概要
戦略攻撃に関する国際倫理安全保障枠組み条約（通称、ラムティス条約）は、共立公暦650年、共立機構主導による集団的安全保障体制の補強を目的として成立した。
名称
歴史
旧暦時代。長きにわたって続いた
新秩序世界大戦の火種は、最終的に全てのセクターを跨ぐ総力戦となった。その結果、1000億を超える数の人命が失われ、辛うじて生き残った者達もまた少ない資源を巡って争う危機的状況へと陥ったのである。中でも宇宙海賊の増加は既存の交易ルートを脅かすセクター・レベルの脅威とされて主要各国の連携を促した。戦後、500年の間は小さな紛争が絶えない暗黒の世紀が続いた。そうした歴史の苦難により、イデオロギーの違いを超えて妥協した星間諸国は
パルディステル国際平和権利条約を締結。
文明共立機構が発足し、新たに創設された
平和維持軍の抑止力によって一定レベルの秩序を取り戻したのである。しかし、それでも人道的な問題解決には程遠く、多くの列強が国際原則の在り方を巡る外交戦略上の睨み合いを続けた。旧暦時代から根深く残る各国間の不信は共立公暦590年、
転移者星間戦争の泥沼化を受けて決定的なものとなり、二大同盟の成立に繋がったとされる。これにより存在意義を問われた平和維持軍は、その威信をかけて組織体制を刷新。自制的協調から積極的抑制へと方針を切り替え、関係加盟国に対する干渉姿勢を強めていった。当条約の内容は、そうした世界レベルの変遷の中で段階的に補強・修正されたものである。
制定及び履行の経緯
惑星破壊クラスの戦略兵器については、殆どが旧暦時代由来の異物で占められて久しく、通常戦力の質的向上と、シールド技術の発展に伴い戦略的価値を失いつつあるのが現状とされた。
それでも脅しの道具として一定の効果に期待する勢力が一部存在し、
文明共立機構は、これを
『無駄な悪あがき』として取り締まる意向を繰り返し強調してきた経緯がある。
共立公暦632年の
雪解けを起点に議論され、同645年、
平和維持軍による戦略的統制の先駆けとして制定された。イドゥニア諸国の削減枠組み。
現存する戦略兵器の削減を目指すもので、新たに開発しないことも明記された。
勢力均衡を重んじる観点から戦略兵器の保有自体は禁じておらず、同枠組みにおける最低限の抑止力として認められる。
最終的には完全破棄が理想とされるも、現時点では時期尚早とされた。
従来の削減方針を維持。引き続き関係各国との連携に務める意向を表明した。
自国が有する該当兵器のうち、戦略相当レベルと見なされる生物・化学・その他の兵器に関しても段階的な削減を進めることで合意。
さらに、戦略兵器として応用可能な全てのテクノロジーの管理強化を進めている。
戦後、暫く続いた平和外交の一環として全ての大量破壊兵器を破棄、一時的な軍縮へと転じた経緯がある。トローネ皇帝が実権を握って以降は通常戦力の刷新を進める形で各国との戦力差を補ってきたわけだが、共立公暦590年、
転移者戦争の激化に端を発するロフィルナ戦略部隊の増強を受けて新型兵器（632年型ヴェーラ垂直ミサイル）の限定運用へと踏み切った。時の帝国政府は当初、この決定を「最低限の備えである」と説明。イドゥニア地域における配備比率を根拠として保有の正当性を強調した。しかしながら、短期間の大量生産を可能とする運用コストの手軽さが問題となり、世界レベルの削減に努めてきた星系連合の取り組みに逆行するものと批判された。そのため、帝国政府は該当の兵器に関して以下の制限を設けることに合意した経緯がある。
- 帝国領となっている領域のうち、イドゥニア地域における所定の大量破壊兵器の配備に関しては極少数に留めること。
- 原爆クラスの大気圏内運用兵器を8000基まで保有可能とし、全ての生産ラインにおいて数的ストッパーを導入すること。
- 共立機構による監視のもと、批准各国で合意された以上の生産、運用、配備を不可能とする物理的措置を講じること。
（共立公暦1000年時点で、40基程度の運用に留まっている。）
連合帝国は第一世代型を10基保有していて常に生産体制を整えていた。
ラムティス条約の制定および632年型ヴェーラ垂直ミサイルの製造が決定した事で生産工場の解体、残る10基を平和維持軍に供出する事が決定。その履行に際してはセトルラームの仲介があった。
大量破壊兵器の削減に関して大筋合意したが、「ロフィルナ及びイドゥアム側の対応次第である」と表明。両国の履行状況に合わせて以下の削減を進めた。
かつてインスニアが保有した惑星破壊兵器は、宇宙新暦2000年代。時の連合帝国に対抗して開発されたものであり、自国とイドゥニア文明圏の壊滅を結びつける抑止力として機能していた。
その他にも旧世代型の大規模なプラットフォームを有し、更新しないことを確約している。
合計：10000基→3000基（共立公暦1000年時点）
インスニアと同じく、宇宙新暦2000年由来の惑星破壊兵器を配備していた。
ただし、こちらは戦後も一定の刷新を続けており、精密性の向上に努める動きも見られたことから、特に強力な規制対象として指定されている。
帝国側の配備を理由に削減枠組みからの脱却を目論んだが、結果的には経済制裁の緩和を条件として以下の削減へと踏み切った。
追記事項：共立公暦998年における軍事テロ行為をもって準備指定レベルの4を適用され、開戦不可避となった。
合計：11300基→1335基。1000年時点）
安全保障協力に関する共立機構とラヴァンジェの共同宣言
共立機構は当条約において定められるところの科学兵器について、ラヴァンジェ軍の保有状況を確認した。
結果、ラヴァンジェ政府にそのような方針は存在しないことを確認。現実改変能力に関しても双方の全面的な協力のもとに規制することで合意した。
文明共立機構：発・
ティヴィエハン・アン・ルツォーラン・メーユィグ防衛統括部長官
かねてから危険視されてきた現実改変の在り方に関して、当機構はラヴァンジェ政府との合意に基づき、以下の通りに宣言する。
１．現実改変能力の発動にあたっては、他に有効な自衛策を見いだせない場合の限定利用に留めるべきであり、それ以外の如何なる局面においても攻略手段として用いるべきではない。
２．現行世界の理に影響を及ぼし得る、あらゆる想定状況に対し当機構は最終特命手段としての現実改変対処能力を保持する。
以上に基づき、当機構は現実改変に起因する如何なる侵害も容認せず、対抗手段を持たない全ての加盟国に対して事実情報を共有し、強力かつ共同的に対応していくことをここに誓う。
ラヴァンジェ諸侯連合体：発・
ヤフウェン・フャウ・ツォーンドヮット・ラントラム諸侯騎士団統合監理席
ラヴァンジェとして、世界規模の現実改変を可能とする兵器に対する制限措置に関して全力で協力する姿勢があることを通達する。理由としては、以下の通り。
１．世界規模の現実改変の事実は健全であった現実を個人あるいは固定された団体による改変によって捻じ曲げられ、多様性のある種族・生物的発展・物理的予測を破壊する。この危険な行いを規制しない理由は我が国には存在しない。
２．ラヴァンジェは長年現実改変の事実と戦ってきた。必要な現実改変はごくごく少数に限られるため、我々は内政案件として現実改変を厳しく規制してきた。
以上に基づき、共立機構がこれらの国際的規制を実行する場合は、我々は協力を惜しまず、また自主的に収集した情報や研究内容を惜しみなく提供し、現実改変という潜在的危険に対し共立三原則に基づき共同的に対応していくことを誓う。
ネルヴェサ―民主同盟（通称、黒丘同盟）における戦略兵器管理枠組み協定
戦略攻撃に関する世界的な統制の機運が盛り上がる中、現行体制における人道的プレゼンスを高めるため自発的に制定された。
オクシレイン率いる黒丘諸国の削減枠組み。現存する戦略兵器の削減を目指すもので、新たに開発しないことも明記された。
勢力均衡を重んじる観点から戦略兵器の保有自体は禁じておらず、同枠組みにおける最低限の抑止力として認められる。最終的には完全破棄が理想とされるも、現時点では時期尚早とされた。
一部指定国に対する抑止力として必要最低限のEIPP保有を認めるが、先制攻撃の手段としてはこれを用いず、追加生産も行わない。
保有していないし、これからも生産の予定はないが、予測される戦略攻撃に対して防衛能力の刷新を妨げないことが唯一の条件となる。
本協定の締結時点で完全かつ速やかに履行することを約束するが、通常戦力による報復手段の刷新を妨げないことが唯一の条件となる。
ツォルマリア、エルカム、ソルキア、カルスナード間の戦略兵器不保持原則枠組み協定
共立公暦655年締結・同658年に発効。当条約が定義する如何なる戦略兵器も保有せず、開発せず、持ち込ませない。
例外事項として、
平和維持軍管理下での運用は認められる。
過去大戦の教訓から、そもそも軍事戦力自体を保有しておらず大量破壊兵器も同様である。当条約においては近隣各国との確認も含め、平和主義に基づく従来の方針を強調した。
最大の提携取引先となっているツォルマリアの意向を踏まえて、軍事目的としては保有しない方針を固めた。
近古代における大災厄の教訓から、平和主義に基づく同様の立場を取る。
過去大戦での過ちを教訓とし、平和主義に基づく従来の方針を強調した。
かねてからの反
連邦政策の一環として、独自にコールスクリプトのコントロール計画を立てていたが、当条約の制定布告に伴い破棄する方針を固めた。
研究の成果自体は
平和維持軍に譲渡し、国際社会の総意に基づく運用を支持している。
新ウェトラム戦争における敗戦から7年後の、共立公暦955年。
共立機構国際平和維持軍による世界統治の優位性を認めた時の
リゼルトレーターは自ら究極兵器の共有を打診し、復興のためのリソース援助を求めた。
これにより、
文明共立機構の加盟要求に合意する流れが形成され、当条約への批准に至った背景を持つ。
かねてからの戦略で予防攻略を是とするウェトラム軍の性質上、そのものが大量殺戮のための編成を取っており、これを改革するには暫しの時間を要するものと認められた。
求められる該当の兵器管理について、共立機構が健在であるうちは積極的に協力していく方針を固めた。
ただし、共有主体となる
平和維持軍の権威（抑止力）に相当の疑義が生じた場合はこの限りではなく、必要に応じて管理権限を奪取。
ないしは本来の目的とされる楽園世界計画（新解脱主義）の貫徹を警告し、物議を醸した。
内容
制定に至る経緯と目的
転移者星間戦争に端を発する世界情勢の変化は、二大同盟を主軸とする新たな冷戦構造を生み出し、大量殺戮手段を有する一部の指定国に軍事的冒険のインセンティブを与えた。現行体制を揺るがす、そのような暴挙に対し、共立最高評議会は断固たる意思をもって次の計画を講じる。当条約では、各国が有する戦略攻撃相当手段の増加を抑止対象と定め、これを共立機構全体の計画として推進。その間、同機構に属する全ての勢力に対して必要な支援を講じる。移管された兵器のうち、
平和維持軍による統一的管理を可能とする兵器については共立機構代表総議会、同最高評議会の決定に従って運用される。
パルディステル国際平和権利条約において定められる共立三原則の観点から、該当攻撃手段の削減にあたっては如何なる軍事的手段も取らず、拡大抑止対象の自発的な削減を促す形で国際社会の安全を保たなければならない。そのために必要とされる手段としては、削減そのものに経済的なインセンティブを与え、過大な保有そのものに存立上の大きな負担を認識させることが重要となる。また、国際社会の総意として、あらゆる文明社会を持続させるために
文明共立機構は強力なリーダーシップをもって係る計画を推進しなければならない。
戦略攻撃能力相当手段の定義
核兵器の定義
1.「核兵器」とは、核分裂反応または核融合反応を利用して、高度な爆発力を持つ爆弾または爆薬装置を指す。
2.「核分裂反応」とは、重い原子核が中性子を吸収し、二つ以上の軽い原子核に分裂する反応を指す。
3.「核融合反応」とは、二つ以上の軽い原子核が高温高密度の状態下、または特定の条件下で融合する反応を指す。
4.「高度な爆発力」とは、核兵器による爆風、熱線、放射性降下物等による破壊力が非常に高いエネルギーのことである。
この定義に含まれるものとしては、一般的に核爆弾、水爆、中性子爆弾、放射性汚染兵器、放射性爆弾などが挙げられるが、未知の技術によるグレーゾーン事態の成立を避けるために文明共立機構が所定の兵器に関する調査、認定、更新の権限を担う。また、核兵器に関する技術や情報を始め、素材の製造、貯蔵、運搬、使用、輸出入、譲渡、売買、譲受、収集などに関する行為も当条約による規制の対象として推奨される。ただし、放射性物質に依存する生命体の生存を始め、医療用途、科学研究用途、エネルギー生産用途など、安全かつ合理的・平和的な目的での限定利用が認められる場合は、当条約における規制対象とはならない。
当条約において「核兵器」とは、上記の定義に準拠するものである。
反物質兵器の定義
1.「反物質兵器」とは、反物質を利用して、爆発や放射性物質の放出などを可能とした兵器を指す。
2.「反物質」とは、物質と反対の電荷を持ち、質量が同じである反粒子から構成された物質を指す。
3.「対消滅反応」とは、粒子と反粒子が相互作用することで、その両方が消滅し、膨大な爆発エネルギーが放出される現象を指す。
4.「対消滅反応から生じる爆発エネルギー」とは、反物質と物質が衝突することで互いに消滅することで放出されるエネルギーを指す。
この定義に含まれるものとしては、一般的に反物質爆弾、荷電粒子砲、光子魚雷、ミサイル、空中機雷など広範に渡って挙げられるが、未知の技術によるグレーゾーン事態の成立を避けるために文明共立機構が所定の兵器に関する調査、認定、更新の権限を担う。また、反物質兵器に関する技術や情報を始め、素材の製造、貯蔵、運搬、使用、輸出入、譲渡、売買、譲受、収集などに関する行為も当条約による規制の対象として推奨される。ただし、反物質を用いた推進方法を始め、科学研究用途、エネルギー生産用途など、安全かつ合理的・平和的な目的での限定利用が認められる場合は、当条約における規制対象とはならない。
当条約において「反物質兵器」とは、上記の定義に準拠するものである。
量子兵器の定義
1.「量子兵器」とは、量子力学的な効果を利用して物質の性質を制御し、操作することにより戦略攻撃相当手段としての効力を持つに至った物体の総称を指す。
また、量子物理学を応用することで、現象の確率操作（現実改変）を可能とした工学的・生物学的装置も脅威として含まれる。
2.「量子反応」とは、量子力学的な効果によって通常では起こり得ない反応を引き起こす現象を指す。
3.「量子物理学」とは、微小な粒子や系の振る舞いを扱う物理学の一分野であり、電子、光子、原子、分子などの量子物体の性質や相互作用を研究する学問のことを指す。
この定義に含まれるものとしては、一般的に量子爆弾、量子レーザー、量子魚雷、エレクトロニクス兵器、その他の暴露装置など広範に渡って挙げられるが、その性質や仕様によって（反物質兵器等）既存のカテゴリに当てはまる可能性も想定される。また、未知の技術によるグレーゾーン事態の成立を避けるために文明共立機構が所定の兵器に関する調査、認定、更新の権限を担う。量子兵器に関する技術や情報を始め、素材の製造、貯蔵、運搬、使用、輸出入、譲渡、売買、譲受、収集などに関する行為も当条約による規制の対象として推奨される。ただし、生活利便性の維持向上を始め、医療用途、科学研究用途、エネルギー生産用途など、安全かつ合理的・平和的な目的での限定利用が認められる場合は、当条約における規制対象とはならない。
当条約において「量子兵器」とは、上記の定義に準拠するものである。
生物・化学兵器の定義
「生物・化学兵器」とは、生物剤やそれらを保有・媒介する生物を用いて、生命、または工学的種族に害を加える生物兵器。毒性化学物質により、生命、その他の工学的種族に対して被害を与えるために用いられる化学兵器のことを指す。病原体、毒素、またはそれらで構成された合成物質、またはそれらを含む工学的装置、生物・化学的素材の総称としても解釈される。このような兵器は、力による現状変更の一環として悪用されることが想定されており、動物や植物、その他の工学的種族に対して疾病、障害、または死を引き起こす可能性があるものを指す。「生物・化学兵器」には、直接的に使用されることを意図したものだけでなく、環境中に放出されることによって、目的地に到達する前に悪影響を与えることができるものも含まれるが、未知の技術によるグレーゾーン事態の成立を避けるために文明共立機構が所定の兵器に関する調査、認定、更新の権限を担う。また、「生物・化学兵器」に関する技術や情報を始め、素材の製造、貯蔵、運搬、使用、輸出入、譲渡、売買、譲受、収集などに関する行為も当条約による規制の対象として推奨される。ただし、生活利便性の維持向上を始め、医療用途、科学研究用途、エネルギー生産用途など、安全かつ合理的・平和的な目的での限定利用が認められる場合は、当条約における規制対象とはならない。
1.生物・化学的な作用により、目標となる実体（動植物、工学的種族、微小粒子）の機能を妨害、変性、または破壊する物質。
2.毒性を持ち、吸入、飲用、摂取、または皮膚、外殻からの接触によって実体に深刻な健康被害を引き起こす物質。
3.収束性がなく、環境に広がり、生態系に深刻な影響を及ぼす物質。または収束可能かつ生態系に深刻な影響を及ぼす物質。
4.同種、異種、または植物、工学的種族を含む生命体の免疫系を攻撃する物質。
5.極端な発火性や爆発性を持ち、軍事目的で使用される化学爆薬。
当条約において「生物・化学兵器」とは、上記の定義に準拠するものである。
魔法・異能兵器の定義
1.「魔法・異能兵器」とは、既存の物理法則に囚われない何らかの手順を用いて事象または世界の在り方に干渉し、機能する兵器を指す。
2.「魔法」とは、通常の自然科学に囚われず、独自の法則に従って行使される能力のことを指す。
3.「異能」とは、自然科学を始め、魔法、または呪術的観点から行使される特殊能力全般を指し、既存の理論に囚われない行為を表す。
4.「召喚術」とは、異なる次元や世界から存在を呼び出し、自らの力として利用する行為全般を指す。
この定義に含まれるものとしては、一般的に科学法術として認識される
令咏術関連兵器を始め、純粋な魔法技術とされる
現象魔法兵器、その他の魔法兵器など広範に渡って挙げられる。また、未知の技術によるグレーゾーン事態の成立を避けるために文明共立機構が所定の兵器に関する調査、認定、更新の権限を担う。「魔法・異能兵器」に関する技術や情報を始め、素材の製造、貯蔵、運搬、使用、輸出入、譲渡、売買、譲受、収集などに関する行為も当条約による規制の対象として推奨される。ただし、生活利便性の維持向上を始め、医療用途、研究用途、エネルギー生産用途、非戦略攻撃相当手段としての運用など、安全かつ合理的・平和的な目的での限定利用が認められる場合は、当条約における規制対象とはならない。
当条約において「魔法・異能兵器」とは、上記の定義に準拠するものである。
現実改変の定義
1.「現実性強度による現実改変」とは、国際的に健全とされる歴史の連続性のうち、現実の強度が強いものによって連続性を改変させるような能力及び現象のことを指す。
2.「世界線移動による現実改変」とは、国際的に健全とされる歴史の連続性のうち、世界線の値が変動したことを言う。
3.「現象学的現実改変」とは、現象の認識のために存在する現実の側面を変更することによって、対象の現実的な存在とは異なるものにする能力及び現象のことを指す。
これらの定義は現実改変によって変更されてしまう可能性があるため、常に複数の現実固定オブジェクトによって規定などを管理・保存する。文明共立機構ががこれらの管理、観察を担い、改変が発生したと認識された場合はこれの修正を行う。現象魔法など、本質的に現実改変に基づく技術も存在することから、この条約において規制の対象となる現実改変は、この世界の社会や歴史、理に多大なる影響を与え、文明に不利益を齎しかねないものに制限される。
当条約において「現実改変」とは、上記の定義に準拠するものである。
その他、未知の兵器・能力について
未知の兵器・能力とは、現在の科学技術や魔法技術、その他の既知の技術体系に基づかず、全く新しい原理や現象に依拠して動作する兵器や能力を指す。これにより、これまでの戦略攻撃能力相当手段の定義には含まれないが、極めて高い破壊力や影響力を持つ可能性がある。これらの未知の兵器・能力は、予測不能な特性により、新たな脅威となり得る。既存の防御システムや対策が通用しない場合もあり、その応用範囲や影響力は予想を超えることが多い。未知の兵器・能力が実際に発見された場合、その評価と対応策の確立は極めて重要であり、国際的な協力と迅速な情報共有が必要不可欠である。これらの未知の兵器・能力には、次元異常や時間操作、高次元エネルギーの利用、特異存在の召喚、ナノマシンによる物質操作など、多岐にわたる可能性が含まれる。これらの技術は、従来の科学技術の枠を超え、理論的には不可能とされていた現象を現実のものとする。
このため、未知の兵器・能力がもたらす脅威は、従来の兵器とは一線を画すものであり、その影響力と破壊力は計り知れない。未知の兵器・能力の実用化に際しては、その技術的な基盤や動作原理が明確にされる必要がある。これには、専門家による綿密な調査と評価が不可欠であり、その結果に基づいて適切な対策を講じることが求められる。また、未知の兵器・能力に対する防御策を確立するためには、国際的な協力が不可欠である。各国が技術情報を共有し、共同で研究開発を進めることにより、未知の脅威に対する対策を迅速に整えることが可能となる。さらに、未知の兵器・能力に関する倫理的な問題も考慮する必要がある。これには、技術の開発や利用に伴うリスクと利益のバランスを考慮し、共立世界にとって有益であるか否かを判断するための基準が含まれる。また、未知の技術が悪用されるリスクを最小限に抑えるための規制や監視体制を整備することも重要である。
未批准勢力に対する措置協力
未批准勢力に対する措置協力とは、国際的な条約に批准しない勢力が現れた際に、その勢力に対して適切な措置を講じるための協力体制を指す。この協力体制には、未批准勢力が国際的な安全保障や平和に対して脅威となることを防止し、また、条約の遵守を促すための様々な対策が含まれる。未批准勢力に対する対策の一環として、まずは外交的手段を通じて、条約の重要性や利点を説得し、批准を促すことが重要である。これには、未批准勢力との直接交渉や、国際機関を通じた調停が含まれる。さらに、経済的インセンティブや技術支援を提供することで、条約への参加を促進する。外交的手段が効果を上げない場合、国際社会は強制力を持った措置を講じる必要がある。これには、経済制裁や貿易制限、国際的な孤立政策が含まれる。これにより、未批准勢力が条約の重要性を認識し、国際的な圧力に屈して批准を行う可能性が高まる。
また、未批准勢力が実際に条約に違反する行為を行った場合、国際的な連携を強化し、共同で軍事的・非軍事的な対応を行う。これには、
共立機構国際平和維持軍・その他の星間同盟の枠組みの中での共同作戦や、情報共有、監視活動の強化が含まれる。さらに、未批准勢力による技術や兵器の拡散を防ぐため、国際的な輸出管理体制を強化し、関連する技術や素材の輸出を厳格に規制する。これにより、未批准勢力が高度な兵器技術を入手するリスクを最小限に抑えることができる。最後に、未批准勢力に対する措置協力には、国際的な意識啓発活動も含まれる。条約の意義や重要性について、国際社会全体に広く知らせることで、各国民や市民社会の支持を得ることができる。これにより、未批准勢力に対する圧力を強化し、条約の普及と遵守を促進することが可能となる。
戦略相当指定対象
戦略相当指定対象とは、特定の技術や能力、兵器等を応用可能か否かも含めて
文明共立機構が精査し、認定したものを指す。
指定対象となった勢力には
削減・共有・破棄・供出何れかの中から複数選択可能とし、個人に対しても同様である。
また、物理的な供出や破棄が困難となる場合は、
登録・制限・拘束・封印の中から複数選択可能とし、世界秩序のバランスを取った。
国際通念的に相当の違反可能性が疑われる場合、同共立機構における司法手続きをもって強制的な指定も可能とされる。
メタ事項：個別の指定対象が多く、一定の掲載労力を要する場合は必要に応じて記事単位の掲載とする。ただし、特に重要視される規制対象については以下の項目に明記しなければならない。
指定用語の定義
削減
対象となった技術や能力、兵器を削減しなければならない。交渉結果に応じて段階的に進めることを許容する。
文明共立機構/指定評価において、『警告』以上の指定が認められる場合は、部分執行の対象となり得る。
共有
対象となった技術や能力、兵器に関する管理権限を
文明共立機構とともに共有しなければならない。交渉結果に応じて段階的に進めることを許容する。
文明共立機構/指定評価において、『警告』以上の指定が認められる場合は、部分執行の対象となり得る。
破棄
対象となった技術や能力、兵器を破棄しなければならない。交渉結果に応じて段階的に進めることを許容する。
文明共立機構/指定評価において、『警告』以上の指定が認められる場合は、部分執行の対象となり得る。
供出（最も推奨）
対象となった技術や能力、兵器を供出しなければならない。主に
平和維持軍の要となる中央総隊が引き取りの手続きを担う。必要に応じて段階的に進めることを許容する。
文明共立機構/指定評価において、『警告』以上の指定が認められる場合は、部分執行の対象となり得る。
登録
対象となった能力を登録し、
文明共立機構の規則に従って正しく扱わなければならない。これを避けて通ることは通念上不可能とされる。
制限
破棄及び供出が不可能となるケース・対象となった能力に何らかの制限を施せる場合、
文明共立機構の規則に従って正しく履行しなければならない。
何らかの手段を講じて容易に解除出来る場合は、この限りではなく、『登録』・『拘束』・『封印』等の選択肢を取る必要がある。
文明共立機構/指定評価において、『警告』以上の指定が認められる場合は、部分執行の対象となり得る。
拘束
対象となった能力を完全に破棄または共有できない場合、『登録』・『制限』に留めるか、所定の方法をもって『拘束』の措置を講じることになる。
文明共立機構/指定評価において、『警告』以上の指定が認められる・ないしは何らかの契約を要する場合、その身体および精神の拘束も含めて部分執行の対象となり得る。
封印
対象となった能力を完全に破棄または共有できない場合、『登録』・『制限』に留めるか、所定の方法をもって『封印』の措置を講じることになる。
文明共立機構/指定評価において『警告』以上の指定が認められる場合、その身体または精神の封印も含めて部分執行の対象となり得る。
執行の定義と手順
経済制裁措置
当条約における経済制裁措置とは、指定対象の活動を抑制するための主要な手段を指す。具体的には、貿易制限、資産凍結、金融取引の停止、技術移転の禁止などが含まれる。経済制裁は段階的に強化され、対象が条約を遵守するまで持続的に圧力をかける。国際社会全体で制裁の影響を共有し、効果を最大化するための協力体制の構築も求められる。これには、制裁対象となる勢力や企業、個人の特定、制裁実施の監視、制裁逃れの防止策の導入が含まれる。また、包括的な国際ネットワークを利用し、制裁の徹底を図るために情報共有と連携能力の向上を図ることが不可欠である。
部分執行武力制裁措置
部分執行武力制裁措置とは、全面戦争を避けつつ特定の軍事目標に対する限定的な攻撃を指す。未批准勢力をはじめ、ある特定の個人が国際的安定を脅かす行為に出た場合の法的根拠として整備された。共立世界における多くの軍事力を活用し、その能力を本来あるべき状態に収束させるのが目的。特殊部隊・PL執行官の派遣、精密爆撃、封鎖作戦などが含まれる。その部分執行に際しては、
共立機構国際平和維持軍が主導し、他の部分同盟や陣営と連携して実行することが多い。武力制裁の実施前には必ず外交的手段を尽くし、国際法に基づく正当性の確保が求められる。武力制裁後の復興支援や再発防止策の計画も並行して進められるべきであり、地域社会の安定化と経済復興も重要な課題となる。さらに、国際的な監視機関による評価と報告を通じて、制裁の効果と公正性を確保することが求められる。
PLコマンド制裁措置（PLK.H.サモニング）
当条約に違反する勢力や個人、または脅威となる存在に発動される。
文明共立機構・常任最高議長の権限をもって最も高いクラスの特命執行官に出動を命じ、指定目的の達成にあたらせる。
場合によっては、全執行官（特異存在）が出張ることも想定されており、このレベルになると『消去』指定を免れない。
消去指定制裁措置（最悪の想定）
最も厳しい措置で、対象の技術や能力、兵器、そして関連する人物自体を完全に消去（殺害）することを指す。
これは、脅威が極めて大きく、他の手段では制御不可能と判断された場合にのみ適用される。
以下の緊急事態に該当する場合は、代表総議会の事後承認を前提として、
文明共立機構・常任最高議長による阻止命令権の発動が認められる。
▲阻止命令権の条件
以下の内容は、未批准の勢力や個人に対しても実行できる緊急事態専決条項として補強された。
- 事前の合意なく、該当の批准勢力、または特定の個人に戦略攻撃相当手段の活用意図が見られた場合。
- 国際通念上、大規模な被害の可能性が濃厚となった場合。
- 特定の指定勢力・個人による大規模なサイバー攻撃・魔力攻撃等が発生し、インフラや重要な情報システムに甚大な被害を受ける恐れが濃厚となった場合。
- 特定の指定勢力・個人が人為的に引き起こした自然災害が発生し、広範囲に甚大な被害をもたらす恐れが濃厚となった場合。
- 特定の指定勢力・個人が支持する反乱勢力が大規模な武力蜂起を行い、共立秩序の安定が脅かされる恐れが濃厚となった場合。
明確な物理兵器
予め想定された物理兵器
| 想定兵器 |
事由 |
| 原子核関連兵器 |
純粋な大量破壊兵器として該当する。 |
| 核融合関連兵器 |
用途および技術水準による。広範囲の破壊を可能とする場合は純粋な大量破壊兵器として該当する。 |
| 反物質関連兵器 |
用途および技術水準による。広範囲の破壊を可能とする場合は純粋な大量破壊兵器として該当する。 |
| 生物・化学兵器 |
その性質上、国際通念上の倫理に抵触し、非人道的と見なされるため。 |
| 主兵装クラスの次元兵器 |
その性質上、利用目的や技術水準を問わず大量破壊兵器として指定され得る。 |
| 主兵装クラスの改変兵器 |
その性質上、利用目的や技術水準を問わず大量破壊兵器として指定され得る。 |
明確に指定された物理兵器
応用可能テクノロジー
予め想定された技術
| 想定技術 |
事由 |
| 核関連技術 |
用途および技術水準による。純粋な大量破壊兵器として軍事転用可能のため。 |
| 反物質関連技術 |
同上。 |
| 量子関連技術 |
同上。 |
| 生物・化学関連技術 |
同上。 |
| 次元操作技術 |
同上。 |
| 現実改変技術 |
同上。文字通り現実改変を可能とすることから、実際の影響力については厳しく精査される。 |
| 魔法・異能関連技術 |
同上。通常の物理法則に縛られず、容易に軍事転用可能と見られるため、特に厳しく精査される。 |
明確に指定された技術
登録済みの特異存在
制裁対象
登録義務を履行している。一方、自ら率いる
ロフィルナ王国が準備指定を受けており、『制限』・『拘束』・『封印』の何れかに相当するものと判断された。
登録義務に違反することから、『PLコマンド』相当の指名手配犯とされた。『制限』・『拘束』・『封印』・『消去』の何れかの措置対象として常に追われている。
影響
文明共立機構主導による当条約の発効から、
事実上の国際法として機能し、その後の加盟勢力間の軍事バランスや国際関係に絶大な影響を与えた。当条約の適用によって規制される兵器や技術の開発、保有、使用について厳格な基準が設けられることで、事実上、すべての勢力が軍事力の増強に一定の制約を受けることとなる。この結果、独立企業を含む各勢力は該当兵器の削減に向けた政策措置を講じる一方で、
闘争競技による擬似的な戦争経済を推進。競争原理の仕組みに新たなビジネスモデルを提示するなど、多くの軍産複合体にとって最善と評される流れが形成された。さらに、当条約は世界規模での安全保障体制の強化にも寄与する。条約の規定に基づき、各国は兵器の開発や使用に関する情報を共有し、共同で監視・管理を行う体制が整備されたのである。これにより、大量破壊兵器の拡散やテロリストによる悪用を防止し、地域紛争や国際的な緊張緩和に寄与することが期待された。
また、当条約の発効により、科学技術の進展や新たなエネルギー源の開発に対する国際的な規制も強化されることとなる。これにより、軍事目的以外の平和的な利用が促進されるとともに、分野を問わず、環境保護や持続可能な研究に努めるインセンティブが高まった。具体的には、核エネルギーや反物質エネルギーの利用が軍事目的ではなく、医療やエネルギー生産、科学研究などの発展に繋がったとされる。条約の発効はまた、各国の産業や経済にも影響を与えた。兵器産業に依存する国々は、平和的な技術への転換を迫られる一方で、新たな市場やビジネスチャンスを掴もうと躍起になった。勢力間における技術提携や、その他の国際協力を通じて持続可能な経済成長の時代を迎えたのである。さらに、当条約は国際社会における倫理規範の強化にも繋がった。兵器の開発や使用に伴う人権侵害や環境破壊を防止するための取り組みが推進され、国際的な平和と安全の確保に向けた意識が高まった。
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最終更新：2025年07月21日 01:57
