だいらんど

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だいらんど」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2016/06/14 (火) 16:00:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 ? 分で読めます

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#center(){&color(gray){ぼくは『だいらんど』が大好きだ。でも…ここにいちゃいけない気がする……こんなに好きなのに……}}

#center(){&color(gray){そうだ…ぼくはここにいちゃいけないんだ……だって……}}






『だいらんど』(DIELAND)は『ヤングキングアワーズ』(少年画報社)にて1998年6月号から1999年9月号にかけて連載された漫画作品。作者はがぁさん。
作中では『オズの魔法使い』『青い鳥』『不思議の国のアリス』といった童話のパロディが頻繁に登場している。
単行本は大都社のハードコミックスから全1巻で出版されたが、相当古い作品であり知名度も低いのでほぼ絶板している。
実物を手にするのは難しいが、マンガ図書館Zで無料で閲覧可能なのでよければこの機会にどうぞ。





**◆あらすじ
36歳を迎えた中年ヤクザ・正雄。彼はそんな歳でありながらそれまで大して何も積み上げておらず、冴えない人生を送っていた。
彼の上司はそんな正雄に思うところがあり、正雄に組の敵対勢力の要人暗殺を命じ、成功すれば幹部入り、失敗すればヤクザをやめてしまえと発破をかける。
しかし正雄は任務に失敗し、夜の街を独り逃走。追いついたヤクザに囲まれて撃つか撃たれるかという最中で彼は異世界「だいらんど」に迷い込んだ。





**◆だいらんど
「だいらんど」という世界は「昼の国」、「大人の国」、「子供の国」、「動物の国」、「海の国」、「夜の国」の6つの国から成っており、次の国に進むためには黄色いレンガ道を通り「パスポート」を手にする必要がある。パスポートを持たずに国外に出ようとするか、例えば順路を外れて「昼の国」からいきなり「夜の国」に進むと「お昼の国」に強制送還させられる。誰でもスタート地点は「昼の国」だが、迷い込んだ人間は国になじめなかった場合他の国に居を移すことができる。
またこれらの世界はそれぞれ平面であり、&bold(){次の国に進むためには世界の端から足をつけることで移動する。}切り立った端から飛んだ場合も次の国の重力に引っ張られて軽く落ちる程度で済む。
旅人は世界になじんだ場合、それまであった世界への違和感が完全に無くなり、画風も同じの住人の一人として取り込まれる。その際それまでの記憶も失ってしまう。

「だいらんど」に人間が訪れるのは「夜の国」に住む夜の王様の仕業であるらしいが…?



・昼の国
絵にかいたような平和な世界であり、太陽が沈まない。太陽から木からあらゆる物体に顔があり陽気に喋る。
暴力は存在せず外から持ち込まれても意味を為さない(銃を撃ち込まれても首がくるくる回るだけで済むなど。
住人の造形はこの国が最もデフォルメが効いているので表現は柔らか)。


・大人の国
住人は昼の国でパスポートを得た旅人を王と定め、規律を求める。


・子供の国
子供しかいない国であり、童心に帰って友達と遊ぶことができる。 
そして住人となった子供には優しいお母さんが迎えに来てくれる。


・動物の国
住人は動物。旅人は尻尾をつけて動物にならなければオリに入れられてしまう。
動物と言っても思考はほとんど人間であり、ビジュアルも着ぐるみを着た動物といった感じ。尻尾を取られると人間に戻る。


・海の国
水中の国。住人は「海のお母さん」なる存在に包まれ安らかな気持ちになれる。
彼女は単純に子供を甘やかすだけではなく、真に子供のことを案じている。


・夜の国
入ると夢の世界に引っ張られ、リアリティが残る程度の自分の望んだ生活が手に入る。
&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){もし夢から覚めた場合、一面に広がっているのは眠り続ける人々の姿である}}}






**◆登場人物
正雄:ひょんなことから「だいらんど」に迷い込んだ中年ヤクザ。「夜の王様」に会って現実に戻るため「夜の国」を目指すことに。ヤクザにはまるで向いていない性格だが、かといって真面目に生きられる人間でもない。&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){実は「海のお母さん」は彼が子供の頃に書いた童話が元であり、現実における彼の母親は正雄を愛していなかった。最後は本当の王子様に}}}

メリーアン姫:「昼の国」のひまわり城の王女。22歳。巨大ハンバーガーに押し潰されそうになっているところを正に助けられて以降、正に好意を抱き、王様の取りなしで彼の妃になった。正雄が「昼の国」を離れる際は彼女もついていくことに。世界を渡るごとに人間味を増していくようであり…?

ルーシー:「大人の国」の大統領補佐官を務めていた女性。正雄を気に入り、その後も帯同する。&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){実は一度「夜の国」まで辿りつき「夜の王様」に会っている人間の一人。最後は彼女のアシストが無ければあの結末には辿りつけなかった。}}}

ジャック:「夜の王様の忠実な家来」を名乗る、下半身のないピエロの人形。各世界の紹介をしつつ、「だいらんど」に迷い込んだ者の望みを叶える役目を担う。

夜の王様:「夜の国」に住み、だいらんど全体をつかさどる存在。彼に会うことができれば元の世界に帰れるとされている。



以下ネタバレ































**◆真相
「だいらんど」に招かれる人間は死の数秒前で時間を止められ、意識だけが「だいらんど」に飛ばされた存在である。
つまり&bold(){仮に「だいらんど」を出れば時間が動き出し、避けられない死を迎えるのだ。}
メリーアン姫の場合は現実でもお姫様で、パレードで馬車に乗っていたことが最後の記憶であり、そこから何が起こったかは覚えていないのだが。

「夜の王様」の正体もジャック本人であり、彼は六面でできた「だいらんど」の内側で世界を運営していたのだ。「jack in the box」…つまり巨大なびっくり箱であり、「だいらんど」とは死(の直前)の国であると同時にサイコロ(ダイ/ダイス)の国だったのだ。


#center(){&color(orange){ボクは神様じゃないから…現実世界を弄ることは許されていない}}


#center(){&color(orange){だから「だいらんど」を作ったんだ。ここならボクの自由にできるからね}}

#center(){&color(orange){そしてみんなを連れてきた…喜んでくれると思ったんだ、楽しんでくれると……}}


#center(){&color(black){記憶を奪われ、この世界に取り込まれてな!}}


#center(){&color(orange){仕方がなかったんだよ!ボクだってこんなことしたくはなかった!}}

#center(){&color(orange){…連れてきた人たちは、みんなひどく疲れてるんだよ。いくらゆっくり休める国を作ってあげても、はじめは楽しんでくれてても…ダメなんだ!ひとつひとつ国をたどって、深い方へ深い方へ…そしてここまで来て言うんだ。イヤな思い出しかないはずなのに……}}


#center(){&sizex(6){&font(#ffb74c){「現実へ帰りたい」と…}}}


#center(){&color(orange){どうして…どうしてみんな行っちゃうの?そんなに「だいらんど」がキライ?ボクのことがキライ?わからないよ、どうして……}}


#center(){&color(black){おまえはよくやっているさ。実を言うと俺も結構楽しませてもらったよ!ただな……}}


#center(){&sizex(6){&color(black){遊んでばかりいると…大人は不安になっちまうのさ!}}}





そして正雄、メリーアン姫、ルーシーは現実世界に繋がる扉の前に立つが、ジャックは最後に一つ忠告する。
「君たちが帰るのはそれぞれの『自分の時間』。当然だけどみんな同じ場所と時間に出られるわけじゃない」

正雄との別れに動揺するメリーアン姫に対し、ジャックは忘れようとしなければ思い出せる程度の記憶消去をかける。
それを確認した正雄は連れて行くと約束した彼女を残し、一人現実の修羅場に戻るが……




2人の物語の結末はぜひあなたの目で確かめて欲しい。













追記修正は未来に目を向けてからお願いします

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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- 自分なら海の国から出てこない自信がある。そして最後は不覚にも涙が出そうになった…隠れた名作だなぁこれ  -- 名無しさん  (2016-06-14 19:06:33)
- すっげぇ面白かった。でもオチは結構簡単に読めちゃったなぁ  -- 名無しさん  (2016-06-14 21:33:19)
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