女児ズ短編小説・シチュエーション編
Situation01.『音羽 初/朝の当番』
あなたは、青空小に最近通い始めた転校生。遅刻しないよう早めに家を出たつもりが、逆に早すぎて時間を持て余すことに。そんな時、あなたの前に現れたのは、同じクラスの音羽 初だった。
「..........あっ、おーい!」
「おはよう、◯◯。まだ8時前なのに早いね?」
「....あー、たまにあるよね。ちょっと出る時間早すぎたなーって思うこと。ま、たまには良いんじゃない?せっかく朝から天気も良いんだしさ。」
「私?実は今日当番でさ、皆が来る前に掃除とか色々と済ませなきゃいけないんだ。」
「あはは、まあ仕方ないよ。当番っていうのは忙しいものだから。クラスの皆が気持ちよく過ごせるように、今日は一日頑張らないとね。」
「......え?手伝う?良いよ良いよ、私の仕事なんだし。........本当に良いの?ごめんね、ありがとう。」
「ううん、余計なお世話なんかじゃないよ。気遣ってくれて凄く嬉しい。よし、そうと決まれば早く学校に行こう。」
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「.....まだ誰も来てないみたいだね。とりあえず、まずは窓開けて換気しようか。」
「それにしても......いつも賑やかな教室がしーんとしてるとさ、何となく不思議な気持ちにならない?........そうそう、なんか変な感じ。」
「....よし、じゃあ私が箒で床掃くから、君はその間黒板を水拭きしてくれる?その後はちり取り持っててもらうから、ゴミが溜まったらまた呼ぶよ。」
「あはは、確かに効率的だね。今日は君と二人でやってるけど、いつも当番の人は一人で全部やってるわけだし。」
「....今までも当番したこと?あるよ、一回か二回くらい。君は.....そっか、転校してきたばっかりだもんね。じゃあ、今日はその練習も兼ねて掃除してみるのも良いかも。」
「大丈夫大丈夫、流れさえ分かってればそんなに難しい仕事じゃないよ。もし困ったことがあったら、遠慮せずクラスの人達に相談すれば助けてくれるしさ。」
「........そうだね、本当に良いクラスだと思う。私も元々転校生だから、最初は皆に沢山助けてもらったんだ。」
「あれ、そんなに意外?実は私も、少し前まで今の君と同じだったんだよ。.....でも、クラスの皆が優しくしてくれたから、私は今こうやって楽しく過ごせてる。だから、次は私の番だなって思ってるんだ。」
「皆が私にしてくれたように.....私も、君の不安とか、悩みとか、そういうのを少しずつでも軽くしていきたい。私が君の力になれるなら、どんなことでも手伝うよ。」
「.....今ので少し不安が解けた?ふふ、それなら良かった。遠慮しなくて良いからね、私達はもう同じクラスの仲間なんだからさ。」
「うん、どう致しまして。さ、そろそろ皆が来る頃だし、掃除はこの辺で切り上げて次の仕事に...........」
「.........え、今日一日手伝っても良いか....って?勿論、君がそうしたいって言うなら私も止めないよ。」
「こちらこそ、本当にありがとう。凄く助かるし.....何より、今日一日で君との仲が深まるって思うと何だか嬉しくなるよ。」
「ふふ、じゃあ行こっか。次は昨日の宿題プリントを職員室まで取りに行く仕事だよ。」
「うん、今日は一日、一緒に頑張ろう!」
FIN.