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SCP-4456 - (2026/03/11 (水) 07:43:07) のソース
&font(#6495ED){登録日}:2020/01/07 Tue 21:05:32
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&font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます
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#center(){&font(b,red){}}
SCP-4456はシェアード・ワールド『[[SCP Foundation]]』に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]である。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はKeter&bold(){だった}。
#openclose(show=▷ 目次){
#contents()
}
*概要
SCP-4456は、16世紀のスペインのガリオン船「ソイ・ミ・アマンテ」号であった。
少なくとも見た目の上では、1500年代の普通の船との差異は特になかった。
この船は、4~6日ごとにどこかの水域に自分のコピーを作り出し、$519,000ほどの金・銀・宝石が供給されると消失する。
供給されない場合、キレて体当たりしたり砲撃してくる。
なお、特に誰かが乗っているわけではないようだ。クラバウターマンでも宿っているのかもしれない。
財団はひとまず出現の度に純銀2500ポンドを渡す収容プロトコルを制定して対応しつつ調査を進めた。
そしてこの船の起源を調査している時、とある1500年頃の文章を発見した。
>女王陛下へ、
>
>ソイ・ミ・アマンテが未知の勢力により襲われたことを報告せねばならぬことで悲嘆にくれております。彼の船とその乗組員らは我らが神聖王国の大いなる資金源として記憶されるでしょう。
>
>しかし、私はその以前の性質に対する懸念を表明せねばなりません。彼の船の勇敢な乗組員達はどこでその賞金を得たのか話そうとせず、我々は帰還時にその多くが運ばれてきたことを知るのみです。私は彼の船の破壊が、長きに渡り我らの盗みを許し続けていた何らかの巨大かつ未知なる勢力の前触れではないかと恐れております。この世には非常に強大な勢力が蠢いているのやもしれません ─ ソイ・ミ・アマンテのような強大な船を瞬時に僅かな灰とし得る生命体はいないようですので。
>
>神が我らにお怒りになること無きよう、我らが神の恵みの下に繁栄し続けられることを祈ります。
>
>貴女の忠実なる下僕、ダンテより。
この文章中ではソイ・ミ・アマンテ号が「未知なる勢力」なるものに襲われて破壊されたことが記述されている。
しかし現実として、財団はこの船を何度も見かけているのである。一体どういうことなのだろうか?
*宝はいずこへ
それはそれとして、財団はソイ・ミ・アマンテ号の金銀財宝がどこへ行ったのか、調べることにした。
財団は極小の追跡装置を入れたコインを10枚ほど作成し、ガリオン船に貢いだ。
追跡受信機はすぐに、船にコインが供給された瞬間に捜索を開始し、それがプラド国立美術館((もともとはスペイン王家のコレクションを展示する美術館であったが、後に国有化されたマドリードの実在の美術館。))にあることを突き止めるに至る。
プラド国立美術館ではそのコインを1827年から保管していたという。
&font(l){百数十年も信号を送信できる極小装置ってなにもんだよ…}
つまり、現代の金銀財宝が明らかに過去へ遡っていることになる。
これを受けて異常年代学部門が調べた結果、
「&bold(){この船に金銀財宝を渡すと、それに応じてスペイン政府の財力が遡及的に増加する}」
ということが分かった。
史実では[[メキシコ]]、ペルー、ボリビアなどから大量に銀が流入したことでインフレが加速した、
というのがスペインの価格革命の理由とされるが、財団世界では新大陸だけでなく財団もこの価格革命に加担したわけである。
#center(){&font(b,30px){財団記録部門からの通達}}
#center(){&font(b){以下の文書は[[アノマリー分類システム>アノマリー分類システム(SCP Foundation)]]を組み込んだ形に改訂されました。旧型の分類フォーマットは後世のために残されます。}}
#center(){&blankimg(Decom.png,width=888,height=195)}
#right(){&sizex(2){画像出典:http://ja.scp-wiki.net/scp-4456 ,by Calibri Bold and Dr_Kasugai ,スクリーンショットはfriendboy042による, 2020/01/07閲覧&br()この画像は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}}
冒頭で、「オブジェクトクラスはKeter&bold(){だった}」と含みのある書き方をしていたのをwiki篭り諸兄は覚えておられるだろうか。
以下はその顛末である。
*ソイ・ミ・アマンテ号のその後
この記事の世界における財団は、世界各国との間に、財団国際関係条約(FIR条約)というのを締結していた。
これは、収容に関係しない他国への寄付の禁止などが記述されている、財団と世界各国との関係についての取り決めである。
言うまでもなく、財団はこの収容を続行する限り、スペインに対して寄付をしつづけるはめになり、これはすなわち条約に違反してしまうことになる。
しかもそれらの財はSCP-4456によって過去のスペインにもたらされるので、[[過去改変]]を引き起こすトリガーとなってしまう。
それも何度も、何度もである。おまけに収容にかかる財宝の費用もバカにならない((執筆当時(2021年)のレートで1ドル110円ぐらいなので4~6日ごとに5700万円ぐらいかかる計算になる))。
それに、出現する場所もランダムであり、[[LV-Zero 捲られたヴェールシナリオ>K-クラスシナリオ(SCP Foundation)]]の発生源にもなる。
また、史実でガリオン船が登場して活躍したのは概ね16世紀中盤からであるのだが、SCP-4456は16世紀初頭に破壊されている。
つまりSCP-4456が活動していたと思われるのは15世紀のはずなのだが、この船の形状は一般的な16世紀型のガレオン船であり、本来このタイプの船が存在していなかった時代に戻っていた可能性すらある。
そもそもの問題として、SCP-4456がいずれ破壊されることは16世紀初頭の時点で既に確定しているのだから、
財団がこのまま収容し続けること自体が、[[過去改変]]や因果律のパラドックスを引き起こす可能性すらあるのだ。
つまり、本オブジェクトは
-収容コストがかさむ
-過去改変により因果律のパラドックスを引き起こす
-法律的にもレッドカード
-パンピーがアノマリーを見てしまう可能性がある
収容コストがバカ高くて、しかもリスクしかない。&bold(){こんな船、ぶっ壊してしまおう}。
……ということで、財団は確保・収容・保護の原理原則の対象外であるとして、
本オブジェクトをそれまで長く使われてこなかったDecommissionedクラスに指定することに決定。
本オブジェクトを終了することにしたのである。
いくら過去にさかのぼる船と言っても、16世紀のガリオン船でしかないSCP-4456…もとい&bold(){SCP-4456-D}を破壊することは財団にとって容易であった。
また、SCP-1609(椅子の残骸)は破壊することで脅威度が増していたが、本オブジェクトに関してはむしろ、収容することによるリスクが大きすぎる。
完全に焼き払った船は、その欠片や灰もろとも消失し出現しなくなった。
ついでに、先の文書にあった「長きに渡り我らの盗みを許し続けていた何らかの巨大かつ未知なる勢力」という不穏な記述にもこれで一つの決着がついたことになる。
「ソイ・ミ・アマンテのような強大な船」を消し炭にしたのは我らが財団である以上、「巨大かつ未知の勢力」の正体も財団であったということになる。
これでもう何処かから現れるであろう未知の勢力を恐れる必要もない。
#center(){&font(b,30px){SCP-4456-D - &ruby(No One Expects){まさかの時の}&ruby(The Spanish){スペイン}&ruby(Decommission){解体任務}!}}
*ちょっとした余談
**Decommissionedオブジェクトについて
著者のCalibri Bold氏によれば、氏が本オブジェクトを書くに至った理由は以下のようなものであるという。
-Decommissionedオブジェクトを書きたい
-でもたのしいざいだんは嫌い
そこでCalibri Bold氏は、Decommissionedというオブジェクトクラスをどうすれば「たのしいざいだん」から切り離して規定できるかを考え、
最終的に、「財団の意図に反して無力化された」Neutralizedに対比して、「財団が意図して破壊した」アノマリーへの分類としてDecommissionedを再定義したのである。
と同時に、今までのDecommissionedオブジェクトがやたら収容コストが嵩む存在であることに着目。
デュークにしろ羽の生えた犬にしろ、なぜかやたらと高級な食い物や嗜好品を要求する傾向がある。
また、財団が世界各国政府の協力を得た上で収容を行っている、という基本設定に目を向け、
各国の協力を得にくくなるような事態、すなわち取り決めや法律に違反してしまう場合には財団も収容を優先しないのでは?と考察した。
結果として、「コスト」と「法的問題」にふれるオブジェクトは破壊する、というヘッドカノンのもと書かれたのが本オブジェクトなのである。
さらにCalibri Bold氏は、この記事を皮切りに『解体部門』という「収容困難なオブジェクトを意図的に破壊する財団の専門部署」を描く[[カノンハブ>カノンハブ(SCP Foundation)]]を設立。
この影響で、財団本部ではDecommissionedクラスのSCiPが他にも増えてきている。
これらの記事の多くはまだ未訳だが、ミスターほんやくの活躍を待とう。
ちなみに、本オブジェクトは[[アノマリー分類システム>アノマリー分類システム(SCP Foundation)]]でDecommissionedが使われた初めてのケースである。
**メタタイトル
メタタイトル (原文:No One Expects The Spanish Decommission!) はモンティ・パイソンが元ネタ。
『スペイン宗教裁判』というネタの中のセリフが由来で、特に英語圏のサブカルチャー作品では定番の言い回しになっている。
追記・修正をする際には、アニヲタwiki(仮)のルールに反しないようお願いします。
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#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){
SCP-4456-D - No One Expects The Spanish Decommission!
by Calibri Bold
http://www.scp-wiki.net/scp-4456
http://ja.scp-wiki.net/scp-4456
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}}
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#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 途中までは-Dをつけていないのは、過去のDecom.にならった形です -- 初版作成者 (2020-01-07 21:07:08)
- 記事制作乙 -- 名無しさん (2020-01-07 21:18:00)
- 本来過去改変オブジェクトなんて怖くて壊せないけど今回に限って言えば「未知の脅威によって破壊された」という結果が確定してるからさほどの影響はないと見たんだろうな -- 名無しさん (2020-01-07 21:22:40)
- 似たようにDecommissionedをネタにしたオブジェクトだと、JPに「普通のボノボ」がいる ただこっちはDecommissionedという単語はなく、終了処分時に予想外の形で無力化していること(結果オブジェクトクラスもNeutralized)、オブジェクト自身が某Duke的な奴だったという点で違う -- 名無しさん (2020-01-07 22:13:50)
- 他ページでの扱いより、記事名を変更いたしました。 -- 名無しさん (2020-01-07 23:17:48)
- ↑3 過去改変・未来改変絡みのオブジェクトは確定事象にさえ持ち込めれば攻略の隙があるからな。まぁ逆にSCP-710-JPみたいにそこがネックになって財団を苦しめる場合もあるが。 -- 名無しさん (2020-01-08 00:28:09)
- ざっと計算して毎年37億円以上の出費それが過去のスペイン政府の財庫を増大させてしまい歴史を変わりかねないわそもそ収容に関係の無い国家への寄付は禁止されてるしそれでもまともに収容がしきれない……そりゃクソですわw -- 名無しさん (2020-01-08 06:43:13)
- SCP財団アニヲタ支部職員としてこの発想に至らなかったのは本当に情けない話だが、財団はなぜオブジェクトを破壊でも利用でもなく「収容」するのだろう?それに気づかせてくれたいい記事。 -- 名無しさん (2020-01-08 10:10:55)
- デコミッションという分類 執筆者たちが利用したくないわけがないけど敢えて書くのはだいぶ厳しそうよね -- 名無しさん (2020-01-08 22:20:40)
- けっこう美味しいからね、「財団がポリシーを捨ててでも破壊したいオブジェクト」って題材は -- 名無しさん (2020-01-08 22:35:34)
- ↑クソトカゲという偉大すぎる前例がある以上、難度もクッソ高いがなw -- 名無しさん (2020-01-10 20:39:23)
- 下手すると「そんなうってつけのネタにオカ連が食いつかないのおかしくね?」ってなりかねないから匙加減難しいな -- 名無しさん (2020-02-02 12:46:34)
- なんかメタタイトル変わってる -- 名無しさん (2020-04-23 20:11:53)
- 「財団が、「ソイ・ミ・アマンテのような強大な船を瞬時に僅かな灰とし得る生命体」になった瞬間である。」が変な言い回しだと思うんだけど、これ何か理由あるの? -- 名無しさん (2020-05-18 04:16:20)
- 本家メタタイトル変更にともない、メタタイトルを変えました -- 名無し (2020-05-19 16:26:58)
- ↑2ダンテ氏が女王陛下に宛てた文章の中に「ソイ・ミ・アマンテのような強大な船を瞬時に僅かな灰とし得る生命体」という文があるから。ダンテ氏が冒頭で危惧していたもの=財団である、という言い回しよ -- 名無しさん (2020-05-19 16:48:45)
- ↑5 財団と連合は実際敵同士ではあるけど、必要とあれば互いに協力(利用)することはあるから、共同作戦で破壊したとか、破壊作業を連合に丸投げ…もとい委託したとか、そういう事例が増えることにはなると思う。 -- 名無しさん (2020-05-20 10:32:54)
- トンチキなこと言ってたらごめん、「まさかの時のスペイン解体任務」って唐突に出てきたけどどこにかかるの?財団が船でなくスペインのほうを「収容」する選択肢もあったって話? -- 名無しさん (2021-03-01 17:11:05)
- 「まさかの時のスペイン宗教裁判」で検索 -- 名無しさん (2021-03-01 17:13:05)
- まさかのモンティパイソン落ちはなかなかヘビーだな(蛇だけに) -- 名無しさん (2021-04-05 16:59:39)
- ↑ ジョークキラートマト処方しておきますね~。 -- 名無しさん (2021-07-21 21:55:49)
- デデーン! -- 名無しさん (2022-05-29 09:12:47)
- ↑タイキックで船を粉砕したみたいになっとるやないかw -- 名無しさん (2022-05-29 10:36:17)
- まぁいくら財団つっても収容重視にも限度があるのでは?って思うものもあったのでオカルトが破壊しないこともあるように、財団が破壊することもあるってのもいいと思う -- 名無しさん (2023-07-02 11:37:08)
- まさかの時のスペイン解体任務! 我々の使命は3つ。確保、収容、保護、破壊。しまった、4つだ! -- 名無しさん (2023-07-22 07:19:17)
- 破壊するならGOCに投げた方がよくね?ってとこだけがちょっと気になる -- 名無しさん (2024-08-18 17:18:28)
- ↑こいつはKeterだけど一応収容できてたし財団の管理下には存在してた状態だった事を考えるとGOCに委託する理由は無いと思うよ。 別に財団に(だけでは)手に負えない状況でもなかった訳だし -- 名無しさん (2024-08-25 22:52:19)
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