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F-14 - (2020/08/28 (金) 15:26:00) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2011/06/27(月) 00:26:17
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&font(#008cff){最高さ!! こいつさえあれば百人力だ!!}}
#right(){―ミッキー・サイモン}
F-14は米海軍の艦上戦闘機だった機体である。
マクロスシリーズの顔といえる名機「バルキリー」のモデルとなった機体でもある。
*&font(#ff0000){■} NICKNAME
A型:トムキャット
B,D型:スーパートムキャット
また、対地攻撃能力を付与されたタイプは、上記とは別にボムキャットと呼ぶこともある。
*&font(#ff0000){■} SPECIFICATION
・製造 Grumman
・原型機初飛行 1970.12.21
・退役 2006.9.22
・全幅 19.54m(後退角20度)/10.15m(後退角75度)
・全長 19.10m
・全高 4.88m
・主翼面積 52.5u
・最大離陸重量 33724kg
・最大兵装搭載量 6577kg
・主機 P&W製TF30-P-412A/-414A 2基(A型)
【推力】54.92kN/92.97kN(A/B使用時)
・主機 GE製F110-GE-400 2基(B/D型)
【推力】62.27kN/102.75kN(A/B使用時)
・兵装 20mmバルカン砲×1、ARH型AAM×6(最大)またはSARH型AAM×6(最大)
またはIR誘導型AAM×2~4(通常ARH、またはSARH型×4+IR誘導型×4)
…簡単にまとめると、「&font(#ff0000){大きくて可変翼でエンジン強力でいっぱい兵器積める戦闘機}」
A/B/DでC型は?と思う人が居るだろうが、A型ベースで電子機器を更新した物が案として登場はしていた。
しかし計画段階で却下され、一部はF-14Aの長期改修に合わせて組み込まれたり、D型の強化電子機器の中に組み込まれている。
後B型のエンジンはF401-PW-400を詰んだ物が1機だけ存在した。しかしテスト結果が芳しくなく、一度TF30に戻され、その後F110に再換装されB型になった。
そのB型、登場当時はA+と呼ばれていたり。
*&font(#ff0000){■} DEVELOPMENT
当時米海軍はソ連の大型爆撃機から発射される長射程ASMの飽和攻撃に対抗するために、
こちらも長射程のAAMを搭載し複数の目標に同時対処可能な防空戦闘機を求めてF-6D &font(#ff0000){スカイウォーリア}を開発したものの、
&font(#ff0000){機動性が劣悪}なためAAMを運ぶ仕事しかできなかった。
しかし、[[ベトナム戦争]]でドッグファイトの重要性が再認識され
◆海軍(´; −;`)「格闘戦にも強くて長射程ミサイルも積めて、&font(#0000ff){ミグもツポレフもフルボッコにできる最強戦闘機が欲しい}よぉ」
となりVFX計画をスタートさせるのだが、
◆マクナマラ(´・3・`)「海軍と空軍の新型機を[[F-4]] &font(#ff0000){ファントム}みたいに&font(#0000ff){同一機種で統一したら安上がり}じゃね?」
と、当時の国防長官が&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){一瞬}}}名案に見える案を提示し、[[F-111]] &font(#ff0000){アードヴァーク}を海軍機として使用することになってしまった。
…一見開発費や調達費が安上がりになり整備効率も良さそうに見えるが、&font(#ff0000){兵器の設計は取捨選択が重要であり、アレもコレも取り入れる事などできない}のだ。
#center(){案の定}
F-111の空軍型は爆撃機として活躍したものの、海軍型は成功せず新たに新型機を設計することになった。
◆海軍(´☆ω☆`)「最近調子悪いけどねぇ…、悪いけど&font(#0000ff){今回ミスると後ないよ?}ほんと」
とジェット機時代に入り不振続きの海軍機の名門グラマンに依頼。
グラマンも社運と海軍戦闘機の&font(#ff0000){名門のプライド}をかけ当時の最新技術である可変翼を使用するプランを提出。コレがそのまま採用され、F-14となる。
かくして可変翼により全領域で良好な運動を持ち、強力なレーダーと長射程ミサイルを搭載可能なF-14 トムキャットが完成したのだ!!!
*&font(#ff0000){■} CHARACTERISTIC
F-14は就役当時、同世代機の中でも優秀なFCSと、唯一、多目標同時交戦能力を持ち、防空用戦闘機として&font(#ff0000){比類なき能力をもつ}と評された。
その強力な攻撃力は300km前方の敵機24機をとらえ、うち6機を&font(#ff0000){フェニックス・ミサイル}で攻撃できる。&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){(←カタログスペックだけはチート級のミサイルなのだが…)}}}
…しかしなんといっても最大の特徴は&bold(){[[可変翼]]}である。
主翼の後退角とアスペクト比を飛行状態に応じてコンピューターで自動的に変化させるので、常に高い空力効率で機動できるのだ。
初歩的な航空力学から話をすると、飛行機というのは、翼の面積が広いほど揚力(浮き上がる力)が大きくなり、遅いスピードでも離陸しやすくなる。
一方、離陸してスピードが乗ってくると、今度はこの翼の大きさが邪魔になってくる。大きい翼は空気抵抗も発生させるのだ。
揚力と抵抗は表裏一体のものであり、片方を上げれば片方も上がってしまうのである。
滑走距離に制限がある艦載機としては揚力が大きい方がよいが、超高速でかっとぶ戦闘機としては空気抵抗が少ない方が良い。
この二律背反を解決するにはどうしたらよいか?
&bold(){答え:翼の大きさを変えられるようにすればいいじゃない}
#center(){
早い話
【発着艦、急旋回時】
&font(#0000ff){主翼広げて高揚力、安定性機動性バツグン♪}
(画像跡)
↓↑
【高速飛行時】
&font(#ff0000){主翼後退させて△翼に…HAEEEEEEEE!!!}
(画像跡)
}
初期はパイロットが手動で切り替えていたが、のちにコンピューター制御になり、飛行速度から計算して、常に最適な角度を自動で取ってくれるようになった。
しかしこんな無敵のトムたんも、可変翼のために構造が複雑になり整備が大変だったりする。
また、構造が複雑になるということは、その分だけ重くなるということでもある。
軽さこそが正義な飛行機にとって、これはけっこう重大な問題であった。
また降着装置が弱く、フル装備だと発艦できてもそのまま帰ってくると着艦できないためミサイルを一部投棄しないといけなかったり、エンジンが不安定((F-111と同系統のエンジンなのだが、実質爆撃機だったあちらと違い戦闘機なのでより高いレベルの安定性が求められていた))だったりと割と洒落にならない欠陥もあり、運用には気を遣う代物だった。
特にエンジンの不具合はエンジン間隔が広いF-14では最悪フラットスピンする可能性もあり、これはあの映画「トップガン」で描かれた主人公の相棒グースが死亡した事故は
実際に起こっていたことで&bold(){フィクションではない。}
*&font(#ff0000){■} SEQUEL
海軍の期待を背負い颯爽と登場したF-14だが、ベトナム戦争は直前で終了し軍は予算を減らされてしまった。
そして&font(#ff0000){高性能故に馬鹿高い}F-14は調達数を700機→300機にまで削減されてしまう。
さらに…
◆米政府(^* A*^)「冷戦終わって予算減ったな~。&font(#0000ff){運用コスト高いの}がまだ残ってるYO~。(チラチラ)」
◆トムたん(´・ω・`)「…」
◆米政府(^* ∀*^)「OH!超高性能じゃなくても&font(#0000ff){多目的運用できる奴あったらそれ一種で大丈夫}じゃね!?」
◆トムたん(´; ω;`)「…」
冷戦終結後に伴う軍縮で従来恐れられていた対艦ミサイルによる飽和攻撃を受ける可能性が減じたため、「艦隊防空を担う艦載機」という存在意義が揺らいでしまったのだ。
また湾岸戦争の戦訓で空母航空団は対地攻撃能力の不足が指摘されており、ハード面の解決策として戦闘攻撃飛行隊を拡充する必要性に迫られていたせいもあった。
#center(){
&font(#008000){こうして}
&font(#008000){2006年9月22日、最後の運用隊の}
&font(#008000){VF-31トムキャッターズの解隊により、}
&font(#008000){グラマン最後の艦上機である野生の猫は}
&font(#008000){アメリカ海軍から姿を消し、}
&font(#008000){その座を}[[F/A-18]] &font(#ff0000){ホーネット}&font(#008000){に譲った…}
【VF-31のF-14と部隊証】
(画像跡)
***【砂漠の猫】
}
アメリカ国外では唯一イランが国土上AWACSも兼ねた戦闘機を欲しており、何より当時は親米政権であったこともあり導入された。
この導入のお陰でグラマン社は首の皮一枚つながったが結局その後も好転することなくノースロップと合併しノースロップ・グラマンとなった。
だがあまりにも欧米寄りな政治は国内の反発を招き&font(#ff0000){革命により反欧米化}したこともあって製造元(つまりアメリカ)からの部品供給を絶たれてしまった。
革命当時は当機のパイロットも欧米寄りとされて収容所に入れられたり、拷問にかけられるなど悲惨な目にあったといわれている。
だがその後の戦争では貴重な航空戦力かつ最新鋭の機体だったこともありパイロットたちは釈放され数々の戦争に参加し戦果を挙げた。
このため&bold(){本家のアメリカよりも敵機撃墜数はイラン空軍機の方が遥かに多い}、だが同時に撃墜された数も少なく総数は減らしたものの、本家が2006年に退役した
にも関わらず2019年現在でも現役なうえ一部情報ではF-14の部隊はエリート部隊とも噂されている。
部品供給が途絶えているにも関わらず現役なのは、自前のオーバーホールセンターを立ち上げたことで部品の100%国産化が成功し供給されているということだが、
米国はこれは単なる大見得と見ており、事実アメリカでF-14が退役後にアメリカ国内で展示されていたF-14がいくつかの部品撤去が不十分で、その機体がイランに
流れる目前で差し止めを食らったこともあることやアメリカのシステム不備を逆手にとって部品を入手したりしている。
事実稼働機体数は一時十数機にまで落ち込んだにも関わらず、アメリカでF-14退役後は稼働数は&font(#ff0000){飛躍的に増加}し、フェニックスミサイルのレストアや
新型レーダーを搭載するなど改良を続けて2030年まで使い倒すと言っている。
またロシア製の最新ミサイルを搭載しているとされ、それが事実であればロシアからの技術支援を受けていると見て間違いない。
ただロシアもあくまで技術提供やMig-29などの提供は行っているものの、F-14の後継になりえるMig-31やSu-27などは提供していないなど極度な肩入れはしていない。
&font(#0000ff){…しかし実際魔改造もいいとこなので、中身はもう所謂「トムキャット」とは別物と考えるべきだろう}
もっとも見方を変えれば、1970年代当時の先端技術であればイランの工業力で問題なくモノにできるほど時代が進んだことの裏返しでもある。
ただイランは産油国なため資金は持っており親米政権下ではアメリカの最新鋭機を次々導入できるだけの余裕はあったので、技術提供する国があれば十全な見返りをできるためか、
魔改造のみならず独自の戦闘機開発に成功するなど工業力も付けている節が見受けられる。
事実イラン核合意で欧米との取引が緩和された際には、ボーイング・エアバス両社にイラン航空の機材を総入れ替えするために日本円で&bold(){兆単位}の大量発注をしていた。
そもそも[[某国>朝鮮民主主義人民共和国]]のような極端な方針でもなければある程度の技術・資金力がなければ核開発なんてできないわけだが…
*&font(#ff0000){■} CONCLUSION
本機は機体の推力重量比の低さにより格闘戦が意外と不得手であったりしたが、
イラン・イラク戦争では&font(#ff0000){イラン空軍機が}&bold(){撃墜159機}と大勝利をおさた。
また本機の爆装型「&font(#ff0000){ボムキャット}」は1995年以降、各作戦に参加、航続距離の短いF/A-18に替わって高い攻撃精度による爆撃で最後まで戦い続けた。
艦隊防空戦闘機として本機は間違いなく名機である。大型機ゆえの長大な航続距離・大搭載量能力をもって活躍したことも確かだ。
が、
同クラスの[[F-15]] &font(#ff0000){イーグル}が各国で採用されたり発展機が生産されてたりすることと対比すると、&font(#008000){時代に遅れた感がある}のも、また事実だろう。
退役して10年経つが、最強の艦載機という肩書、スクリーンで見せた雄姿、そして何より&bold(){可変翼というロマン}から、
この雄猫のファンは後を絶たない。
追記・修正は、今は亡きトムキャットの感慨にひたりながらお願い致します。
敵地、中東で迎えた空爆作戦
先発F/A-18Eが大量爆撃、F-15Eも勢いを見せ快勝だった
基地に響く地上員の歓声、どこからか聞こえる「時代はマルチロールファイターだな」の声
堂々と帰還する攻撃隊をよそに、往年の防空戦闘機F-14は独り格納庫で泣いていた
冷戦時代に手にした栄冠、喜び、感動、そして何より防空戦闘機の存在意義…
それを今の非対称戦で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ…」F-14は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、F-14ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい格納庫の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って埃をはらわなくちゃな」F-14は苦笑しながら呟いた
立ち上がって翼を広げた時、F-14はふと気付いた
「あれ…?出撃命令が出ている…?」
格納庫から飛び出したF-14が目にしたのは、甲板まで埋めつくさんばかりのF-14だった
千切れそうなほどに誘導灯が振られ、地鳴りのようにKenny LogginsのDanger Zoneが響いていた
どういうことか分からずに呆然とするF-14の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「F-14、ミグのお出ましだ、早く行くぞ」声の方に振り返ったF-14は目を疑った
「ま…マーベリック?」 「なんだトム、居眠りでもしてたのか?」
「ハ…ハーモン?」 「なんだF-14、かってにマッコイ特売のミサイルをつけやがって」
「ミッキー…」 F-14は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:ファイナル・カウントダウン
2番:犯罪捜査官ネイビーファイル
3番:エリア88
4番:トップガン
5番:アフターバーナー
6番:超時空要塞マクロス
7番:タミヤ1/32モデル
8番:沈黙の艦隊
9番:エースコンバット
暫時、唖然としていたF-14だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる…勝てるんだ!」
整備員からフェニックスを受け取り、カタパルトで全力疾走するF-14、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった…
翌日、デービス・マンサン基地でスクラップになっているF-14が発見され、[[吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った>内川コピペ]]
%%そしてそのスクラップのパーツはイランに横流しされた%%
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#areaedit()
- 時代遅れでも…コスパ劣悪でも構わない、私の中では至高の航空機!! -- ドラ猫 (2014-07-28 19:59:22)
- フェニックスは別にチートミサイルなんて言うほど大したもんじゃないよな。対爆撃機・巡航ミサイルに特化しているから空対空戦闘じゃ役立たずだったし -- 名無しさん (2014-09-03 18:44:56)
- エンジン強力ってTF30装備機は出力不足だったはずだけど -- 名無しさん (2014-11-07 22:48:44)
- ↑出力はまだしもデリケートでちょっとでも気流が乱れるとコンプレッサーストールを起こすという艦載機としては割と洒落にならない欠陥が… -- 名無しさん (2014-12-17 05:26:34)
- ↑3 ある意味冷戦という時代を象徴する装備だな -- 名無しさん (2015-07-03 10:08:37)
- 一応指摘しておくけどF-6Dの愛称はスカイウォーリアじゃなくてミサイリアー。スカイウォーリアは核攻撃機A-3の愛称。 -- 名無しさん (2016-03-19 21:54:24)
- フェニックスをフル装備した場合着艦不可能なのでいつもは少なめに積んでた -- 名無しさん (2016-05-23 22:02:33)
- そこで内川コピペは卑怯w -- 名無しさん (2016-07-06 22:16:43)
- 可変機構にフェニックスやら詰みすぎて滅茶苦茶重くそしてあまりにも大きすぎた まさにドラゴン殺し -- 名無しさん (2017-05-29 12:46:28)
- 最後、泣かせるじゃねぇか……畜生っ(つ_; -- 名無しさん (2017-05-29 12:56:45)
- どれだけ高性能な機体が出ようと、どれだけ時代に合わないだろうとも、機体後部の2枚の垂直尾翼の魅力の前には関係ないのだ -- 名無しさん (2018-02-01 13:38:59)
- 最後のコピペさえ無ければ良項目だっただけにただ惜しいとしか言いようが無い -- 名無しさん (2018-02-01 13:59:39)
- 翼だけじゃなく全身に可変機構を導入した結果VF-1が誕生した -- 名無しさん (2019-10-28 16:08:32)
#comment
#areaedit(end)
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&font(#6495ED){登録日}:2011/06/27(月) 00:26:17
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
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#center(){&font(#008cff){最高さ!! こいつさえあれば百人力だ!!}}
#right(){―ミッキー・サイモン}
F-14は米海軍の艦上戦闘機だった機体である。
マクロスシリーズの顔といえる名機「バルキリー」のモデルとなった機体でもある。
*&font(#ff0000){■} NICKNAME
A型:トムキャット
B,D型:スーパートムキャット
また、対地攻撃能力を付与されたタイプは、上記とは別にボムキャットと呼ぶこともある。
*&font(#ff0000){■} SPECIFICATION
・製造 Grumman
・原型機初飛行 1970.12.21
・退役 2006.9.22
・全幅 19.54m(後退角20度)/10.15m(後退角75度)
・全長 19.10m
・全高 4.88m
・主翼面積 52.5u
・最大離陸重量 33724kg
・最大兵装搭載量 6577kg
・主機 P&W製TF30-P-412A/-414A 2基(A型)
【推力】54.92kN/92.97kN(A/B使用時)
・主機 GE製F110-GE-400 2基(B/D型)
【推力】62.27kN/102.75kN(A/B使用時)
・兵装 20mmバルカン砲×1、ARH型AAM×6(最大)またはSARH型AAM×6(最大)
またはIR誘導型AAM×2~4(通常ARH、またはSARH型×4+IR誘導型×4)
…簡単にまとめると、「&font(#ff0000){大きくて可変翼でエンジン強力でいっぱい兵器積める戦闘機}」
A/B/DでC型は?と思う人が居るだろうが、A型ベースで電子機器を更新した物が案として登場はしていた。
しかし計画段階で却下され、一部はF-14Aの長期改修に合わせて組み込まれたり、D型の強化電子機器の中に組み込まれている。
後B型のエンジンはF401-PW-400を詰んだ物が1機だけ存在した。しかしテスト結果が芳しくなく、一度TF30に戻され、その後F110に再換装されB型になった。
そのB型、登場当時はA+と呼ばれていたり。
*&font(#ff0000){■} DEVELOPMENT
当時米海軍はソ連の大型爆撃機から発射される長射程ASMの飽和攻撃に対抗するために、
こちらも長射程のAAMを搭載し複数の目標に同時対処可能な防空戦闘機を求めてF-6D &font(#ff0000){スカイウォーリア}を開発したものの、
&font(#ff0000){機動性が劣悪}なためAAMを運ぶ仕事しかできなかった。
しかし、[[ベトナム戦争]]でドッグファイトの重要性が再認識され
◆海軍(´; −;`)「格闘戦にも強くて長射程ミサイルも積めて、&font(#0000ff){ミグもツポレフもフルボッコにできる最強戦闘機が欲しい}よぉ」
となりVFX計画をスタートさせるのだが、
◆マクナマラ(´・3・`)「海軍と空軍の新型機を[[F-4]] &font(#ff0000){ファントム}みたいに&font(#0000ff){同一機種で統一したら安上がり}じゃね?」
と、当時の国防長官が&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){一瞬}}}名案に見える案を提示し、[[F-111]] &font(#ff0000){アードヴァーク}を海軍機として使用することになってしまった。
…一見開発費や調達費が安上がりになり整備効率も良さそうに見えるが、&font(#ff0000){兵器の設計は取捨選択が重要であり、アレもコレも取り入れる事などできない}のだ。
#center(){案の定}
F-111の空軍型は爆撃機として活躍したものの、海軍型は成功せず新たに新型機を設計することになった。
◆海軍(´☆ω☆`)「最近調子悪いけどねぇ…、悪いけど&font(#0000ff){今回ミスると後ないよ?}ほんと」
とジェット機時代に入り不振続きの海軍機の名門グラマンに依頼。
グラマンも社運と海軍戦闘機の&font(#ff0000){名門のプライド}をかけ当時の最新技術である可変翼を使用するプランを提出。コレがそのまま採用され、F-14となる。
かくして可変翼により全領域で良好な運動を持ち、強力なレーダーと長射程ミサイルを搭載可能なF-14 トムキャットが完成したのだ!!!
*&font(#ff0000){■} CHARACTERISTIC
F-14は就役当時、同世代機の中でも優秀なFCSと、唯一、多目標同時交戦能力を持ち、防空用戦闘機として&font(#ff0000){比類なき能力をもつ}と評された。
その強力な攻撃力は300km前方の敵機24機をとらえ、うち6機を&font(#ff0000){フェニックス・ミサイル}で攻撃できる。&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){(←カタログスペックだけはチート級のミサイルなのだが…)}}}
…しかしなんといっても最大の特徴は&bold(){[[可変翼]]}である。
主翼の後退角とアスペクト比を飛行状態に応じてコンピューターで自動的に変化させるので、常に高い空力効率で機動できるのだ。
初歩的な航空力学から話をすると、飛行機というのは、翼の面積が広いほど揚力(浮き上がる力)が大きくなり、遅いスピードでも離陸しやすくなる。
一方、離陸してスピードが乗ってくると、今度はこの翼の大きさが邪魔になってくる。大きい翼は空気抵抗も発生させるのだ。
揚力と抵抗は表裏一体のものであり、片方を上げれば片方も上がってしまうのである。
滑走距離に制限がある艦載機としては揚力が大きい方がよいが、超高速でかっとぶ戦闘機としては空気抵抗が少ない方が良い。
この二律背反を解決するにはどうしたらよいか?
&bold(){答え:翼の大きさを変えられるようにすればいいじゃない}
#center(){
早い話
【発着艦、急旋回時】
&font(#0000ff){主翼広げて高揚力、安定性機動性バツグン♪}
(画像跡)
↓↑
【高速飛行時】
&font(#ff0000){主翼後退させて△翼に…HAEEEEEEEE!!!}
(画像跡)
}
初期はパイロットが手動で切り替えていたが、のちにコンピューター制御になり、飛行速度から計算して、常に最適な角度を自動で取ってくれるようになった。
しかしこんな無敵のトムたんも、可変翼のために構造が複雑になり整備が大変だったりする。
また、構造が複雑になるということは、その分だけ重くなるということでもある。
軽さこそが正義な飛行機にとって、これはけっこう重大な問題であった。
また降着装置が弱く、フル装備だと発艦できてもそのまま帰ってくると着艦できないためミサイルを一部投棄しないといけなかったり、エンジンが不安定((F-111と同系統のエンジンなのだが、実質爆撃機だったあちらと違い戦闘機なのでより高いレベルの安定性が求められていた))だったりと割と洒落にならない欠陥もあり、運用には気を遣う代物だった。
特にエンジンの不具合はエンジン間隔が広いF-14では最悪フラットスピンする可能性もあり、これはあの映画「トップガン」で描かれた主人公の相棒グースが死亡した事故は
実際に起こっていたことで&bold(){フィクションではない。}
*&font(#ff0000){■} SEQUEL
海軍の期待を背負い颯爽と登場したF-14だが、ベトナム戦争は直前で終了し軍は予算を減らされてしまった。
そして&font(#ff0000){高性能故に馬鹿高い}F-14は調達数を700機→300機にまで削減されてしまう。
さらに…
◆米政府(^* A*^)「冷戦終わって予算減ったな~。&font(#0000ff){運用コスト高いの}がまだ残ってるYO~。(チラチラ)」
◆トムたん(´・ω・`)「…」
◆米政府(^* ∀*^)「OH!超高性能じゃなくても&font(#0000ff){多目的運用できる奴あったらそれ一種で大丈夫}じゃね!?」
◆トムたん(´; ω;`)「…」
冷戦終結後に伴う軍縮で従来恐れられていた対艦ミサイルによる飽和攻撃を受ける可能性が減じたため、「艦隊防空を担う艦載機」という存在意義が揺らいでしまったのだ。
また湾岸戦争の戦訓で空母航空団は対地攻撃能力の不足が指摘されており、ハード面の解決策として戦闘攻撃飛行隊を拡充する必要性に迫られていたせいもあった。
#center(){
&font(#008000){こうして}
&font(#008000){2006年9月22日、最後の運用隊の}
&font(#008000){VF-31トムキャッターズの解隊により、}
&font(#008000){グラマン最後の艦上機である野生の猫は}
&font(#008000){アメリカ海軍から姿を消し、}
&font(#008000){その座を}[[F/A-18]] &font(#ff0000){ホーネット}&font(#008000){に譲った…}
【VF-31のF-14と部隊証】
(画像跡)
***【砂漠の猫】
}
アメリカ国外では唯一イランが国土上AWACSも兼ねた戦闘機を欲しており、何より当時は親米政権であったこともあり導入された。
この導入のお陰でグラマン社は首の皮一枚つながったが結局その後も好転することなくノースロップと合併しノースロップ・グラマンとなった。
だがあまりにも欧米寄りな政治は国内の反発を招き&font(#ff0000){革命により反欧米化}したこともあって製造元(つまりアメリカ)からの部品供給を絶たれてしまった。
革命当時は当機のパイロットも欧米寄りとされて収容所に入れられたり、拷問にかけられるなど悲惨な目にあったといわれている。
だがその後の戦争では貴重な航空戦力かつ最新鋭の機体だったこともありパイロットたちは釈放され数々の戦争に参加し戦果を挙げた。
このため&bold(){本家のアメリカよりも敵機撃墜数はイラン空軍機の方が遥かに多い}、だが同時に撃墜された数も少なく総数は減らしたものの、本家が2006年に退役した
にも関わらず2019年現在でも現役なうえ一部情報ではF-14の部隊はエリート部隊とも噂されている。
部品供給が途絶えているにも関わらず現役なのは、自前のオーバーホールセンターを立ち上げたことで部品の100%国産化が成功し供給されているということだが、
米国はこれは単なる大見得と見ており、事実アメリカでF-14が退役後にアメリカ国内で展示されていたF-14がいくつかの部品撤去が不十分で、その機体がイランに
流れる目前で差し止めを食らったこともあることやアメリカのシステム不備を逆手にとって部品を入手したりしている。
事実稼働機体数は一時十数機にまで落ち込んだにも関わらず、アメリカでF-14退役後は稼働数は&font(#ff0000){飛躍的に増加}し、フェニックスミサイルのレストアや
新型レーダーを搭載するなど改良を続けて2030年まで使い倒すと言っている。
またロシア製の最新ミサイルを搭載しているとされ、それが事実であればロシアからの技術支援を受けていると見て間違いない。
ただロシアもあくまで技術提供やMig-29などの提供は行っているものの、F-14の後継になりえるMig-31やSu-27などは提供していないなど極度な肩入れはしていない。
&font(#0000ff){…しかし実際魔改造もいいとこなので、中身はもう所謂「トムキャット」とは別物と考えるべきだろう}
もっとも見方を変えれば、1970年代当時の先端技術であればイランの工業力で問題なくモノにできるほど時代が進んだことの裏返しでもある。
ただイランは産油国なため資金は持っており親米政権下ではアメリカの最新鋭機を次々導入できるだけの余裕はあったので、技術提供する国があれば十全な見返りをできるためか、
魔改造のみならず独自の戦闘機開発に成功するなど工業力も付けている節が見受けられる。
事実イラン核合意で欧米との取引が緩和された際には、ボーイング・エアバス両社にイラン航空の機材を総入れ替えするために日本円で&bold(){兆単位}の大量発注をしていた。
そもそも[[某国>朝鮮民主主義人民共和国]]のような極端な方針でもなければある程度の技術・資金力がなければ核開発なんてできないわけだが…
*&font(#ff0000){■} CONCLUSION
本機は機体の推力重量比の低さにより格闘戦が意外と不得手であったりしたが、
イラン・イラク戦争では&font(#ff0000){イラン空軍機が}&bold(){撃墜159機}と大勝利をおさた。
また本機の爆装型「&font(#ff0000){ボムキャット}」は1995年以降、各作戦に参加、航続距離の短いF/A-18に替わって高い攻撃精度による爆撃で最後まで戦い続けた。
艦隊防空戦闘機として本機は間違いなく名機である。大型機ゆえの長大な航続距離・大搭載量能力をもって活躍したことも確かだ。
が、
同クラスの[[F-15]] &font(#ff0000){イーグル}が各国で採用されたり発展機が生産されてたりすることと対比すると、&font(#008000){時代に遅れた感がある}のも、また事実だろう。
退役して10年経つが、最強の艦載機という肩書、スクリーンで見せた雄姿、そして何より&bold(){可変翼というロマン}から、
この雄猫のファンは後を絶たない。
追記・修正は、今は亡きトムキャットの感慨にひたりながらお願い致します。
敵地、中東で迎えた空爆作戦
先発F/A-18Eが大量爆撃、F-15Eも勢いを見せ快勝だった
基地に響く地上員の歓声、どこからか聞こえる「時代はマルチロールファイターだな」の声
堂々と帰還する攻撃隊をよそに、往年の防空戦闘機F-14は独り格納庫で泣いていた
冷戦時代に手にした栄冠、喜び、感動、そして何より防空戦闘機の存在意義…
それを今の非対称戦で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ…」F-14は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、F-14ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい格納庫の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って埃をはらわなくちゃな」F-14は苦笑しながら呟いた
立ち上がって翼を広げた時、F-14はふと気付いた
「あれ…?出撃命令が出ている…?」
格納庫から飛び出したF-14が目にしたのは、甲板まで埋めつくさんばかりのF-14だった
千切れそうなほどに誘導灯が振られ、地鳴りのようにKenny LogginsのDanger Zoneが響いていた
どういうことか分からずに呆然とするF-14の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「F-14、ミグのお出ましだ、早く行くぞ」声の方に振り返ったF-14は目を疑った
「ま…マーベリック?」 「なんだトム、居眠りでもしてたのか?」
「ハ…ハーモン?」 「なんだF-14、かってにマッコイ特売のミサイルをつけやがって」
「ミッキー…」 F-14は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:ファイナル・カウントダウン
2番:犯罪捜査官ネイビーファイル
3番:エリア88
4番:トップガン
5番:アフターバーナー
6番:超時空要塞マクロス
7番:タミヤ1/32モデル
8番:沈黙の艦隊
9番:エースコンバット
暫時、唖然としていたF-14だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる…勝てるんだ!」
整備員からフェニックスを受け取り、カタパルトで全力疾走するF-14、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった…
翌日、デービス・マンサン基地でスクラップになっているF-14が発見され、[[吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った>内川コピペ]]
%%そしてそのスクラップのパーツはイランに横流しされた%%
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- 時代遅れでも…コスパ劣悪でも構わない、私の中では至高の航空機!! -- ドラ猫 (2014-07-28 19:59:22)
- フェニックスは別にチートミサイルなんて言うほど大したもんじゃないよな。対爆撃機・巡航ミサイルに特化しているから空対空戦闘じゃ役立たずだったし -- 名無しさん (2014-09-03 18:44:56)
- エンジン強力ってTF30装備機は出力不足だったはずだけど -- 名無しさん (2014-11-07 22:48:44)
- ↑出力はまだしもデリケートでちょっとでも気流が乱れるとコンプレッサーストールを起こすという艦載機としては割と洒落にならない欠陥が… -- 名無しさん (2014-12-17 05:26:34)
- ↑3 ある意味冷戦という時代を象徴する装備だな -- 名無しさん (2015-07-03 10:08:37)
- 一応指摘しておくけどF-6Dの愛称はスカイウォーリアじゃなくてミサイリアー。スカイウォーリアは核攻撃機A-3の愛称。 -- 名無しさん (2016-03-19 21:54:24)
- フェニックスをフル装備した場合着艦不可能なのでいつもは少なめに積んでた -- 名無しさん (2016-05-23 22:02:33)
- そこで内川コピペは卑怯w -- 名無しさん (2016-07-06 22:16:43)
- 可変機構にフェニックスやら詰みすぎて滅茶苦茶重くそしてあまりにも大きすぎた まさにドラゴン殺し -- 名無しさん (2017-05-29 12:46:28)
- 最後、泣かせるじゃねぇか……畜生っ(つ_; -- 名無しさん (2017-05-29 12:56:45)
- どれだけ高性能な機体が出ようと、どれだけ時代に合わないだろうとも、機体後部の2枚の垂直尾翼の魅力の前には関係ないのだ -- 名無しさん (2018-02-01 13:38:59)
- 最後のコピペさえ無ければ良項目だっただけにただ惜しいとしか言いようが無い -- 名無しさん (2018-02-01 13:59:39)
- 翼だけじゃなく全身に可変機構を導入した結果VF-1が誕生した -- 名無しさん (2019-10-28 16:08:32)
- 冷戦という名の狂気が生き長らえさせた金食い虫、といったら残酷 それにしてもイランのはアメリカから部品どうやってちょろまかしていたんだろうか、それだけでも話になるな -- 名無しさん (2020-08-28 15:26:00)
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