「愛」の解字


新選漢和辞典 第7版(小林信明 編、小学館 刊)


意味

①<いつくし・む><め・でる(―・づ)>
 かわいがる。たいせつにする。このむ。「愛好」
②親しみ。親しい人。
③あわれむ。同情する。
④異性をしたう。「恋愛」
⑤<おし・む(をし・む)>
 手ばなせない。おしがる。「愛惜」
⑥かくす。はっきりしない。=僾あい
⑦他人のむすめをさす。
 国<いとし・い(いと・し)>
 かわいらしい。愛らしい。

解字

形声。△(愛の冠の部分)と▽(愛の脚の部分)とを合わせた字。
▽は、歩きなやむこと。
△はもともと㤅あいの字で、音を示す。
㤅は▲(㤅の冠の部分。无と似ているが、左に縦棒がある)と心を合わせた字。▲は、つかえる、むせぶの意味を持つ。㤅は、心がつかえる気持ちを表す。
愛は、㤅に▽を加えて、心がつかえて行きなやむことから、いとしむ、おしむ、の意味を表した。

成語
+ 「愛」の成語
【愛姫】あいき気にいりの女。愛する女。
【愛客】あいきゃく敬愛する友人。客は、他郷にいる人。
【愛玉】あいぎょく他人のむすめを称していう語。おじょうさん。
【愛吟】あいぎんこのんで詩や歌を吟じること。また、その詩や歌。
【愛敬】一.あいけい愛しうやまう。
 二.あいきょう(きやう)|あいぎょう(ぎやう)
 国①顔かたちがかわいらしいこと。
 ②あいそがよいこと。=愛嬌
【愛日】あいじつ①冬の日。
 ②日を惜しむ。時間を惜しむ。
 ③一刻を惜しんで親に孝養をつくす。
【愛心】あいしんものをたいせつにする心。
【愛惜】あいせき①惜しみ、たいせつにする。惜しがる。
 ②ひどくかわいがる。
【愛染】あいぜん仏①愛情に引かれること。
 ②愛染明王の略。
【愛着】あいじゃく(ぢやく)①愛情に心がひかれること。
 ②気に入ること。
 ③思い切れない気持ち。みれん。=愛著
【愛念】あいねん愛して深く思う。
〖愛而不見〗一.あいすれどもみえず愛しているが会えない。
 あいとしてみえずぼんやりとしてよく見えない。愛は僾(かくす。はっきりしない)の意。<詩経・静女>
〖愛莫能助あいすれどもよくたすくるなし気持ちは十分あるのだが、助けるだけの力がない。

(P.483)

※冠は漢字の上の部分を指し、脚は漢字の下の部分を指す。恋や変の冠は亦で、烈や熊などの脚の部分は灬れっか
最終更新:2012年09月23日 13:00
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