アットウィキロゴ

聖玄羅連邦

聖玄羅連邦

作:@Freeton2
国の標語:智徳鴻猷、鷹視狼歩、聖道覇業
基本情報
主な言語 天華語
首都 羅雲鏡都
作:Microsoft Copilot
最大の都市 同上
政府 環星羅府
国家元首の称号 皇将閣下
国家元首の名前 麗華瑞(れいかずい)
行政長官の称号 皇将丞
行政長官の名前 蒼鳳麟(そうほうりん)
建国 旧体制:古典古代
現体制:近古代(?)
主な宗教 玄陽真道
通貨 星辰貨(電子貨幣)
総人口 約2557億人


概要

 聖玄羅連邦は、共立世界の星間領域に版図を置く連邦制国家である。
五つの構成国と直轄域が十七の恒星域に分かれて並び立ち、それぞれの風土に根ざした社会を営んでいる。

歴史

 連邦の版図は、母星を追われた集団が遠い星間領域に築いた社会を起点とする。
長い内乱と鎖国を経た統治体は、共立公暦650年に外部との通交を再開し、同805年に文明共立機構への加盟を果たした。
公室を頂く体制から構成国の合議へ至る経過は、下記の記事で扱う。


国民

 連邦の版図には来歴の分かれる集団が並んで暮らしており、種族の別を措いた編入の手続きが定着している。

護族

 ケルフィリア系列の護族は連邦の主要民族にあたり、母星フォフトレネヒトからの退去に加わった集団を祖に持つ。体格は連邦の標準環境に適した範囲へ収まり、毛髪と虹彩の色調には幅がある。色調の分布は定住した恒星域の光量に応じて分かれており、恒星に近い域では虹彩の色素が濃く、光量の乏しい域では淡い。母星で育った身体の形質は退去の後も大きく変わらず、重力の異なる恒星域へ移った系統にのみ骨格の差が現れた。寿命は連邦の諸種族のうち中庸に位置し、老いの進みは精気の散逸の速度に沿う。気脈への感応は種族全体に備わるものの、その強弱は個体差として現れるため、聖道巫術の修行に堪える適性を持つ者は限られてきた。生殖の系統は転移者と交わり、世代を重ねた通婚によって両系統の形質は混じり合っている。妖魔との間に子は生じない。連邦の総人口に占める割合は過半にのぼり、居住は版図の全域に及ぶ。風土に応じた呼び名が地域ごとに分かれ、生業の型も、その土地の資源に沿って定まった。

転移者

 転移者は異世界から流れ着いた人々の総称であり、護族とは発生の起源を共有しない。到来は一度きりの出来事ではなく、ヒュプノクラシアの法則に由来する時空の揺らぎを介して現在も断続している。流れ着いた者は登録の手続きを経て居住地の割り当てを受け、身体の形質は出身の世界ごとに隔たるため、標準環境への適応の可否が、まず測られた。連邦の重力と大気に耐える系統が定住を続け、耐えない系統は環境制御を施した区画に住まう。護族との通婚は世代を重ねて進み、渡来の形質を純粋に保つ家系は少ない。気脈への感応は種族として薄く、精気を体内に蓄える修行に堪える者は稀である。その代わり、精気の流れを器具によって測る手法が、この系統の内側で発達した。学術と技術の担い手が多くを占め、天華文字の原型となった漢字文化も、ここに由来する。異世界で培われた美意識は各地の様式に溶け込み、居住地ごとの意匠に痕跡を残した。

妖魔

 妖魔はフォフトレネヒト方面から飛来した変異キメラのうち、高い知性を備え、従属化と信頼構築の過程を経て連邦社会に根を下ろした種族である。変異キメラの遺伝子に由来する身体的特徴は系統ごとに分かれ、鱗を備える者があれば羽を持つ者もいる。角や尾の形状にも系統差が現れ、外見から出自の系統を判じる手法が確立された。肉体は連邦の諸種族のうち最も強靭であり、感覚器の鋭敏さは気圧と磁場の微細な変動を捉える。この感覚は環境の異変を先に察知する能力として働き、聖道巫術を修めた者は、その察知を予見の域まで高めた。気脈への感応は種族として強く、精気の循環は護族の身体とは別の経路を辿る。生殖の系統は護族とも転移者とも隔たり、両者との間に子は生じない。同系統の個体どうしの繁殖は可能ながら世代の交代は緩やかであり、人口の増加は他の種族に比べて鈍い。寿命は長く、飛来の当代を記憶する個体が現在も生きている。社会への編入は血縁を介さず、職と居住の登録によって進んだ。

その他の異種生命体

 連邦の版図には、護族の系統に転移者と妖魔を加えた集団のほかにも多様な異種生命体が暮らしている。開拓時代に各恒星域で遭遇した先住文明の末裔が定住を続けており、星間水域を通じて流入した生命体も社会の一角を占める。形態は二足歩行の型に収まらず、体表の構造や器官の配置は出自の環境ごとに隔たる。呼吸の組成や重力の耐性が連邦の標準環境と合わない種族については、居住区に個別の環境制御が施された。制御を要する区画の広さは種族ごとの人口に応じて定まり、規模の小さい種族は一つの街区の内側に暮らす。気脈への感応の有無も種族ごとに分かれ、感応を欠く種族は巫術の職域から離れた分野に就いてきた。音声器官を持たない種族との意思疎通は天華文字の書記によって成り立ち、筆談の様式が編入の過程で整えられている。来歴を問わずに職と居住を登録する方式は妖魔の編入から引き継がれ、そのまま適用された。

文化

 連邦の文化は、古典古代の開拓期から長い歳月をかけて民族と風土の交わりのなかで形づくられてきた。転移者に由来する漢字文化を源流とする天華文字が共通の書記体系として浸透しており、書道は各構成国で独自の様式を生んでいる。筆致そのものに霊力や美的価値が宿るとの見方が全土に根づき、儀式の巻物から取引の契約書に至るまで天華文字が用いられる。伝統工芸は各国の地理的条件と結びつき、鉱石や水晶を素材とする細工が交易品として流通してきた。金属と木材の加工にも国ごとの型があり、意匠の差は産地の判別の手がかりとなる。各国固有の祭礼が年間を通じて営まれる一方、連邦全土で祝われる天華星辰祭は星々と大地を繋ぐ儀式として広く親しまれている。


民族衣装

 連邦の民族衣装は共通の様式を基盤としながら、各構成国の風土と信仰が織り込まれた意匠を持つ。男性の装いは長袍を基調とし、刺繍には深紅と藍色が多く用いられ、金色の糸が縁を飾る。肩には龍の意匠が施され、宝石で装飾された冠を戴く場合もある。女性の装いは長袖のドレスを基調として裾に花の刺繍があしらわれ、紅色や紫色の配色に翡翠色が差し色として加わる。頭飾りのかんざしや髪のリボンが装いを整え、腰には金糸で編まれた帯を巻いて腰紐に御守りを携える慣習が共通して見られる。素材の選択には産地の条件が反映されており、草木の染めを用いる国では質朴な風合いが前に出る。火山由来の鉱物染料は深い色調を与え、金属糸を織り込む意匠がある一方、水晶を縫い付けた衣は透明感を帯びる。水流に臨む地域の衣装には撥水の加工が施される。戦士と巫師の装飾は他と別の型を採り、学者や職人の装いにも役割ごとの標識が組み込まれている。

*1

天華星辰祭

 天華星辰祭は天華の月に催される連邦全土の祭礼であり、五行の力の理論に沿った所作が全体の骨格を成す。祭りは星辰儀式の夕べに始まる。天華巫師が連邦の中心に位置する天華神殿に集い、五行の力を宿した巨大な霊石を用いて天空と大地の調和を祈る。巫師は五行の霊符を手にして古代から伝わる呪文を唱えながら、定められた順序の舞を踏んでいく。天華の月の初日に行われるのは星辰の灯籠流しであり、人々は願いを込めた灯籠を作って夜の川に流す。数万の灯籠が川面を埋め、水路に沿って下流へ動く光景が夜半まで続いた。中盤に開かれる天華武術大会には連邦中の武術家が集い、五行の力を駆使した技を披露し合う。勝者には五行の力を宿した特別な霊符が授与される。祭りの終盤を占めるのは星辰の夜の舞踏会であり、天華神殿の広場で巫師が星の光を反射する衣装をまとって舞を披露する。参加者も輪に加わって踊り、閉幕にあたって巫師が五行の力を結集させ、天空に結界を張る。

宗教

 連邦の公式宗教は、天地の調和と霊的成長を目的に据えた信仰体系であり、版図の全域に信者を持つ。


五原則

 五原則は、教義の規範を五つに分けた区分にあたる。順序は天道から信道まで定められており、霊社の課程も、この並びに沿って組まれてきた。
天道が求めるのは、星の運行に人の営みを合わせる姿勢であり、暦と祭祀の日取りは天体の周期に従って定まる。
大地と水の恵みを受ける側の作法を定めるのが地道であり、採り出した分に見合う戻しを人に負わせる。
人道の説くところは、力を得た者の分限である。分を量って恵みを渡すべきとの見方が根底にあり、命の授受をめぐる判断も、同じ原則に照らして下された。
霊道は霊格の向上を務めとして課し、穢れを溜め置いたまま日を送る暮らしを戒める。
人が自らの業を自らに負う立場に立った以上、誓約を守り通す責務が生じるとして、信道は最後に置かれた。
奉唱の次第は、五つの順序をなぞる形に整えられている。

教団

 教義を統括する大神官院を頂点として組織は階層をなし、巫師が修行を積む聖山院が、その下に置かれる。信者の参拝を受け持つのは、各地の霊社である。主要な儀式のうち自然の恵みに感謝する天地祭は春と秋に催され、霊的な成長を祈る霊祭では瞑想の行が営まれる。巫師が霊力を用いて予見や治療を行う巫祭も、年中行事に組み込まれている。日常の暮らしでは家族の絆と自然への敬意が重んじられ、庭に五行の調和を取り入れた工夫や、食事に先立つ感謝の祈りが習慣として根づいてきた。各構成国は共通の教義を受け継ぎながら、自国の五行の属性と結びついた儀礼を発達させている。収穫に先立つ祈りを軸に据える国があり、焔を媒介とした浄化の祷が年中行事の中心を占める国もある。水辺での瞑想を重んじる地域では、航海の安全を願う祷が、これに重なる。

主な信仰対象(神)

 連邦で崇敬を集める神格は三柱を数え、管掌する領域の別に応じて、各構成国の信仰の重心も分かれている。

天照玄霊大羅帝(てんしょうげんれいたいらてい)
 最高神は全宇宙の調和を司る神格であり、神話では天地創造の際に混沌を鎮めて秩序をもたらしたと伝えられる。星々の運行を支配する霊力は信者の心を清める働きを持ち、昼と夜の均衡を保つ存在として崇敬を集めてきた。天道の原則は、この神格の性質から引き出されており、五原則の筆頭に置かれる根拠も、そこにある。連邦の中心に位置する神殿には黄金の塔がそびえ、祭壇に安置された星の紋章を刻む聖石に触れることで参拝者は霊力を感得する。壁面には宇宙の歴史を描いた壁画が広がり、天地創造から神の沈黙に至る場面が下段から上段へ順に配された。毎年の祭りでは舞踊が奉納され、舞の所作は星の運行の周期に合わせて組まれる。祭祀を司る神官は大神官院から派遣され、儀礼の次第は朝麗政府の礼制を引き継いだ形式を保つ。参拝の作法は位階を問わず同一と定められており、この均一な扱いが天の下での平等を示す教義上の根拠として説かれてきた。霊耀金国における帰依は連邦のうちでも篤く、首都の霊耀大神宮が信仰の中枢に置かれている。

無限地護震雷根帝(むげんちごしんらいこんてい)
 大地と水流の力を司る神格については、巨大な岩を持ち上げて地震を鎮め、洪水を防ぐために大地を形作った神話が伝わる。山々を統べて大地の声を聞き取る存在とされており、農作物の豊穣を願う信仰が連邦各地に広がってきた。地道の原則は、この神格の性質を教義に組み込んだものであり、土地の改変に先立つ祈願の慣行を伴う。山岳地帯の中腹に築かれた石造りの神殿の周囲には雷の模様を刻んだ巨大な岩が立ち並び、信者は山を登って収穫を祈る。登拝の路には水を汲む泉が段ごとに置かれ、参拝者は各所で手を清めながら頂を目指す。神殿に納められる供物は、その年に収穫された穀物と、水源から汲み上げた水に限られてきた。地脈の変動を予見する巫術の術式も、この神格への祈願と結び付けて伝えられている。水羅公国と土鳴商国の帰依は篤く、水流と大地の力で民の暮らしを支えるという教義上の位置づけが、両国の信仰的自己認識の核に置かれている。

不滅炎煉獄浄焔神(ふめつえんれんごくじょうえんしん)
 火と浄化を象徴する神格は、天界の悪霊を鎮めて浄化の炎で世界を救ったとの伝説を持つ。悪を焼き払い清める力が信仰の中心にあり、戦時には信者を守護する存在として崇められてきた。霊道の原則が、この神格から引き出されており、穢れを祓う所作の一切は炎を媒介として組まれる。活火山の近くに建つ神殿は火山の熱に包まれ、内部に据えられた火焔の彫像の前で信者が祈りを捧げる。彫像の足元では絶やさぬよう火が守られ、火の管理は交代制の当番によって世代を越えて続いた。喪の作法にも炎が用いられ、遺族は火を分けて自宅の炉に移す慣行を保つ。焔晶に霊力を込める術式は、この神格への奉献の儀礼から派生したものであり、霊符の作製工程にも祈願の次第が組み込まれている。大炎帝国の帰依は連邦随一であり、焔を通じた浄化と再生の教義が帝国の霊的自己認識を形づくってきた。首都の大火神宮は信仰の中枢にあたり、帝国全土の浄化儀式は、ここを基点として営まれる。

政治

 連邦の統治機構は、行政の頂点に立つ環星羅府を軸として、立法と司法の系統を並べる形で組まれている。同府では当代皇将と七道将星の合議によって連邦全体の方針が定められ、行政長官の職にある者が七司の運営を統括して府内の連絡を差配する。七道将星は、それぞれ固有の司を率いて所管領域の政務を執り、戦時令が発令された場合には軍事の指揮権が発動して、平時の行政運営が司丞に委ねられる。同府の直下に置かれた五行評議会は、五行の振動原理に基づく領域横断の視点から七司の政策の均衡を図る。天華神殿を拠点とする巫政局は気脈の変動から将来の兆候を予見しており、同府に助言を提供する連邦独自の機関にあたる。立法を担う律民機関は律令殿と明律会から成り、律令殿が法案の起草と改正を引き受ける一方、明律会は市民の声を立法の過程に届ける。律令殿には同府の決定を差し戻す封駁権が与えられ、行政権の独走を牽制する仕組みが働いてきた。司法の系統は明鑑府を筆頭として天鑑寺が審理を重ね、糺明台が官人の非違を糺す。天華法典の解釈と適用は、この三者によって一元的に管理される。各構成国には地方主権が認められており、自国の内政に関する裁量を保ちながら、連邦全土に及ぶ天華法典が地方の法制の上位に置かれている。


七道将星

 七道将星は環星羅府において各司を率いる七人の最高執政官である。
平時には各司の長として所管領域の行政を統括し、有事には自らの軍事部門を直接指揮する。
『戈を把りて外寇を攘ひ、典を繙きて萬民を濟ふ。開祖の遺誡、千歳を經て猶ほ朽ちず』*2という建国以来の理念が、制度の根幹に置かれている。
将星の選出は各構成国の統治者や学術機関からの推薦を起点とし、同府内部の審査と投票を経て決まる。
当代皇将は将星の互選によって筆頭に立ち、合議を主宰しながら、意見が拮抗した際の最終裁定たる聖裁を下す権限を持つ。

龍衛大将(りゅうえいたいしょう)
 鎮邦司の長として内政と構成国間の調整を所管し、有事には陸上精鋭部隊の龍衛軍を率いる。
歩兵を主体とする編成に騎兵が加わり、国境の防衛と即応の展開にあたる。
現職は当代皇将を兼ねており、合議の主宰に専念する期間は、鎮邦司の日常の行政運営が司丞に委ねられる。

霊鳳提督(れいほうていとく)
 懐遠司が扱う外交と対外交渉を統括する立場にあり、有事には霊鳳艦隊の指揮を執る。
戦艦を中核として駆逐艦が随伴する編成が組まれ、潜航艦は星間水域の深部を哨戒する。
平時に積み上げた各国との経路が、海域の防衛における情勢判断の下地となってきた。

天雷元帥(てんらいげんすい)
 七司のうち平時から軍事の実務を直接管掌するのは衛戎司であり、その長にあたる天雷元帥が有事には天雷航空隊を統括する。
最新の戦闘機と爆撃機が空中優勢の確保にあてられ、輸送機の運用も同隊の管轄に入る。他の六将星の指揮部隊は、平時には同司の管理下で訓練と整備を受ける。

神機将軍(しんきしょうぐん)
 衡貨司の財政と交易規制を所管しながら、有事には神機特務隊を率いて敵背後への潜入を指揮する。
霊力と技術を組み合わせた手法が情報収集に用いられ、戦略拠点の破壊も同隊の任務に含まれる。
平時には連邦共通通貨の発行管理と予算の編成を統括しており、諜報の系統で培われた探知の技法が交易の不正の摘発に転用されている。

陸戦大将(りくせんたいしょう)
 恤民司の民政と医療を所管に置きながら、有事には陸軍全体を統括する。
歩兵と装甲部隊を指揮して地上戦に臨み、国土の堅守が任務の中心を占める。福祉制度の運営も平時の職掌にあり、戦時には司丞が後方支援と民間避難の指揮を引き継ぐ。

海戦大将(かいせんたいしょう)
 理域司の環境と星間水域の管理を所管する将星であり、有事には海軍全体を統括する。
戦艦と駆逐艦を率いて海上戦闘に臨み、潜航艦による哨戒が、これに加わる。平時の中核的な職務は星間水域の航路維持と天河機による玄流域の生成監督に置かれ、防衛と環境保全が一体で運用される。

空戦大将(くうせんたいしょう)
 典礼司の文化と教育の所管に加えて祭祀の主宰を引き受け、有事には空軍全体を統括する。
戦闘機と爆撃機に宇宙艦艇を加えた航空戦力を指揮し、連邦の空域と外縁の宇宙空間の防衛にあたる。平時には全土の祭礼の監督と教育制度の設計を進め、戦時下では司丞が情報発信と民心の安定を引き受ける。

経済

 連邦の経済は、農業と鉱業を土台としながら、巫術技術の産物と商業の収益が構成国ごとの分業によって組み合わされる構造を持つ。ユミル・イドゥアム連合帝国をはじめとする遠方の国々とは文明共立機構の管理のもとでB.N.S.ゲートを用いた貿易が行われており、長距離跳躍の系統が時空を隔てた交易路として連邦と共立世界を結んでいる。域内では穀物と木材が星間水域を経由して流通し、鉱石や霊符を積んだ船団も港湾都市群を中継して各国を巡る。聖道巫術を応用した土壌改良が農業生産を下支えしており、数千年に及んだ鎖国の間に築かれた自給の構造は開国の後も保たれてきた。域外への輸出は工芸品と巫術の産物に偏る傾向を持ち、医療機器や情報処理装置の多くは域内の流通に置かれている。巡礼と学術研究の周辺に育った無形の産業も各国の経済を潤す柱であり、交易の収益は教育や研究の基盤に再投資される。各国は連邦共通の電子貨幣を用いつつ地域単位の通貨を併用しており、地域ごとの経済的特色が通貨制度にも映る。

首都:羅雲鏡都
 羅雲鏡都は連邦の政庁と交易の座が重なる中心都市であり、層を成す高楼の間に反り屋根の殿舎が並ぶ景観を持つ。街区は南北の大路を軸として碁盤の目に区切られ、路の交わる四隅には方位を司る獣の彫像が据えられた。空を渡る索道が市街を縦に結び、地下の軌道と無人の車輌が周縁の居住区まで人を運ぶ。星間水域の港津が市の東縁に開かれており、域外からの使節や商団は、ここを入口として連邦に入る。中心街には五行の属性ごとに商いの座が分かれて立ち、金行の座では星辰貨の両替と貸付が扱われ、木行の座には器具と工芸の問屋が軒を連ねる。座の運営は組合の合議に委ねられ、取引の記録は天華文字で金属板に刻まれた。文物を収める館と絵画を掲げる楼が街区の要所に置かれ、伎楽の興行が年間を通じて催されるため、羅海への巡礼に立ち寄る者が周辺の宿を埋める。街区の間には園池が挟まれ、周辺の山々と川に沿って緑地が配された。緑の都の名は、この配置に由来する。

*3

ホテル:瑞福喜堂
 瑞福喜堂は羅雲鏡都に置かれた宿泊施設であり、吉祥を主題に据えた意匠が館内の各所を貫いている。入口のロビー区画では龍の彫刻が来館者を迎え、天井から吊られた燭光灯の下に伝統様式の家具が並ぶ。客室区画は階ごとに主題が分けられており、蓮華の間には香を焚く設えと生花の飾りが置かれる。竹苑の間は物音を抑えた造作を採り、月光の間では銀を用いた内装が室内の照度を整えている。餐館区画では域内の食材を用いた料理が供され、伝統の献立と現代風に組み替えた創作の品が並ぶ。庭園に面した庭庭餐庭の席では、外の植栽を眺めながらの食事が用意された。養生区画に設けられた温泉と按摩の施術は宿泊客の疲れを取る目的で組まれており、太極拳の講座も日課として開かれる。饗応と養生を一つの館に収めた構成は連邦の接遇の作法を反映しており、域外からの使節が滞在の拠点に選ぶ場面も重なってきた。

*4

交通

 連邦の交通は星間水域を基幹としており、宇宙空間に形づくられた水流によって惑星や宇宙ステーションが島々のように結ばれている。天河機が生成する玄流域が水流を支え、船舶は浮力を受けて航行する。各構成国は風土に合わせた帆船を運用しており、帆の色彩や船体の装飾は国ごとに分かれる。農産物を積んだ帆船が玄流域を行き交い、鉱石や工芸品の輸送も同じ航路に乗った。航海士は星間航行の専門家として遇され、航路ごとの水流の癖を記録に残す務めを負う。航行中の帆船を宇宙嵐が襲う場面もあり、熟練の操船技術が危険を切り抜ける支えとなる。星間水域の外では恒星船が恒星域の間を往復し、ホバーカーとシャトルの便が市民の日常の移動を支える。地上では各構成国が独自の輸送網を敷いており、森林を抱える恒星域には蒸気機関の鉄道が走る。火山帯の鉄道は地熱を動力に採り、海流に沿う路線は水力機関で駆動する。水晶増幅機を動力源とする高速交通網が敷設された恒星域があり、光力機関の光脈鉄道も、これに並ぶ。連邦全体の交通網はエネルギー効率を基準として運営され、消費の少ない移動手段が推奨されてきた。

星間水域

 星間水域は恒星域の間を結ぶ水流の網であり、連邦の版図を一つに繋ぐ基盤にあたる。玄流域に浮かんだ帆船が水の道を進む光景は、恒星の周囲を巡る大河を渡る形を取る。水流の中には浮遊性の宇宙生物が生息しており、傘状の体を持つ種が航行の傍らに姿を現す。特定の座標には古代の宇宙文明が残した遺跡が眠ると伝えられ、探索の対象となってきた。各航路には水流の変化を記した伝承が積み重なり、宇宙嵐を切り抜けた後の寄港地で次の世代に受け渡される。連邦の貿易船団は外部の星系から品々を運び、惑星間の経済的な結び付きを強めてきた。五行の理論において星間水域は水行の気脈が宇宙空間で物質化した大規模な現象にあたり、巫術の観点からも連邦の存立を支える要素に数えられる。

星間水域発生装置:『天河機』
 天河機は星間水域を生み出す装置であり、生体構造と機械部品を組み合わせた構造体として恒星域の要所に据えられている。中心部の核から放出される精気が水行の気脈を宇宙空間へ引き出し、玄流域の層を形づくる。層の厚みは核へ送り込む精気の量に応じて変わり、厚みが増すほど船体を支える浮力も強まる。周囲に張り出した多数の枝が水流の状態を測り、乱れの兆候を捉えたところで核への送気を絞って層を整える。枝の内側には気脈を通す管が走り、管の詰まりは玄流域の局所的な痩せとして水面に現れた。専門の技術者による定期の整備は公役として制度化されており、管の洗浄と核の精気の入れ替えが作業の中心を占める。整備の周期は玄流域の使用の頻度によって前後し、航路の要衝に据えられた装置ほど間隔は短い。連邦各地に置かれた複数の装置は互いの層を継ぎ合わせる形で稼働しており、一基が停止した場合には隣接する装置が送気を増して層の断絶を埋める。継ぎ目にあたる水域では流れの向きが乱れやすく、航海士は、この区間を避ける航路を選んできた。設計には玄羅の意匠が色濃く反映され、核を収める殿の外装には五行の紋様が刻まれている。

*5

特定星間水域:『羅海』
 羅海は連邦の星間水域のうち版図の中央を占める水域であり、天河機の生成した玄流域によって強い流れが保たれている。水域内には浮遊島が点在し、交易の拠点に用いられる島がある一方、遺跡を抱えた島は探索の対象となってきた。流れが急に巻く箇所では、航海士に精度の高い操船が求められる。発光性の宇宙生物が多く生息しており、夜間の水域は生物の発する光によって輪郭を得る。特殊な植物の存在も確認され、連邦の科学者による研究が進められている。浮遊島の構造物には玄羅の意匠が施され、寄港した船の乗員が滞在の拠点として用いる。羅海で執り行われる儀式は連邦の年中行事に組み込まれ、水域の保護は優先度の高い課題として専門の技術者に委ねられている。

*6

統治領域

 連邦の版図は十七の恒星域に区切られており、各域の帰属は構成国と連邦直轄の別によって定められている。

番号 恒星域 読み 語義 帰属
1 天岱恒星域 てんだいこうせいいき 天の高みに届く星域 霊耀金国
2 龍巍恒星域 りゅうぎこうせいいき 龍の威光が輝く星域 霊耀金国
3 玄珀恒星域 げんはくこうせいいき 玄武の輝きを持つ星域 霊耀金国
4 鳳襲恒星域 ほうしゅうこうせいいき 鳳凰が降り立つ星域 霊耀金国
5 黄彗恒星域 おうすいこうせいいき 黄龍の彗星が舞う星域 木華王国
6 白霧恒星域 びゃくむこうせいいき 白虎の霧が漂う星域 木華王国
7 蒼竜恒星域 そうりゅうこうせいいき 蒼竜の息吹が感じられる星域 木華王国
8 朱焔恒星域 しゅえんこうせいいき 朱雀の焔が燃える星域 木華王国
9 陽光恒星域 ようこうこうせいいき 陽の光が降り注ぐ星域 連邦直轄
10 紫影恒星域 しえいこうせいいき 紫の影が舞う星域 水羅公国
11 玉琳恒星域 ぎょくりんこうせいいき 玉のように麗しい星域 水羅公国
12 神燿恒星域 しんようこうせいいき 神々の光輝が宿る星域 水羅公国
13 金霞恒星域 きんかこうせいいき 金色の霞が広がる星域 水羅公国
14 天璇恒星域 てんせんこうせいいき 天の璇が導く星域 大炎帝国
15 瑞雲恒星域 ずいうんこうせいいき 瑞雲が漂う吉兆の星域 大炎帝国
16 白蓮恒星域 びゃくれんこうせいいき 白蓮が咲く浄土の星域 大炎帝国
17 天極恒星域 てんきょくこうせいいき 天の極みが象徴される星域 土鳴商国

構成国

 五つの構成国は、それぞれ立法と行政の系統を独自に備えており、恒星域の帰属に応じて産業の型も分かれている。

木華王国(5~8)

 木華王国は古典古代に建国され、四つの恒星域にまたがる版図を有する。連邦全体の食糧供給と工業素材の産出を引き受ける中核国であり、農業と林業に鉱業を加えた分野が経済の骨格を成す。肥沃な穀倉地帯では聖道巫術の地穣術が土壌の養分を精密に調整し、翠穣米をはじめとする農産物が安定して収穫されてきた。深い霧に包まれた森林帯からは銘木の白霧杉が産出され、山岳地帯の採掘場では鉄鉱石と銅鉱石に加えて翠玉が掘り出される。翠瓏覇殿を頂点とする立憲君主制のもと、翠王の碧葉悠蘭が国家元首の位に就き、緑相の楓嵐翔が行政の実務を統轄する。平和主義を国是とする方針から翠衛軍は防御に重点を置いた編成を採り、災害時の救助にも出動してきた。首都の緑葉市では農産物の市場と翠玉細工の工房が並び、街路に緑を織り込んだ都市設計が知られる。

大炎帝国(14~16)

 聖道巫術の起源を守り継ぐ霊的権威国が大炎帝国であり、三つの恒星域を版図とする。火山の轟く灼熱の大地に霊気の満ちた霊峰群が連なり、清澄な聖湖が、その間に横たわる。国土そのものが信仰と巫術の土壌となってきた。帝国で生み出された結界術と浄化術は連邦全体の霊的安定を根底から支え、焔晶に霊力を込めた焔霊符は霊的防護の用途で連邦各地から求められる主要な輸出品である。焔霊聖殿を頂点とする立憲君主制のもと、焔帝の紅焔祈が霊的指導者の位に立ち、焔相の焰嵐煌が行政の執行にあたる。白蓮恒星域で発生した霊的汚染を鎮めた暗焔の試練の経験は帝国の精神に深く刻まれ、霊的防衛を国家の根幹に据える確信を固めた。首都の炎都では赤い石造りの神殿群と近代的な建造物が火山の熱気のなかに並び立つ。

土鳴商国(17)

 天極恒星域ただ一つを版図としながら、土鳴商国は星間水域の交差点という地の利を活かした交易国家として立ってきた。古典古代の交易開拓期に初代商皇の鳴雲翔が港湾都市の建設を推し進めて以来、星間水流を駆ける船団と広大な港湾施設を基盤に富が積み上げられている。他の構成国が産出する穀物や木材の多くが、ここを経由して流通し、鉱石や霊符の輸送も同じ港湾に集まった。鳴商議殿を頂点とする立憲君主制のもと、商皇の碧鳴翔が経済的指導者の位に就き、商宰の銀涛凛が行政の実務を執行する。武力の行使を避けて交渉と経済的圧力で問題を処理する国柄であり、商才と外交手腕が国力の源泉に置かれる。星間水域の宇宙嵐が交易路を寸断した星濤の危機を乗り越えた経験は、船舶技術と危機対応の水準を押し上げる転機となった。首都の金鳴市は数百隻の船が同時に停泊できる港湾を擁し、物流の拠点として昼夜を問わず稼働している。

水羅公国(10~13)

 医療と情報の先端分野で連邦を牽引するのが水羅公国であり、四つの恒星域を統治する技術大国にあたる。透明度の高い星雲と静かに流れる星間水流に囲まれた国土を持ち、聖道巫術と科学技術の融合による成果を積み上げてきた。水晶の振動を利用して病変を修復する水癒機は連邦全域の難病治療に変革をもたらし、結晶構造を用いてデータを高速処理する水晶増幅機は星間通信基地にも採用されている。水聖評議会を頂点とする技術主導型公国制のもと、水聖宰相の氷月瑛が最高指導者の位に立ち、水鏡長の澄泉悠が行政の実務を引き受ける。紫影恒星域で星間水流が途絶えた危機に際して人工降雨装置の水晶雨機が開発された経緯は、環境技術の系統を新たに開く契機となっている。首都の藍水市では水晶の高層建造物と水路が組み合わされた景観が広がり、技術研究の中枢が置かれた。

霊耀金国(1~4)

 霊耀金国は連邦の恒星域のうち最初の四域を版図に収め、学問と芸術の双方で連邦を精神的に牽引してきた文化大国である。金色の星雲と悠久の歴史を刻む恒星群に囲まれた国土は、古典古代の建国以来、学術の蓄積と美の探求を国家の存在意義に据えている。金属に情報を永続的に刻む金刻術が学術と歴史保存の基盤を支え、金属の反射を利用して光を増幅する金耀増幅器は連邦の文化施設に広く採用された。金耀評議会を頂点とする評議会制のもと、金耀聖将の陽刃煌が学術の発展と文化の保護を統べ、金脈長の瑠璃峰嵐が行政の実務にあたる。連邦最古の高等教育機関である霊耀大学が首都に置かれ、連邦各地から学徒が集まる。天岱恒星域で発生した放射線嵐の金嵐危機に際しては金脈術による金耀結界が作り出され、学術と技術の結合が、ここから進んだ。首都の黄金都市には金属の高層建造物と光路が並び、文化交易の拠点として人の往来が絶えない。

テクノロジー

 連邦の技術は聖道巫術の理論を骨格に据え、五行の属性ごとに系統を分けて発達してきた。医の分野では気脈の滞りを患いの因と捉える見方が根底にあり、水行の術式で精気の流れを通し、木行の術式で損なわれた組織の再生を促す手順が広く用いられる。器具による診立てと巫師の手技は同じ現場で並び、脈の測定と霊符の運用が一つの処方に組み合わされた。動力の系統は各恒星域の地勢に沿って組まれており、火行の気脈が濃い域では地熱を、水行の気脈が通う域では水流を源とする。恒星群に近い域では光を受けて精気に転じる機構が据えられ、恒星から遠ざかるほど地下の熱に頼る配置へ移る。転移者がもたらした知見は精気の流れを目に映す計測の器具を生み、術式の効き目を数として比べる道を開いた。修行の年季に頼っていた継承は、これによって図と数の記録へ移されている。空間を扱う系統も同じ理論の延長に置かれ、居住域の内側に容積を繰り込む手法が実用の段階に入った。


倫理

 連邦において生と死の境は、精気が身体に留まるか散じるかの一点で引かれる。玄陽真道は散逸を天の理として説き、これを押し留める行いは理への抗いにあたるとした。永生の術と魂の移送は、その抗いを二つの方向に分けたものである。前者は精気を身体の内側に閉じ込め、後者は散じかけた精気を結晶に捕らえる。教義は、いずれも人の側が天の裁量へ手を伸ばす行いと見なしながら、抗いそのものを罪とする立場は採らなかった。霊的成長を教義の目的に据える以上、成長の途上で寿命が尽きる者を救う手立てを否定できないためである。連邦はここに線を引き、抗いを認める代わりに、抗った者が天の理に戻る道を残す方式を選んだ。永生者の環はいつでも解くことができ、庫に安置された魂も遺族の申し出によって散じさせられる。不可逆の術式を禁じる原則は天華法典に書き込まれており、施術の資格が天華巫師の位を得た者に限られる根拠も、この原則から引き出されている。

永生の術

 連邦における不老不死の概念は、気脈の循環を身体の内側に閉じ込める発想から組み立てられている。永生の術は聖道巫術の五行の理論を人体に適用したものであり、精気の巡りを外界の気脈と切り離して自律の環に組み替える工程を核とする。老化は、精気が体外へ散逸して補充が追いつかなくなる過程として捉えられた。術式は散逸の経路を封じ、体内に残る精気を循環させ続ける形を取る。環の維持には五行の均衡が要り、木の気が細胞の再生を促し、火の気が老廃の焼却を担う。土の気が形の保持を受け持ち、金と水の気が精製と流動によって環の目詰まりを解く。均衡の崩れは特定の属性の偏りとして現れ、木に偏れば組織の過剰な増殖が、火に偏れば精気の消耗が進む。施術者は霊符を媒介として偏りを測り、崩れの兆候に応じて属性ごとの補正を加えていく。補正は一度で完結せず、循環の周期に合わせて繰り返し施される。永生者の身体は外界の気脈との交流を絶っているため、恒星域ごとの気脈の差から受ける影響を免れる一方、術者の手を離れた環は数年のうちに解ける。連邦の医学は、これを気脈の滞留として扱い、術式の適用範囲を体内の環が保てる限度まで細目に規定してきた。数世紀を経た永生者に見られる記憶の層の重なりも、環の内側で精気が同じ経路を巡り続けた結果として説明される。

魂の管理

 永生の適用外に置かれた市民層にとって、魂の処遇は重大な課題である。連邦政府は魂の永続的な保存を目的として、魂の庫を各地に設置してきた。霊的エネルギーフィールドである玄流域によって庫内の環境が維持されており、魂が安定して存在できる条件が保たれている。庫の立地は天河機の稼働域に沿って選ばれ、玄流域の密度が薄れる恒星域では独立した発生装置が併設された。保存には水行の性質を帯びた結晶が用いられ、格子構造が精気の振動を捕捉することで長期の保護が成り立つ。結晶は五行の属性ごとに調合が分かれており、故人の気脈の適性に応じて選定される。市民が亡くなる際には専門の儀式を通じて魂が結晶に移され、庫に安置される。移送の術式は霊符隠厳法の応用にあたり、天華巫師の立ち会いが手続きの要件として定められた。庫では定期の祭礼が催され、遺族が故人を偲ぶ機会が設けられてきた。安置された魂は問い掛けに応じないため、対話の可否を巡る議論は学術の府で今なお続いている。永生の術との関係についても解釈は割れており、体内に環を閉じる道と魂を結晶へ移す道のいずれが玄陽真道の説く霊的成長に適うかは、教義の側で決着を見ていない。厳重な管理体制が敷かれ、魂の不正な持ち出しを防ぐ仕組みが働いている。

聖道巫術

 聖道巫術は星間空間に遍在する気脈のエネルギーを五行の理論に基づいて操る、連邦独自の技術体系である。熟練の巫師である天華巫師が代々の伝承を引き受けており、宗教儀式から医療の現場まで幅広い場面に術式が浸透してきた。巫師は修行を通じて体内に精気を蓄え、気脈と共鳴させることで五行の力を引き出す。呪符や護符は共鳴を安定させて増幅するための道具であり、符文の形状と素材の取り合わせが術式の効果を規定する。霊符隠厳法は特定の符文を媒介として精気を気脈に共鳴させ、霊力を具現化する代表的な術式にあたる。五行の各属性は巫師の適性や流派によって得手が分かれ、木が生命の伝達と増殖を、火が変換と放出を司る。土は凝集と安定の原理を受け持ち、金の分離と精製、水の流動と浸透が、これに続く。各構成国の風土に根差した流派が発達しており、天顕幽玄流は五行の均衡を重視する正統の修行体系を持つ。焔鬼琉が火の属性に特化する一方、翠鳳瑛琉は木の属性を中核に据えた術式を編んだ。土神崇流は凝集の原理を極め、金煌清琉の分離と精製、水晶玲琉の流動と浸透が、それぞれの技法の軸を成す。古典古代に素朴な自然操作の技法として始まった巫術は、幾世紀もの研鑽と転移者の科学的知見との融合を経て、再現可能な技術体系の地位を確立している。

主なメディア

 連邦の情報伝達は、府の公認を受けた通信機関と民間の報道機関が並ぶ体制のもとで行われ、地方の媒体が、その下に層を成す。
電子の媒体が浸透したことで情報の伝わる速さは増し、市民の間の意見の交換は若い世代を中心に活発となった。
連邦各地の地方媒体は地域に密着した報道を続けており、構成国の行政と連携しながら地元の事象を伝えている。

星辰ニュースネットワーク(SNN)
 星辰ニュースネットワークは連邦最大の報道機関であり、電波と電子の媒体を通じて日々の報道を展開している。開局は共立公暦650年の通交再開に前後する時期にあたり、域外の情勢を市民に伝える必要から編成が組まれた。取材の網は五つの構成国と直轄域に及び、各恒星域に置かれた支局が地域の事象を本社へ送る。星間水域を隔てた通信には遅延が生じるため、速報は寄港する船の携える記録に頼る場面も残った。印刷媒体の発行は開局の当初から続いており、天華文字の書体を保つ紙面は年配の読者に読み継がれている。報道の方針は府から独立して定められ、政策への批判を紙面に載せた事例も重ねられてきた。この姿勢が市民からの信頼を支える柱となり、購読の規模は連邦の媒体のうち最大に達している。開国後の湧羅戦争を巡る報道では、府の発表と現地の取材を並べて掲げる方式が採られた。

連邦通信社
 連邦通信社は府の公認を受けた情報通信機関であり、政策に関する公式の発表を扱う。環星羅府の各司から送られる決定の文面を整えて配信する職掌を持ち、他の媒体は、ここから受けた内容を自社の報道に組み込む。配信の文体は天華法典の用語に沿って定められており、解釈の幅を狭める書き方が原則とされてきた。公式行事の取材も同社の職掌に入り、祭祀の次第や将星の就任の記録は、この系統を通じて残される。府の決定に至る審議の経過については、律令殿の同意を得た範囲でのみ公表が認められた。開国以前は域内の布告を伝える機関として朝麗政府の局を引き継ぎ、通交の再開に伴って域外への発信も担うようになっている。加盟の交渉に関する記録の多くは、同社の配信を通じて現在に伝わった。

天華文化放送(TCB)
 天華文化放送は文化を専門に扱う媒体であり、伝統の芸能と美術を紹介する番組を制作している。舞台の興行を中継する編成が編成表の中心を占め、伎楽や舞の演目は演者の名を添えて記録に残された。制作の過程では典礼司の監修が入り、祭礼を扱う番組では次第の誤りを避ける手順が組まれている。連邦の歴史を主題とする長編の制作も続いており、内乱期の記録を扱った番組では、伝本ごとに食い違う記述を並べて示す構成が採られた。天華文字の書体や巫術の流派を扱う教養の番組は、学術の府の協力を得て編まれる。域外への輸出も進み、工芸と巫術を主題とする番組は連邦の産品を知る手掛かりとして各国で視聴されてきた。文化遺産を次の世代へ伝える役割は、開局の趣意書に書き込まれている。

外交

 連邦の外交は平和共存を基軸に据えており、経済と文化の両面で対外関係が組み立てられてきた。B.N.S.ゲートを通じた遠方との通商協定の締結が交渉の主要な議題を占め、星間水域の航路上で遭遇する外部勢力との関係管理も、同じ系統の実務に属する。相互尊重の原則に基づく対話が推進され、定期の首脳会談への参加を通じて地域の紛争予防に関与してきた。経済の面では貿易関係の強化と技術の共同研究が連携の軸に置かれ、産業の裾野を広げる取り組みが続いている。公正な交易環境の整備は貿易協定の積み重ねによって進み、工芸品や巫術の産物を介した経済的紐帯が国際的な信頼の下地に置かれた。文化の面では留学生の受け入れによる学術網の構築が進み、文明の間の理解を深める交流の場が各国との間に設けられている。


軍事

 連邦の軍事は、中央の統合軍を核として各構成国の軍が層を成す編成を採り、指揮の系統は平時と戦時で切り替わる。

連邦中央軍

 連邦中央軍は連邦全体の防衛のために設立された統合軍であり、環星羅府が最高司令部として軍事戦略を統括する。平時の常備軍の運営は衛戎司を率いる天雷元帥が一括して管理しており、部隊の訓練と装備の維持は同司の職掌に含まれる。防衛計画の策定も、ここで進められる。戦時令の発令に伴い、七道将星はそれぞれの指揮部隊を率いて作戦に臨み、戦況に応じた編成の組み替えが行われる。中央軍は構成国軍の支援を受けて活動し、危機の規模に応じた共同対処が協定によって定められてきた。各構成国は中央軍から独立した構成国軍を保有しており、国土の防衛と災害対応が、その任務にあたる。中央軍の戦力は、次の規模で構成される。

部隊 規模
歩兵部隊 3000万人
騎兵部隊 1000万騎
弓兵部隊 1500万人
戦艦 100隻
駆逐艦 1000隻
潜航艦 300隻
戦闘機 100万機
爆撃機 10万機
輸送機 5万機
特殊部隊員 50万人


関連記事

タグ:

国家
最終更新:2026年09月01日 16:42

*1 作:PixAI

*2 武器を手に取って外敵を退け、書物を紐解いて万民を救う。建国の祖が遺した戒めは千年を経てなお生きている。

*3 作:PixAI

*4 作:PixAI

*5 作:PixAI

*6 作:Microsoft Copilot