バーティミアス(小説)

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バーティミアス(小説)」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2010/06/11(金) 12:17:47
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&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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ジョナサン・ストラウド著の、魔法が当たり前のように存在する架空世界のイギリスを舞台としたファンタジー小説。
&font(#ff0000){『サマルカンドの秘宝』}&font(#0000ff){『ゴーレムの眼』}&font(#ffdc00){『プトレマイオスの門』}の三部作。

[[ハリー・ポッター]]のような魔術師少年の成長を描いた活劇物ではなく、魔術師達による権利争いや政治腐敗を中心に描いた異色作。

魔術師を善としてではなく、主人公も含め権力の亡者の悪として描かれているのも特徴。
ハリー・ポッターで例えると、マルフォイ父とファッジしかいない感じ。

物語は章ごとにバーティミアスの一人称視点、ナサニエルの三人称視点、キティの三人称視点で進行する。
誰の視点であるかは章題についたマークでわかる。

ページ下にはバーティミアスの独り言と題した魔術用語や世界観の皮肉混じりな解説が載っているので、イギリスの歴史や魔術に詳しくない人でも楽しめる。
 


◇世界観
現実世界とよく似た歴史を持つが、魔法が周知の物として存在する部分が異なる。
科学技術などは現代に近いが、政治体制や国際情勢は中世程度。
世界の覇権は大英帝国が握っている。

ロンドンでは魔術師とそれ以外の一般人という、2つの階級からなる階級社会が形成されている。

・魔術師
支配階級であり、政府の重要な役職を占めている。
中世における貴族のような存在だが、世襲制ではなく、貧しい子供を弟子にして、厳しい修行をさせて魔術師にする。故に血筋よりも師匠が誰であるかが重視される。
魔術師自身は魔術を行使せず、妖霊を召喚・使役し、彼らに代わりに魔術を使わせることが多い。
魔術による力で一般人を恐怖を与え、支配している。

・一般人
魔術の能力を持たない人々であり、被支配階級である。
中には魔術に対する抵抗力を持っていたり、魔術の存在を知覚できたりする者もいる。
 

◆妖霊
魔法の力を持つ別世界の存在。悪魔とも呼ばれるが、妖霊達はその呼び方を嫌う。

別世界の住民であるため、現界することは妖霊にとっては苦痛。存在するだけでどんどん弱っていく。
魔術師によって使役されることを嫌い、命令の隙を見つけると主人を殺して元の世界に帰ろうとする。

姿を消すことも出来、姿を消した妖霊や魔術を見るには、第三の眼や第四の眼といった魔術的な眼が必要。数字が大きくなるほど強力な眼となる。

妖霊は力の大きさなどによって分類される。
魔術師が召喚する妖霊は
インプ<フォリオット<ジン<アフリート<マリッド
ただし、確定的な物ではなく、分類が変わることもある。
また、マリッド以上の妖霊もいるが、魔術師では使役することが不可能に近い。
 


◇主人公
バーティミアス(別名:レカイト、ニコー、銀の翼をもつヘビ、ジン族のサカル、ヌゴーソなど)
年齢5010歳になる妖霊。階級はジン。
古代から魔術師に仕え、かつてはエジプトのソロモン王らに重用された、妖霊の中でも古株。
呼び出されたときはガーゴイルやプトレマイオスの姿をとることを好む。
妖霊らしい抜け目なく狡猾で毒舌な性格だが、時折ドジをふむ。

別名が多いのは様々な年代・場所に召喚され、その時々に違った名前を名乗ったり名付けられたりしたからである。


ナサニエル(公式名:ジョン・マンドレイク)
バーティミアスを召喚した魔術師。
権力志向が強い野心家。
元々ねじ曲がった性格だったが、若くして出世し、権力争いをする中でさらにねじ曲がっていく。
普段は気取っているが、幼少の頃からの悪友のような関係のバーティミアスに対しては素直な顔も見せる。
細身のダークスーツがお気に入り。だがバーティミアスやキティからは笑われる。

公式名とは魔術師にとって最大の弱みである本名を隠すために使う偽名である。
相手に本名を知られると、その名を口にされるだけで魔術を無効化、もしくは弱体化される。
 

キティ(本名:キャスリン・ジョーンズ)
魔術への抵抗力を持った一般人。魔術師からの支配脱却を目指すレジスタンス団の一員。
幼少時に友人を傷つけられたため、魔術師や妖霊が大嫌いだが、バーティミアスには少し興味がある。
 



◆あらすじ
&font(#ff0000){『サマルカンドの秘宝』}
両親によって売り飛ばされた少年ナサニエルは魔術師の家へ弟子入りさせられる。
そこで魔術師としての教育を受けたナサニエルは、偉大な魔術師になることを夢見る。
ある日家にやってきた一流の魔術師であるサイモン・ラブレースにひどく恥をかかされたナサニエルは彼に復讐を誓う。
覚えたての魔法で妖霊のバーティミアスを召喚し、ラブレースの持つ「サマルカンドのアミュレット」を盗み出す。
そしてこれを取り戻そうとするラブレースと命がけの戦いを繰り広げる。


&font(#0000ff){『ゴーレムの眼』}
前回の戦いから数年が経ち、ナサニエルは魔術師としての高い実力と優秀な頭脳、仕込まれた世渡り術を生かし、内務省で働くエリートとなっていた。
ロンドンでは魔術師に対する反逆事件が頻発していた。
そんな折、ロンドンの商店で大規模な破壊事件が発生し、警察官に死者が出た。
犯人は魔法に抵抗力を持つ反逆者集団「レジスタンス団」だとみなす政府は、ナサニエルに今回の事件とレジスタンス団の捜査を命じた。
信頼できる妖霊が必要だと考えた彼は、幼少の頃に召喚した風変わりなジンを思い出す。


&font(#ffdc00){『プトレマイオスの門』}
ナサニエルはこれまでの功績が認められ、閣僚の一角を占めるまでになっていた。
一般人の間では政府に対する不満が高まっていた。
キティは前巻でバーティミアスと出会ったことで、人間と妖霊が和解することができるのではと考え、身分を偽り魔法や妖霊について学んでいた。
必死の勉強の末にキティはバーティミアスを呼び出すことに成功し、自分の考えを伝えるが、バーティミアスに否定される。





王道ではない一風変わった魔法使いもの。しかしそれ故にリアリティがあり、なかなかのボリュームもあるので読み応えと様々な発見がある。

ちょっとリアルで変わったファンタジー(ファンタジーはどれも変わっているが…)に興味があるなら非常にオススメ。





追記・修正は悪魔を肉眼で視認出来てからお願いします。

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- 最後は涙が止まらんかった  -- 名無しさん  (2014-08-11 00:22:34)
- 最初読んだときはナサニエルにイライラした。バーティミアスの方がよっぽど好感が持てた。でも、二回目に読んだときは一周回ったのか対して抵抗なく読めた不思議。ちなみにバーティミアスが主人公の外伝が現在翻訳されて出版中  -- 名無しさん  (2014-08-11 01:37:49)
- この作品はもっと評価されていい  -- 名無しさん  (2015-08-27 14:04:20)
- これとダレンシャンは俺のバイブル  -- 名無しさん  (2015-10-12 14:12:49)
- 2巻以降、余り楽しめなかった自分は異常なのかな…この辺から作者の政治思想が強く滲み出て、説教臭いプロバガンダに思えてしまった。特に、作者の主張を貫き通すためにナサニエルの精神的成長が阻害されたのは腹立たしさすら覚えた…(本作が好きな人ごめんなさい)  -- 名無しさん  (2015-10-25 18:46:09)
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