禍札1701号『逆形代』

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wdonhebi

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禍札1701号『逆形代』

基本情報

開発元 不明
全長 ■■cm(形代紙と同等)
等級 6
3

 この形代紙を損傷した場合、生きている人間の対応部位が損傷し、この形代は修復される。
 通常の形代紙と同様の紐づけが可能であり、術者の損傷を肩代わりする。 その後、生きた人間を用いて形代紙自体も修復される。

概要

発見経緯:
 呪詛犯罪者との戦闘中に呪詛犯罪者が形代を使用していることが判明。 使い切らせて取り押さえようとしたところ9回以上の形代行使を確認したため本部に連絡。
 継続指示の元、戦闘を続行。 形代使用数が50回を迎えたことで本部は作戦変更を指示、多重結界による拘束を試みる。
 呪詛犯罪者を結界に捕らえることに成功。 その後、呪詛犯罪者は形代紙のようなものを取り出すと手で引き裂いた。 同時に境界対策課職員の1人の形代紙が消費された。 呪詛犯罪者の形代紙は裂かれる前の形に戻った。 呪詛犯罪者は繰り返し形代紙を引き裂き始めた。 本部に指示を仰いだが、この間に職員1人が死亡、現場判断で撤退を開始するも最終的に職員5人が死亡した。 呪詛犯罪者は1人残った職員の前で形代紙を切り裂いたが、同時に呪詛犯罪者の体が裂け死亡した。

この事件で形代紙によって使用されたと思われる犠牲者は50名中30名が未だ特定できていない。
この事件は公開され裁判が行われた。戦闘継続指示を出した本部職員が退任、遺族には示談金が支払われることとなった。

余談:
 『逆形代』の呼び方が効果の説明としてもあまりにもわかりやすいため保管局の人間すら
『逆形代』と呼ぶことが多い。

秘匿霊術保管局データベース

職員クリアランス認証‥‥

‥‥Lv4確認。

口述筆記『1701号考察 - 研究員429』
+ ...
―― 記録開始 ――

まずは、現在判明している機能を整理しよう。
映像記録では術者が損傷していない。つまり事象入れ替え式ではなく肩代わり式の形代だ。
一方でこの形代紙自体は一度裂かれてから元に戻っている。この動作は事象入れ替え式だ。

さて、この形代紙の修復に生きた人間が使われているという仮説は今のところ否定材料がない。境対の報告によれば、境界対策課の装備で損傷したと見られる死体が20体見つかっている。残り30が見つかっていないが、仮説を肯定するには十分な数と見ていいだろう。

次に形代の形代に選ばれる基準が気になる。犠牲者20名そのものには目立った共通点がない。年齢、性別、服装、加護。分析にかければ傾向が見えてくるかも知れないが、20では信頼度が足りない。
距離は関係があるかも知れない。最も遠かったものが10.11kmだ。
一方で、術者が形代紙を引き裂いた場合は現場に居た職員が対象になった。もっとも、最後は術者自身が選ばれたわけだが‥‥これは例外として今は除外して考える。
仮説1、形代紙として使った場合と形代紙が直接損傷した場合で被害の対象者が変わる。
仮説2、術者は被害対象を選べる。
仮説2の可能性は薄いな。それができたら最初から境対職員を対象にすればいい話だ。

―― 一時中断 ――

もう1つ条件候補があった。術者が形代を引き裂き始めたのは結界による拘束を受けた後だ。使用された結界は拘束用の対物理結界。霊的な遮断能力はない。結界内から霊的な干渉を行った場合、最初に到達するのは結界を貼った術者だ。
仮説、対象者は霊的なパスを通しやすい順に選ばれる。
術者自体が選ばれないのは形代紐づけ先は除外するなどの仕様が考えられる。
仮説はひとまずこれとして、置いておいた例外を考えよう。最後に術者が死亡した原理がわからない。

―― 一時中断 ――

追加の資料がある。読み落としていたわけではない。
生き残った境対職員が所持していた形代紙は9枚あった。
全損していたことから、逆形代紙の術者が死亡した時に使われたのがこの9枚目と見て間違いない。
9枚目を使用した職員がなぜ無事だったのか、いろいろ説は立てられるだろうが、最もシンプルな説からいこう。
仮説、逆形代は形代紙も対象にできる。
9枚目の効果が逆形代を通って術者に返った、あるいは修復に失敗した場合新たな材料を探し使用することができる。後者の場合犠牲者は2人必要になる可能性がある。しかも紐づけされた術者を材料に
する原理が説明できない。前者で行こう。 初診レポートはこの仮説で行く。検証ができないんだ。否定材料がない仮説なら何でもいいだろう。

検証ができない以上、今できるのはここまでだ。Misty、ここまでをレポートにまとめておいてくれ。

興味深いなぁ。なんとか検証許可降りないかなぁ。

おっと、口述筆記終了。

―― 記録終了 ――

権利情報

権利者 いろいろつくるへび@うどんへび屋
コンタクト先 https://x.com/wdnhb
他作品での使用範囲 自由
登場作品 https://w.atwiki.jp/nandayo/pages/527.html https://www.pixiv.net/artworks/123387901
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