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LORD, FOR JUSTICE

最終更新：2025年06月04日 23:41

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LORD, FOR JUSTICE

イベント期間	5月29日～6月11日
イベントカテゴリ	通常イベント
主な登場人物	K D アルカナモランジンジャッジス
ピックアップニケ	K
ステージ構成	STORY1全12ステージ HARD全12ステージ
フルボイス	none
イベントマップ	none
ミニゲーム	none

概要

前イベント「ARCANE ARCHIVE」の機密保管庫に絡めながら、アーク、ジャッジス、シージペリラス、それぞれの正義に苦悩するKを描く。
また本イベントでNIKKEサービス開始時から登場していたKが2年越しに実装された。
これによりサービス開始時からの未実装（※実装可能ニケ）はパピヨンとリアンのみになる。

あらすじ

指揮官室にて、負傷し記憶の一部を失ったKを発見する。
いつもの勝ち気な態度は鳴りを潜め、憔悴しきっているK。
Dとも連絡が取れず、ジャッジスからの反応もない事に不安を感じる指揮官。
そこへアルカナが機密保管庫の扉が破られたことを伝えに来る。
機密保管庫から持ち去られた資料はシージペリラスに関連するものばかりだった。

解説

イベントストーリーが難解という声が多かったため、補足として解説を設けました。
※管理人の解釈が多分に含まれていますので、あくまで参考程度にご覧ください。

...

ストーリーの大まかな流れ
ジャッジスが実は悪の側面を持っていた。
それを知ったKが苦悩し任務を放棄、機密書庫から文書を持ち出す。
自分がして来たことが正義ではなく、悪だったかもしれないと悩むK
自害しようとするが失敗、Ⅶに記憶を消された後、指揮官室のバスルームへたどり着く。
バスルームのKに驚き心配する指揮官、そこへアルカナから「機密書庫が破られた」と報告を受ける
2人は図書館へ赴く、盗まれていたのはジャッジス関連の文書
偶然図書館へ来ていたモランお姉ちゃんと情報交換、手がかりを求めKが逃しモランが保護した女性の元へ
すでに女性はDによって始末済み、Ⅶが指揮官へ接触をしてくる
『私を始末して欲しい』というⅦ、何かを思い出したKはアジトへ向かう
アジトには機密書庫から消えた文書が、そこにはジャッジスの真実が書かれていた
自分を見失ったKに自分なりの正義を見せ、立ち直るよう促すモランお姉ちゃん
指揮官とKの前に現れたⅦ、自分を殺すよう迫る
更にコードネームⅩ（テン）からも判決を下すよう迫られる
結局、Kの命もかかった状況でⅦを裁くことを選択する指揮官、直後Ⅶは自らの銃で自害する。
ⅩからⅦが死んだので今日から君がⅦだ！ジャッジスも満場一致で君を迎える！と言われる指揮官。
指揮官「いや、イングリッドが賛成するはずない、満場一致というのは嘘なんだろ？」とスカウトがⅩの独断だと見抜く
Ⅹはスカウトを諦めるが、Kは君の好きにしていいと伝えて消える
Kに正義とは何か？を説きめでたしめでたし。

これだけではわからないと思うので、以下でジャッジスの歴史とともに解説していきます。

ジャッジスの成り立ち
人類がアークへ移住して間もなく、中央政府の上層部は「自らの正義に基づき悪を裁く」ことを目的として、「ジャッジス」を組織します。
彼らは通常の裁判制度や、エニックによる判決の手が及ばない者たちに対して、調査・処分を行ってきました。
ジャッジスの正義は、アークの転覆を企む政治家や、自己の利益のために他者を陥れる者を次々と裁いていきます。
そして時が流れ、彼らの「正義の裁き」によってアーク内の“悪”と呼ばれる存在は、次々と葬られていきます。

ジャッジスの転換
その時、ジャッジスはある懸念を抱きます。
「悪があるからこそ正義が存在する。もし悪が消滅したら、正義もまたアークから失われてしまうのではないか？」
こうしてジャッジスは、正義を維持するために自ら“悪”を作り出し、それを裁くという、本末転倒とも言える手段を選びます。

管理人の推測：かつてアンダーソン副司令は
「アークのような閉鎖空間における最大の敵は、ラプチャーや自然災害ではなく、人間の否定的な感情が伝染し内側から崩壊することだ」
と発言していました。
ジャッジスが悪を創造してまで正義を維持しようとしたのは、こういった閉鎖環境において人々の心を一定方向に導く意図があったのかもしれません。

ジャッジスは、人々が恐れる“悪”と、信奉する”正義”を作り、正義の存在意義を保とうとします。
悪の中には、アウターリムの台頭、ラプチャーを信奉する団体、そしてシックスオーの存在も含まれていました。

ⅦとK
こうした「正義と悪のマッチポンプ」の中心にいたと考えられるのが、コードネームⅦ（セブン）です。
ストーリー中の機密文書やKの回想において、Ⅶがこの茶番劇にKを協力者として迎えたことが描かれています。
しかし、「正義のために悪を作り、その悪を正義の名のもとに処分する」という矛盾した行為は、Kの精神を徐々に蝕んでいきます。
そして物語冒頭、ミストに関係した“悪”を処分する場面へとつながります。
Kの目の前にいるのは、自分たちが“悪”として仕立て上げた、いわば被害者とも言える存在たちです。
ついにKの正義感は限界に達し、処分対象3人のうち1人を見逃してしまいます。
この任務の後（もしくは前）、Kは機密書庫を破り、シージペリラスとジャッジスに関する文書をシージペリラスのアジトへ持ち帰ります。
おそらくKが自死を図って失敗したこと、Ⅶによって記憶を消去されたことは、文書持ち出しの後に起きたと推測されます。
後にⅦの誘導によって、指揮官とモランがその文書の存在を知ることになります。
これが、記憶を消されたKが再び記憶を取り戻すきっかけとなります。

Ⅶへの裁き
Ⅶは自らを「悪」として裁くよう、かつてKやDと共に任務を遂行した指揮官に命じます。
その姿は正義への狂信的な忠誠とも言えるもので、喜々として自らの命を差し出し指揮官に処分を求めました。

管理人の推測：ここで疑問となるのが「なぜ自殺せず、指揮官に命じたのか？」という点です。
命じておきながら、最終的には自ら命を絶ってしまいます。
もしかするとⅦは、悪を創出するという任務を終えた後、自らに“けじめ”を付けるつもりだったのかもしれません。
しかしある日、アークに指揮官という類まれなる優秀な存在が登場します。
正義への狂信者であるⅦは、指揮官こそがジャッジスに相応しいと考え、コードネームⅩ（テン）と共に一計を案じたのでしょう。
指揮官が直接手を下さずとも、「指揮官自身が選択し、Ⅶを処分する」
それによって、指揮官が新たなジャッジス（Ⅶ）の後継としてふさわしいことを証明しようとしたのです。
重要なのは、“指揮官が選択した”という事実。
もちろんその選択を促すために、「Kの命」という保険も用意されていました。
今まで正義のために自らが悪となり悪を創出してきたⅦが、最後に指揮官という正義をジャッジスへもたらす──
狂信的なⅦにとってはこれ以上の有終の美はなかったのかも知れません。

Kの命を盾にⅦの処分を迫られた指揮官でしたが、今回の件がⅩの独断であると見抜きジャッジスへの加入を拒否します。
しかしⅩは諦めておらず、今なお「指揮官こそがジャッジスに相応しい」と考えているようです。
この後のジャッジスと指揮官の関係は今後のイベントやストーリーで語られるかもしれません。

ジャッジスの正義
現代において、「正義とは何か？」という問いはしばしば議論の的となります。
たとえば、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授による正義に関する講義は、広く知られています。
「正義の反対もまた正義である」「正義とはこうあるべきだ」「正義とは何か」──
私たちが論じる正義とは、あくまで「人類が未来永劫にわたり存続する」という前提のもとで語られる概念です。

しかし、アークは違います。
アークが滅べば人類も滅ぶという、極限の環境に置かれています。
そもそも「正義」や「悪」といった価値観は、人類という存在があってこそ成立するものです。
人類が滅びれば、正義も悪も存在し得ません。
したがって、ジャッジスの「正義」とは抽象的な理念ではなく、極めて実存的で具体的なものなのです。
すなわち「アークの保全と人類の保護」こそが、唯一無二の正義であり、その目的にかなうすべての行動が、たとえそれが一般的な価値観に反するとしても、その実現のために必要な行動すべてが正義とされるのです。