ザルチム

概要

第190話で初登場した、複数の目を持つ魔物の子。
頭部だけで9つの目を持ち(前方に3つ、側頭部と頭頂部を通る円周に5つ*1、真後ろに1つ)、更に術使用時のみ開眼する目が両掌に1つずつと腹部に6つある。
術はこれらの目から発せられた光の影を実体化させるという珍しい形態を取る。

彼の大きな特徴の一つが魔物自身に備わった探知能力。
コーラルQモモンのような「魔力を感知する能力」なのか、TCBで能力名となった「千里眼」のような能力まで伴うのかは作中で明言されていないため不明だが、離れた場所にいる魔物の情報を正確に把握する描写が幾度も見られる(第190話・第203話・第206話など)。
この能力を働かせる際は、頭部の目が全て見開かれ、様々な方向を向くため、何らかの形で能力に関与しているようである。

ファウード復活に協力する魔物の中では唯一、乗っ取ろうという野望やパートナーを呪いから救い出すといった目的を持たず、リオウに協力する魔物である。
魔界の王になる事が小さく感じられるほどに、ファウード復活という「でかいこと」に惹かれていた事や、「リオウとは友達までじゃなかったと思ってたのによ…」と述べながら友情を感じていた事を吐露する様子は、第230話の魔界へ送還されるシーンにて確認できる。

作中において初の戦闘シーンは第202話、ファウードの肝臓の部屋にてウォンレイと共に待ち構える魔物として登場。
「オルシド・シャロン」でリーヤペア以外の全員を拘束し、ロープで縛り直してティオキャンチョメとそのパートナー達を捕縛する事に成功。
しかし、立ち上がったアリシエによってガッシュ・ベルウマゴンモモンとそのパートナー達は逃される事となった。

ゼオンファウードが乗っ取られた後、第225話でファンゴと共に立ちはだかる魔物として再び登場。
この戦いではリーヤペアとウマゴンペアを相手取っていたのだが、ゴデュファの力を得なかった事を理由に仲間であるはずのファンゴから敵視されており、実質的に1VS1VS2の形となる。
最終的にザルチム・ファンゴリーヤの3名がこの時の戦闘にて脱落する事となった。
なお、アリシエを因縁の相手としている理由は第227話の回想で語られており、初めて恐怖を感じさせられた事、それも弱い人間だった事を挙げている。

ガッシュTCBにおいては、ザルチム《千里眼》リーヤVSザルチム《信念の裏切り》や、ラウシン・モー《人質》といったカードの効果がとても強力。
攻撃術に関しても悪くない性能を誇るカードが散見されるので、やろうと思えばアタッカーの役割も担う事ができうる性能となっている。
ただ、かばえない効果は持ち合わせておらず、高打点を出せるS-611 シドナ・ディップS-612 シドナ・ディ・シザルクは【ステイ】解除効果が致命傷になるといった弱点もある。
どちらかと言えば、アタッカー役は他の魔物に任せて、ザルチムは「魔物の効果」を中心としたサポーターを任せるのが良いだろう。
もしもアタッカーを務めさせたいのであれば、S-556 ジボルオウ・シードンで【ステイ】解除を使ってくる相手魔物を除去し、その後でS-612 シドナ・ディ・シザルク等で攻めるというのも手か。

【封印解除】術も持っているので、ファウード狙いもできなくはない。
ただ、S-556 ジボルオウ・シードンは効果が強力なので、E-198 封印解除を使わずに使う方が向いており、ザルチムの関連カードもさしてファウードと相性が良いとは言い難い。
よって、ザルチムでファウードを狙っていこうという場合には、それ相応に他の味方がサポートは必要となるだろう。


代表的なカード

魔物カード

場にある限り、相手は今のページ以外のカードの効果を使えなくなる(場に出すことはできる)。
モモン《逃げの一手》E-139 ティオのパンツPR-047 赤い魔本といったカードを封じる事ができるのでコントロール魔本との相性が特に優れるカード。
E-077 僕の王様等のカードも封じられるので、相手によってはこのカードが立っているだけで行動の幅が狭められる場合もある。

自分の魔本がダメージを受けたとき、めくられたページの枚数×2、自分のMPをふやす効果を持つ。
ダメージを受けてもMPを回収できるが、相手からのダメージは相手に依存してしまうので計算に入れ辛く、魔本の被害自体は抑えられないので下手すると押し負けるリスクも伴う。
自分のカードで自分の魔本にダメージを入れる手段も限定的なので、上級者向けのカードと言えるだろう。

S魔物カード

自分はかばえない時にも、この魔物以外の魔物でダメージをかばう事ができる。
「この魔物」ではなく「 この魔物以外の魔物 」でかばえるという一風変わった効果を持つカード。
かばえない効果を伴う攻撃」は現環境で主流の攻撃方法であり、魔物がダメージを受けるとはいえ、対策が取れるのはかなり強力。
キャンチョメ《無敵キャンチョメ》ガッシュ・ベル《目覚めた力》といった魔物と組めば、被害を大幅に軽減できる点も見逃せない。

W魔物カード

自分がコスト5以上で使う「上級」の術は「封印解除」が付いた術扱いになる。
色々な魔物の術をファウード復活に繋げられるようになるカードだが、術の条件がやや厳しく、E-198 封印解除も適用できないので使いこなすのは難易度が高い。
また、ザルチムもリオウも元々【封印解除】の付いた術を持っているというのも、このカードが使い辛い一因と言える。
使うのであればS-607 ジボルオウ・シードンを用いるなど、効果的に使えるように魔本を練る必要があるだろう。

VS魔物カード

MP1を払う事で【ステイ】している効果1つを取りのぞく事ができ、この効果は相手の効果にかかわらず使うことができる。
人気のチェリッシュ《失われた笑顔》と同様の効果を持っており、相手の効果にかかわらず使える【ステイ】解除なので、環境には絶大な影響力を持つ。
チェリッシュ《失われた笑顔》と大きく異なるこちらのメリットとしては、VS魔物なので相手魔物の除去が見込める点と、アリシエ《本物の男》ラウシン・モー《人質》を付けられる点が挙げられる。

自分か相手の「ザルチム」か「 リーヤ 」を捨て札にして場に出すという「場に出す条件」、パートナー「アリシエ」を付けられる「魔物のルール」、「ザルチム」と「 アリシエ 」の【ラストVS】、自分が「魔物の効果」で攻撃した時に相手は「魔物の効果」以外での防御ができなくなる「魔物の効果」を持つ。
魔物VSパートナーという異例のカードで、パートナー「アリシエ」を付ける方法など複雑な点があるので個別ページの解説も要確認。
「魔物の効果」では自分の「魔物の効果」による格闘攻撃のサポートが行える。
ただし、このカード自身は格闘効果を持たないので、S-612 シドナ・ディ・シザルクガッシュ・ベルVSリオウ《素の力》等で付与したり、他の味方魔物を格闘効果を持つ魔物で編成するといった構築が必要。
このゲームで防御が行われる場面はあまり多くないので、どちらかといえば【ラストVS】がメインのカードと考えても良いだろう。

パートナーカード

捨て札にすると、非バトルの術1つをジャマーできる。
現存するカードで唯一、非バトルの術を対象としている珍しいジャマーカード。
汎用性は《人質》に引けを取るが、その希少性を活かせそうと見るなら採用を考えても良いだろう。

捨て札にすると、次のターンのエンドフェイズまで、相手は「このカードが場にある→」効果を使えなくなる効果を【ステイ】させる。
効果期間が2ターンと長い上、「このカードが場にある→」効果ならカードの種類を選ばず、対象を取らないので後から出てきたカードにも有効と、長所が非常に多い。
【ステイ】なので現在だと取りのぞく効果を受ける可能性も低くはないが、ザルチムを使う魔本あれば採用しておいて損はなく、複数投入しておく余地も十分にある。

術カード

―第1の術「オルシド・シャロン」
どちらのターンでも使用可能なMP2の非バトル術で、「相手は「このカードが場にある→」効果を使えない」効果か「相手は「使用を宣言する→」効果を使えない」効果を、このターン中【ステイ】させる。
相手に応じて使い分けられる効果封じの非バトル術。
カードの種類を問わないので、バルカンカードやMJ12カードの対象となる効果も封じられる。
なお、「このカードが場にある→」効果を封じるならラウシン・モー《人質》が存在するので、どちらかと言えば「使用を宣言する→」効果を封じる方を主目的と考えておくのが良いだろう。

―第2の術「シドナ・ソルド」
魔力勝負に勝つまで1ターンに何回でも使える「カードのルール」を持つ、MP1で魔力+3000・1ダメージの攻撃術。
魔力勝負で防がれても再度攻撃できるという珍しい性能を持ったカード。
しかし、攻撃が通っても1ダメージにしかならないので、安易に使ったところでメリットは少ない。
使うのであれば、その1ダメージに十分な価値が生まれるような魔本構築を心掛けたい。

―第3の術「ジボルオウ・シードン」
【封印解除】を持つMP7で魔力+7000・3ダメージの攻守両用術で、相手の魔物にダメージを与えると、相手の魔物1体を選んで捨て札にできる効果を持つ。
相手からすれば魔物でかばえば選択式の魔物破壊が発動されるためかばい辛く、かといって魔本で受けるのも3ダメージと厳しい選択が迫られる事になる。
ある程度の選択権が相手にあるとはいえ、どちらにしても大打撃となり得るので、大型の攻撃術が欲しければ採用する価値は十分にある。
なお、魔物破壊の発生条件は「相手の魔物にダメージをあたえたとき」なので、V-002 バルカン四代目には注意。
また、確実に魔物破壊として使いたいならEx-047 ナオミちゃんとコンボさせても良いだろう。

MP6で魔力+6000・3ダメージの攻守両用術で、この術を使ったとき、ただちに相手のMPを4減らす効果を持つ。
MP枯渇を狙っていける術で、効果の適用タイミングは「この術を使ったとき」なので防御時にも有効。
攻撃時には相手が防御カードを選択する前にMP枯渇が発生するので、防御の選択肢がなくなる事も期待できる。
一方、ダメージに関する効果は持たないため、そちらはあまり期待できない。

―第4の術「シドナ・シルド」
別の魔物で既に防御している時に追加で使う事ができ、その場合、合計魔力にこの術の魔力を加算するという「カードのルール」を持つ、MP1で魔力+6000の防御術。
味方魔物との連携で非常に高い防御力を出す事が可能。
防御に使える格闘効果を持つ魔物と組む場合に、特に効果的となるだろう。
単体でも高い魔力を持っており、ザルチム自身の魔力と相俟って防御できる幅は広めなので、連携を気にせず防御に期待しても良い。

―第5の術「ガンズ・シドセン」
MP2で魔力+3000・1ダメージの攻撃術で、コストを2増やすごとに、ダメージの回数を1増やせる効果を持つ(追加できるコストは4まで)。
最大で1ダメージ×3を飛ばせる術カード
連続ダメージ術という強みはあるものの、MP6で3ダメージはパムーン等の他魔物と比べると少々物足りないか。
使うのであれば「ザルチムで連続ダメージが出せる点」は元よりとして、PR-006 金色の超呪文等のダメージをふやす効果とのコンボも検討していきたい。

―第6の術「オルダ・シドナ」
MP2で防御不可能な3ダメージの攻撃術で、「相手はかばえない時でもこの術のダメージをかばえる」というデメリット効果を伴う。
低コストかつ防御不可能の3ダメージという一見すると強力な術だが、デメリット効果により、普通に使用してもかばわれるだけで大した成果は見込めない。
相手に魔物を犠牲にかばうかの選択を強いれるように、相手魔物に負傷状態を撒いてから使うようにしよう。

―第7の術「シドナ・ディップ」
MP1で自分のターンに使う非バトル術で、次の自分のターンのエンドフェイズまで「《短刀》使用を宣言する→合計魔力8000で攻撃(相手の魔本に2ダメージ)、または防御する」効果をザルチムに付与する【ステイ】を発動する。
僅かMP1で合計4ダメージ分の攻撃と、防御1回分の権利を得られる。
しかし、【ステイ】で付与するタイプの効果なので、相手が取りのぞく効果を用意していると一度も効果を使えずに解除されてしまうリスクを伴う。
現環境において【ステイ】解除はありふれたものとなっているので、最低でもメジャーな【ステイ】解除効果はある程度対策した上で使うようにしたい。

―第8の術「シドナ・ディ・シザルク」
MP4で自分のターンに使う非バトル術で、次の自分のターンのエンドフェイズまで「《ハサミ》使用を宣言する→この効果は1ターンに2回まで使える。合計魔力8000で攻撃(相手の魔本に2ダメージ)する」効果をザルチムに付与する【ステイ】を発動する。
全て魔本に入れば8ダメージ、魔物にかばわれても合計4回分のダメージで相手の場への被害は多大に期待できる。
破壊力は抜群ではあるものの、やはり【ステイ】効果によって付与するので、【ステイ】解除を受ける事が心配される。
S-611 シドナ・ディップ同様、使うのであればメジャーな【ステイ】解除効果はある程度対策しておこう。

相性の良いカード

ザルチム《千里眼》の存在から、MP枯渇魔本破壊といったコントロール魔本が第一に好相性として挙げられる。
魔物カードザルチム《千里眼》を選出するのであれば、それらの戦術を取り入れていくのが良いだろう。
コントロールに特化させずともE-073 コンビネーションダンス等をタッチ採用して妨害を図っていくのも手と言える。

リーヤVSザルチム《信念の裏切り》は個別ページにもあるように、【ステイ】解除効果及びアリシエ《本物の男》ラウシン・モー《人質》の存在から、お互いに守り合えるウォンレイ《愛のために》ウォンレイ《この笑顔を...》とは相性が良い。
3体目の魔物次第では更に盤石な盤面を築き上げる事ができ、アタッカー役はザルチムやウォンレイがこなす事もできるので、魔本構築は行いやすい方となる。
また、ザルチムは妨害系効果を防ぐ手段が乏しいので、リーヤVSザルチム《信念の裏切り》以外の場合においてもウォンレイとの相性は良い方だろう。

S-612 シドナ・ディ・シザルクで攻撃していく事を狙うなら、デモルト《咆哮》のような魔物破壊カードを取り入れておくのも手と言える。
【ステイ】解除の手段を「魔物の効果」に任せている相手であれば、その魔物を除去するだけで【ステイ】効果の通りが良くなる。

関連カードリスト

+ 魔物カード
―魔物カード
―S魔物カード
―W魔物カード
―VS魔物カード
+ パートナーカード
―パートナーカード
+ 術カード
―術カード

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最終更新:2024年09月12日 18:15

*1 第190話の「ヒヒヒ、リオウもそう思ったか?」という台詞のコマでは7つありそうに見えるが、他のシーンでは確認できない。