USエージェント(U.S.Agent) / ジョナサン・F・”ジョン”・ウォーカー(Jonathan F. "John" Walker)

(キャラクター、マーベル

初出:Captain America #323(1986年11月)
種族:強化された人間、男性、地球人、アメリカ人
旧コードネーム:スーパー・パトリオットキャプテン・アメリカ

概要

元軍人のヒーロー。
キャプテン・アメリカの偽物呼ばわりされることが多いが、実際に一時期キャプテン・アメリカとして活動していた。キャプテン・アメリカ(スティーブ)より右翼的、粗暴な人物とされる。
過去にはウエストコースト・アベンジャーズフォース・ワークスサンダーボルツオメガ・フライトなどに所属していた。

経歴

オリジン

ジョージア州カスターズグローブ生まれ。
米陸軍のヘリコプターパイロットの兄マイクを持ち、火事の際に彼によって命を救われて以来、彼を英雄視して育った*1。その後兄は自ら命を絶ったが、ジョンは戦争で亡くなったものと聞かされていた。

スーパー・パトリオット

崇拝する兄に近づくべく米陸軍に入隊し、基地で働いた彼は名誉除隊後、UCWFの選手になるべくパワー・ブローカーの元で強化措置を受けた。
が、その頃出会った後の彼のマネージャー、イーサン・サームに説得され、プロレスラーでなくキャプテン・アメリカに代わる新世代の愛国的ヒーロー「スーパー・パトリオット」としてデビュー。
各地での集会や「バッキーズ」を名乗る過激派との戦い(実はパフォーマンス)などを通して、キャプテン・アメリカを時代遅れだと批判し、次第に支持を集めていった*2。後にワシントンD.C.で発生したテロを鎮圧し、テレビ出演や新聞の取材を受けてC.S.Aヴァレリー・クーパーの目にとまった。

キャプテン・アメリカ

その後、キャプテン・アメリカ(スティーブ)はあまりにも多くの政治的役割をC.S.Aに求められたことから、キャプテン・アメリカの名前と装備を政府に返上。
C.S.Aは次のキャプテン・アメリカ候補としてニック・フューリーサム・ウィルソンを挙げるも前者は高齢かつ、S.H.I.E.L.D.の長官の権利を手放すとは考えづらく、後者はアフリカ系ゆえに多くの国民に受け入れられないと想定されたため、最終的にヴァレリー・クーパーの提案したジョンに白羽の矢が立った。
当初はそれまでのキャプテン・アメリカとの関係もあり、拒否していたジョンだったが最後には承諾。
タスクマスターの元で特訓を積み、スーパー・パトリオット時代の仲間「バッキーズ」の一人であるレマー・ホスキンズをバッキー(後、バトルスターに改名)にしてキャプテン・アメリカとしての活動を開始した。

USエージェント

キャプテン・アメリカとしていくつかの任務をこなしたジョンだったが、ヴィランと化したかつての「バッキーズ」の残り二人による正体の暴露、それによって発生した両親の殺害などを通し、精神的に追い詰められていく。
そんな中レッドスカルの策略により「ザ・キャプテン」と名乗って活動していたスティーブ・ロジャーズとの直接対決に発展。
敗北したジョンだったが、実はスティーブのキャプテン・アメリカ辞任劇はレッドスカルによって仕組まれたものだったと判明。
協力してレッドスカルを撃退し、ジョンはスティーブにキャプテン・アメリカの名前、装備を返すことを選ぶ。
こうしてスティーブはキャプテン・アメリカに復帰。ジョンは暗殺を偽装して姿をいったん消し、精神安定のため両親の死に関する記憶の改変も受け
ザ・キャプテンのコスチューム、盾を装備して「ジャック・ダニエルズ」またの名をC.S.A直属のヒーロー「USエージェント」として生きていくことになった。

ウエストコースト・アベンジャーズ

アイアンモンガーとの戦いを皮切りに活動を開始したUSエージェントは政府、そしてC.S.Aからのお目付け役としてウエストコースト・アベンジャーズに参加。
リーダーであるホークアイとぶつかり合いながらも、スカージに関する事件などで活躍。
またこの頃、パワー・ブローカーに捕らえられたバトルスターを救出、彼のおかげで両親の死の記憶を取り戻している。

フォース・ワークス

ウエストコースト・アベンジャーズ解散により、アベンジャーズそのものと決別しようとしたジョンはコスチュームと盾をハドソン川に沈めてしまう。
その後アイアンマンの呼びかけでフォース・ワークスが結成されたが、ジョンは参加に消極的だった。しかし、彼を高く評価するスカーレットウィッチの説得を受け、参加を決意。新たなコスチュームとエネルギーシールドを装備してフォース・ワークスに加わった。
フォース・ワークスとしてはクリーマンダリンブラック・ブリゲイド、異次元のワンダーマン等と戦い、チーム解散まで在籍し続けた。
※1994-1996年のアニメ「アイアンマン」(日本でも放映)は、「フォース・ワークス」をベースにしているが、USエージェントの代わりにホークアイ(クリント)が参加している。

ザ・ジュリー

フォースワークス解散後は、スターク社と敵対していたコードコ社の社長「エドウィン・コード」が所有する私設ヴィジランテチーム「ザ・ジュリー(The Jury:陪審の意味)」にフィールドリーダーとして所属。旧コスチュームと無線操作可能な新型の盾を装備した。
当初はホークアイ率いるサンダーボルツを倒すべく現れたものの、敗北し撤退。ヴィランチームブルート・フォースとの戦いでは彼らと共闘することになった。
後に単独で活動していた際、試作型超人血清で強化されたヴィラン「プロトサイド」との戦闘で重傷を負ったジョンは治療のため、強化外骨格の装着を余儀なくされてしまった。

S.T.A.R.S.

何とか復帰したジョンは新たな(ジャッジ・ドレッド風)コスチュームに身を包み、ヴァレリー・クーパーが設立した政府下の超人犯罪対策部隊S.T.A.R.S.のリーダーに着任。
レッキング・クルーのパイルドライバー逮捕に始まり、異星人犯罪者の流刑地と化した地球とエゴ・ザ・リビングプラネットをめぐる事件アベンジャーズ達と共に活躍した。
事件解決後にキャプテン・アメリカから感謝を述べられるも拒絶し、アベンジャーズをはじめとするヒーロー達のせいで地球が異星人に狙われる羽目になったと非難して去っていった。

能力

パワー・ブローカーによる強化を受けて、超人的な筋力(10トン級)、耐久性、スタミナ、反射神経、敏捷性を持っている。
あくまで人間としての最高レベルであるキャプテン・アメリカ(スティーブ)より身体能力は高い。
が、戦闘経験や技術、頭脳などの面で後れを取っている。

また装備している盾(本来はザ・キャプテンだったときにスティーブがブラックパンサーに用意してもらったもの)の強度もオリジナルのキャプテン・アメリカの盾に比べると低い。
一時、エネルギーシールド(フォトン・シールド、エネルギーを放射して盾の部分をつくるもの)を装備していたときがある。

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最終更新:2021年07月20日 21:32

*1 この火事は、実はPTSDを患っていた兄が酔っ払って起こしたものと後に判明。

*2 このころ実際にキャプテン・アメリカに出会い、挑発して戦闘になったが彼をスタミナ切れに追い込み勝利宣言している。