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 nのフィールドを経由してモニタールーム前に戻った志々雄を出迎えのは、観柳だった。
 しかし浮かべる表情は決して明るいものではない。

「少し遊びが過ぎるのでは」
「お前には分からねえかもな。
 お前は商人、俺は侍。
 ある程度は馬が合わねえのも仕方がねェ」

 ランスロット、そして煉獄・改。
 そしてリュウガのデッキや志々雄の実力あれば、会場にいる八人を『詰み』に追い込むのは容易。
 しかし志々雄はそれをしない。
 枢木スザクの遺体の回収やランスロットと煉獄の起動に薔薇水晶を行使し、周りくどい事をしておきながらもどこかで手を抜いている。

「殺すのは簡単だ。
 だがそれじゃあ楽しめないだろ」
「それは油断では?」
「これは余裕ってもんだ」

 志々雄が言う通り、この点では馬が合わないと言う他ないだろう。
 KMFも鋼鉄艦も、今後の志々雄の世界掌握に一役買う事になる。
 その前の予行演習と動作確認を兼ねて実戦投入するのは利にかなっている。
 またあれらは今はV.V.の所有物であって観柳のものではなく、これから先にも手に入る機会はある。
 納得に足る理由は多く挙げられるのだが、それでも観柳は愚痴を零してしまう。

 何しろ、高いのだ。

 売った時の利益や効果を考えると口の端から涎が垂れそうになる二つの兵器が、使い潰されようとしている。
 それが残念でならなかった。
 だが説得は無駄と理解しているので、諦める。

「そう落ち込むなよ。
 さっきも言ったが、俺と組んで悪いようにはしねェさ」

 そう、観柳は志々雄と組んだ。
 だから今更ぼやいても仕方がないのだ。

――俺が、儲けさせてやるよ。

 それは観柳にとってこの上なく甘美な響きを持つ文句。
 儲ける。
 この世にこれ以上素晴らしい事はない。
 志々雄と観柳は馬が合わない――だが志々雄は商人というものを理解していた。
 これからバトルロワイアルが壊されても先進技術を持ち逃げする準備は既に済ませているが、欲が出る。
 会場に残った連中が勝つよりも、志々雄が勝った方が観柳が儲かる世界が訪れる。
 武器、麻薬、観柳の『商品』が活躍するのは志々雄が作る世界なのだ。
 志々雄の甘言に、観柳は二つ返事で協力を約束した。

 鷹野三四のように処分される恐怖はあった。
 しかし「飽くまで志々雄の要求に従って」という体裁を取れば大抵の事は大目に見ると、V.V.にも確認済み。
 観柳は志々雄に対し、迷いなく尻尾を振る。

「煉獄については任せていいんだな?」
「ええ、お望み通り攻撃目標だけ設定してオートで航行させていますよ」

 元は明治時代の船だった煉獄。
 一度は沈没したものをV.V.が引き揚げて改修・改造を行った結果、ほぼ別物として生まれ変わった。
 その最たる特徴が、ブリタニアと惑星エンドレス・イリュージョンの技術の粋を集めた遠隔操作システム。
 パソコンから指示を出せば乗組員無しでも動作するのだ。
 状況次第でV.V.から参加者に与えられるはずだったパソコンは、今はこうして観柳の手に渡っている。
 座礁船に偽装する為の外装を爆破した後は研究所を砲撃、もし攻撃を受けた場合は自動反撃。
 手動で操作しなくとも充分な成果が期待出来た。

「残るはらんすろっとの方だが――」
「志々雄、その笛は返して貰えるかな」

 モニタールームから顔を出し、観柳と志々雄の会話に割り込むV.V.。
 ランスロットのパイロット、スザクの死体を操るさざなみの笛の事だろう。

「主催側の者が持ち出したものとは言え、ランスロット達とは別の形でパワーバランスを崩してしまう品だからね」
「ああ、いいぜ」

 特に逡巡する間もなく、志々雄はV.V.にさざなみの笛を返却してしまった。
 それがあればもっと優位に立てるのに、幾らの値が付くかも分からない価値があるのに、と観柳は密かに涙を飲む。
 それでもこれが志々雄の余裕の余裕の表れだと思うと、一人肩を落とすしかなかった。

「枢木にはもう必要な指示は出してある。
 暫くは見物と行くか。
 あの二つが落とされるなら、そん時はそん時だな」
「追い打ちは掛けないので?」
「俺の体の事は知ってるだろ」

 幕末に全身を焼かれた事による発汗機能の死滅。
 以来体温調節が出来なくなった志々雄は一度に十五分以上の戦闘が出来ない――志々雄が持つ『弱点』だ。
 それを観柳が知っていると明かした事はないのだが、主催側の人間なら知っていて当然と考えたのだろう。
 現に観柳はその弱点を把握しており、志々雄の読み通りと言える。

 先程の戦闘はデッキで変身している間の約十分間。
 それでも肉体に帯びた熱は未だ冷め切っていないのだろう。

「俺はゆっくり体を冷ますとするぜ。
 新しい煉獄とらんすろっと、それに残ってる連中のお手並み拝見ってとこだな」

 上機嫌な様子で観柳に背を向ける志々雄。
 それを見送った後、観柳もその場を後にする。
 行き先は自身にあてがわれた部屋だ。

「これはV.V.から譲り受けたもの、つまり元手はタダ。
 使用にあたってのリスクも無し。
 ホォッホー!! たぁまんねぇなあッ!!」

 志々雄の前で見せていた大人しい姿から一変し、観柳は欲望を晒け出す。
 志々雄が手を抜くなら自分がその分を補えばいい。
 志々雄の勝利、そしてV.V.の技術さえあれば最早『国』という器すら狭くなる。
 そう、覚えたての横文字で言うならば。

「観柳帝国どころの話ではない……ワールド オブ 観柳……!!」

 目の前にあるのは悪魔召還プログラム。
 金の亡者の手によって、プログラムが起動しようとしていた。


【二日目/黎明/???】
志々雄真実@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】
[装備]:サバイバルナイフ@現実、ヒノカグツチ@真・女神転生if...、サバイブ(烈火)@仮面ライダー龍騎
[所持品]:支給品一式×4、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)、確認済み支給品0~4(武器ではない)、林檎×8@DEATH NOTE、鉄の棒@寄生獣
     マハブフストーン×4@真・女神転生if…、本を数冊(種類はお任せ)、工具@現実(現地調達)、首輪の残骸(銭形のもの)、首輪解除に関するメモ
     逆刃刀・真打@るろうに剣心、玉×5@TRICK、紐とゴム@現実(現地調達)、夜神月が書いたメモ、菊一文字則宗@るろうに剣心、
     鷹野のデイパック(魔力の香@真・女神転生if...、体力の香@真・女神転生if...、???@???、その他不明支給品))
[状態]:各部に軽度の裂傷、首輪解除済み
[思考・行動]
1:ぶいつぅの掌の上にいる。(飽きるまで)
2:気が向いたらガリア王国のジョゼフを持て成す。
3:翠星石の中のキングストーンが欲しい。
4:間引く。
[備考]
※クーガー、C.C.、真司らと情報交換をしました。ギアスとコードについて情報を得ました。
※さざなみの笛@真・女神転生if...はV.V.が回収しました。(効果は持続中)
※J-1の座礁船は動き出しました。


 古手梨花はアジトの中を探索していた。
 これまでの殆どの時間を鷹野の部屋で過ごしていたので、アジト内部の土地勘はない。
 しかし鷹野がどこからか支給品を調達していた事などから、どこかに武器庫のようなものがあるとあたりを付けていた。

「絶対……これ以上、好きにさせないんだから……!」

 中立を謡いながら、主催者達は明確に志々雄に肩入れしている。
 会場にいる者達は不利になるばかりだ。
 ならば自分こそが動かなければならないと、梨花は奮起する。
 ただ見ているだけでは、逃げ帰るのと何も変わらない。
 圭一なら、魅音なら、レナなら、沙都子なら、悟史なら必ずこうするはずだと信じて。

 志々雄や薔薇水晶には敵わない。
 だが観柳ならまだ付け入る隙があるはずだ。
 既に観柳を尾行して部屋の位置は確認してある。
 後は子供の自分でも扱える強力な武器さえ手に入れれば、戦える。

「私は絶対諦めない……!」

 百年の魔女は一人、誰にも知られない場所で戦う。


【二日目/黎明/???】
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に
[装備]無し
[支給品]ワイン
[状態]健康
[思考・行動]
1:殺し合いを最後まで見届ける。
2:武器庫を探す。
※銀髪の少年により『鷹野三四に従え』というギアスをかけられています。


「でかいだけあって速いッ!!
 まさかこんな所でうちのスーパーピンチばりのロボットと出会う事になるとは驚きだっ、だが!!!
 俺の方がっ速いッ!!!!」

 ヴァンがクーガーの車の上部に飛び乗り、シャドームーンはバトルホッパーに跨ってエンジンを掛ける。
 そしてクーガーはガン、と蹴飛ばすようにアクセルを踏み込んだ。
 乗っている者達全員に強烈なGが掛かる程の急加速で、ランスロットの上空からの強襲を回避する。
 そのまま舗装された道路を東へ一直線。
 ランスロットは小さくなって見えた――が、見えなくはならない。

「追って来ているな……」

 普通の車のものよりも広い助手席に座り、狭間は誰よりも速く、深く、考える。
 ランスロットと車のお互いがこのスピードでは数分で沿岸部に出てしまう。
 そうなれば最悪の場合、煉獄とランスロットの挟み討ちに遭う。
 志々雄の言葉を信じるなら煉獄の攻撃目標は決まっているようだが、こちらに標的を移さない保証はないのだ。
 ランスロットが研究所に接近する前に、この数分で打つ手を決めなければならない。
「二手に別れるしかないか……」
 いつでも奇襲を仕掛けられる立場にある志々雄の動きが分からない以上、当然全員で動いた方がいい。
 それでも煉獄とランスロットを同時に相手にするにはこれしかない。

 チームを分割するにあたって最も問題になるのがシャドームーンだ。
 契約上シャドームーンの安全を確保し、かつ狭間が目を離さずに見張っている必要がある。
 そうなると狭間は細かく動き回るランスロットではなく、ある程度動きが読めるであろう船の方へ向かう事になる。
 そしていつ砲撃が始まるか分からない為クーガーはこの速度を保ったまま沿岸部へ。
 KMFの知識があるジェレミアはランスロットへ。
 残るは北岡、つかさ、上田、ヴァン。

「ジェレミア、あれはどの程度不味い相手だ?」
「そもそもKMFは生身の人間が相手に出来るような兵器ではない。
 あのランスロットはそのKMFの中でも特別製だ」
「具体的な装備は?」
「私が知る限りではスラッシュハーケン……攻撃と移動用の錨が四機、MVSが二振り。
 それから両腕にブレイズルミナスというエネルギーシールドがある。
 幸いフロートユニットは装備されていないようだが……」

 エネルギーシールドと聞き、アギダインを弾いたのはそれかと得心する。
 同時に舌打ちもしたくなった。
「……厄介なもん作ってくれるねぇ」
「次に会う事があれば、開発者に良く言っておこう」
 北岡が狭間の心中を代弁するようなぼやきを漏らした。
 状況は最悪。
 狭間はその中でも打てる手を探す。

「破壊は可能か?」
「……難しいな。
 だが機能を停止させるか機動力を奪うだけなら、まだ可能性はある」

 かろうじてだが、とジェレミアは付け足した。
 曰く、付け入る隙は相手が対人兵器ではないという点にある。
 サイズが異なりすぎる上に、主な脅威となるハーケンは『点』、MVSは『線』の攻撃。
 超至近距離で動き回ればランスロットの攻撃手段は限定され、持久戦に持ち込みやすくなる。
 弾幕を張ってブレイズルミナスを発生させ続ける事で電力を消費させ、エナジー切れを誘う事も可能。
 また移動に用いる脚部のランドスピナーを破壊すれば著しく機動力が落ちる。

「とは言えどの道、私一人ではどうにもならん。
 攻撃が当たりにくいとは言えランスロット自体が速すぎる。
 火力も足りない」
「それ、俺に付き合えって言ってない?」

 ジェレミアの呟きに、北岡が呆れたような声を出す。
 遠距離からの牽制があれば戦い易さは格段に上がるだろう。
 それにジェレミアと北岡は既に何度か共闘しており、互いの勝手を知っている。

「うむ、協力してくれ」

 ジェレミアの方は既に覚悟を決めているようだった。
 北岡は返事代わりに肩を竦めて溜息を吐く。
「ヴァンもそちらに行かせるか?」
 狭間は車の上に視線をやる。
 しかし北岡は「いいよいいよ」と手を振った。
「さっきも言ったけど、俺達は狭間が死んだら詰みなんだよね。
 護衛がいた方がいいでしょ――って思うんだけど、どう?
 やっぱ二人だけでロボ相手は無理?」
 北岡がジェレミアの方を伺うと、難しい顔で「何とかするしかないだろう」と答えた。
 狭間としてはそんな気遣いで二人の生存率を下げさせたくなかった、しかし『詰み』というのは確かに正論なのだ。

 戦力的な意味もあるが、狭間が死ねばシャドームーンとの契約が切れる。
 それに煉獄の装備自体が不透明だった。
 志々雄があのランスロットと同じタイミングで持ち込んだ品である以上、ただの船であるはずがない。
 志々雄が購入したという事は明治時代の船。
 しかしV.V.が『改造』したというのなら、それは狭間から見て未来の兵器になる。
 戦力が必要になるのはランスロット側も煉獄側も同じなのだ。

「……ランスロットには北岡とジェレミアで対応してくれ。
 柊は――」
「志々雄さんが言ってた場所に行かせて下さい……箒がありますから、すぐに行けます!」
「……聞いていたのか」

 つかさは逡巡する事なく応える。
 自分に出来る事を、自分なりに考えていたのだろう。

「罠かも知れない――いや、罠の可能性の方が高いぞ」
「何があるか見てくるだけです、近付きません。
 私が弱いのは分かってますから……だから、これだけはやらせて下さい」

 引く気がないのはすぐに分かった。
 それに、これが一番つかさを戦線から遠ざけれる形でもある。

 更に言えば、狭間は志々雄の言う『プレゼント』が本当に主催に関わるものである可能性を捨て切れなかった。
 ジェレミアとV.V.が知り合いだという点で、妙な信憑性を感じたのだ。

「分かった。
 G-9を確認次第、北岡達に合流してくれ。
 くれぐれもランスロットには近寄るな」
「はい!」


「私はどうしたらいい?」
「好きにしてくれ」
 そんな上田と狭間の随分雑な会話を余所に、ジェレミアは北岡にランスロットの説明をしつつ支給品を調える。
 ジェレミアがランスロットの戦闘を直接目にしたのは一度だけだ。
 しかし第二次東京決戦での交戦に備え、黒の騎士団が集めた情報を与えられていた。
 その際は自らの乗機での戦闘を想定していたが、まさか生身で戦う事になるとは思いもよらなかった。

 その間にアイテムの受け渡しをしながら、特に必要だと言われたのが昇天石だった。
 縁のデイパックが発見出来なかった時点で「笛が志々雄の手に渡った」と判断した狭間が、皆に分けさせたものだ。
 笛でUNDEAD状態になった者にはあらゆる攻撃が通じないが、回復魔法やこの石による破魔魔法ならば死体に戻せるという。

 狭間が一同にタルカジャとラクカジャを何度か掛け、支度を終えたところでジェレミアは車のドアを開けた。
 時速は百キロか、二百キロか、それ以上か。
 吹き込んで来る強い風に思わず目を細め、外の景色は瞬く間に流れていく。
 北岡の「あーあ」という何度目になるか分からない溜息も、暴風の中へ飲み込まれていった。

「危険だと判断したら逃げていい。
 それで研究所や我々が襲われる可能性があるとしても、とにかく絶対に死ぬな」
「分かってるよ、ついでにそっちもお互い様だからね」
「武運を祈る」
「狭間さん、また後で……!」

 ジェレミアが北岡とつかさを抱えて飛び降りる。
 着地の衝撃を両足で受け止めて殺し、振り返れば車は三人を置いてすぐに見えなくなった。
 地面に二人を降ろしてやると、つかさはデイパックから箒を取り出して浮き上がる。

「すぐに戻りますから!」
「うん、つかさちゃんも無理しないでね」

 つかさが夜空へ舞い上がると北岡はもう一度、小さく「あーあ」と諦めの声を出す。
 そして道路脇に設置されたカーブミラーにデッキを翳し、変身した。

「ロボットは好きだったけど、まさか戦う事になるとはねぇ」
「変身が解けた時は逃げて構わんぞ」
「安心してよ、俺は言われなくても逃げる時は逃げるから」

 場所は市街地の中でも十階建て程のビルが立ち並ぶオフィス街。
 足から伝わってくる振動が、接近してくるランスロットの姿が大きくなっていく。
 二人の間にハーケンが打ち込まれ、左右に別れて避ける。
 そしてジェレミアは贄殿遮那を構えて前へ、北岡はマグナバイザーを手にビルの上へと跳躍した。

 ランスロットが二つのランドスピナーのうちの一つを止め、そちらを軸足として旋回。
 その巨体の回転が生み出す暴風は竜巻に等しく、完全に停止するのも待たずに二機のハーケンを射出した。
 両の手の甲から打ち出されたそれぞれがジェレミアと北岡を狙う。
 ビルの屋上にいた北岡は一歩後方へと跳んで避け、ジェレミアはランスロットの間合いに踏み込む事で回避した。

 粉塵が巻き上がる中、ランスロットがハーケンを巻き取りながら蹴りを繰り出す。
 鋼鉄、大質量にして高速の蹴り。
 命中すれば一撃で文字通りの命取りとなる。
 ジェレミアは進路を横へと変えてそれを躱した。
 下手に跳躍すれば足場がなくなり、続く攻撃を避けられなくなるからだ。
 ランスロットはハーケンの先のブレード部分だけを手の甲から突き出させ、その拳を地面に打ち下ろす。
 ジェレミアが足に力を籠め、前へと加速してその地点から逃れた。

 ランスロットが拳を下ろした状態で旋回してジェレミアを狙うが、そのタイミングで北岡がマグナバイザーを連射。
 ランスロットは振るおうとしていた腕のブレイズルミナスを展開して受け止め、追撃を免れたジェレミアが走り抜ける。
 そのままランスロットの背後を取り、脚部や肩を足場にして駆け上がった。
 そして贄殿遮那を振るう対象は、胸部に二機設置されたファクトスフィアのうちの一つ。
 赤外線等様々な外部情報を一括して収集・処理するオープンセンサーカメラ――これを破壊すれば夜目が利くジェレミアとゾルダが一気に有利になる。
 しかしファクトスフィアは展開していない時は装甲に覆われており、展開するのは一時のみ。
 その瞬間を狙うよりは、装甲ごと何度も攻撃した方が破壊しやすいという判断をした。

 刀を突き立て、軋むような金属音。
 KMFの装甲は当然刀で傷付けられるようなものではないが、この刀はヒノカグツチとドラグブレードとの衝突さえ物ともしなかった特別製。
 更に今のジェレミアはタルカジャの重ね掛けにより攻撃力が強化されている。
 ファクトスフィアの外装に亀裂が走った。

 ランスロットが拳のブレードをジェレミアに叩き込む。
 ジェレミアはそれを贄殿遮那で受け止めるがその威力を完全に殺す事は出来ず、ビルの内部へと吹き飛ばされた。

 ジェレミアに向けて拳を振り抜いたランスロット――その目の前に、フラムがあった。
 北岡が投げ込んだものだ。
 ジェレミアの攻撃を成功させた上でそれを囮にし、ブレイズルミナスに防がれる事なくフラムを命中させるところまでが作戦。
 ゾルダが素早いランスロットを相手にするには重火器を捨てざるを得ない、その上で装甲を破る為の策だった。

 フラムが炸裂し、ビル街が一瞬照らし出される。
 煉獄の一撃に比べれば花火程度の爆発であっても、その威力は既にこの会場内で証明されている。
 傷付いていたファクトスフィアは破壊され、残るは一機となった。



 ガラスが割れ、室内に整然と並んでいた机や椅子は瞬く間になぎ倒され、ひしゃげて壊れ、原型をかろうじて残すのみとなった。
 窓から投げ込まれて反対側の壁に叩き付けられたジェレミアは、切れた口から滴る血を拭いながら立ち上がる。
 ラクカジャで防御力を底上げされていなければこの程度では済まなかっただろう。

 一歩進み、左の脇腹から火花が散って膝を着く。
 志々雄に斬られて装甲の奥深くまで達した傷。
 焼けるような痛みと共に思い出されるのは、志々雄に突き付けられた言葉だった。

 生き残る気がない。
 空っぽだ。
 それらは何ら言い訳の出来ない事実だった。
 「狭間に命を預けた」等と宣っても、ジェレミア自身がその命に価値を見出していなければ何の意味もない。

「だが私は……こんな所で死ぬつもりは、ない」

 全てが終わった後、主を追って死ぬ。
 今はまだ、何も終わってはいない。
 生き残った者達が元の世界に帰る、その背を見送るまでは死ねはしない。
 柊つかさが家族や友人のいない日常に戻る。
 狭間偉出夫が学校と向き合って罪を清算する。
 帰った後に辿る道を決めるのは彼ら自身、だがそこに至るまでの道を切り拓くのは大人の役目だ。

「その為にも……私は今度こそ君を止めるぞ、枢木!!」

 ジェレミアはスザクの死後にサイトを閲覧し、生前の彼が惚れ薬によって生き方を狂わされたのだと知った。
 会場内で二度もスザクに接触しながら、彼を正気に戻す事も凶行を止める事も出来なかった。
 涙を流している姿さえ目にしながら、何も出来なかった。
 ならばここで、死してなお弄ばれるスザクを止めるのは自らの役目。
 ジェレミアは己を鼓舞し、再びランスロットの駆ける戦場へ戻る。


【二日目/黎明/F-9 市街地上空】
【柊つかさ@らき☆すた】
[装備]空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、
[支給品]支給品一式×2(水のみ3つ)、確認済み支給品(0~1) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着、食材@現実(一部使用)、
    パルトネール@相棒(開封済み)、こなたのスク水@らき☆すた、昇天石×1@真・女神転生if…、メタルゲラスの角と爪、リフュールポット×2
    フラム×1
[状態]精神的疲労(中)、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:錬金術でみんなに協力したい。
2:G-9に何があるのか確認し、北岡達に合流する。
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。
※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。
※会場に連れ去られた際の記憶が戻りました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
※調合したリフュールポット×6は北岡とクーガーとつかさで二個ずつ(北岡とクーガーが一個ずつ使用)、琥珀湯×3は狭間に(一個使用)、
 フラム×3はつかさとヴァンと北岡(北岡が一個使用)で配分しました。

【二日目/黎明/F-9 市街地】
北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]:レイの靴@ガン×ソード、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎
[所持品]:支給品一式×3(水×2とランタンを消費)、CONTRACTのカード@仮面ライダー龍騎、CONFINE VENTのカード@仮面ライダー龍騎
     FNブローニング・ハイパワー@現実(12/13) 、RPG-7(0/1)@ひぐらしのなく頃に、榴弾×1、デルフリンガーの残骸@ゼロの使い魔、
     五ェ門の確認済み支給品(0~1)(刀剣類では無い)、昇天石×1@真・女神転生if…、リフュールポット×1
[状態]変身中、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:つかさに対する罪悪感。
2:ランスロットを倒す。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※病院にて情報交換をしました。
※レナ、狭間と情報交換をしました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。

ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ、ブラフマーストラ@真・女神転生if…
[所持品]支給品一式×2(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×1@コードギアス 反逆のルルーシュ、リフュールポット×2、
    不明支給品(0~1)、昇天石×1@真・女神転生if…、フラム×1
[状態]機械部分に深い裂傷、疲労(小)、ダメージ(小)、精神磨耗、両腕の剣が折れたため使用不能、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:殺し合いから脱出する。
1:V.V.を殺す。
2:他の参加者に協力する。クーガーとの約束は守る。
3:全て終えてからルルーシュの後を追う。
4:ランスロットを倒す。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。
※制限により、ギアスキャンセラーを使用すると疲労が増大します。他にも制限があるかも知れません。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。


 風圧にテンガロンハットが飛ばされないよう手で押さえ、進行方向とは逆の方を向いて鎮座する。
 ヴァンは車内の会話へは関心を寄せず、後方から追ってくるランスロットを眺めていた。
 ヨロイより小さいな、などと考えていると後部のドアが開いてジェレミア達が飛び降りる。
 ランスロットと相対する顔ぶれは決まったらしい。
 彼らの背を、ヴァンは眠たげな目のまま見送った。

 やがて降りた三人もランスロットも見えなくなった頃、狭間が窓から頭を出した。
 風に流されないようにしているのか、声はやや大きい。
「ヴァン、これから海に出て煉獄を落とす。
 接近には上田の支給品にあるクルーザーを使う予定だ」
 狭間が「クーガーのアルターは船にも」などと説明を加えているが、ヴァンは聞き流す。
「それで?」
「煉獄を実際に見てみない事には動きが決められない。
 しかし、……不本意だろうが、貴様には私とシャドームーンの護衛を頼む事になるだろう」
 ヴァンは露骨に顔をしかめた。
 気が進まない、どころの騒ぎではない。

「契約の事は既に話してあるな。
 シャドームーンに及ぶ危害は――」
「そいつは、生き残るのに要るのか」

 狭間の話を遮り、ヴァンは確認する。
 ヴァンにとってはそれが最も重要だからだ。

「そうだ、必要だ。
 鷹野の残した支給品が奪われた以上、この契約を守れなければ脱出は不可能だ」
「分かった」

 ヴァンは馬鹿だが、優先順位は理解している。
 まずは生き残る。
 生き残らなければならない。
 殺すのはその後でいい。

「それなら、これを渡しておく。
 必要になった時は使ってくれ」
 狭間から渡されたのは飴だった。
 水中呼吸が可能になるという説明を受けつつ、ヴァンはそれを適当にデイパックに突っ込む。
 一度それを口にした事があるのだが、ヴァンは覚えていなかった。

 話は済んだようで、狭間は頭を車内に戻した。
 ヴァンはクーガーの車の速度に悠々と併走するバトルホッパー、それに乗ったシャドームーンの方へ視線を動かす。
 銀の仮面は当然微動だにせず、ヴァンは一つ舌打ちをした。


 車内に三人、車外に一人を乗せるのみとなった車は海に向かって走行する。
 海岸へ続く道路はひたすらに一直線。
 既に道の先には水平線が見え始めていた。
 戦闘が近い、しかし狭間が纏う空気はひたすらに重い。

 ランスロットと煉獄の突然の出現。
 鷹野から託されたという脱出手段を奪われ、北岡とジェレミアを死地に追いやってしまった。
 狭間が如何に優秀でも狭間はつかさとさして変わらない年齢の学生なのだ。
 重くのしかかる責任に対し、いつまでも平然とはしていられない。
 クーガーは狭間の肩をバシバシと叩いて笑ってみせる。

「心配しなくてもどうにかなる、あの二人だって大人だ。
 こっちは研究所の死守が最優先、って事でいいのか?」
「ああ、しかし……」

 確認を取ったクーガーに、狭間は返事を濁らせた。
 上田が「YOU、言いたい事があるならはっきり言いたまえ」と無理矢理促し、狭間に続けさせる。

「……研究所を落とされたとしても、手がないわけではない」
「はぁ!?」
「何という事だ、そういう話ならもっと早く――」
「確証がなかった、だから全員の前では言えなかった。
 出来れば取りたくない手段だ」

 研究所でゲフィオンディスターバーを使って首輪の爆破機構を停止させる、以外の手段。
 狭間は躊躇いがちに告げる。
 それは首輪の構造が至極単純だからこその方法――“解除されて機能停止した首輪の配線を繋ぎ直し、再起動する”。

 通常の方法では、首輪を解除出来るのは五人の中で一人だけ。
 爆破機構を停止させるには、解除されていない首輪が四つ必要だからだ。
 逆に解除されていない首輪が四つありさえすれば、全員の首輪を解除出来る。
 だから解除済みの首輪を再利用する、という発想だった。
 幸いにも上田が三人分の停止した首輪を所持しており、練習台として使える。
 理屈では、だが。

「……出来たら最高だが、失敗したらアンタの手首から先が吹き飛びそうな話だな」
「それもあるが、これはあのサイトに掲載されていない方法だ。
 薔薇水晶に妨害される可能性がある」
「なら、せいぜいそんな手に頼らなくていいように頑張りますか……!」

 海岸に出る。
 即座にハンドルを回し、研究所がある北へ。
 急なターンではあったがシャドームーンの駆るバトルホッパーはピタリとついてきた。
「気に入らないッ、が、今はあのデカブツを潰すのが先だな……!」
 沖には志々雄の言葉通り船が浮かび、やはり北へと航行していた。

 しかしクーガーは目を疑った。
 助手席の狭間もまた眉間に皺を寄せて船を注視している。
 志々雄がランスロットと共に用意したその兵器は、「明治時代の船」に相応しい薄汚れた木造船だったのだ。
 大きさもクーガーの世界にはもっと大型の戦艦がある。
 『肩透かし』に近い感覚があった。

「はっはっは、あれなら私だけでも充分落とせ――」

 途端に調子付いた上田の声を一つの爆音が遮る。
 船が爆発し、炎に包まれたのだ。

「自爆……!?」
「違う、あれは……!」

 火が収まり、夜の闇が海に戻ってくる。
 同時にそこには志々雄が語った“甲鉄艦”が鎮座していた。
 爆発したのは木造船に偽装する為の外側部分のみで、その内部は確かに未来の技術によって作られている。
「わざわざ手が込んでいるな、腹立たしい……」
 言いながら、狭間の額には汗が浮いていた。
 北岡達が向かったのは確かに死地であったが、こちらもさして変わらないようだ。

「ま、デカかろうと強かろうと俺が片を付ければいい話だ。
 俺は最速の男だからな!!」

 速さはサイズに、強さに優る。
 クーガーの意思に呼応するように、車のエンジンが唸りを上げた。


【二日目/黎明/F-10 沿岸部】
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式×2、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
     鉈@ひぐらしのなく頃に、琥珀湯×2
[状態]:人間形態、疲労(小)、魔力消費(中)、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:殺し合いから他の者達と一緒に脱出する。
1:シャドームーンとの契約を遵守する。
2:研究所を防衛する。
3:翠星石を保護する。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページのユーザ名はtakano、パスワードは123です。
またこれらを入手したことにより、以下の情報を手に入れました。
全参加者の詳細プロフィール
全参加者のこれまでの動向。
現時点での死者の一覧。
各参加者の世界観区分。
nのフィールドの詳細及び危険性。
「彼」が使用したギアスの一覧。
※目的の欄を閲覧することはできませんでした。

ストレイト・クーガー@スクライド】
[装備]:車
[所持品]:基本支給品一式、昇天石×1@真・女神転生if…、リフュールポット×1
[状態]:身体中に鈍い痛み、疲労(大)、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:生きる。
1:煉獄を落とす。
2:翠星石を迎えに行く。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。
※真司、C.C.らと情報交換をしました。
田村玲子が同化して傷を塞ぎました。アルターについては応急的な処置なので寿命が延びる事はありません。
 それ以外の影響があるか否かは後続の書き手氏にお任せします。
※君島の車@スクライドとミニクーパー@ルパン三世はクーガーのアルターで同化しました。

【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(先端部欠損)、ヴァンの蛮刀@ガン×ソード
[所持品]:支給品一式、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎、昇天石×1@真・女神転生if…、
     フラム×1、エアドロップ×2@ヴィオラートのアトリエ、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:右目欠損、疲労(大)、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。生き残る。
1:V.V.を倒した後シャドームーンを殺す。
[備考]
※まだ竜宮レナの名前を覚えていません。
※C.C.の名前を覚えました。

上田次郎@TRICK(実写)】
[装備]ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説)、ニンテンドーDS型探知機
[支給品]支給品一式×4(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE、予備マガジン3本(45発)、
    上田次郎人形@TRICK、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、情報が記されたメモ、浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品(0~2)、
    小型クルーザー@ルパン三世、ファサリナの三節棍@ガン×ソード、倭刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード
[状態]額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲、タルカジャとラクカジャ重ねがけ
[思考・行動]
0:ヴァン達に協力する。
水銀燈、真司、C.C.、縁の遺体がF-8民家に安置されました。
※水銀燈、L、真司、C.C.のデイパックが車内に置かれています。
※水銀燈のデイパック
 支給品一式×10(食料以外)、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒、双眼鏡@現実、首輪×3(咲世子、劉鳳、剣心)、
 着替え各種(現地調達)、シェリスのHOLY隊員制服@スクライド、農作業用の鎌@バトルロワイアル、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、
 カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿、剣心の不明支給品(0~1)、ロロの不明支給品(0~1)、
 三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル
※Lのデイパック
 支給品一式×4(水と食事を一つずつ消費)、ニンテンドーDS型詳細名簿、アズュール@灼眼のシャナ、角砂糖@デスノート、
 情報が記されたメモ、首輪(魅音)、シアン化カリウム@バトルロワイアル、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、おはぎ×3@ひぐらしのなく頃に、
 女神の剣@ヴィオラートのアトリエ、DS系アイテムの拡張パーツ(GBA)、才人の不明支給品(0~1)、ゼロの剣@コードギアス、
※真司のデイパック
 真司の確認済み支給品(0~2) 、劉鳳の不明支給品(0~2)、発信機の受信機@DEATH NOTE、カードキー、神崎優衣の絵@仮面ライダー龍騎
※C.C.のデイパック
 支給品一式×4、ゼロの仮面@コードギアス、ピザ@コードギアス、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、
 白梅香@るろうに剣心、確認済み支給品(0~1)、S&W M10の弾薬(17/24)@バトル・ロワイアル
※浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品のうちの昇天石×5@真・女神転生if…は、北岡・つかさ・ジェレミア・ヴァン・クーガーで配分しました。

【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK、バトルホッパー@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み)
[状態]:疲労(中)、ダメージ(極大)、全身に負傷、全身に火傷、右腕欠損、シャドーチャージャーに負傷
[思考・行動]
0:創世王を殺す。
1:創世王を殺した後、他の参加者を皆殺しにする。
2:狭間との契約は守る。
3:キングストーン(太陽の石)を回収する。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※会場の端には空間の歪みがあると考えています。
※空間に干渉する能力が増大しました。
※nのフィールドの入り口を開ける能力を得ました。
※回復が始まっていません。回復するかどうかは後続の書き手に任せます。

※狭間偉出夫とシャドームーンは契約を交わしました。内容は以下の通りです。
シャドームーンは主催者を倒すまで他の参加者を殺害しない。(但し正当防衛の場合は例外とする)
狭間はシャドームーンの首輪を解除する。
狭間はシャドームーンが首輪を解除するまで護衛する。
シャドームーンは首輪を解除できれば他の参加者と協力して主催者と戦う。(シャドームーンは会場脱出や主催者の拠点へ侵攻する際は他の参加者と足並みを揃える)
主催者(の黒幕)の殺害はシャドームーンに一任する。
主催者を倒した後はシャドームーンと他に生き残った全ての参加者で決着を付ける。
主催者を倒すまでにシャドームーンが誰かに殺害された場合、狭間は必ずその報復を行う。


 会場から戻った薔薇水晶は一人佇み、頬に手を当てる。
 そこには先程負った小さな傷があった。

「……」

 表情は動かない。
 ただ立ち尽くす。
 そこに小さな足音と、啜り泣く声が聞こえた。

「翠星石……」

 名を呼ぶと、翠星石は顔を覆っていた手を離す。
 憔悴しきった彼女の目元は赤く、ずっと泣いていたのだと分かった。
 闇雲に歩き回っているうちにここに着いたらしい。
 薔薇水晶が崩れ落ちそうになった彼女を支えてやると、薔薇水晶の胸に顔を埋めて泣きじゃくった。
 「分からない」「分からない」と、何度も口にしながら。

 数分程そのままでいると、少しは落ち着いたのか泣き止んだ翠星石が顔を上げる。
 しかし目が合った途端、翠星石の表情が歪んだ。

「その、傷は……どうしたですか、薔薇水晶……?」

 不安そうに、心配そうに、翠星石が薔薇水晶の頬に手を伸ばす。
 そこで二の腕の傷にも気付いたようで、顔がますます強張った。

「これは、会場で襲われたの。
 彼らに攻撃された」

 翠星石の涙が落ちる。
 一度は止まったはずなのに、次から次へと滴っていく。

「悲しいの?」
「だってっ……同じ、姉妹なのに……っ」

 真紅も、蒼星石も、水銀燈も死んだ。
 雛苺も脱落した。
 金糸雀も今となってはどこにいるのか分からない。
 翠星石にとって、今や残る姉妹は薔薇水晶ただ一人。
 その薔薇水晶が傷付く事に、まして死ぬ事に、翠星石が耐えられるわけがないのだ。

 薔薇水晶に縋って泣く翠星石。
 小さく一度だけ、嗚咽に「あんな奴ら」と呪う言葉が混じった。
 彼女が薔薇水晶の手の中に落ちるまで、恐らく時間は掛からない。


【二日目/黎明/???】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅と蒼星石と水銀燈と雛苺のローザミスティカ@ローゼンメイデン、キングストーン(太陽の石)@仮面ライダーBLACK(実写)
   ローゼンメイデンの鞄@ローゼンメイデン、庭師の鋏@ローゼンメイデン、庭師の如雨露@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式(朝食分を消費)、真紅のステッキ@ローゼンメイデン、情報が記されたメモ、確認済支給品(0~1)
[状態]首輪解除済み
[思考・行動]
0:???
[備考]
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
※ローザミスティカを複数取り込んだことで、それぞれの姉妹の能力を会得しました。
※キングストーンを取り込んだことで、能力が上がっています。
 またキングストーンによる精神への悪影響が見られ、やがて暴走へ繋がる危険性があります。


 V.V.は一人、モニタールームで会場を見守る。

「それが君の選択なんだね、C.C.」

 数刻前、誰よりも長い月日を生きた魔女が自ら凶刃の前に躍り出た。
 それはつまり、死のうとしたという事。
 自ら死を選んだという事。

「随分満足そうだったね……僕からの贈り物は、気に入って貰えたのかな」

 監視しても、盗聴しても、参加者の心の内までは分からない。
 C.C.は最期に何を思ったのか。
 想像し、クツクツと声を殺して笑う。

「志々雄に追い詰められれば、残された彼らはまた新たに『選択』を強いられるだろう。
 僕はそれを見られる時が、楽しみでならないよ」

 画面に映るのは白い鋼鉄の騎士と戦艦。
 そしてそれに立ち向かう者達。

「彼の策は成功するかな……?
 彼は素直にあれを受け取ってくれるかな……?
 それに彼女達は――」

 丸一日以上続いたバトルロワイアルの、全ての結果がもうすぐ出る。
 V.V.はその時を待ち続ける。
 薄く笑いながら、楽しみにしながら、待ち続ける。




【ランスロット@コードギアス 反逆のルルーシュ】
特別派遣嚮導開発部が開発したKMF(ナイトメアフレーム)。
B-5山頂付近、外観を偽装したKMF格納庫に収容されていた。
起動キーはV.V.の手元にあり、バトルロワイアルの進行状況次第で参加者に渡す予定もあった。
型式番号 Z-01
全高 4.49m
重量 6.89t
装備 スラッシュハーケン×4、ブレイズルミナス×2、メーザーバイブレーションソード×2、ヴァリス、ハーケンブースター
従来の量産型よりも性能が高い分扱いが難しいが、枢木スザクが操縦した場合の通常稼働率は94%となる。
ファクトスフィアが頭部でなく胸部に2基装備され、スラッシュハーケンも腰部の2基に加え手の甲から射出するメッサーモードが2基、計4基装備されている。
腕部中央からブレイズルミナスというシールドを発生し、様々な攻撃を弾く。
脱出装置とフロートシステムは実装されていない。

【煉獄・改@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-】
元は十本刀の一人である佐渡島方治が、雪代縁の組織から買い取った大型甲鉄艦。
一度は沈没したものをV.V.がブリタニアやエンドレス・イリュージョンの技術を用いて修理・回収・改造を施した。
J-1の座礁船として偽装されていて、観柳が持つ専用パソコンをバトルロワイアルの進行状況次第で参加者に渡す予定もあった。
志々雄「この大型甲鉄艦“煉獄”には全財力の五分の三をつぎ込んだんだ」
アームストロング砲や回転式機関銃を装備していたが、改造後の装備は不明。
専用パソコンによる遠隔操作やオート航行が可能になっている。

【昇天石@真・女神転生if…】
ルルーシュ・ランペルージに支給。
敵2体に破魔属性の魔法をかけるアイテム。
5個セットで支給。

【小型クルーザー@ルパン三世】
銭形警部に支給。
TV SPECIAL「霧のエリューシヴ」に登場し、ルパン達が使用したクルーザー。


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164:Marching Ever Onward To Tomorrow 北岡秀一 167:CODE GEASS――鋼のレジスタンス
ジェレミア・ゴットバルト
柊つかさ
上田次郎 165:HELL ON EARTH(前編)
ヴァン
ストレイト・クーガー
狭間偉出夫
翠星石
シャドームーン
志々雄真実
薔薇水晶 165:HELL ON EARTH(後編)
V.V.
161:第四回放送 古手梨花
武田観柳 165:HELL ON EARTH(前編)



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