ルネ・デカルト(1596~1650)は、「我思う故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」で有名なフランスの哲学者・数学者。
当時関心をもたれていた数学を学問の基本の方法にすることを、処女作の「精神指導の規則」で宣言し、主著の「方法序説」を1637年に、次いで「省察」を1641年に執筆する。
生涯
- 1606年、デカルト10歳。イエズス会のラ・フレーシュ学院に入学する。
- 1616年、デカルト20歳。法学士の学位を受けて卒業する。この後2年間は、自由気ままに生活したと考えられる。
- 1619年4月、三十年戦争が起こったことを聞いたデカルトは、この戦いに参加するためにドイツへと旅立つ。
著書
方法序説
1637年に公刊されたデカルトの主著。原題は、「みずからの理性を正しく導き、もろもろの学問において真理を探究するための方法についての序説およびこの方法の試論(屈折光学・気象学・幾何学)」。
①明証性
②分析の方法
③綜合の方法
④広い視野
の4つの方法を提起した。
デカルトは本著を6部に分け、それぞれの部で
- もろもろの学問についてのさまざまな考察。
- デカルトが求めた方法の主な規則。
- デカルトがこの方法からとりだした道徳の規則の例
- デカルトが神と人間精神との存在を証明するに用いた諸理由、すなわちデカルトの形而上学の基礎。
- デカルトが探求した自然学の諸問題の順序、および特に心臓の運動と医学に属する他のいくつかの問題との説明、さらにまた、われわれの精神と、動物の精神との間に存する相違。
- デカルトが自然の探求においてさらに前進するために必要だと考えるものはなんであるか、彼に著述をさせた理由はなにか。
を示した。
省察
デカルトの第2の主著。「我思う故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」と、物心二元論が展開されている。物心二元論の要素のひとつは「機械論的自然観」であり、後の哲学に大きな影響を及ぼす。
最終更新:2011年12月23日 13:32