今の日本国産の食べ物と、外国産の食べ物と、どっちのほうが安全なんだろう? ヨーロッパ産と日本国産、アメリカ産と日本国産、中国や韓国産と日本国産、それぞれ比べて果たして日本が安全だと言い切れる現状だろうか?
そう考えると、日本の国益を守るのが日本政府のすべきことだけど、放射能に汚染された食べ物については扱いが変わる。
汚染された食べ物は売れない。そうなると、日本国産の食べ物は売れなくなり、外国産の食べ物が売れるようになる。国益が守れなくなる。だから国益を守るために日本政府は「日本国産の食べ物は危険ではない」と嘘をつく。あ、ここでの日本政府がうんたらかんたらというのは、あくまで俺の想像であって現実にどうしてるかというのは調査もしてないし、だから関係はしてない。話を進める。国益のために日本政府は嘘をつくわけだが、もちろん汚染された食べ物を口にする日本国民は身体を害する。日本政府は国益を守ろうと行動したのに、日本国民は身体を害してしまった。なぜか?
思うに、日本政府は勘違いしていて、国益というものを「資金」であると考えて、「人間」を低く見なしているってことだ。日本が資金的に儲けが減るのを憂慮してはいるものの、日本国内の人間が割りを食うことを考えていない。これって資本主義での典型的で安直な間違いじゃないだろうか?
人間というのは、国にとっての財産だ。人がいない、つまり人口がゼロの国は、およそ国として認められない(参考:
シーランド公国 - Wikipedia)。戦争でも基本は物量が多いほうが勝つのは当たり前で、そのために兵器の強さや戦術が勝利への鍵をいくらか握っているにしても、兵が多いほうが勝つのが争いってもんだ。1000人の兵をもつA軍と、10人の兵をもつB軍とを戦わせて、B軍が勝つと思う人がいるだろうか? マンガやゲームのフィクションの世界ならまだしも、現実ではB軍が勝つのは絶望的だろう。そもそもBは軍と呼べないだろうし。
経済的にも、1000人の人口があるC国と10人の人口があるD国とでは、経済の市場の大きさが全然違う。C国のほうがD国より多く資金をもつことになるのは当然だ。もしC国と日本とを比べれば、C国ですら日本の足元にも及ばない。1000人の人口なんて相当の過疎地の村とかでもない限り日本にはない。つまり単純に人口が多い国が、国内の市場は大きくなるわけだ。だから10人ぽっちのD国が一生懸命働いても、日本の今の不況の経済の流れに比べれば遥かに小さい動きでしかない。経済の市場の大きさが幸福と関係あるかは別にしても、D国と日本国、国の力の大きさとしては比べるまでもなく日本に軍配が上がる。
この「人間は国の財産」という認識を、今の日本政府は軽んじてるんじゃないだろうか? 日本という国の財産である日本の国民を守ろうとすれば、危険性のある放射線に汚染された食べ物は流通させてはいけない。それで割りを食う農業や漁業、畜産業の人たちは、安全な地域で働いてもらうなり、別の業種に移ってもらうなり、政府が生活を保護するなり、なんなりすればいい。ここで経済を縮小させてはいけないと流通させてしまうのは、国民という財産を危険に晒すことであって、安直かつ愚行だろう。
たとえばキッチンの隣にトイレが位置する家があったとして、そのトイレが詰まって物凄い異臭がしたとしよう。その異臭がする隣のキッチンで作られた料理を、安心して食べられるだろうか? なんだったら汚水が便器から漏れてキッチンまで流れてるかもしれない。そもそも料理なんて臭くてしてられない。だったらトイレが修繕できるまで、リビングや、もっと離れた自室で食事を取ったり、なんだったら外食するのもいいだろう。とにかく「臭くても、汚くても、キッチンで作って食べる」というのはタダのバカでしかない。
そもそも国の財産である資金も、人間を豊かにするためのものなんじゃないか? だとすれば日本という家の大黒柱の父親である政府は、他の家族である母親や子供などを無視して金儲けに勤しむ(しかも失敗している)タダのバカなのかもしれない。
最終更新:2012年01月24日 20:35