秦明 - (2011/01/03 (月) 13:03:15) の編集履歴(バックアップ)
四川開州の出身(異説有り)である秦明は、青州に赴任しそこの軍の総司令にまでなった。ある時、清風塞という軍事基地の副長官・花栄が山賊に通じたため、部下の黄信が山賊の首領諸共捕らえ、青州まで護送しようとしたが、途中清風山の山賊たちに奪われてしまった。秦明は兵500人と共に山賊討伐のために出陣。清風山に秦明が布陣すると、明け方、花栄が山賊の一隊を率いて降りてきた。秦明は、軍人でありながら山賊に身を落とした花栄の姿を見ると、激昂し打ちかかっていった。勝負の着く前に花栄が逃げ出したため、秦明は追撃するが、山道で木石やら糞尿やらを浴びせられ部隊は混乱。さらに山賊たちの挑発に翻弄されて山の中を駆けずり回らされた挙句火攻めに遭い、川の近くへ逃れた所、山賊たちは上流で堰を切ったため、部下達の殆どは溺死してしまい、秦明も捕らえられてしまった。
山塞に連行された秦明だったが、すぐに縄目を解かれる。ここで花栄から、黄信が捕らえた山賊の首領は、実は宋江という名高い好漢で、花栄達の罪は全て劉高夫妻のでっち挙げだったと知り、秦明は宋江と花栄に自らの不明を詫びた。ここで宋江と花栄は、秦明に自分達の仲間になってもらいたいと申し出るが、軍人たることに誇りを持つ秦明はそれを拒否し青州に戻ることにした。あくる日、秦明が一騎で青州に戻ると、城門は堅く閉じられ、しかも衛兵達が自分に矢を放ってきた。なにがなんだかわからないでいると知事の慕容彦達が城壁から顔を出し、「山賊と内通して近隣の村を襲ったくせに、どの面下げて戻ってきた、もうお前の一族郎党は皆殺しにしてやった」と秦明の妻の首を竿からかかげた。自分に身に覚えのないことで妻を殺された秦明は激怒したがどうすることもできず、仕方なしに清風山に戻った。
宋江と花栄にことの次第を話すと、実は、青州を襲撃した秦明は山賊が化けた偽者で、秦明を仲間に入れるため宋江と花栄が仕組んだということが解った。秦明は激怒するが、二人が誠心誠意詫びるのと、今更どうしようもないので仕方なく仲間に入った(二次創作、少年向けの訳などでは、この宋江たちのやり方が余りに汚いということで、単に山賊に敗れた秦明に知事が苛烈な罰を与えた、また内通を邪推したと改変される場合が多い)。また直後、やもめになった秦明のために、宋江のとりなしで花栄の妹を娶ることになった。この後、秦明はさらに黄信を説得して仲間に加え、宋江たちが清風山を去るのに伴って梁山泊に合流した。
梁山泊では軍の中心の一人として活動、祝家荘との戦いでは祝竜を討ち破り、祝家荘中最強の欒廷玉とも互角以上に戦うが、彼の誘引の計にかかり捕虜になってしまう。続く高唐州の戦いでは敵の次鋒を瞬殺、さらに呼延灼との戦いでは敵将韓滔を圧倒し、因縁の青州攻めには真っ先に従軍を希望、妻の仇慕容彦達を討ち取った。北京攻めでは似たような性格の敵索超と互角の勝負を演じた。第二次曾頭市戦では晁蓋の仇史文恭と戦うが、敵の方が上手で太股に重傷を負い敗北、以後しばらく養生のため戦線を離れた。百八星集結後は騎兵五虎将の一人に任命される。朝廷への帰順は肯定派だったようで、特に不満は漏らしていない。朝廷へ帰順した後も主に騎兵先鋒として活躍、数々の敵将を討ち取る。方臘との最終決戦の前哨戦で、方臘の甥方杰と戦いこれも圧倒するが、別の敵将杜微が飛刀を放ち、これをかわした所に隙が生まれ、方天戟を浴びて斃れた。