ひえもんとりとは、かつて日本の薩摩地方に存在したと語られる風習。
明確な文献は残されておらず、ほとんどは歴代の作家の文学作品や漫画作品などにのみ記録が記されている。
内容は、作家ごとにバラバラだが、どれも十分残酷なものである。
(以下ニコニコ大百科より一部抜粋)

+ 里見弴「ひえもんとり」(小説)の記述
罪人の座席の周囲で一般人の参加者たちが輪になり、罪人に対して刀が振り下ろされた瞬間に一斉に肝を取ろうと飛びつく。他人を傷つけないために刃物の使用は禁止されているので、死体を歯で噛みついて割いたり、できた穴を手で掘ったりすることになる。一番最初に肝を取ったものは役人に知らせようと名乗りを叫ぶ。

以下のような理由で行われていたと述べられている(要約、一部現代語に改変)。

  • 施政者側からいえば、太平の世の士気を鼓舞し、緊張する役に立つ
  • 参加者側からいえば、競争心・名誉心を満足させ、血生臭い興奮に我を忘れることができるうえに、手に入れた肝を薬の原料として高く売ることができる。

司馬遼太郎の随筆にも似たような記述があるが、こちらは上記と違い刃物の使用が認められている、死体を食べることもあったという差異がある。

+ 平田弘史「薩摩義士伝」(漫画)の記述
「東西両軍に別れて死罪人を馬にのせて放ち これの生肝を争奪するという実戦さながらの凄絶の風習」として冒頭で描かれる。
ただし死罪人は、迫りくる参加者に殺されずに刑場にある一本の木の幹に触れることができれば自由の身となることができた。

+ 山口貴由「衛府の七忍」(漫画)の記述
肝が妙薬として売買される」「参加者同士で傷つけあわないように素手で行う」など、内容は里見弴版と似たものになっているが、「生き様し」「生虜」「生き肝」と記述されているように、生きた状態で罪人の肝を取るという点が異なる。

写真やイラストなどはないが、文章だけでも十分グロテスクなため苦手な人は注意。

+ 余談
ちなみに検索すると、同じく薩摩地方で行われていたとされる「肝練り」という風習についてもヒットする。
度胸試しとして行われたもので、方法は輪になって複数人が座り、輪の中心に鉄砲を地面と平行になるように縄で吊るす。そして鉄砲を手で何度も回してよりを作った後、鉄砲に着火した後に手を放す。すると縄の力によって鉄砲が回り続け、そして弾が放たれるというもの。
誰かに弾が当たって最悪死亡する可能性のある行為でもあったという。
しかし、これも上記のひえもんとりと同じく明確な記録が見つかっておらず、実際にあったかははっきりしない。

分類:グロ、オカルト・サスペンス
危険度:1

コメント

  • なんとなくデスゲーム感ある -- ナイル (2024-02-18 00:00:01)
  • 内容が全て残酷過ぎて…何も言えることが無い -- かっき〜 (2024-02-18 21:54:40)
  • いえもんとり -- 名無しさん (2024-03-08 21:52:30)
  • 恐ろしすぎる... -- ゲーム太郎 (2024-03-10 19:27:44)
  • 昔って、残酷な風習多いよね -- 月下のにゃん湖 (2025-01-15 17:33:42)
名前:
コメント:
最終更新:2025年01月15日 17:33