汝、希望の殉教者よ――我が心臓に牙を立て“神殺し”を完遂せよ

発言者:葬想月華(ツクヨミ)
対象者:希望の殉教者


『シルヴァリオ ラグナロク』のディザームービーに登場した言葉であり、ミサキ・クジョウ星辰光(アステリズム)起動詠唱(ランゲージ)の一節。

本編公開前は彼女を磔刑にして剣を心臓に突き立てる光景と相まって、いずれ彼女を犠牲にする状況が発生することを示唆している文面ではないかと予想されていた。

事実、本人のルート以外ではいずれも自身を犠牲にする結末が起きており、ミサキルートでも寿命と引き換えに眷属への力の譲渡を行うなど、同様の結末が起きるのではとプレイするユーザーを心配させたと思われる。

そして、明かされた真実から彼らは神殺しを成せば、どちらも生存することは不可能であり、いずれにしても二人の終焉は運命づけられており、希望などどこにもなかったが―――。

その運命は彼らと共に歩むによって大きく変化する。


+ いいや、まだだ――“勝つ”のは彼らなんだから
発言者:
対象者:星辰人奏者

幾多の致命傷を負いながら残り僅かな命を燃やし、世界樹の核にたどり着いたラグナとミサキは、最後に残った魂を対価に希望を成そうとするも、その決意さえ計算済みの神奏者によって磔刑に処されてしまう。

そして第二太陽を遮断する装置として存在全てを逆に利用されて、身体も、命も、意思も、魂も無惨に磨り潰され、二人は物言わぬ骸と成り果てたのだが―――。

二人へ集う真紅の星晶、命の煌めきが傷つき、朽ち果てようとしていた二人の魂を優しく癒していく。

それはが信じて残してくれた星の結晶(かけら)。二人が眷属の心臓に埋め込んだ紅星晶鋼(アキシオン)は本来、眷属へ再生能力と不死破断の属性を与えるための受容体だった。しかし、彼らは星晶に星屑を溜め、二人へ還元するための容器として逆利用したのだ。

すべては、最後のこの一瞬に二人へ希望を託すために。

星屑に込められた思いが伝わるたび、涙が頬を濡らす。どこまでも、どこまでも自分たちを思う絆へ尽きぬ感謝があふれ出る。

「ラグナ、ミサキ……ありがとう、出会ってくれて。私を人間にしてくれて。あなた達との思い出すべてが、何より大切な宝物。ずっとずっと見守っているから、寂しくなんてないからね」

―――先祖より連綿と受け継がれてきた憎悪の虜囚は、その憎悪から解放してくれた二人へと感謝を告げる。

「会えなくなっても、身体を無くしただけだから。悲しむ必要さえないわ。心も、星も、常に二人と共に在るの……それがきっと、神さえ超える永遠よ」

―――永遠の血統に囚われた天津の少女は、真なる永遠と出会えた奇跡を誇り、その行く末に祈りを捧げる。

「ふふ……素敵な告白を、傍で聞けなかったことは残念ですが。結婚式にはわたくしも、どうか呼んでくださいませ。お二人に負けない笑顔で、たくさん祝福してみせますわ」

―――隣人の笑顔を尊ぶ聖騎士の少女もまた、いつか来る二人の幸せな未来に寄り添うことを夢に見る。

帝国(アドラー)万歳、戦友万歳……何も心配してねえよ。愛は無敵だ。ぶちかませ」

―――無辜の民の盾たる光の殉教者は、先達として、戦友として己の信頼をもって二人の背中を押す。

「そう、だから―――

「僕の仇で、俺の親友───覚悟しろ。さあ運命は集ったぞ。月の女神を抱きしめながら、今こそ証明してみせろ」

地獄(なみだ)を超えたその先にも、笑顔の花は咲くのだと」


そう、これは人間(ヒト)の物語。天地の狭間で生きていく人間は素晴らしい明日を成すために邁進し、自分以外の(だれか)と出会い、結ばれて次代を生み、自分では形にできない遥かな祈りを他者へ託し、その行く末を信じながら己は舞台を降りるのだ。

いつの日か、託した誰かが晴れ渡る蒼穹(あおぞら)の下、沢山の笑顔の花を咲かせる未来を夢見ながら。

故に、我らも夢見て託すのだ。お前も大切な人間(ヒト)だから、大切なお前や皆が生きる明日を守りたいから。

だからこそ―――全ては、葬想月華(ツクヨミ)の告げる神託通りに。今こそ、絆と共に胸に宿した命の結晶を月へと還そう。



汝、希望(ヒカリ)の殉教者よ。我らが心臓に牙を立て、“神殺し(ラグナロク)”を完遂せよ。

───君たちに、それが出来ないはずがない。



ならば人界の蒼穹(スカイフィールド)よ、全ては彼らの捧げる希望(ヒカリ)がままに。
蒼穹の誓いを胸に――いざ。



「斯くやあらん」





  • そしてこの詠唱は形を変えて…… -- 名無しさん (2020-07-04 20:27:07)
  • 文字通り心臓を捧げるのだが、まさか主人公とヒロインではなく仲間が二人に内緒で策を進めて、神祖すらも出し抜くというこの上ない信頼 -- 名無しさん (2020-07-04 22:34:10)
  • 紡いできた“絆”があったからこそ、真に未来を切り開く奇跡を起こしたのですな。 -- 名無しさん (2020-07-07 16:05:17)
  • 一問一答の解答だと、ここに至るまでの仲間達とのやり取りがない淡泊な関係だったら人奏に至っても笑顔の明日に辿り着けなったらしいね。最初に言われていた救いのない結末になるはずが、途中から高濱すらもストーリーを軌道修正するほど動かされたらしいし。まさに創造主(カミ)の思惑すら超えて見せたわけだ。 -- 名無しさん (2020-07-11 09:09:54)
  • “勝つ”のは「彼ら」かァ…やっぱリチャード良いわー…ルシードに勝るとも劣らないベストフレンド過ぎる -- 名無しさん (2020-10-16 03:19:41)
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最終更新:2020年10月16日 03:19