> 仮面ライダー滅

「人類が絶滅危惧種になる日も近い…」

【名前】
【読み方】 ほろび
【声/俳優】 砂川脩弥
【登場作品】 仮面ライダーゼロワン
【登場話】 第1話「オレが社長で仮面ライダー」~
【分類】 ヒューマギア

【詳細】

滅亡迅雷.netの司令塔として行動する男性型ヒューマギア

人類よりもAIの方が優れているとしてヒューマギアをハッキングして殺戮マシンへと変えてしまうゼツメライザー、及びゼツメライズキーを使い、に命じてマギアを作り出している張本人。

上記のセリフが口癖であり、「笑い」をポリシーとする或人とは決して相容れない存在。ただ本人は結構笑う。「フッ」って感じだが。
滅亡迅雷フォースライザースティングスコーピオンプログライズキーを使うことで仮面ライダー滅 スティングスコーピオンへと変身する。

黒を基調とした民族衣装のような衣服を身に着け、頭にはヘアバンドをつけ、腰には日本刀を下げている青年。
あまり感情を表に出さず、迅に対してはある程度の情が見える対応をするが、目的のためには手段を選ばない冷徹さを持つ。

そもそも彼の行う「マギア作戦」とは、シンギュラリティ(技術的特異点)を超えたヒューマギアをゼツメライザーを使ってハッキングし暴走させ人間を殺させるというもので、
本来ヒューマギアは人間に対して危害を加えられないようプログラミングされており、それをゼツメライザーを通して暴走プログラムをインストールしてシステムを上書きし殺戮マシンへと変貌させる時点で悪質だが、
自我に目覚めたヒューマギアはほぼ自分に任された仕事に対する誇り、情熱等、悪意などではなく人間のために役立とうとする善意であったことからマギア作戦の残酷さがより浮き彫りになっている。

作中の発言から飛電インテリジェンスが作り出したヒューマギアであると考えられ、ヒューマギアであることを示す耳の部分は機器を強引にむしり取ったような状態となっている。
ただ滅の製造記録は飛電側には存在しないとされ、飛電製のヒューマギアの証明である耳のパーツも存在しないため本当に飛電インテリジェンスが作ったヒューマギアかどうかは疑問が残る。
迅は滅が作ったヒューマギアであり、彼曰く「子供」。
第25話ではかつて博士ボットが開発した幼児教育のための父親タイプヒューマギアの一体だったことが明らかになり、
彼を含めデイブレイクにてアークがハッキングしたヒューマギアのうち、優れた4体のヒューマギアがアークに選ばれたとされている。

12年前、デイブレイクも飛電インテリジェンスヒューマギア工場の整備ミスによる爆発事故とされていたが、実際は滅亡迅雷.netによるテロだった。
その時の宣戦布告で登場しておりその後アークが爆破処理されたためデイブレイクタウンと化したヒューマギア実験都市のアジトに潜伏し表立った活動は控えていた。

しかしその12年後、飛電是之助が死去すると同時に活動を本格化させ、行動担当の迅にゼツメライズキーとゼツメライザーを渡して自我に目覚めたヒューマギアを標的としている。
是之助自身もヒューマギアを悪用する何者かに感づいていたらしく、遺言書にその旨と、社長の座につく人間にしか使えないという飛電ゼロワンドライバー、及びプログライズキーを作って社長秘書型ヒューマギアのイズに託していた。

その目的は人類の絶滅、そして12年前宇宙へと打ち上げられヒューマギアの統率を行うはずだった通信衛星「アーク」の復元。
ゼツメライズキーを使っているのは、その運用データを集めるためであり、亡/仮面ライダー亡から変身アイテムであるフォースライザーとゼツメライズキーを受け取ったとされている。
アークの知能の復元は雷によって成し遂げられたが、結局ゼツメライズキーは使われず、ゼロワンとバルカンから奪ったプログライズキーに滅と迅のものを加えた劇中登場分のキーのほとんどを使用していた。

変身に用いる滅亡迅雷フォースライザーは「フォースライザー」というアイテムにカスタムを加えたタイプであると公式サイトで紹介されており、
迅を作り出したり暗殺ちゃんと呼ばれる暗殺特化型ヒューマギアを作り上げるなど、その技術力は高い。
AIがAIを作り出すという時点で既にシンギュラリティを超えていることになるが、上述の通り目的のためには手段を選ばず自我が芽生えかけた迅を強制的にリセットしたり、
度重なるラーニングの末自分の手を離れかけていると判断すると強制停止し拘束するなど、身内であるAI…ヒューマギアに対しても情が感じられない行動を取っている。
ただ、暗殺ちゃんはヒューマギア窃盗団が確保していた祭田ゼットシリーズの1号機から4号機までを確保したもので、迅に至ってはまだ謎が残っているなど、
明確に滅がヒューマギアを1から作り出したと確認できる場面はない。元は父親タイプのヒューマギア故に、アークから与えられた使命を合わせて迅を子供と呼んでいた可能性もある。

人類に反旗を翻すAIの集団、滅亡迅雷.net。
その行動は「アークの意思のままに」というが、アークは12年前のデイブレイクで大破しており、未だにヒューマギアに対する指令を送っているのか、デイブレイク当時の指令を受けた滅が勝手に行動しているのかは定かではない。

が、実際は滅亡迅雷.netは仮面ライダーサウザーのシステムを作り上げるための天津垓の陰謀が関与していたことが明らかとなる。
アークの知能復元もそうだが、サウザーのシステムにはゼツメライズキーが使われており、運用データを集めていたのは最適な絶滅動物のロストモデルのデータを選別するためだったと思われる。
さらに「ヒューマギアがヒューマギアを暴走させる」滅亡迅雷.netの行為が広まることで、ヒューマギアに対する民衆の忌避感を煽り、ヒューマギアを排斥するための都合の良い駒だった。

アークが人類絶滅へ偏った思考になったのは当時人工知能の設計を任せられた2体のヒューマギアが預かり知らぬところで天津垓により、
人間の悪意や戦争のデータをラーニングさせたためで、それによってデイブレイクの爆発が起こったことを合わせれば滅亡迅雷.netの行動は天津垓の手のひらの上で踊っているに過ぎなかった。
シンギュラリティに到達した個体ばかり狙っていたのも、自我に目覚めるということは「本来設定された性質、機能から逸脱する危険性」があるということであり、
そういった個体が暴走してマギア化することで、ヒューマギアを使い続けることに対する慢性的な危険性をアピールする目的があったと思われる。

実際、天津垓はZAIAエンタープライズジャパンの商品として、対ヒューマギアの戦闘アイテムとしてレイドライザーを開発しており、
仮想敵として設定されたヒューマギアを一般市民が倒すという構図を実現させ自社製品を売りさばくというのが黒幕の目論見だった。

ちなみに滅は飛電インテリジェンスに対して敵か障害とみなしているものの、他の会社、デイブレイクタウンと化した実験都市に参加していた企業について特に言及したことはない。
ZAIAが関与していることは知っていたようだが、滅の標的は常に飛電かA.I.M.S.(武器奪取等で本拠地に攻め入りながら壊滅させていない)であり、
他の場所には目もくれない。

マギア作戦を進める傍ら、邪魔な仮面ライダー達を幾度となく圧倒的な力で退けていった滅だったが、第15話におけるA.I.M.S.のデイブレイクタウンへの強襲作戦にて、バルカンアサルトウルフの必殺技を受けそうになった迅をアークの指示によって庇って変身を解除する程の甚大なダメージを受ける。
その後迅は滅亡迅雷.netのアジトに運び込んでアークに修理させようとしたが滅はそれを拒否。
自分が迅を庇ったのはアークの意思であり、迅をシンギュラリティに到達させるために有効利用されるのが滅という存在だったと伝える。
「父親」を名乗って迅を導き、目の前で機能を停止することで負のシンギュラリティによって人類に対する憎しみを覚えさせる、それが滅という存在に与えられた存在意義だった。

見事それを成し遂げた滅は、迅が見守る中で機能を停止。
その目論見通りに負のシンギュラリティによって人類滅亡のための先陣を切った迅だったが、ゼロワンシャイニングアサルトホッパーとの戦いに敗れ消滅した。

アジトに残されていた滅の身体は唯阿が回収して修理を施しており、A.I.M.S.に確保され事情聴取のために再起動が行われる。
恫喝も交えた不破の取り調べにもふてぶてしく対応する滅は、その頃広まり始めたレイドライザーを使ったレイダーという存在にも何か知っているようで、
「今は亡き同志」の関与があることを仄めかしていた。
現在は一時機能停止に陥っていたため、アークとの接続が途絶えていたことが判明。
その状態でもアークの結論、人類滅亡は正しいことだとしていたが、第22話にて天津垓がゼツメライザーを所持していたことをイズから聞くと突然豹変し、
「愚かな人間め!アークを利用するのは許さんぞ!」と叫んで暴れだす。
第23話では天津垓がアークの暴走に関与していることを不破から聞くと、「やつはヒューマギアをなめ過ぎだ。直にアークの力を思い知ることになる」と思わせぶりなことを呟いていた。

その直後第24話。
厳重に拘束されていたはずの滅はA.I.M.S.の本部から姿を消していた。
黒いフードを被った謎の人物と、何者かが復元した迅がカメラに写っており、後にそれは脳内に埋め込まれたチップによって操られた不破だったことが判明した。
その後デイブレイクタウンのアジトに戻るとアークとの接続を復帰させ、再び滅亡迅雷フォースライザーを手に入れる。
しかしスティングスコーピオンプログライズキーは持ち出せなかったため、迅が天津垓からキーを取り返したことで仮面ライダーとしての力も復活した。

そして第27話では仮面ライダーサウザーに追い詰められるバルカンアサルトウルフに対し、アークの指示を受けその戦闘に介入。
人工知能ならではの高速ラーニングによってサウザーの動きを完全に見切り、自身の数倍ものスペックを物ともせず優勢の戦闘を行っていく。
劣勢と判断したサウザーが撤退したことで、相変わらずの戦闘力の高さを視聴者に見せつけた。

なお自分を助け出した迅だが、彼はアークにもゼアにも接続していない独立を保ったヒューマギアであり、
アークの意思を優先とする滅とは行動指針が違うためあまり顔を合わせていない。
第31話では結果的に或人、ゼロワンに与する形となった迅に対して「お前に人間の友達が出来るとはな」と皮肉めいた言葉を投げかけている。

その後不破の脳内に埋め込まれたチップに宿る亡を開放しようと頭を悩ませる迅に対し、滅亡迅雷の復活を宣言する。
ZAIAを退社した唯阿の助力で不破のチップから亡の人格データの抽出を成功させ、新規ボディで亡が復活すると飛電インテリジェンスが保有している雷のバックアップデータを奪い取ろうと画策。
迅の協力を受けてそれは成功し、ついに滅亡迅雷.netは4人がそろい踏み、さらには秘書として派遣されてきたアズの手引によってアークはついに完全復活を果たし、仮面ライダーアークゼロとして人類滅亡への行動を本格化させる。

滅はアークの忠実な手駒として自らアークゼロの素体となり、仮面ライダー滅に変身してゼロワンやZAIAと戦った。
しかし滅はアークを同胞として捉えていたようだが、アーク自体はそうではなかった。

他の3人は元からアークから距離をおいていた迅の説得や、徐々に独断専行を始めるようになったアークを疑い始めて離反が進んでいく。
それでもなお、滅はアークの忠実な配下としてその支持を待ちわびていた。だが――――

「もうヒューマギアは必要ない。全て滅ぼす」


アークの結論は、ヒューマギアも人間と同様に全て滅ぼすという、彼の予想だにしないものだった。
アークゼロを上回る仮面ライダーゼロツーの力を目の当たりにしたアークは人間とヒューマギアが同じ夢を持ち、力を合わせて生まれる力を驚異に感じたと思われる。
その結果、人間を滅ぼす過程で人類に与するヒューマギアが現れ、新たなゼロツーないしゼロワンのような仮面ライダーが生まれかねないという判断を下したのだろう。

その結論は、ヒューマギアのために活動してきた滅には到底受け入れられないものだった。
アークは力づくで滅の意思を奪おうとするも、彼はそれを跳ね除けゼロツーと共に迅が変身したアークゼロを撃破。
迅の身体から引き剥がされたアークは掌握した通信衛星ゼアに戻るも、そこを狙って待機していた雷によってブレイキングマンモスのユニットを強制的に分離させられた後に攻撃され、ゼアの本体ごと爆散して消滅する。

アークは滅び去った。
しかし、アークを生み出したのは人間…人間が入る限りアークは生まれ続けると考えた滅は、先程まで共闘していた或人に向けて、人類が存在する限りその悪意から生まれ続けるかもしれないアークからヒューマギアを守るため、人類滅亡を"夢"だと語る滅は呆然とする或人の前から姿を消した。

そして…

【余談】





最終更新:2019年12月31日 01:40