哲学の発生
哲学は最初ギリシャで生まれた。哲学と宗教は区別され、理性によって体系化されるに至った。
当時ギリシャは西アジアの辺境にあり、西アジア文明を摂取することができるとともに、西アジアの専制帝国の軍事的=政治的支配を受けず、自由に選択したり、行動したりすることができた。
これは東アジア文明における日本の立場によく似ている。
ギリシャではポリス(都市国家)という新しい体制の最初の市民社会を建設することができ、それと同じように宗教とは違った科学や哲学を作ることができた。
こうした地理・歴史的理由のなかでも、最初に哲学が誕生したのは、ミレトスという現在のトルコ西部のエーゲ海に面するイオニア地方の植民都市だった。
最古の哲学者ターレス
歴史的に知ることができる最初の哲学者はターレス(B.C.624年~B.C.546年頃)である。
彼はミレトスの商人で、中近東を広く旅行し、とくにエジプトをよく知っていた。日食を正確に予言したり、エジプトのピラミッドの高さを一定の時間にその影を測定することによって測ることができた。
ターレスの有名な哲学は、「世界の万物は水だ」というものだった。
アナクシマンドロス
もう1人のミレトスの哲学者に、アナクシマンドロス(B.C.610年頃~B.C.546年)がいる。
彼は、世界の根源はアペイロンというギリシャ語で「不定で、無限なるもの」であると答えた。このアペイロンがみずからに備わっている運動によって次々と分化し、私たちが見るような宇宙ができあがったと説明した。
アナクシメネス
さらにミレトスの哲学者としてもう1人、アナクシメネス(B.C.585年~B.C.525年)がいる。
彼は「世界の根源は空気である」と答えている。彼の文章で残っているものに、「われわれの魂は空気であって、われわれを統括しているように、息と空気が世界全体を包み込んでいる」とある。
この3人の最初の哲学者の特徴は、きわめて自然科学的に世界にアプローチしている点であり、自然科学の先祖ともいえる。
最終更新:2013年03月12日 11:28