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21話「終わらない悪夢! その3」の巻

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orisuta

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グラットニー『シャアウアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

ゴオオオオ!

『グラットニー』が苦しげに雄たけびを上げながら、あたりかまわず拳を振り回す。

パシッ

アクター「受け止めたぜ、その拳!」

ギ ュ ン!  ギュン!
            ギ ュ ン !  ギュン! ……

アクター「うおおおおぉぉぉぉぉォォォ……!」

『ブラック・アイズ・ピース』が縮小化され、それに伴うようにアクターも小さくなる。
アクターの『ブラック・アイズ・ピース』は、打撃は効かないが、
このように打撃ダメージの関係ない能力に関しては普通のスタンドと同等だ。
受けた能力効果のフィードバックも存在する。

ギュン! ギュン!

そして、亜希の口の中に入れるほどに小さくなったアクターは、すぐさま『グラットニー』から離れる。

グラットニー『ウシャアアアアアアアアアア!!!』ブン!ブン!

腕をつかまれた『グラットニー』が、防衛本能で腕を振り回す。

ガシイ!

JOJO「さて……次はオレのば……」ギュオオオオオオオ

JOJO「うおおおおおおお!?思った以上に『速い』ッ!」オオオオオオオ

 オ オ ォ オ ォ オ ォ ォ ・  ・  ・

そして、後に残ったのは静かな空間。

ド ド ド ド ド

猪木「ぐわあッ!」ドザア―――!

亜希「この『爪男』、強すぎる……!攻撃してもまったくこたえない!」

ウルヴァリン「ナマっちょろいなあ……!『スタンド』?って言ったっけか?」ブン!ブン!

『ウルヴァリン』はその拳から生えた長い爪――アダマンチウム合金という、チョー硬い金属製――を振り回す。

『ウルヴァリン』とは『X-MEN』というアメリカ映画に登場するキャラクターである。
彼はX-MENに登場する「ミュータント」の一人であり、『超絶的な回復能力』を持っている。
また、彼はその体内に「アダマンチウム」という金属を埋め込んでおり、それを任意に拳から突き出すことができる。

ドッギャアアン!

突如、猪木が居るところに突き立てられる強大な機械の拳。
『オプティマス・プライム』と呼ばれた巨大なロボットのものだ。

亜希(もう――!何この『コンボイ』もどき!)

亜希はその巨大な攻撃を見て心の中で毒づく。
正直なところ、亜希はあまり洋画を見ない為、この手のキャラクターの正体には疎かった。
(JOJOやアクターなら、ある程度能力を知っていたから対抗策は練れただろうが――)
しかし、このキャラクター ――『オプティマス・プライム』―― に関しては、どこか見覚えがあった。

というのも、この『オプティマス・プライム』が登場する『トランス・フォーマー』は、日本でもアニメとして放送されている。
その主役の名前は『コンボイ』。カラーリングや顔のデザインから言って、この『コンボイ』と『オプティマス・プライム』は
酷似していた。もっとも、『オプティマス・プライム』は、『コンボイ』の英名な為、酷似というか同一といった方が正しいのだが。

ドッガアアアン!

しかし、『オプティマス・プライム』の拳は数秒後難なくはじき返されることになった。

猪木「極める角度が違う。」

そういって、猪木は一切関係ないアキレス腱を指差した。砂埃はついているが、無傷だった。

亜希(どういう理屈なんだよ!?……あ、夢か。)

O・P『フム……面白い。』ガシン! ガシン!

そういって『オプティマス・プライム』は引き下がる。

大統領「ムゥーウ……チョットばかり苦戦だな…………陥落できないこともないが、どうも効率がよくない。」

ドシュ! ドシュッ!

『オプティマス・プライム』と『ウルヴァリン』が突如消失する。

ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・

代わりに現れたのは、恐ろしいほどに精錬された「圧力」。
召還した大統領でさえ、この迫力にはすこーし、ほんの2ミリほどだが気圧された。

亜希「あ……あれは……も、…………もうだめだ……逃げなくちゃ……。」 ド ド ド

大統領「『スティーヴン・セガァァァア―――――ル』ッ!」バアアアア―――――ン!

S・S『…………。』

亜希(なんで生身なのに『』表記なんだよ…………。)

―――現実世界(亜希の体内)

ドォ  オ   ォォ  ォォオオ ・・ ・・・・

JOJO「今どのあたりだ?」

自らのスタンド――『ヒートウェイヴ』――に担がれながら、JOJOがつぶやく。

アクター「さっきから俺の『ブラック・アイズ・ピース』を拡散させて探知しているが……
      大体今喉チンコの真下あたりか……。もうすぐ、食道と気道が見える。
      俺は医大出の賢そうなニーチャンじゃあねーからよォー、どっちが気道かなんてわかんねーが」チラ

ドロオ

同じく煙の『ブラック・アイズ・ピース』に担がれたアクターが、前方を見る。
目の前には、二つの穴があった。どちらかが食道、どちらかが気道である。

アクター「だが『ブラック・アイズ・ピース』。」ズギュウウウ

低濃度の「煙」が前方の穴のうちのひとつに突っ込む。

アクター「!!」
JOJO「分かったか?」

アクター「こっちの方の穴は食道だ。したがってこっちの穴が気道だ!」ギュン!

ド ド ド

その頃――気道の先、肺

肺の中には、数十にも上る『エターナル・ナイトメア』たち。

E・N1『ククク……。』
E・N2『ついに『スティーヴン・セガール』を発動させたぞ……。』
E・N3『このまま『セガール拳』でフロリダの街並みごと消し炭にしてDEAD ENDも一興だが……』

E・N4『そ れ じ ゃ あ ア タ シ の 気 が す ま ね え ッ !』

ド ド ド ド ド

「いいや、もうここで終わりだぜ。」

E・Ns『!!?』バッ

JOJO「案の定、俺たちだ。」バァアア―――ン

E・Ns『な、なぜお前らここにいられる!?くそ……味方の能力か?!逃げなくては……』
アクター「おせェ!既に俺の『ブラック・アイズ・ピース』は先行しているッ!」

ギュン! ギュン! ギュン!

「煙」が『エターナル・ナイトメア』たちを捕獲する。

E・Ns『くッ……くそ!離せ!離せって!』

JOJO「年貢の納め時……ってヤツだな。再起不能にさしてもらう。」

E・Ns『クソ……クソ、クソクソクソクソ!』

E・Ns『こうなればもうやけくそだ!『エターナル・ナイトメア』、全力全開ッ!』

ゴオオオオオ

JOJO「うおっ、まぶし。」

ド ド ド ド

――夢

S・S『…………!』クワッ

『スティーヴン・セガール』が目を見開く。何か後光が差すようでさえある。
それだけで亜希は足がすくんでしまった。
――猪木は、既に倒れていた。
大統領「ククッ、もうこの『 夢 と 魔 法 の 国 (ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)』も閉演時刻みたいだな。」

亜希「な、なんのこと?」
大統領「なに、『CHANGE』が始まるのだ。人の夢の景色がころころ変わるように、ここは君の夢だ。舞台が変わる。」

大統領「終点にな。」

グニャアアアアア

あたりの空間が捻じ曲がる。フロリダの都市的な風景は黒く濁り、
混沌とした空間が生まれる。宇宙のような、闇が広がる空間。地面はなくなった。
どこでもない空間をさまようような感覚に、亜希はとらわれた。

大統領「ここは、「死」だ。君のな。君はここで死ヌ。そウ、君みたイヤツは死ななくテハナラナイ。」

大統領の声はしだいにノイズが入ったように濁っていく。
その姿も歪んでいく。「獏」を模したあの人型スタンド――『エターナル・ナイトメア』へ変化していく。

E・N『殺ス!ソノコトに関シテはアタシは本気ダ!』ド ド ド ド

亜希「………………!――――」

ここにいたって、亜希は今までの不可解な夢の原因が分かった。
正直、亜希は今の今までこれを単なる悪夢としか考えていなかった。
今日の日中ヘンなことを言われたんで、気分が悪くなって見た夢だろう、と。
しかし、この状況は流石に異常だ。明らかな『殺意』を感じる。そして、多分この『夢の世界』では自分は無力だ。

E・N『 『ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ』ッ!『ジャック・バウアー』と『スティーヴン・セガール』を召喚!』
USA『ハハッ、ミッ●ー・マジィック☆』

J・B「くそオゥ!」ガタッ
S・S『クワッ』 ムオン

亜希(ここまで……か……。)

亜希があきらめかけたそのとき、脳裏にふと仲間のことが浮かぶ。
JOJO、アクター、ミキ先生に、ついでに湾太。
自分が死んだら、多分彼らは悲しむことだろう。

亜希「『グラットニー』ッ!」ズギュン!

だから、亜希は『グラットニー』を発現する。大丈夫、自分はまだ何一つ怪我を負っていない。
きっと、なんとかなる。なんとかする。そう自分を鼓舞して。
そう考えたとき、亜希はあることに気がついた。

E・N『フッ……ふっくクくく……。』

ノイズが晴れるように出てきた笑い声は、既にアリスのものだった。

E・N『無駄なんだよォ!便所で寝泊りする売女より惨めなクソアマが!ブッ殺してやる!』

亜希「できないよね(●●●●●●)。」

E・N『…………あ……?』
亜希「『ぶっ殺す』……。そのことなんだけどさ、実は君、夢で人を殺すとか、できないよね。」

E・N『な……なにを……。』
亜希「ほら、私今も無傷でしょ?君は今まで夢の中でスゴイ強いスタンド(?)を出したけど、狙ったのは全て猪木だった。」

E・N『…………!』
亜希「私を狙ったら、夢の中で他人を傷つけられないってことがバレちゃうからだよね。」

E・N『!!』
亜希「ほら、やっぱり図星。あなたは、夢の中で人を直接殺すことなんて出来ない。
    できるのは、圧倒的な力で生きる望みを奪うこと。生きる気力を失えば、人は生きていくことはできない。」
E・N『ぐぐぐ……!』

E・N『うるせええええええあああああああああ!!』

『エターナル・ナイトメア』――アリスが吼える。しかし、アリスに出来ることはもう何もない。
先ほど亜希が言ったように、『エターナル・ナイトメア』の能力はあくまで「悪夢を見せること」であり、
結果も悪夢を見せることにしかなり得ない。決してその結果が人の死ではないのだ。
例外はただひとつ。悪夢を見た人自身が反抗の意思をなくしてしまうこと。そうなると、もはや立ち直ることは出来ない。
アリスが能力を解除するそのときまで――。

亜希「さて、そろそろ出て行ってもらおうかな、君に。」

ド ド ド ド

E・N『くそ……あのクソアマ……乗り切りやがった……絶対的な絶望を…………」

JOJO「年貢の納め時だ、って、さっき言ったはずだぜ。」ズイ

JOJOと『ヒートウェイヴ』が『エターナル・ナイトメア』の集団に近寄る。

JOJO「昨日は…………「多人数でナブる」のは気分がよくねーからアクターには下がってもらったが……。」

JOJO「今日は違うなあ、ええ?おい。今はたくさんいるもんなあ……!」

アクター「っつーわけで、俺もとっちめさせてもらうぜ。」

E・N『くうう!煙になって逃れて……』

アクター「だからそれはできねえっつってんだろこのトンチキがッ!」

JOJO「やれやれだ。」

E・N『うああああああああああああああああ!』

HW『FIREEEEEE―――――――――――ッ!』 ドガ! ドガ! ドゴォ!
BEP『オッッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――ッ!!』 メシッ! ドガ! ビシイ!

E・N『ぐあああああああ
              あああああああああ―――――――――

亜希「『グラットニィィ――――ッ』!!」
グラットニー『シャアアアアアアアッ!』

E・N『ごばあッ!?』

E・N『こんな……こんな……こんなはずじゃ……!』
亜希「悪いけど、反省会なら『自分の』夢の中でやってね。」

グラットニー『シャアアアウアアアアアアアアアアアアアアアア』
HW『FIREEEEEEEEE-――――――――ッ!!』
BEP『オッシャアアアアアアアアアアアア―――――!!』

E・N『カッ―――――~~~~~~~~!!!?』

ボッギャアアアア――――ッ

スウ……

亜希「……よかった、ダメージはちゃんと本体に伝達するみたいだね。これで安心して眠れる……。」

ド ド ド ド

亜希「―――じゃないよ!私何時間寝てたの!?」ガバッ!

ハッとして起きた亜希は、あたりを見回す。
部屋はちゃんとしている。先刻JOJOが見ていたみたいに、ものが小さくなっていることもない。

ガチャッ

JOJO「おー、亜希、起きたか。」

亜希「……JOJO、おはよー。お見舞い?」
JOJO「ああ、アクターもいるぜ。あともう一人。」
アクター「よお。」

スッ……

もう一人の来訪者を見たとき、亜希は思わず自らの目を疑った。

アリス「……こんにちは。」
亜希「!?君、よくここまで来れたね……!」

亜希の声も自然と強張る。

アリス「え……?何?」
JOJO「おいおい、亜希、声が怖いぞ。もー少し優しく言ってやれよ。」

亜希「優しくも何も、今の今まで私、この子に殺されかけてたんだよ!?
    さすがの私も、次の瞬間仲良くしろっていうのは難しい!」
JOJO「は……?」

アリス「あの……。そのことについては、本当に申し訳なく思ってます……。でも、私スタンドを制御できてなくて……。」

亜希「えっ」
アリス「えっ」

アクター「やれやれ、どーやら亜希はまぁだ寝ぼけてるみてーだぁな。」
JOJO「亜希……お前、覚えてるか?こいつが相談に来たときのこと。」

亜希「は――――!!」

亜希は、その瞬間全てを思い出した。



To Be Continued...


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