バタコさん

登録日:2024/05/02 Thu 19:42:00
更新日:2025/04/28 Mon 23:03:14
所要時間:約 13 分で読めます






アンパンマーン!新しい顔よ!


バタコさんは、絵本シリーズ『アンパンマン』およびテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の登場人物。声優佐久間レイ






【概要】

ジャムおじさんのパン工場で彼の助手として働いている女の子。料理や裁縫が得意。

ジャムおじさんと同様、とても明るく優しい心を持っている。家庭的でお淑やかな女性だが、どんな危機的状況下でもアンパンマンを助けるために行動を起こす勇敢さも持ち合わせている。

アンパンマンの新しい顔を投げる機会が最も多く、いかなる場合でも彼の顔を確実に入れ替えさせる投球技術についてはしばしば話題に上がる。

一人称は「わたし」、二人称は主に「あなた」。

見た目は人間のようだが、ジャムおじさんと同様妖精という設定*1



【名前】

「バタコ」という名前は、乳製品の「バター」から来ている。これについては、やなせが自著『アンパンマンvsアンパンマン』で、「なんでバタコかっていうと、ジャムだからバター」と説明している。

一方でいちごえほん版では「ドタバタ」の「バタ」が由来となっていた。
エンディングテーマ『勇気りんりん』の3番の歌詞では「バタバタはしるよ」と表現されているが、作中ではその大人びて滅多なことでは動転しない性格から、バタバタする描写はほぼ皆無。にしても「やさしい顔」と評されているジャムおじさんと比べてあんまりな紹介である。
ただし、エンディング映像では歌詞に合わせて「バタバタはし」らされているバタコさんが描かれることが多く、ちょっとしたキャラ崩壊が楽しめる*2

X(旧Twitter)上では、戦前から戦後にかけて普及し、パンの配達にも使われていたオート三輪の愛称「バタコ」*3が由来ではないかという説が一時期浮上していた。

周囲からは基本的に「さん」付けで呼ばれており、サブタイトルやキャストクレジットでも「さん」付け*4
彼女を呼び捨てにするのはジャムおじさんぐらいしかいない。かつてはばいきんまんドキンちゃんなども呼び捨てにしていたが、現在では「さん」付けで呼ぶようになった。皆も敬意を込めてきちんと「バタコさん」と呼ぼう。

「バタ子」と漢字の交ぜ書きは誤りだが、かつては公式でも混在していた。



【外見】

顔は面長の下膨れで、輪郭がかびるんるんめいけんチーズと似ている。
初期は鼻が大きく描かれていたが、次第に小さく描かれるようになった。

基本的な服装は、白いシャツに青いオーバーオール、茶色い靴。ジャムおじさんと同じくコック帽をかぶっている。

横髪が大きく跳ねたなんとも奇抜なヘアスタイルをしている。
普段コック帽をかぶっている時は見えないが、前髪はパッツンで少しだけ真ん中で分け目を作ってある。

お祭りや海水浴など季節行事を楽しむ時には浴衣や水着などをおしゃれに着こなすが、髪は簪などを飾る程度でチェンジすることはない。さぞかしこのヘアスタイルを気に入っているのだろう。



【性格】

ジャムおじさんと同様とても温厚で、ばいきんまんなどの悪役を含め誰にでも寛大な性格。町の子供たちからもたいへん好かれている。
ばいきんまんに捕まり人質にされる機会も多いのだが、悪さをしていない時の彼が腹を空かせているとわかると、町の住人に届けるためのパンを分けてやる*5他、2人揃って遭難してしまった時には協力したこともある。

そんな優しいバタコさんだが、原作「月刊いちごえほん」版では、かなりやんちゃでハチャメチャな性格だった。さらに「びじんのいのちはみじかい」という口癖から、あまり良い印象とはいえないキャラだったことが窺える。テレビアニメがスタートしてからは、原作もそれに合わせて落ち着いた性格に変わっていった。

ばいきんまんが拾った魔法の鏡によると「(アンパンマンワールドで)最も心の美しい女性」であるとの事。

働き者で献身的な性格から、ジャムおじさんやアンパンマンたちからの信頼も厚い。
たまにジャムおじさんらの勧めで休暇をもらうこともあり、野山へ一人ハイキングなどを楽しむのだが、困っている人を放っておけない性格柄、結局人助けに専念する一日に終わることが多い(これはジャムおじさんも同じ)。

パンや料理作りの他、裁縫も得意。アンパンマンの破損したマントはいつも彼女が綺麗に繕ってくれている。

小さな子供に対する接し方も心得ており、あかちゃんまんやアクシデントで赤ちゃんに変身してしまったアンパンマンたちの子守も上手い。赤ちゃん変身回では高確率で彼女が母性本能をフルに発揮させることで有名。

担当声優の佐久間は、バタコさんについて「小さな女の子だが、どことなく母性を感じさせる」と語っており、それをイメージして声を当てているという。



【投擲能力】

ばいきんまんら敵と戦うも、顔にダメージを受け戦闘不能に陥るアンパンマン

アンパンマンの危機をパン工場へ知らせる仲間

バタコさん・チーズと共に新しい顔を作りにかかるジャムおじさん

できたての顔をアンパンマンの下へ届けるバタコさん


『アンパンマン』といえば誰もがおなじみのこの流れ。
バタコさんはアンパンマンを起死回生へ導く重要なアンカー的役割を持った人物としても知られている。
…もっとも、アンパンマンの顔を投げるのは彼女に限られた役目というわけではないのだが、この際置いておこう。

彼女を語る上で外せないのが、あの大きく重そうなアンパンマンの顔を凄まじいパワーとテクニックによって確実に交換させる高度な投擲技術である。
見た目か弱そうなパン屋の女の子がクライマックスで驚異的なフィジカルを発揮する姿は、広く周知された現在もなおしばしば話題に挙がることが多い。
とはいえパン作りは生地を捏ねたりするのにかなりの体力が必要であり、毎日大量にパンを作っているであろうバタコさんは見た目以上に驚異的なフィジカルであったとしてもおかしくはないが。


柳田理科雄の著書『空想科学読本』では、彼女の強肩とコントロール力について取り上げられている。

そもそもアンパンマンの顔は身長を160cmと仮定した場合、直径76cm・重さ112kgあると推定され、普通の人には投げるどころか持ち上げるすらままならない重量を誇る。
バタコさんはこれを軽々と持ち上げ、時速144kmで投球しているとのこと。
また、仮にアンパンマンがバタコさんの位置から30mほど離れた場所で戦っているとした場合、投げた時の角度に1度でも誤差が生じると到達時には52cmもズレてしまう。一分の狂いも許されないのだ。
加えて、新しい顔は古い顔を弾き飛ばすような形で凄まじい回転を伴いアンパンマンの首に設置される形となり、より高度な力加減を要する。

バタコさんに秘められたパワーについては空想科学読本以外でも様々な考察がなされているが、やはりそのほとんどが現実世界の常識を超えた別次元の領域に達していることが判明している。


アニメでは30年以上に渡りアンパンマンの顔を投げ続けてきたバタコさんだが、顔の入れ替えに失敗した例はばいきんまんによる妨害などを除けばほとんどない。その妨害すら急激なカーブによって回避させた例も存在し、妨害対策のテクニック向上も怠らないプロ意識が窺い知れる。


このような類まれなる投球力の持ち主である事から、球界からスカウトの声がかかるのではないかとの呼び声も高い。



…と、ここまでバタコさんの持つ恐るべき投擲能力について紹介してきたが、アンパンマンの顔を投げ、正確に入れ替えさせる事ができるのは実は彼女に限ったものではない。
「彼女の専売特許ではない」とは前置きしたものの、チーズやカバオくんでもやろうと思えば投球力がなくても替えさせることは可能である。
作中の描写を見るに、バタコさんのように肩を入れた投球法でなく軽く放り投げるようなフォームでも、新しい顔はいとも簡単にアンパンマンの下まで飛んで行ってくれているようにも見える。
そもそもファンタジーと妖精たちの世界観で構成された「アンパンマン」の物語は、現実世界の科学的根拠を度外視した物理法則が多く見られることから、重力やエネルギーなども想像を遥かに超えた性質であるとすれば、非力な子供や犬でも新しい顔を投げることは決して不可能ではないのである。
また、各キャラが持つ能力・実力以上に本人の「助けたい」という気持ちや熱意が決定打となる特色が強く、この世界を実力至上主義であるとした上でキャラクターの能力を推定することは非常に困難を窮めるといえる。

とは言え「じゃあバタコさんがすごいわけじゃないんじゃん」というわけではなく、先述した抉るようなカーブなどトリッキーな投球法を駆使するキャラクターはバタコさん特有のものである。彼女が投げていなければ妨害に嵌まり失敗していたシチュエーションも考えられる。



【その他の関連キャラクター】

●ジャムおじさん
おなじみパン工場のパン職人。バタコさんの上司にあたる。

テレビアニメ第1話「アンパンマン誕生」では、「(ジャムおじさんの)のバタコ」と自己紹介していたが、現在の公式設定では彼とは「無関係」であるとされており、血縁・親族関係はなかったことにされている。やなせ曰く「彼女は助手。それ以上でもそれ以下でもない」。
ジャムおじさんとの会話シーンにおいても、雰囲気こそ和やかではあるが事務的な面が感じられ、談話シーンはともかく日々の仕事に私情を挟むことは滅多にない。いかにも「職人と助手」めいた関係を飛び越えない絶妙な距離感もまた、彼女の大人びた性格が顕著に現れていると言えよう。

●めいけんチーズ
パン工場で飼われている犬。「チーズ」という名前はバタコさんが名付けた。
彼女にはよく懐いており、チーズの通訳なども彼女が行うことが多い(チーズの言葉はアンパンマンたちも大体理解できているため、彼女にしかわからないわけではない)。
食事シーンで行儀の悪いチーズを注意するのも彼女の役目。

●おむすびまん
流浪の旅を続けている顔がおむすびの渡世人。時々パン工場にも立ち寄る。
アニメ初期ではバタコさんとは両想いということになっており、お土産やプレゼントを渡そうと度々工場へ立ち寄ったりもしていた。
2000年頃までは2人の甘く切ないロマンスが何度か描かれていたものの、それ以降は2人の恋についての進展については描かれていない。共演時にもお互いを特別に意識している描写が見られなくなっている。

●たぬきおに
おそろし山に住む変身が得意な狸の妖怪。
彼もバタコさんに惚れているがこちらは片想い。ばいきんまんに唆されて悪事を働くこともあるが、バタコさんをきっかけに踏みとどまるか寝返ることが多い。


【その他】

  • キャラクターソングに『生きてるパンをつくろう』(ジャムおじさんとのデュエット)、『バタコさんのまっている歌』がある。

  • 1990年代に放映されていたムヒ(池田模範堂)「ぬるかぜ薬」のCMでは、かぜをひいた際、ジャムおじさんに薬を塗布してもらうためにお胸を露わにしたバタコさんが描かれている。

  • 『アンパンマン』と同じやなせたかし原作の絵本『てんしのぐらたん』には「ばたこ」という女の子が登場する。顔はバタコさんに似ているが、性格は兄のどたきち共々かなり乱暴でお転婆。一部では「幼少期のバタコさん説」が囁かれているが、今のところ真相は不明。
    アニメ化作品『やなせたかしメルヘン劇場』では、バタコさんとの混同を防ぐためか「どたこ」(兄は『ばたきち』)に改名されている。

  • はごろもフーズが販売している『シャキッと!コーン バタコ』はバタコさんとは無関係である。


代表的なセリフ

「アンパンマン、新しい顔よ!」



こんな項目、「バイキンついきロボ」でメチャクチャにしてやる~!

か、顔に追記されて力が…。


アンパンマン、新しい修正よ!それっ! カタカタカタカタカタッ…ターン!

そうはいくか!切断してやる!


✂️ジョキッ!
wiki━━━━━:.*:━━━━←●バタコ


✂️  
wiki━━━━━ ━━━━━━━
         ●三彡グワアアアアアン!!


スッ ✂️       
wiki━━━━━ ━━━━━━

なにぃぃぃぃぃ!?


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最終更新:2025年04月28日 23:03

*1 原作者・やなせたかし曰く、「アンパンマンワールドは妖精の世界であり、人間は存在しない」とのこと。

*2 とはいえ、同曲の歌詞には「ルンルン」「ゴシゴシ」「ドキドキ」などのオノマトペ(畳語)が多く織り交ぜられているため、その流れで「バタバタ」という表現が取り入れられたと推測することも可能であるが。

*3 「バタンコ」とも。「バタバタ」という排気音がすることから。

*4 後者は2013年頃まで「バタコ」表記だった。

*5 一緒にいたチーズはそれを止めようとしていた。