後】

【DIO】
[時間軸]:JC27巻 承太郎の磁石のブラフに引っ掛かり、心臓をぶちぬかれかけた瞬間。
[スタンド]:『世界(ザ・ワールド)』
[状態]:全身ダメージ(大)疲労(大)
[装備]:シュトロハイムの足を断ち切った斧、携帯電話、ミスタの拳銃(0/6)
[道具]:基本支給品、スポーツ・マックスの首輪、麻薬チームの資料、地下地図、石仮面、リンプ・ビズキットのDISC、スポーツ・マックスの記憶DISC、予備弾薬18発『ジョースター家とそのルーツ』『オール・アロング・ウォッチタワー』のジョーカー
[思考・状況]
基本行動方針:『天国』に向かう方法について考える。
1.ジョジョ(ジョナサン)の血を吸って、身体を完全に馴染ませる。
2.承太郎、カーズらをこの手で始末する。
3.蓮見琢馬を会う。こちらは純粋な興味から。
4.セッコ、ヴォルペとも一度合流しておきたい。
[備考]
※携帯電話にヴォルペからの留守電が入ってます。どのような内容なのかは後の書き手様にお任せします。
※ジョンガリ・Aと情報交換を行いました。
ジョンガリ・Aのランダム支給品の詳細はDIOに確認してもらいました。物によってはDIOに献上しているかもしれませんし、DIOもジョンガリ・Aに支給品を渡してる可能性があります。

【備考】
※サン・ジョルジョ・マジョーレ教会が崩壊しかかってます。次に何らかの衝撃があれば倒壊するかもしれません。



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前話 登場キャラクター 次話
164:血の絆 ジョナサン・ジョースター 171:因縁と希望を背負う集い星
167:黄金の影 イギー 172:獣の咆哮
167:黄金の影 ヴァニラ・アイス 172:獣の咆哮
167:黄金の影 DIO 174:されど聖なるものは罪と踊る
164:血の絆 小林玉美 181:男の地図とダイヤモンドガール
167:黄金の影 ジョルノ・ジョバァーナ 171:因縁と希望を背負う集い星
164:血の絆 ナランチャ・ギルガ 181:男の地図とダイヤモンドガール
164:血の絆 パンナコッタ・フーゴ 172:獣の咆哮
164:血の絆 トリッシュ・ウナ 181:男の地図とダイヤモンドガール
158:ReBorn F・F 171:因縁と希望を背負う集い星
164:血の絆 ナルシソ・アナスイ 180:All Star Battle -FIGHT!-
164:血の絆 ジョニィ・ジョースター 180:All Star Battle -FIGHT!-
158:ReBorn マッシモ・ヴォルペ 172:獣の咆哮

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最終更新:2015年05月05日 17:21