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| 主な言語 |
ロフィルナ語・共立英語 |
| 種類 |
多国籍主権企業体 |
| 本社所在地 |
ラマーシャ公国 |
| 設立 |
共立公暦715年 |
| 業種 |
観光.陸運業 |
| 事業内容 |
人員、物資の移送。観光支援など |
| 従業員数 |
約80万人 |
イドゥニア中央鉄道は、惑星イドゥニアの地表に路線網を敷く鉄道事業体である。
旅客と貨物の輸送を収益の柱に据え、陸路の断たれる区間には自社の渡航船を充てた。略称にはICRを用いる。
沿革
共立公暦715年を迎えるまで、
惑星イドゥニアの地表には国営の鉄道企業が民営の企業と入り混じって並び立ち、軌間と信号の規格は各社ごとに分かれていた。国境を越える運行では、隣国の方式に合わせた機関車を改めて用意する手続きが要り、乗り継ぎの待機は国境の駅で長時間に及ぶ。荷主の負担は積替のたびに膨らみ、旅客の行程も国境の数だけ細かく区切られた。統合の中心に立ったのは、
ラマーシャ公国の大陸通商都市ジェルビアから
ロフィルナ王国のコルナンジェへ至る南ラマーシャ鉄道である。同社の路線を幹に据え、周辺の企業を順次取り込む形で交渉が重ねられ、同715年にイドゥニア中央鉄道が成立した。成立の直後から軌間と信号の様式が一本化され、国境における機関車の差し替えは各線区で姿を消していった。以後は幹線の延伸が支線の編入と並行して進み、大陸を跨ぐ区間には渡航船を組み合わせた経路が開かれる。合併前の各社が抱えていた車両は規格の改造を経て再配置され、旧本社の建屋は地域ごとの支社へ転用された。規格の一本化は運転の手順にも及び、乗務員の資格は路線をまたいで通用する形へ改められている。
統治
主権の及ぶ範囲は、本社の建屋と保有する軌道の上に区切られる。駅の施設と車両基地の敷地も同じ扱いを受け、自社船舶の船内にまで範囲が届く。区切りの外側では所在国の法が働き、社員であっても当該国の司法の手続きに服する。社内法は労務の規律と運行の規律を定め、違反の処理は本社に置かれた審査の部門が担当した。国籍に相当する証明カードの発給は本社と支社の要員に向けて行われ、更新の審査は勤務の年数に応じて周期が定まる。敷設の関係国との間では、通行権と捜査権の一部を互いに認める取り決めが長く続いてきた。駅の構内で起きた事件は所在国の捜査員が社内の保安要員と組んで扱い、身柄の引き渡しは協定の条項に沿って進む。運賃の設定と労務の条件については各国の当局と協議の場が設けられ、合意の内容は路線ごとの覚書へ落とし込まれた。経営の意思決定は本社の理事会が握り、支社の裁量は日々の運行の調整に及ぶ範囲へ収められている。
主な事業拠点
規模の大きい拠点は司令の機能を整備の機能とあわせて集約しており、小規模な停車場と信号所は路線の各所に分散する。
ジェルビア本社
本社の建屋に接する発着拠点は、大陸通商都市の中心に置かれた。
統合前の南ラマーシャ鉄道が用いた社屋を引き継いでおり、経営の中枢は運行の司令と同じ敷地に収まる。
長距離の優等列車が朝夕に集中する一方、支線の区間列車は日中の時間帯へ振り分けられた。
周囲には商館の並ぶ街区が広がり、官庁の庁舎も徒歩の圏内に立つ。旧来の駅舎は建築の記録として保存の指定を受け、改築は外壁を残した内側で進む。
発着の本数は路線網のうちで最多を数え、着発線の配線は増設を重ねて複雑な形を取った。
南ラマーシャ車両基地
整備の中核をなす施設は、
ラマーシャ公国南部の工業地帯に隣接する。
重量のかさむ貨物用の機関車を主に受け持ち、台枠の修繕まで踏み込んだ工程を敷地の内側で完結させた。
検修の線路は屋根の下に並び、冬季の作業でも工程の遅れが抑えられている。
周辺の市街は敷地の拡張に合わせて伸び、要員の住宅が外縁を取り巻く。昼夜の二交替で工程が回り、翌朝の運用に間に合う編成から順に本線へ戻された。
部品の在庫は路線網の全域を見込んだ量が確保され、供給の要請は電信で受け付ける。
西シャンルリ車両基地
留置と検査を受け持つ施設は、
シャンルリ王国の西部に開けた住宅の地帯へ囲まれている。
騒音の抑制が求められる立地から、入換の作業は日中の時間帯に寄せられた。
敷地の周縁には防音の土手が築かれ、樹木の列が線路の側まで迫る。受け持つ車両は近距離の区間列車が大半で、大がかりな修繕は他の基地へ送り出された。
正面口の前には商業の区画が育ち、要員の生活圏は敷地の外へ広がっている。
検査の周期は走行の距離に応じて定まり、記録は本社の台帳へ月ごとに送られた。
レーゼルタス市域ターミナル
都心に構える大規模な駅は、旅客の等級を問わず全ての列車を受け入れる。
ホームは頭端式を主体としつつ、通過式の線路が地下を貫いた。周辺の街区には商業の施設が積み上がり、地下の通路が駅舎と直結する。
荷扱いの設備は旅客の動線から離れた北側へ集められ、作業は夜間が中心となった。
司令の部屋は駅舎の上層に置かれ、当該路線の運行を昼夜にわたって監視する。改札の配置は流動の実測に沿って改められ、乗り換えの経路は等級ごとに分けられている。
東カラネア船舶基地
貨物の積替を主とする港は、中油海に面した東岸の入江に設けられた。
列車を船倉へ直接送り込む桟橋が並び、押込に用いる小型の機関車が構内を往復する。控車に乗る誘導の要員が船内の停止位置を指示し、積載の順序は復路の荷役を見越して組まれた。
潮位の変動が大きい時期には桟橋の高さを調整する装置が働き、渡し板の勾配は一定に保たれる。
背後には倉庫の列が続き、陸送の車両が昼夜を通じて出入りした。発着の便数は貨物の季節変動を反映し、収穫の時期には臨時の枠が加わる。
東ジャゴラス車両基地
東方の路線を受け持つ検修の拠点は、大陸東部の丘陵の縁に敷地を構える。
旅客用の編成を主に受け入れ、内装の修繕を扱う工場が敷地の中央に立った。乗務員の宿泊する棟が隣接し、長距離の行路を終えた要員が休息を取る。
周辺の市街は開設より後に形を成し、商店の列が正門の前へ伸びた。降雪の多い季節には除雪用の車両が構内へ集められ、路線の全区間に順次送り出される。
所在国の当局とは連絡の窓口が常設され、運行の変更は事前に通知された。
西ジャゴラス船舶基地
西岸の渡航拠点は、対岸の港へ通う船を発着させる。
船倉に貨車を載せる便が主体をなし、客室を備えた便は季節ごとに増発された。海岸線は遠浅で、桟橋は沖合まで長く伸びる。
荷役の設備は貨物の側へ寄せられ、旅客の乗降口は構内の南寄りに分かれた。
強風の予報が出た日には出航を見合わせ、待機の列車が留置線を埋める。船の点検は入渠の周期に沿って組まれ、代船の手配は本社の海務部門が担当した。
ファレニア市域ターミナル
首都の玄関口となる駅は、
サンパレナ共和国の政庁街に接する。
国際会議に合わせた臨時列車が頻繁に設定され、専用のホームが構内の西端に確保された。待合の広間は天井が高く、採光の窓が全面に据えられている。
地方から届く生鮮の貨物は早朝の便で到着し、市場へ向かう陸送に引き継がれた。
司令の部屋は隣接する庁舎へ置かれ、路線の運行を国内の交通行政と突き合わせる場となる。警備の要員は共和国の当局と共同で配置され、要人の乗降には別の動線が用いられた。
西サンパレナ船舶基地
荷役の設備を集めた港は、共和国西岸の入江に位置する。貨物の輸送に特化しており、旅客の設備は待合の一室に収まる。
起重機の列が岸壁に並び、船倉への積込は工程ごとに分担された。渡航の便は定時で組まれ、荷主の申告に応じて臨時の枠が加わる。
周囲の低地には保税の倉庫が建ち、通関の手続きは構内で完結した。
荷役の要員は所在国から通年で雇用され、繁忙の期間には近隣の港から応援が入る。
サリオス市域ターミナル
商都の中央に構える駅は、街区を南北に貫く路線の結節へ立つ。
文化の施設が駅前に集まり、催事の期間には夜間の増発が組まれた。ホームは長編成の優等列車に合わせて延長され、増結の作業が発着のたびに繰り返される。
地下には荷物の搬送路が通り、商業の区画へ直接つながった。券売の窓口は等級ごとに分かれ、団体の受付は別棟へ移されている。
滞在の長い旅客に向けて手荷物の預り所が設けられ、扱いの量は催事の日に跳ね上がった。
東フリーネア車両基地
広大な敷地を持つ整備場は、
フリーネア特別行政区の東部に開ける平野に置かれた。
複数の編成を同時に扱える線路の束が並び、大がかりな改造の工事も敷地の内側で完結する。資材の集積場が線路の間に設けられ、部品の供給は近隣の基地にまで及ぶ。
試験線は勾配を曲線と組み合わせた形状で、新造の編成は納入の直後に走行の確認を受けた。
工程の管理は電算の台帳で進み、遅延の見込みは本社へ日ごとに報告される。塗装の工場は独立した棟に収まり、乾燥の設備が季節を問わず稼働した。
インスニア車両基地
北方の検修場は、
インスニア公王国の内陸に広がる高原へ立つ。
寒気に備えた設備が整い、暖房の配管が検修庫の床下を走る。凍結を防ぐ装置は編成ごとに点検され、冬季の運行前に取り付けが済まされた。
受け持つのは高原を越える区間の車両で、勾配に耐える制動の装置が重点の対象となる。
周辺の集落は要員の家族を受け入れ、学校の運営には企業の資金が投じられた。積雪の記録は毎年集計され、翌季の配備計画に反映される。
マイヤント車両基地
南海側の整備施設は、
マイヤント共和国の沿岸平野に敷地を持つ。
潮風による腐食の進行が早く、車体の塗装を扱う工場が敷地の主要な部分を占めた。入場の周期は短く組まれ、外板の交換が定期の工程に組み込まれている。
周辺の市街は港湾の産業と結びついて伸び、要員の多くは徒歩で通う。
海側の防潮堤が敷地の縁を守り、高潮の記録は毎年の点検で更新された。腐食の試料は本社の研究部門へ送られ、塗料の改良に用いられる。
ジャローバ車両基地
物流の結節に接する基地は、
南海連合の平原を横切る幹線の分岐点に立つ。
貨物の編成を組み替える操車場が隣接し、入換の作業は絶え間なく続いた。敷地の一方には住宅の区画が広がり、反対側を商業の区画が占める。
受け持つ車両は貨車が大半で、荷重の検査が入場のたびに実施される。
近隣の農産を運ぶ季節には臨時の編成が増え、留置線の空きは逼迫する。分岐の信号は集中の制御へ切り替えられ、操作は基地の司令室で一括して行われる。
ナヴォルカ船舶基地
大都市に隣接する港は、市街の北側に張り出した埠頭を占める。
搬送の設備は工程ごとに連動し、荷役の所要時間は短く抑えられた。旅客の便は貨物の便から時刻を離して設定され、市域の交通に合わせた調整が行われる。
水深のある岸壁が大型の船を受け入れ、船体の点検も同じ岸壁で済まされた。
埠頭の背後には集配の拠点が並び、陸送の網が市街の全域へ伸びる。夜間の作業には照度の基準が定められ、要員の配置は交替の表に沿って組まれた。
セルクレム船舶基地
貨物に専従する港湾の施設は、内海の湾奥に築かれた。
湾内は波が穏やかで、荒天の日にも積込の工程が続く。岸壁は石材の荷役に一つ、穀物の荷役に一つが充てられ、船倉の形式に応じて着岸の位置が決まった。
留置線は長く取られ、船の入港を待つ編成が縦列で並ぶ。周辺の集落には荷役へ従事する要員が住み着き、世代を重ねて規模を広げている。
荷役の器具は湾内で製作され、修理の工房が岸壁の背後に構えた。
ユリーベル中油海船舶基地
対岸へ渡る便の大半を発着させる港は、大陸の縁を削って造られた入江に構える。
敷地は広く、船を待つ編成が複数の留置線を占めた。海洋の観測を担う施設が併設され、潮位の記録は航行の計画へ反映される。
渡航の距離は他の航路を上回り、船内での滞在は長時間に及んだ。
積替の作業は夜間にも継続し、要員は三交替の勤務で回している。気象の観測結果は所在国の機関へ提供され、警報の発令に用いられた。
施設
拠点の形式は受け持つ機能ごとに三つへ分かれ、いずれも駅の設備を併設する形で整えられた。
車両基地
車両基地は、編成の整備と留置を引き受ける施設の総称である。中規模の駅を併設する構内が大半を占め、周囲は時とともに市街へ変わっていく。検修庫には昇降の装置が据えられ、台車の抜き取りから車輪の削正まで一連の工程が屋内で進む。運転士の養成を担う棟が併設され、模擬の運転台を用いた実習が定期で組まれた。資材の保管庫は構内の端に置かれ、燃料の補給設備が隣に並ぶ。ターミナルに近い基地ほど規模は大きく、複数の編成を同時に扱う配線が敷かれている。工程の記録は入場のたびに更新され、次回の検査時期は走行の距離から算出された。要員の技能は等級で区分され、昇級の審査は実技の試験を経て行われる。
船舶基地
船舶基地は、軌道から海路へ列車を移す港を伴う施設である。小規模な機関区を内包しており、船倉へ編成を押し込む小型の機関車が所属する。誘導の要員が乗る控車も配置され、停止の位置は船内から指示された。駅の規模は大きく取られ、船を待つ編成が複数並んで待機できる。荷役の専用設備は岸壁ごとに据えられ、積替の工程は船種に応じて手順が定められている。旅客の乗り継ぎに充てる待合の設備も備わり、渡航の間の滞在に対応した。船の運航を管理する部門が構内に置かれ、気象の情報を受けて出航の可否が判断される。倉庫の配置は荷の性質で分けられ、生鮮の貨物には冷却の設備が充てられた。
市域ターミナル
市域ターミナルは、通過する路線の司令部を収める拠点である。ホームは最低でも20本を数え、全ての等級の列車が停車する。広間と待合の設備は旅客の動線に沿って配置され、飲食の店舗が構内へ入居した。運行の状況を表示する装置が各所に据えられ、遅延の情報は発生と同時に更新される。荷物の保管庫が併設され、貨物の積卸設備は構内の外れに置かれた。大半の列車が当該拠点を終着に設定するため、乗り換えの流動は一日を通じて続く。周辺の街区には事務所の建物が集まり、朝夕の通勤が発着の本数を押し上げた。司令の部門は隣接する路線の司令部と回線でつながり、広域の運行整理に加わる。
主な車両
保有する車両は用途ごとに形式が定められ、以下に挙げるものが運用の中心を占める。
令詠術循環8気筒式機関車S8
重貨物の牽引機は、セトルラームの
連邦交易ネットワークに発注された高出力機である。
8気筒の機構が生む出力は峠の勾配でも余裕を残し、ジェルビアから西レシェドルティへ抜ける区間では25両編成を単機で引き上げる。
循環の方式は燃料の消費を抑え、排出の量も低い水準で推移した。
構造は耐久を重んじて組まれており、長期の運用を経ても出力の低下は小幅に収まる。運転台には航法の装置と操作の盤が集約され、機関士の作業は少ない手数で済む。
配置は勾配区間を抱える基地へ優先され、平坦線の運用に回る例は限られた。
令詠術循環4気筒式4連接機関車S4444
高速の旅客列車に充てる連接動力車は、四つの車体を関節で繋いだ構造を持つ。
最初に落成した1号機は急行ロフィルナ号に専属となり、以後は同列車の運用へ固定された。車体の断面は流線に整えられ、高速域における空気の抵抗が抑えられている。
四つの気筒は出力を保ちながら振動を抑え、客室へ伝わる騒音は小さい。循環の系統には熱の再利用が組み込まれ、燃料の消費が抑制された。
乗務員室には制御の装置が集められ、速度の超過を監視する機構が常時働く。
F型客車
標準の客車群は、用途ごとに形式を分けて製造された。
座席を備えるFS型が編成の主体をなし、寝台を備えるFN型は夜行の運用に加わる。食堂のFT型は調理の設備を床下の給電で賄い、荷物のFH型は側面に大きな扉を持つ。
ロビーのFR型は急行ロフィルナ号に専属で、談話の空間へ一両の全体が充てられた。
いずれの形式も車体の構造を共通にしており、編成の組み替えは短い時間で進む。段差を解いた出入口が各形式に設けられ、車内の案内装置は運行の情報を随時表示した。
急行ロフィルナ号
看板の急行編成は、ジャゴラスからオークノンへ至る長距離の運用に就く。
個室を主体とした組成で、専用のロビー車が中ほどに組み込まれた。食事の提供は行程の時間帯に合わせて組まれ、調理は車内で完結する。
経路は山地の裾を辿り、湖沼の縁へ回り込む区間で速度を落とした。
利用の中心は観光の客層にあり、政府の要人が公務の移動に用いる場合もある。座席の予約は出発の数か月前から受け付けられ、繁忙の期には増結が施される。
急行サンパレナ号
木装の豪華編成は、西フリーネアからサンパレナへ至る区間に投入された。
車体には特殊な木材が用いられ、外観は旧来の意匠を保つ。内装の細部にも同じ木材が回り、座席の枠は壁面の板と同じ工房で仕上げられた。
接客は乗客ごとに担当の要員が付く方式で、要望の受け付けは乗車の時点から始まる。
供される料理は沿線の産品を用い、献立は季節ごとに組み替えられた。木部の補修は専門の職人が担い、入場の周期は他の編成より詰めて設定されている。
急行東南海
長大な15両の編成は、ジャゴラスからカルゼナへ至る海沿いの経路を走る。
うち3両は連接の構造を持つ食堂車で、厨房を中央に据えて客席を前後へ振り分けた。献立は海産を主体に組まれ、調理は乗車中の厨房で仕上げられる。
個室が客車の大半を占め、談話の空間は編成の後方に置かれた。窓は大きく取られており、海岸線の景観は席へ着いたまま見渡せる。
潮風の影響を受ける区間が長く、床下の機器には防食の処理が施されている。
貴賓列車
儀典用の特別編成は、木装の豪華編成に用いる客車を改良して組まれた。
25両の編成のうち13号車には国家元首の座す玉座が据えられ、儀礼の場としての設えが施されている。運行は政府の要人が移動する際の貸切で組まれ、公式の行事に合わせて設定された。
各車の意匠は統一され、旧来の様式を写した装飾が通路にまで及ぶ。警備の装置は編成の全体へ組み込まれ、乗車する要人の身辺が保たれる。
運行の日程は直前まで伏せられ、経路の選定は保安の部門が決定した。
軽装甲列車
警備の列車は3両で編成され、装甲を施した機関車の前後に武装貨車を連結する。
搭載するのはレーザーの小火器であり、多数を車体の側面に配した。短期の交戦を想定した設計で、機動の速さに重点が置かれている。
同型が150編成そろえられ、交代で任務に就く体制が敷かれた。
指揮の区画は中央の車両に設けられ、現場での情報の集約が進む。乗員の居住区も確保され、長距離の移動中における休息へ充てられた。
機動列車砲
砲列の編成は1号から8号までの8本が存在する。
大出力のレーザー砲に車輪を付し、電源車を隣に連結した5両の構成を取った。資材車が運用の補給品を積み、兵員客車は操作と保守の要員を収容する。
牽引の機関車は勾配の区間でも編成を運び、配置の変更に即応した。
射程は長く、装甲を備えた目標にも一撃で破壊が及ぶ威力を持つ。電源車の供給が続く限り射撃は継続し、砲身の冷却は射撃の合間に行われる。
外交
対外関係は輸送路の安全を軸に組み立てられており、相手ごとに協調の度合いが分かれる。
軍事提携
複数国との間には軍事の提携が結ばれ、輸送路の防衛で歩調を合わせる体制が続く。
周辺国の治安部隊とは共同の訓練が定期で組まれ、指揮の系統を繋ぐ手順が確認された。技術の共有は防衛の装備に及び、情報の交換は双方の窓口を通じて行われる。
共同の防衛計画も進み、既存の設備を改修する費用は分担された。
合同の演習は実戦に近い状況を設定して組まれ、各国の部隊が連携の手順を確かめる。提携の対象は駅の構内と沿線の警備に限定され、国境を越えた作戦の実施は協議の場へ委ねられた。
エルカム交通公団
エルカム交通公団は宇宙域の交通を担い、地上の区間については縮小の方針を採ってきた。
惑星の地表における鉄道の権益はICRの側へ委ねられ、両者の分担は長く保たれている。提携の根拠は公団が提示する乗り入れの協定にあり、規格の摺り合わせが継続の課題となった。
安全の管理については共通の様式が定められ、事故の情報は双方の司令へ即時に流れる。
要員の教育も相互に開かれ、公団の航路を扱う課程には社員が派遣された。地上駅の廃止を経た現在、旅客の受け渡しは軌道上の中継拠点で行われている。
先端技術を扱う供給元は、動力の系統でICRに深く関与してきた。
令咏術を応用した機構の設計は協力の下で形を成し、高出力の牽引機が実用に達している。一方で研究の計画が地域へ及ぼす影響には警戒が向けられ、探査の活動が輸送路の近傍に及ぶ場合には事前の照会が求められた。
技術の提携を保ちながら、主権の範囲では独自の防衛を維持する構えが取られる。
理念の隔たりが安定志向の運営と衝突する場面もあり、調整は個別の案件ごとに進んだ。センサーの供給については別途の契約が結ばれ、保守の作業は供給元の技師が受け持つ。
異能の技術を扱う学術団体は、輸送の分野へ新しい機構を持ち込んできた。
エネルギーの循環に関わる技術は豪華列車の一部に試験で導入され、車内設備の維持へ用いられている。実験の結果には振れ幅があり、鉄道網の近傍における暴走へ備えた措置が敷かれた。
交流を進める一方で軍用の編成が要所に配され、混乱の発生には即応の体制が保たれる。
団体の側からは現実的な運営の姿勢が変革の妨げと評される場合もあり、関係は協調のうちに緊張を抱えた。
導入の可否は路線ごとに判断され、試験の記録は双方で保管されている。
共立世界の安定を監視する枠組みは、鉄道網の安全確保で協力の相手となってきた。
多国籍企業体としての立場は当該枠組みの掲げる中道の倫理と重なり、紛争の仲裁における連携が頻繁に生じる。
船舶基地が災害で被災した際には後方支援の部隊が救援の物資を輸送し、復旧の工程が短縮された。
軍事部門は共同の訓練を重ね、テロへの対処では手順を共有する。技術の導入に規制が及ぶ場面では干渉との受け止めが生じ、軍用の編成を巡る議論が緊張を招いた。
それでも救援の枠組みは維持され、要請の窓口は双方に常設されている。
軍事
軍務の目的は輸送路と施設の防衛に置かれ、駅の構内およびその周辺での行動が交戦規定の範囲に収まる。
編成
軍務に就く要員は約24万人を数える。陸上の部門が約14万人で最大を占め、海上の部門に約6万人、航空の部門に約4万人が配された。陸上部門は幹線と主要な施設の防衛を担当し、装甲の列車を主力に据える。無人の監視装置が沿線へ配され、高速の車両は部隊の展開に充てられた。海上部門は海の輸送を守り、武装艦艇が渡航船に随伴する。沿岸の監視も同じ部門が受け持ち、陸上部隊との連絡が保たれた。航空部門は偵察と監視に充てられ、無人機が路線の全域を巡回する。緊急の事態には輸送機が要員を運び、地上部隊と合流した。
イドゥニア星系連合への配備の申告は定期で行われ、内容は路線ごとの区分で提出される。
対キメラ
変異キメラの侵入は、路線と船舶の双方へ影響を及ぼしてきた。海上では沿岸各国の海軍と哨戒を分担しており、群れの兆候を捉えた段階で駆除に入る体制が敷かれている。被害の多くは係留の設備と漁具の損壊に収まり、渡航の便が長く止まる事態は避けられてきた。内陸では滅亡区域の縁に接する路線が対象となり、遺構を巣とする繁殖の群れは季節ごとに規模を変える。装甲列車がレーザーの小火器で初期の対応に当たり、砲列編成は大規模な群れの排除へ投入された。厚い体表への対処では照射の時間を延ばす戦術が採られ、貫通までの手順を定型化している。路線沿いには接近を検知する装置が配され、危険の高い区間では運行の時刻が調整された。異能技術の障壁を車両基地へ試験導入する試みも進み、制御信号の模倣を撹乱する効果が検証されている。安定の確保は検証の途上にあり、常用へ移す判断は保留された。駆除の作戦では衛壁同盟との共同が組まれ、進化傾向と分布の資料に基づいて迎撃の地点が選ばれる。辺境の路線で発生した大規模な襲撃では、仲裁の部隊が装甲の列車とともに住民の避難を進め、群れの排除に至った。砲列の編成の使用を巡っては規定の解釈で意見が分かれ、駅の構内および周辺での防衛行動を範囲とする運用で折り合っている。
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最終更新:2026年08月27日 00:18