嘘か真実か

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嘘か真実か  ◆ew5bR2RQj.



呼ばれた名は、彼の兄に当たる存在だった。

「え?」

唯一無二の肉親。
血の繋がりはないが、その絆はなによりも深い。

「……だ……」

最初はただの監視対象だった。
偽りの弟を演じ、命令が入れば殺す。
実際に一度は殺そうともした。
だけど兄は、そんな少年を許してくれた。
そして少年を改めて弟として受け入れてくれたのだ。

「嘘だ……」

兄は強い。
運動はできないが、とても頭がいい。
窮地に陥ることもあるが、必ずその盤面をひっくり返す。
逆にその窮地すら、利用してしまう時がある。
そんな抜け目のない兄。

「嘘だ……嘘だ……」

その兄の名が、放送で呼ばれた。
放送で名前が呼ばれることは、死を意味する。
最初はすぐに否定した。
しかし放送の主は、何よりも嘘を嫌っている。
少年はそのこともよく理解していた。

「あ……あ……あああぁぁ」

兄が死ぬわけがないが、放送の主は嘘を吐かない。
二つの矛盾が、少年の中で渦を巻き始める。

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ――――」

少年の悲痛な呟きが、虚空へ溶けていく。
誰の耳にも届かず、誰の耳にも残らぬまま。


   ☆ ☆ ☆


「……抜刀斎の奴、死にやがったのか」

放送を聞いた志々雄真実が、最初に放った言葉がそれだった。
抜刀斎――――緋村剣心
長州藩における影の人斬り役、初代を務めた男。
幕末の京都で多くの人間を殺め、いつの間にか人斬り抜刀斎と囁かれるようになっていた。
その二代目を務めたのが志々雄だ。
つまり彼と志々雄は、先輩後輩の関係なのである。
しかし志々雄は、彼と剣を交える機会に恵まれなかった。
だから常々思っていた。

あの男と決着をつけたい、と。

だが現実はこのザマだ。
剣を交える前に、抜刀斎はこの世を去っていた。
あまりにも呆気ない。
これが人斬り抜刀斎と呼ばれた男との決着だった。

(不殺なんて言ってる時点で、結果は見えてたけどな)

殺し合いの場で、不殺の信念はあまりにも場違いである。
所詮この世は弱肉強食。
弱ければ死に、強ければ生きる。
バトルロワイアルでは、それがより顕著に現れる。
不殺という信念は、生への執念の前に呆気なく喰われた。
ただ、それだけの話だ。

「おい」

背後に振り返る志々雄。
そこにいるのは彼が従えている二匹の犬。

「お前らの知ってる奴で、名前を呼ばれた奴はいたか?」

そう尋ねると、三村が苦虫を噛み潰したような顔をする。
表情にこそ変化はないが、タバサも似たような状態だ。

「そんなに難しい質問でもねぇだろ、答えろ」

いつまでも口を開かない二人に苛立ち、低い声で催促をする。
その剣呑さに気圧されたのか、二人は慌てて口を開き始めた。

織田敏憲って奴が呼ばれたよ、級友だった」
「私も呼ばれた、二人」

三村は作り笑顔を浮かべながら、タバサは無表情のまま。
どことなく辛気臭い雰囲気である。

「くくっ……そんな顔してんじゃねぇよ
 お前らはこの地獄で、そいつらよりも長く生き残ったんだ」

死んだ奴が弱くて、生き残った奴が強い。
これはそういう催しだ。

「死んだ奴よりもお前らは強かった、だから生き残った、それだけの話だろ?」

そう言って、志々雄は振り返るのをやめる。
そのまま早足で歩くのを再開した。

「……そりゃどうも」

三村は困惑気味に愛想笑いを浮かべ、志々雄に置いて行かれないように歩き始める。
後ろを振り向くと、本の虫になっているタバサがすぐ傍に見えた。

(死んだ奴よりも強かった、か)

この理論に従えば、タバサや三村も抜刀斎より強いことになってしまう。
いくらあの男が腑抜けていようと、タバサや三村より弱いというのは有り得ない。
抜刀斎が死に、タバサや三村が生き残った理由。
それをあえて強弱で語るなら、二人は運が強かっただけだろう。
二人は志々雄以外の参加者には会っていないが、抜刀斎は実力が上の相手と遭遇した。
そして殺された。

(なんだ、簡単じゃねぇか)

生き残ったほうが強者という考えも、決して間違いではない。
だがやはり刀を交えてこそ、真の強者は決まるのではないだろうか。
しかし既に抜刀斎はこの世にいない。
ならば残された方法は一つしかなかった。

抜刀斎を殺した奴を、この手で討ち取る。

こうすれば誰もが抜刀斎より自分の方が強者であると認めるだろう。

「くくっ……」

再び乾いた笑いを漏らす志々雄。
今の笑いは、強者に対する歓喜の笑い。
抜刀斎を討ち取ったのだから、相手にとって不足はない。
それにタバサと三村には、そろそろ見せつけてやるべきだろう。

志々雄真実の絶対的な強さを

そして支配者を気取っているV.V.にも、知らしめてやらなければならない。
この志々雄真実を参戦させたことが、大きな間違いであったことを。

「そういや三村、調べ物の成果は何かあったのか?」

しばらく歩いた後、志々雄は思い出したように尋ねる。
警察署を出た後、すぐに放送が始まった。
そのため調べ物について、まだ何も聞いていなかったのだ。

「ああ、あったぜ、おかげで色々と分かった」

自信あり気に口角を吊り上げる三村。
よほど自信があるのだろうか。
道路に座り込み、鞄の中からノートパソコンを取り出す。
志々雄とタバサは液晶画面が見えるよう、三村の背後へと出向いた。

「まず、回線が生きていることが分かったのは言ったよな?」
「聞いたな、その回線ってのはよく分からねぇが」
「それでその回線から、インターネットに繋ぐことができた」
「いんたーねっと?」

馴染みのない単語の登場に、志々雄とタバサが同時に疑問を浮かべる。
インターネットとは、三村の時代かに誕生した技術だ。
明治初期を生きる志々雄にとっては、数百年先の技術。
剣と魔法の世界にいるタバサに至っては、一生縁のないものだ。

「はぁ、インターネットってのは――――」

それに気付いた三村が、露骨に肩を落とす。
そしてかつて瀬戸豊に説明をした時と同じように、一からインターネットの説明を始めた。


「ほう、随分と進歩したもんだ」
「驚愕」

三村の説明は専門的な用語が多く、理解するのに多くの時間を費やすはずだった。
しかし蓋を開けてみれば、それは意外なほど呆気無く終わってしまった。
三村の説明が上手だったのもあるが、一番は志々雄とタバサの呑み込みが早かったことだろう。
彼らは一度の説明で全てを理解し、それ以上の説明を要求しなかった。
三村は完全に拍子抜けした様子である。

「……インターネットは本当に何でも調べられるの?」
「ああ、大事な試験の答えから今晩のオカズまでなんでもござれってね」
「暇ができたら、私にも使わせてほしい」

説明の中で二人はインターネットの利便性を知ったが、その中でも特にタバサが興味を示していた。
彼女にはそうした積極性が欠けていると思っていたが、どうやら違ったらしい。
単純に知識欲を満たしたいのか、よほど調べたいことがあるのか。
他の理由があるのかもしれないが、今の彼にとってはどうでもいいことである。

「いつまでもくだらないことしてんじゃねぇ」

談笑に耽けようとする二人に、志々雄は釘を刺す。

「そのパソコンってやつが便利なのは分かった、だがそれだけじゃ駄目だ
 そいつが今どう役立つかを示さないと、わざわざ寄り道した価値は見えないぜ?」

パソコンが便利な道具なのは分かった。
しかし今必要なのは、V.V.の首を討ち取るのに役立つものだ。
パソコンがそれに役立たないのなら、警察署に寄ったのは完全に無駄足になる。
つまりそれは、三村が結果を出せなかったということだ。

「っと、悪いな、そろそろ本題に入るぜ」

だが三村が小生意気な笑顔を崩すことはなかった。

「俺がここに来る前にもこのクソゲームに参加させられていた……ってのは話したよな?」
「私は聞いていない」
「その場にいなかったお前が悪いんだよ、とっとと続けろ、三村」
「……オーケー、話を続けるぜ」

抗議をするタバサを、志々雄が強引に捩じ伏せる。
三村は困ったようにそのやり取りを見て、一瞬だけタバサに目配せをした。
こいつ、女の扱いに慣れてるな。
志々雄はそんなことを考えながら、三村の言葉を待つ。

「それでその時も、俺は首輪によって自由を奪われていた」
「ほう」
「そしてその首輪を管理していたのが、なにか分かるか?」
「……パソコンか?」
「ご名答」

志々雄の解答に、三村が笑う。

「そしてハッキングって言うんだが
 パソコンは技術さえあれば、インターネットを通じて乗っ取ることができる」

ハッキング。
先程の説明で一瞬だけ出てきた用語。
相手のパソコンに侵入した後、それを破壊して乗っ取るというもの。

「なるほど、くくっ……そういうことか」
「分かってくれたかい? 旦那」

志々雄の顔が愉悦に歪む。
三村はこう言っているのだ。
このノートパソコンさえあれば、相手の本部を掌握できると。
そして――――

「これでV.V.のパソコンを奪えさえすれば、首輪を外せるってことだ」
「これでぶいつぅのパソコンを奪っちまえば、他の参加者を支配できるってことだな」

沈黙が場を支配する。

「なんだ、出来ないのか?」
「いや、できなくもないが……」

三村の口から出たのは、煮え切らない返事。
志々雄が強引にその先を促すと、三村は「おそらく可能だろう」と告げた。

「ハハ! 面白くなってきたじゃねぇか」

目論見が成功すれば、世界の全てを支配することができると。
そう、確信する志々雄。
V.V.の持つ技術を手に入れれば、あらゆる世界への行き来が可能になる。
それが可能になる頃には、ここに集められた参加者も淘汰されているだろう。
弱い者は死に、強い者だけが生き残った状態へと。
そして残った連中を首輪で支配し、世界征服への手駒とする。
日本征服などとは比べ物にならない壮大な計画だ。

「三村、最後に一つだけ確認させろ」
「……なんだい?」
「ああまで言ったんだ、お前はそのハッキングってやつができるんだよな?」

質問という形式を取っているが、三村の返答は決まっているようなものだ。
わざわざ自分で紹介しておいて、出来ないというのは有り得ない。
故に彼の返答は、絶対に「出来る」である。

「いや、俺にはできない」

そう考えていたが、三村の返事は意外なものだった。
「おい、どういうことだ?」

志々雄は耳を疑う。
あそこまで断言しておいて、実際は出来ません。
憤怒のあまり、全身が沸騰し始める。
気がつくと志々雄は、三村に向けて腕を伸ばしていた。

「ッ!」

だがその腕は止まる。
三村がノートパソコンの液晶を見るよう、志々雄に手招きしていたのだ。
燻る怒りを抑え、液晶画面を見る。
もしこれでなにもなかったら、お前は殺してやる。
そんな気持ちで志々雄は液晶を覗いたが、そこには予想外の一文が書かれていた。

『会話は首輪によって盗聴されている』

口の前に指を構え、静かにと伝えてくる三村。
冷静に考えれば、当然の話だ。
主催者側は参加者の動向を探るため、何らかの手段を打たなければならない。
一番手っ取り早いのが、絶対に外せない首輪に監視できるような装置をつけておくことである。

「スマないな、そこまで俺も芸達者じゃないんだ」
『さっきのは連中を騙すための嘘だ、会話に合わせてくれ』

三村は言葉を発すると同時に、素早く文字を入力していく。

「肝心なところで使えねぇな、てめぇは」

三村信史は想像以上に使える。
その事実に、志々雄は打ち震えた。

「だけど他のことならなんでもしますぜ?」
『時間はかかるが、俺ならハッキングができる』

三村がニヤリと笑う。

「……てめぇにあと一度だけ命をやる」
「この三村信史、全身全霊をもって御主人様のお役に立ちますよ」
「次はねぇぞ、糞餓鬼」

身体の内から込み上げてくる笑いを抑えながら、底冷えする声でそう告げた。


   ☆ ☆ ☆


警察署で得た収穫を全て伝えた三村は、深い溜息を吐いた。
インターネットの説明に、主催者を欺くためのお芝居。
疲弊する要素はいくらでもあったが、溜息の理由は別にあった。

(なんで盗聴器のことを志々雄に教えたかねぇ)

不思議でならなかった。
志々雄は自分と全く異なる存在であり、その思想は常に自分の斜め上を行く。
一緒にいれば厄災を呼び、志々雄自身が厄災にすら成り得る。
だからなるべく早いうちに離反する、というのが普通の考えだ。
だが、志々雄が他の参加者を支配できると告げた時。
三村はハッキリと、身を震わすほどの喜びを感じていた。
バトルロワイアルの転覆など、普通の人間が言えばただの夢物語だろう。
だが志々雄であれば、もしかしたら出来るかもしれない。
普通の人間の手の届かない境地に、この男なら辿りつけるのかもしれない。
そしてそれを間近で見られるならば、自分の所持する技術や情報などいくらでも提供しよう。
そう考えてしまうほど、三村は志々雄真実という人物に惹かれていた。

(オーケー、やってやるさ)

武器は手に入れた。
無愛想で年下だが、目の保養になる美少女もいる。
そして傍若無人だが、志々雄というとても頼りになる主人もいる。
土台は十分だ。
ハッキングの成功率は低いかもしれないが、絶対に成功させる。
志々雄には、努力したなどという言い訳が通じない。
結果を出す、それだけだ。

「…………」

そう、三村が決意を固める一方。
志々雄の顔からは、いつの間にか笑みが消えていた。

「どうかしたのか?」
「くくっ、なるほどねぇ」

次の瞬間、志々雄の顔に笑みが戻ってきた。
それも名一杯、意地の悪そうなものが。

「おい! 出てこいよ!」

誰もいない空間に向けて、そう呼びかけた。


   ☆ ☆ ☆


彼の行動の意図が読めず、三村は困惑する。
一方でタバサは、表情を変えぬまま視線だけを移した。

「出てこねぇなら、こっちから行くぞ」

この言葉でようやく三村も現状を理解したのか、身体をその方向に向ける。

「まさか、誰かそこに隠れているのか?」

冷や汗を浮かべる三村。
均衡を保ったまま経過する時間。
早まる心臓の音が、歪にそれを知らせる。

「…………」

十数秒後。
観念したのか、民家の影から一人の少年が姿を表した。

「なんだ、餓鬼か」

少年は非常に痩躯であり、手足はすらりと長い。
彼を纏う黒い衣服は、三村の学生服に似ている。
そのことから、志々雄は少年が学生なのだと推測した。
だが右手に握り締められた刃物は、学生の物にしては少々大きすぎる。
にも関わらず、最初から彼の所有物であるような奇妙な一体感があった。

「気配を消していたようだが無意味だったな、殺気が漏れ出てたぜ」

相手を嘲るように言葉を投げかける志々雄。
しかし少年は微動だにせず、鳶色の瞳で三人を見つめ続ける。

「あなた方は兄さん……ルルーシュ・ランペルージに会ってませんか?」
「……出会い頭に随分な態度だな、坊主」

眼光と呼ぶにはあまりにも鋭すぎる。
一般人であれば、すぐさま腰を抜かしてしまうであろう殺気。
志々雄はそれを少年に突き刺す。

「つまりあなた方は知らないんですね」

しかし目の前の少年は、まるで動じない。
もう殺意を隠す気はないのか、刃物を翻してゆっくりと前進する。

「いい度胸してるじゃねぇか」

少年は得物を持っているが、志々雄は徒手空拳。
定石で考えれば志々雄が圧倒的不利。
しかし彼は笑っていた。
その程度で結果は変わらないと、言外に告げているような笑み。
数多くの戦士を見てきた志々雄には、観察眼という物が養われている。
相手の立ち振る舞いや姿勢から、相手の実力や戦術を分析する。
一流の剣客ならば大抵は備わっているが、彼は特に秀でていた。

「用無しと見るやいなや殺すか、そういう喧嘩っ早いのも嫌いじゃないぜ」

二匹の犬を押し退け、前に出る志々雄。
そのままさらに歩を勧め、少年の前に立ち塞がった。
彼と少年の距離はおよそ十メートル。
一段と強くなる殺気。
志々雄はそれを全身に浴びながら、黒衣の少年を視界に捉える。
そして大地を踏みしめ、拳を振り上げた瞬間。

――――少年は懐まで踏み込んできていた。

(っ……!?)

交差する二つの視線。
一瞬前と比べて、その瞳はあまりにも近すぎる。
少年の右手が動き、刃物が志々雄に向く。
その俊敏で正確な動きゆえに、刃の軌道を読むことができる。
少年の狙いは首の根元――――頸動脈だ。

「チィッ!」

瞬時に首を逸らす。
しかし逸らした先へと、刃物を伸ばす少年。

刹那の攻防が繰り広げられる中、小さな影が彼らの間に割り込んだ。


   ☆ ☆ ☆


「がぁっ!」

苦悶の声を上げる少年。
脇腹に走る鋭痛。
懐を見ると、タバサと呼ばれていた少女が手刀を作っていた。

(なんで……!?)

なんで、そこにいる。
疑問を抱きながら、少年はよろめくように後ずさる。

その行動が勝敗を決した。

「ッシャァァッ!」

大気を震わせるような怒声。
目の前を振り向くと、志々雄真実の拳が近づいてくるのが見える。
咄嗟に能力を発動しようとするが、時すでに遅し。

「ごふッ!?」

志々雄の剛拳が、少年の腹に突き刺さる。
メキメキと音を立て、少年の身体を浸食する拳。
圧倒的な膂力から繰り出される一撃。
それをまともに受けた少年は、勢いよく吹き飛ばされた。

「ぐあぁっ!!」

吹き飛ばされた少年は何度も地面を跳ね、民家への激突という形でようやく停止する。
そして停止した直後に襲ってきたのは、強烈な嘔気であった。

「おぐ……ぐえぇ!」

胃の中身が逆流し、吐瀉物となって口から現れる。
すぐに止めようとするが、身体の悲鳴は終わらない。
嗚咽と共に何度も何度も吐き出す少年。
吐瀉物の中に血液が混じっているのが見えた。


「はぁ……はぁ……」

一分ほど経って、ようやく収まる吐き気。
民家の壁に手を置き、痛む身体に鞭を打ちながら立ち上がる。
そうして立ち上がった先には、志々雄真実の姿があった。

「おい――――」

ナイフを構えようとするが、手にその感触がないことに気付く。
殴り飛ばされた時に、落としてしまったのだろう。
ナイフは志々雄の手の中にあった。

(どうして……)

少年は現状の理解に追いついていなかった。
本来、タバサがあの場にいるのは有り得ないことなのだ。
彼にはギアスという特殊能力が宿っている。
絶対遵守や記憶の書き換えなど、他者の思考に干渉する能力だ。
彼の所持するギアスは絶対停止の結界。
使用者を中心に結界を作り、その範囲内にいる人間の体感時間を停止させる。
つまり彼がギアスを発動すれば、範囲内の人間は一切の行動を封じられるのだ。
志々雄に肉薄する際にも、彼はこの能力を使用した。
故に一切の抵抗を受けぬまま、暗殺することができると踏んでいたのだ。

だが、何故かタバサは結界の中でも動いた。
ギアスの影響下にあるにも関わらずだ。

「おい! 聞いてんのか!」

志々雄の怒鳴り声で、嫌でも現状を認識させられる。

「…………」

目の前の志々雄に視線を合わせる少年。
改めて見ると、この男の姿は異形であった。
着崩した陣羽織に、全身に巻きつけられた包帯。
包帯の僅かな隙間からは、爛れた皮膚が見え隠れしている。
そして見てくれ以上に、纏っている雰囲気は異様であった。
彼も子供の頃から暗殺者を続けているため、それなりの修羅場はくぐっている。
だが、この男は次元が違う。
これほど剣呑な気配を放つ人間がいるのか、と思わせるほどだ。

「まぁ、そう身構えんな、別に取って食おうなんざ考えちゃいねぇよ」

瞬時に嘘だと判断する。
だが会話を続けることにより、なにか突破口が見えるかもしれない。

「とりあえずよ、お前、なにをした?」

そして彼の放った第一声に、彼の心臓は大きく脈打つ。
彼のギアスはその性質上、使用されたとしても気付かない事が多い。
不可解だとは認識するも、それ以上の追求はしないのだ。
だが志々雄は、たった一回で能力の存在に気付いた。
過去にも兄に見破られたが、兄は元からギアスの存在を知っている。

「…………」

志々雄はギアスの存在に気付いたとはいえ、その詳細までは知らない。
絶体絶命の状況ではあるが、ギアスは確実に突破口になり得る。
だからあえて能力を明かす必要はない。
少年はそう判断し、口を閉じる道を選んだ。

「喋らないか、まぁ懸命な判断だろうな」

口角を吊り上げながら、志々雄は少年を見下す。
いや、違う。
彼と志々雄の背丈に大きな差はない。
志々雄の強大な威圧感に、自らが萎縮していたのだ。

「なら質問を変えるぜ、そうだな……お前、名前は?」

ここで本名を名乗って悪評を広げられたら、今後の行動に支障を来す。
時間稼ぎのために本名を名乗るのは、あまりにも割りに合わない。
ならば、どうするべきかと悩む少年。
すると志々雄の背後から、透き通った声が響いた。


少年――――ロロ・ランペルージは驚愕する。

「これが貴方の名前、違う?」

蒼い髪に蒼い瞳、そして赤渕の眼鏡。
小さな身体を大きなマントで包んだ少女が、志々雄の傍に控えるように現れる。
彼の名を読み上げたのはタバサであった。

「どうして……」

何故自分の名前が分かったのか。
突然の事態に混乱した彼は、思わず心情を吐露してしまう。

「さっき貴方はルルーシュ・ランペルージのことを兄と言った
 そして名簿に同じ苗字は一人しかいない、それがロロ・ランペルージ」

彼女は表情を変えぬまま、口を小さく動かして解説をする。
そして彼女の説明を聞いたロロは、いつの間にか冷や汗を浮かべていた。
このタバサという少女も、志々雄ほどではないが相当な切れ者である。
それに彼女は、結界の中にいながらも動いていた。
その点に関しては、志々雄より厄介かもしれない。

「ほう、あいつの弟か」

志々雄は意味深に笑みを浮かべ、舐め回すようにロロの全身を見つめてくる。
品定めするようなその視線は、どことなく不快であった。

「ということは、お前の目的は復讐か?」
「……ッ!」

またしても志々雄の言葉は、彼の核心を的確に突き刺す。
最初はルルーシュの障害になる者を抹殺すればいいと、漠然とした気持ちで考えていた。
しかし今の彼は、明確な目的が二つある。
一つ目はルルーシュの蘇生。
V.V.は最後に生き残った者の願いを叶えると言った。
死者の蘇生など信じ難い話だが、V.V.は嘘を嫌う。
彼の言葉を信じるのならば、ルルーシュの蘇生も決して不可能ではないということだ。
そして二つ目は、ルルーシュを殺した者への復讐。
自分の唯一の兄を奪い取った参加者は、絶対に許すわけにはいかない。
ルルーシュの味わった死の痛みを、極限まで味合わせる必要がある。
そのためにも多くの参加者から話を聞き、その後に殺さなければならない。
どのみちここから脱出できるのは一人だけだ。

「沈黙は肯定って知ってるか?
 今のお前の目を見ると、そうとしか思えねぇぜ」

くくっと喉を鳴らす志々雄。
相変わらず全てを見透かしたように、こちらの思考を当ててくる。

「坊主、お前は感情を隠すのは下手糞だな、考えてることが顔に出過ぎてるぜ
 ここから逃げ出そうと企んでるのが、透けて見えるくらいにな」

心臓が、跳ね上がる。
必死に恐怖を隠そうとするが、心の底から湧き上がる感情は止めることはできない。
手足が小刻みに震えていくのが分かる。

「やっぱり企んでやがったか、顔に書いてあるぜ」

嵌められた。
おそらく確信はなかったのだろう。
だからカマをかけて、心の内を引き摺り出したのだ。

「まぁ、どうでもいいけどな
 それよりも、お前の目的は兄貴の復讐だったな?」

再度問い掛けてくる志々雄。
彼の意図は読めないが、ロロの目的はルルーシュの蘇生と復讐。
これだけは間違いないし、他の誰かに譲る気もない。
だからロロは力強く頷き、肯定の意を示した。

「なるほど……小さいな」

だが志々雄は、彼の決意をたった一言で吐き捨てた。

「なに……!?」

声を荒らげ、怒りを顕にするロロ。
今の彼にとって、ルルーシュの蘇生と復讐は生きる目的である。
それを簡単に切り捨てられたのだから、憤慨するのも当たり前だ。

「そう怒りなさんな、俺は復讐が悪いなんざ一言も言ってないぜ
 ただ、復讐のためだけに動くのが小さいって言ったんだ」
「……どういう意味ですか?」
「お前が気づいているかは分からねぇが、この『ばとるろわいある』には多くの世界から人間が集められてる」

これは次元との情報交換で、ロロ自身も気付いている。
彼と自分の住む世界の常識は、同じ国でありながらまるで別のものであった。
だから全く別の二つの世界があるかもしれないと、朧気に推測していた。

「科学技術が進んだ世界や魔法のある世界、他にも色々あるかもしれない
 そんな連中を『ぶいつぅ』は一箇所に集めたんだ、これがどういうことか分かるか?」
「V.V.がとんでもない力を持っている……ということですか?」
「そうだ、そしてその力を奪っちまえば、全ての世界を支配できるってことだ」

この時、ロロは志々雄の瞳の奥にはっきりと狂気を見た。

「それによぉ、あいつの出任せかもしれないが最後まで生き残った奴の願いは叶えてもらえるんだろ?
 だったらあいつには、あらゆる願いを叶える準備があるってことだ
 そしてそいつを奪い取れば、この世の森羅万象全てを支配したも同然じゃねぇか!!」

志々雄のこの言葉で、ロロはようやく先程の言葉の真意を理解した。
ルルーシュの蘇生を試みるにしても、律儀にこの殺し合いに参加する必要はない。
この場を支配するV.V.を叩き、彼から全てを奪い取る。
そして奪い取った力で、ルルーシュを蘇らせればいい。
志々雄はそう言っていたのだ。

「金や女が欲しい、最強になりたい、邪魔な奴を消したい
 なんでもいい、お前にだって願いの一つや二つはあるだろ?」

狂気を孕んだ瞳を向け、ニヤリと笑う。
お前のことは全部分かっているぜ、と言っているような気がした。

「そのついでに、お前の兄貴を蘇らせればいいんだ」
「でも今のV.V.に敵うわけがないじゃないですか、この首輪もありますし……」

一見すると志々雄の言葉は、とても魅力的に感じる。
だがそれはV.V.を倒すという前提があって、初めて成立するのだ。
V.V.の気分一つで首輪を爆破される可能性もあるし、そもそも彼が何処にいるか分からない。
彼を打倒するのは、困難を通り越して無謀と呼べるだろう。

「そんなことはやってみなきゃ分からねぇだろ」

志々雄の顔からにやけ笑いが消える。

「え?」
「あの餓鬼がなんだ、こんな玩具一つで簡単に支配されちまうのか?」
「で、でも……」
「むしろあいつ自身に力がないからこそ、こんな玩具を使ってるんだろうが
 こんな物に頼ってることが、あいつが俺達より弱いっていう何よりの証拠じゃねぇか!」

彼が言っていることは紛れもない事実である。
V.V.自身の戦闘能力は高くないし、ギアス嚮団も既に壊滅した。
ロロは元からそれを知っていたが、彼が知っていたとも思えない。
つまり彼は、首輪の存在だけでその事実に行き着いたのだ。

「まぁ流石に一人じゃしんどいがな、最低でも首輪を外せる奴が必要になる、こればかりは俺も専門外だ」

志々雄は底知れない力を持っている。
武力はもちろんのこと、知力や洞察力も常人とは桁違いだ。
文武両道という言葉が、これほど似合う男もいないだろう。
彼は伊達や酔狂でV.V.打倒を掲げてなどいない。
自分ならばV.V.を倒せると確信し、本気で行動に移そうとしている。

「こいつは戦だ
 他にも戦える奴に情報を持っている奴、色んな奴が必要になる」

そして彼は自分の実力に溺れていない。
言動は自信に満ち溢れているが、その実態は非常に冷静だ。

「どうだ? お前も俺の軍に加わりたくなったんじゃねぇのか?」

ニヤリ、と笑う。
志々雄の企ては置いておいても、どのみち仲間は必要だ。

「……今はまだ無理です」

だが、今は断らざるを得なかった。

「……復讐のためか?」

志々雄の問いに、ロロは首肯を返す。
徒党を組めば有利になるのは事実だが、同時に団体行動を強制されることになる。
今の彼にとって、何よりも重要なのは兄の復讐。
志々雄の軍門に下れば、その機会は遠ざかってしまうだろう。

「そうか、なら勝手にしな」

一転して、突き放した口調になる志々雄。

「……いいんですか?」
「別に構わねぇよ」

一瞬だけ耳を疑う。
志々雄は一度命を狙った自分を、見逃すと言っているのだ。
ルルーシュのように優しい性格という訳でもない。
わざわざ見逃す理由など、本来はないはずなのだ。

「…………」

背後からの不意打ちを警戒し、ロロは前を向いたまま一歩ずつ下がっていく。
ギアスに感づいている志々雄なら、油断させるために一度は見逃したのかもしれない。

「不意打ちしようなんざ考えちゃいねぇから、とっと行けよ」

だが、その行動は志々雄に一蹴された。
その後もしばらくは警戒を続けたが、志々雄達が手を出してくる様子はない。
そして完全に距離を取り、もう大丈夫だろうと踵を返した瞬間。

「俺達はこの後は東の方へ向かう」

志々雄はそう言い放つ。
目的地を告げたのは、後から合流しろという意味だろうか。
東の方角には、つい先刻までロロがいた遊園地がある。
少なくとも二回は騒動の舞台になったようだが、彼が訪れた時点では既に閑古鳥が鳴いていた。

「……あっちの方にはなにもありませんよ」

それだけ告げて、ロロは志々雄の元を去った。

「ふぅ……」

志々雄の放つプレッシャーから解放され、ロロは大きく深呼吸をする。
普段はなんでもない空気が、今だけはやけに美味しく感じられた。
吸い込んだ酸素が肺を循環し、全身を駆け巡る。
そして脳に酸素が行き渡ったところで、ようやく冷静さを取り戻すことができた。

(なんでギアスが効かなかったんだろう)

ギアスが効かない人間は、彼が知る限りでは二種類いる。
一つはジェレミアのような、ギアスキャンセラーを所持する人間。
もう一つはC.C.やV.V.のように、コードを持つ人間だ。
だが彼女はギアスキャンセラーを装備していなかったし、コードの所持者は二人しかいないと聞く。
つまり彼女はどちらにも当て嵌らない。

(じゃあ、なんでだろう)

理由の検討がつかない。
ルルーシュであれば解答を導き出せたかもしれないが、ロロは彼ほどの頭脳は持ち合わせてなかった。

(あきらめちゃダメだ、なにか、何でもいいから思い出そう)

小さな手掛かりを見つけ、そこから正答を推測する。
どんな時でも諦めなかったからこそ、ルルーシュは成功し続けたのだろう。
ここに訪れる前から、志々雄達と相対した瞬間。
どんな些細なことだろうと、決して見逃すわけにはいかない。
必ず、ヒントはあるのだ。

(そういえば、あの時!)

そうして現れた第三の可能性。
その手掛かりは、最初にV.V.がゲームの説明をする直前にあった。
あの時ルルーシュはV.V.の傍に控えていた者達にギアスを使用したが、彼らには効いていなかった。
志々雄に効力があったことから、参加者全員に同様の対策が敷かれている可能性は低い。
しかし何らかの制限が設けられていることは間違いないだろう。

(これからはギアスを使用は控えよう……)

前とは使い勝手がだいぶ変わってしまっている。
下手に乱発すれば、逆にこちらが窮地に陥ってしまうかもしれない。
使用するのは、どうしても必要な時だけ。
何処かで試験運用できれば理想的だが、そんな機会はまずないだろう。

「…………」

疑問には一応の解答を示した。
後は今後の方針だ。

『金や女が欲しい、最強になりたい、邪魔な奴を消したい
 なんでもいい、お前にだって願いの一つや二つはあるだろ?』

志々雄の言葉を、頭の中で何度も反芻する。
この言葉を聞いた時、ロロは身の毛がよだつのを感じていた。
金や女に執着はない、最強の称号にも興味はない。
しかし、消してしまいたいほど邪魔な存在が一人だけいた。
ナナリー・ランペルージ。
ルルーシュから溺愛されている実の妹。
彼女がいる限り、ロロはルルーシュにとって本当の弟になることはできない。
ただ死ぬだけでは駄目だった、記憶を消されても無意味だった。
ならば、もう彼女の存在自体を抹消するしかない。
そんなことが普通は不可能なのは分かっている。
だが本当にV.V.にあらゆる願いを叶える準備があるのなら、不可能ではなくなるだろう。
ナナリー・ランペルージという人間の存在を完全に抹消して、ルルーシュ・ランペルージの本当の弟になる。
それは、ただ優勝を目指していては絶対に成し遂げられない目的であった。

優勝を目指すか、志々雄に加わるか。
少年は、悩み続ける。


【一日目朝/G-9 北西部】
【ロロ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式×2、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~1
    カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿
    三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル
[状態]腹部にダメージ(中)
[思考・行動]
1:ルルーシュを殺した者を探し出し、拷問した後に殺す。
2:ルルーシュを蘇生する。
3:ナナリーの存在を消してしまいたい。
4:3のために志々雄に協力するべきか……
5:竜宮レナは発見次第殺害、残りのひぐらし勢は警戒。
6:ギアスの使用はできるだけ控える(緊急時は使う)
[備考]
※ルパン勢の情報を入手しました。
※ギアスに何らかの制限が掛けられていることに気付きました。

※ロロのギアスに設けられた制限は、単体にしか効果がないことです。
ただし死ぬ気で発動すれば、その限りではないかもしれません。
そして他にも制限が設けられた可能性があります。


「逃がしちまっても良かったのか?」

三村は疑問を口にする。
ロロがルルーシュの弟ならば、V.V.の情報を持っている可能性がある。
ルルーシュが死亡した以上、彼は数少ない手掛かりのはずだ。

「あぁ、構いやしねぇよ」
「だ、だが……」
「俺がいいって言ってんだ、黙ってろ」

志々雄は刺すような視線を突き付け、三村の口を閉ざさせる。

「それに、あいつは単純に従えられるほど甘くねぇ」
「敵の目の前で呑気に歩いてるような奴がか?」
「なに言ってんだ、あいつは一瞬で俺の懐まで飛び込んできただろうが」
「あんたこそなに言ってるんだ? あんなチンタラ歩いてたってのに」
「……てめぇの目は節穴――――」
「彼の言う通り」

志々雄と三村が口論を始めようとしたところで、タバサが割って入る。

「ロロ・ランペルージは歩いてきた
 そして貴方は、それを黙って見ていた」

タバサはそれなりの手練だ。
三村ならともかく、彼女が見逃すというのは有り得ない。
だからこそ彼女の言葉は、志々雄に衝撃を与えた。
最初からロロが何らかの術を使ったのは分かっていた。
あの一瞬の踏み込み。
いや、おそらく踏み込みではないのだろう。
懐に飛び込んでくる直前、予備動作が一切なかった。
そもそも志々雄は、抜刀斎や宗次郎の速さすら見切ることができる。
それでも見抜けないというのは、有り得ない話だ。
抜刀斎や宗次郎よりも、ロロの方が優れているとは思えない。
つまりロロは、速さ以外で勝負を仕掛けてきたということだ。

最初に対峙した時から、違和感はあった。
実力に不釣合なほど、ロロは場慣れしていたのだ。
もしその理由が特殊能力にあるのなら、全ての違和感に辻褄が合う。
問題は彼の能力の正体だ。

「……本当に俺は黙って見ていたんだな?」

タバサは首を縦に振る。
志々雄にとっては一瞬だったことが、タバサと三村には一瞬ではなかった。
これこそが、彼の術の正体なのだろう。

最初の空間でのルルーシュの奇妙な発言。
もしあれが酔狂でないのなら、ルルーシュは言葉一つで他人を操れることになる。
ならば弟であるロロの術も、洗脳に匹敵するのではないだろうか。

(厄介な術だぜ……)

もはや魔法と称してもいいだろう。
これを放置しておくのは、余裕ではなく油断だ。
即座に対策を施す必要があった。

「おい、行くぞ、お前ら!」

だがそれは後回しでも問題ない。
ロロとの接触は、あくまで世界征服の過程の一つだ。
小さいことに囚われて、大局を見逃すのは愚の骨頂である。
各地を巡り回れば、そのうち彼の術の情報も集まるだろう。
もしその間にロロが死んでも構わない。
その程度で死ぬ奴では、最初から大した情報など持っていないのだから。


【一日目朝/G-9 中央】
【志々雄真実@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】
[装備]:サバイバルナイフ@現実
[所持品]:支給品一式、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎、不明支給品0~1
[状態]:健康
[思考・行動]
1:自分の束ねる軍団を作り、ぶいつぅを倒す。
2:首輪を外せる者や戦力になる者等を捜し、自分の支配下に置く。
3:東の遊園地に向かう。
4:ロロの術の正体を探る。


【タバサ@ゼロの使い魔(小説)】
[装備]:鉄の棒@寄生獣
[所持品]:支給品一式、林檎×8@DEATH NOTE、マハブフストーン×2@真・女神転生if…、本を数冊(種類はお任せ)
[状態]:健康
[思考・行動]
1:何としても生き残る。
2:とりあえず志々雄に従う。
3:一先ず、いつも通りに本を読んで落ち着く。
4:志々雄の言葉「お前が悪い」に少し興味。
5:パソコンを使ってみたい。
[備考]
※1巻終了直後からの参加です。
※ハルケギニアで該当しない文字を読めるようです。
※志々雄、タバサ共に首輪に盗聴器が仕掛けられている可能性を知りました。


【三村信史@バトルロワイアル(小説)】
[装備]:金属バット(現地調達)、マハブフストーン×3
[所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2(武器ではない)、ノートパソコン
[状態]:左耳裂傷
[思考・行動]
1:このまま志々雄についていく。
2:主催のパソコンをハッキングするための準備をする。
3:ロロか緑色の髪の女に接触し、V.V.の情報を聞き出す。
4:今回のプログラムに関する情報を集め、最終的に殺し合いに乗るか乗らないかを決める。
5:志々雄に惹かれている事実を自覚して愕然としている。
[備考]
※回線が生きていることを確認しました。


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071:Ultimate thing(後編) ロロ・ランペルージ 109:遊星よりの物体X
074:悪徳の栄え 志々雄真実 110:パラサイトを狩るモノたち
タバサ
三村信史



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