古館伊知郎のネット炎上(ふるたちいちろうのねっとえんじょう)は、フリーアナウンサーの古館伊知郎がテレビ朝日系列のテレビ番組「ミュージックステーション」に出演したけものフレンズの出演声優らに対する発言によって起こった炎上騒動。


概要

フリーアナウンサーの古館伊知郎が自身が出演したラジオ番組「オールナイトニッポンGOLD」の2017年4月21日放送回において、2017年4月17日に放送された「ミュージックステーション」に出演したけものフレンズの出演声優らを揶揄したことが原因で起こった炎上騒動。
「ミュージックステーション」に出演していたアーティスト・竹原ピストルが披露した新曲を絶賛するも、けものフレンズの出演声優らを揶揄。同時にタモリがけものフレンズの出演声優らに対してやる気がないように接していたと発言した。この発言ががけものフレンズのファンを中心としたネットユーザーの怒りを買い、抗議を目的とした署名活動も発起されることとなった。

「ミュージックステーション」への言及

「オールナイトニッポンGOLD」の2017年4月21日放送回で、古館は竹原ピストルの新曲「Forever Young」を絶賛。
その後、2017年4月17日の「ミュージックステーション」に竹原ピストルと共演し、どうぶつビスケッツ×PPPとして出演していたけものフレンズの出演声優を「ギンギンいらつくような声」と評するなど辛辣な態度を見せる。
さらに、Mステの司会者タモリがまるでけものフレンズの声優陣に興味がないような素振りを見せていたかのように発言し、タモリの発言を捏造したと非難される。
インターネット上で話題となり、実際の番組内での様子をかけ離れた様子を語ったことから炎上沙汰へ発展。*1
抗議の署名活動が発起され、402人の賛同者が集まった。*2
この署名活動に対して「このキャンペーンをやめてほしい」「もうこれ以上けものフレンズに関する話題を持ち上げないでくれ」と言及するも、発起人のA Nは「古舘伊知郎氏が発言したことは全くの虚偽内容であり、特定の人物の名誉を傷づけているのも事実です。公共の電波での著名人の発言は大変影響力があり、世に広まれば虚偽の発言でも真実を知らない人たちが信じてしまうことでしょう。そうならない為にも今回このキャンペーンを起こしました。決してけものフレンズを悪用するようなことは一切考えていませんし、私もけものフレンズを愛しているファンの一人です。」と回答し、理解を求めた。*3

ニッポンGOLD 2017年4月21日放送回での古舘の発言

古舘:竹原ピストルさんと言えば、この前ミュージックステーションに出て、で今、新曲出して、アルバムがトップ10に入ったかなんかっての聞いたけど、新曲で「Forever Young」っての歌ったの。めっっっちゃ良かったね。

(中略)

 その竹原ピストルの前が確か、なんかアニメの、若い女の子たちの、10代の女の子たちの、アニメソングなんか歌ってるグループグループが、M&Aみたいに一時期、歌で合体して、2グループが1つになって、きぐるみ着て歌うアニメソングみたいなやつだったの。もうタモさんの興味のなさぶり? もう脱力の極み? ブラタモリあんなにノリノリのくせに。最高じゃん、おれミュージックステーションのタモさんのあのやる気のなさ、最高に好きなんだよ。ね。

 で、その時アニメの子たちはもうテンション高い、はじめてのMステでーすみたいな感じで、「タモさーん」って。アニメとかやってるから声がギンギンギンギンいらつくような声で。「タモさん私はこぐま、分かりますタモさん私はこぐま、私はニワトリ、私はねニワトリ分かりますタモさん、私はなんとか~」って言うと、「あ、私はフクロウなんです~分かります分かります~」ったら、なん~~にも答えないのタモさん。なん~~~にも答えない。

 で女の子たちもちょっと困っちゃって、「ちょっとタモリさんにちゃんと質問しちゃおう。タモリさんに逆質問~。質問してくれないから逆質問! タモリさんは動物で言うと何かな、何かな、何かな~」っつったらそこだけ嫌々タモさんノって、「ん~イグアナかな~」って言ったけど、タモさんのイグアナのあの天才芸を知らないんだよ。「えっタモさんってイグアナなんだって、ビックリしちゃった、びっくりだよねーびっくりだよねーびっくりだよねー」って輪唱みたいなことやったの。そしたらタモさんが小~さく、拾ってるんだマイクで。タモさん一言、「……何なんだよ」って言ったんだよ。もう司会じゃないんだよ。「……何なんだよ」っつって、歌行っちゃったんだ。女性アナウンサーが切って歌フリして。

 そこまでやる気なかったタモさんがやっぱり、竹原ピストルには興味持ってましたね。これぜひ聞いてもらいたい。いい歌だよ「Forever Young」、竹原ピストル。

(曲へ)

Mステ 4月14日放送回より

タモリ:動物のアニメなんだよね

どうぶつビスケッツ×PPP:はい、そうなんですよ。動物が女の子だったらという世界のお話で、私がサーバルキャットのサーバルちゃんを演じていて、(他のメンバーを指しながら)フェネック、アライグマ、ペンギンのアイドルユニットっていう……(聞き取れず)……やらせていただいているんです。

タモリ:ほう。

どうぶつビスケッツ×PPP:タモリさんは動物で何か似てるって言われたことありますか。

タモリ:……イグアナくらいかなあ。

どうぶつビスケッツ×PPP:すっごーい、タモリさんはイグアナのフレンズなんだね!

タモリ:なんだそれ(笑)。

アナウンサー:そういう決めゼリフがあるんですよね。

タモリ:そういうのあるの、なんとかのフレンズっていうの。

どうぶつビスケッツ×PPP:そうなんですよ! それを言いたくて来ました。

タモリ:へえ。

どうぶつビスケッツ×PPP:よかった~。

タモリ:初めてのMステってのはどうですか。

どうぶつビスケッツ×PPP:緊張しますけど、ホントに思いっきり楽しんで帰りたいと思います。

タモリ:うん。

どうぶつビスケッツ×PPP:ぜひあの、タモリさん、

タモリ:うん?

どうぶつビスケッツ×PPP:うー、がおー! っていうけものフレンズポーズがあるので、

タモリ:これ?

どうぶつビスケッツ×PPP:一緒にやってもらってもいいですか。

タモリ:ほうほう、なに。

どうぶつビスケッツ×PPP:うー、がおー。

タモリ:んん? うー?

どうぶつビスケッツ×PPP:うー、がおー!

タモリ:ほー。

どうぶつビスケッツ×PPP:いいですか、行きますよ、

全員:うー、がおー!

どうぶつビスケッツ×PPP:どうもありがとうございまーす!

どうぶつビスケッツ×PPP:すごーい!

アナウンサー:けものフレンズ、テレビ初披露このあとすぐです。

(CMへ)

「おしゃべりオジサンと怒れる女」にて謝罪

その後、古舘はレギュラー出演しているテレビ東京系列の番組「おしゃべりオジサンと怒れる女」*4の2017年5月12日放送回にて、番組冒頭で同じレギュラー出演者の千原ジュニアに炎上について振られ、自身がラジオ番組で貶した出演者の1人がサーバル役・尾崎由香が当番組のナレーターであることを知り、驚いた表情を見せる。
共にレギュラー出演していた坂上忍と千原ジュニアに「謝った方がいいのでは」と促され、古舘は「心を入れ替えて今日からやり直したいと思います。」と謝罪。
その後、尾崎の「わかった、許してあげる」というナレーションが挿入され、「さすがに録音したんだ。いやーよかったよかった」「そんな特定の人をけなしてないからね」と古舘はコメント。
これに対し千原が「いやこの人(尾崎さん)をけなしてたでしょ」とツッコミを入れると、尾崎の「ひどいよ古舘オジサン!」というナレーションが入る様子が放送された。
しかし、Mステでの発言や放送内容をねじ曲げて説明していたことには言及はなく、これに納得しないネットユーザーからは非難の声が上がった。*5

尾崎由香の反応

放送があった同日、尾崎はTwitterで番組に合わせてツイートを投稿。
当時のけものフレンズ界隈からは称賛の声が上がった。*11
尾崎由香 @ozaki_yuka515
今夜23時55分からは、
おしゃべりオジサンと怒れる女
冒頭で古舘オジサンが!?
観てね~♪ #おしゃべりオジサン
午後10:01 · 2017年5月13日·Twitter for iPhone
尾崎由香 @ozaki_yuka515
始まるよー
#おしゃべりオジサン
午後11:55 · 2017年5月13日·Twitter for iPhone
尾崎由香 @ozaki_yuka515
ひどいよー!古舘オジサン🐱💕
#おしゃべりオジサン
午前0:03 · 2017年5月14日·Twitter for iPhone

統括

現在、該当の番組の映像やラジオ番組の音声のほとんどが正式な手段での視聴が不可能となっている。

インターネット上では当時アニメ1期によりブームとなっていたこと、古館がメインキャスターを務めた「報道ステーション」における過去の言動*6もあり、古館に対するバッシングは強いものとなった。
「おしゃべりオジサンと怒れる女たち」での古館の謝罪の様子は平謝りだと見做し批判したけものフレンズファンもいたものの、尾崎由香が古館を赦したこともあって炎上騒動は鎮静化に至った。これにより、今日のけものフレンズ界隈においてこの出来事は過去のものとなり、滅多に話題にあがることがなくなった。

はてなブログのユーザー・さっぷ(k-shin)*7は、出演者の発言や実際の放送内容を交えながら独自に検証し、古館の言動を以下のように統括している。
古舘氏は、けものフレンズを下げて、竹原ピストルを持ち上げたかったのだと思いますが、今回のことは竹原ピストルさんにとっても大変失礼で迷惑な行為だと思います。
竹原さんもそんな人間に応援されてもイメージダウンでしょう。

けものフレンズのようなアニメが嫌いなのは仕方ないし、それを公共の場で発言してもいいと思います。
しかし事実を正反対に捻じ曲げて批判することは絶対やってはいけないと思います。
ましてや、かつてニュースキャスターを務めてた人間です。
これだけ嘘ばかりだと全く発言に重みが感じられなくなります。
過去に彼がどれだけ捏造したニュースを流してたのかという信用問題にも繋がります。
他人を笑らせるための多少の嘘は仕方ないとは思いますが、誰かを傷づける全くのデタラメなデマを流すのは最低な人間のすることだと思います。
一方で、ピクシブ百科事典の単語記事「古館伊知郎」では以下のように記されている。
  • 2017年に『けものフレンズ』ついて自らのラジオ番組で言及したが、好印象が持てないことに加えて声優の演技に苦言を呈したこと、さらに発言内容から同番組を視聴したことのない「イッチョカミ」である疑惑が浮上し、ファンから総叩きを食らって炎上したことがある。
    • 一方で問題の発端である『ミュージックステーション』に出演した同番組のテーマ曲を担当する「どうぶつビスケッツ×PPP」の態度が、キャラ付けの一環とはいえ芸能界の大御所であるMCのタモリに対して馴れ馴れしかったのは事実であり、タモリ氏も終始事務的に彼女たちのトークとテンションを受け流していた節があったのも事実である。
      • 古舘氏はタモリ氏にも敬意を抱いており、これを受けての批評と見られている。
「ミュージックステーション」を視聴したことのない「イッチョカミ」である疑惑が浮上してファンから総叩きを食らって炎上したと記すも、「「どうぶつビスケッツ×PPP」の態度が、キャラ付けの一環とはいえ芸能界の大御所であるMCのタモリに対して馴れ馴れしかったのは事実」「タモリ氏も終始事務的に彼女たちのトークとテンションを受け流していた節があった」とけものフレンズの出演声優へ批判的な評価を加えており、古館がタモリへ敬意を抱いていることを受けての批評と見られていることにも触れている。

この炎上騒動の数ヶ月後にたつきショックが勃発する。
古館に批判的だったけものフレンズのファンの中でも、アニメ1期からけものフレンズを知り、たつきを強く信奉していたファンはKADOKAWAや吉崎観音を糾弾するスタンスに転じてしまう。
古館のネット炎上騒動とたつきショックの因果関係には具体的な根拠はないものの、ネット上で増長していたアニメ1期のファンの発言力が強まっていた2017年前半のけものフレンズ界隈を象徴する出来事と言える。

余談

古館おじさん謝罪UC

ニコニコでは、しれー*8が古館が陳謝する様子に『機動戦士ガンダムUC』の劇伴曲「UNICORN」を流した動画を投稿している。

古館おじさん謝罪UC


竹原ピストルへの評価

古館が絶賛した竹原ピストルだが、「ミュージックステーション」を視聴していたけものフレンズファンからも概ね好意的に受けいられており、Twitter上では竹原ピストルに言及するツイートが投稿された。
「ミュージックステーション」放送後、ビクターエンターテイメントの公式Twitterアカウントから、竹原ピストルとどうぶつビスケッツ×PPPの楽屋写真が投稿された。
ビクターエンタテインメント @VictorMusic
竹原ピストルとどうぶつビスケッツ×PPPの楽屋写真、もう1枚おまけだよ♪
Mステで披露した曲、絶賛配信中~!
「Forever Young」⇒ http://bit.ly/2oYkOc7
「ようこそジャパリパークへ」⇒ http://bit.ly/2l83nHa
午後10:03 · 2017年4月14日·Twitter Web Client
竹原ピストルもTwitterでこの時の様子を「“借りてきた猫”でフレンズに入れていただきました。笑」と語っている。*9

関連項目

外部リンク



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最終更新:2022年07月22日 02:23

*1 けもフレを捏造でこき下ろす古舘伊知郎 - togetter

*2 古舘伊知郎さん4月21日の古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLDでの発言を今すぐ訂正を求めます。 - Change.org

*3 キャンペーンについてのお知らせ 【重要】 本キャンペーンの目的について - Change.org

*4 2017年4月15日から2018年9月29日までテレビ東京系列で毎週土曜に放送されたトークバラエティ番組。おしゃべりオジサンと怒れる女 公式サイト

*5 古舘伊知郎さん、番組で「けもフレ」発言について謝罪も「全然反省していない」と再炎上 “捏造”については言及なし - ねとらぼエンタ

*6 「報道ステーション」での古館はフリートークの時間を設け持論を展開していたが、私情を挟んで誤解を招いてしまい、それについて自ら弁護することが多かった。朝日新聞の捏造報道を野次る意味で生まれたネットスラング「アサヒる」から転じて「フルタチる」というネットスラングが生まれる程であった。

*7 さっぷさんのプロフィール - はてな

*8 しれーのマイページ - ニコニコ

*9 竹原ピストルの2017年4月14日のツイート