SCP-2047

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SCP-2047」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2018/10/28 (月曜日) 00:00:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約9分で読めます

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SCP-2047は、海外のシェアワールド「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]](SCiP)のひとつ。
項目名は『Collaboration(共動)』。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はKeter。


*概要
SCP-2047は直径40cmの中空の鉄球だ。
モノ系SCiPらしく破壊不能で、表面には未知の言語でメッセージが書かれている。
スキャンしたら中に謎機構が入ってることがわかったけど、案の定これの詳細は不明。

2047の主な特性はこれだけなのだが、どうもこいつ、 &bold(){"イベント2047-A"} と呼称されるある現象と密接に関わっているらしい。
というかイベントの原因そのものだと思われる。

オブジェクトクラスからも分かるとおり、こいつのヤバさはイベント2047-Aにある。
このイベントは現在までに1度しか発生していないのだが、その規模と影響が尋常ではない。直接[[K-クラスシナリオ>K-クラスシナリオ(SCP Foundation)]]に繋がりかねないレベルである。
「それは分かったから、結局イベント2047-Aって何なの?」と思うかもしれない。簡潔に言おう。




#center(){&font(b,i,red){地球と外宇宙の別の惑星の位置が、瞬時に入れ替わる現象である。}}
#center(){#image(http://scp-wiki.wdfiles.com/local--files/scp-2047/theta.png)}
#right(){&sizex(2){画像出典:http://www.scp-wiki.net/scp-2047この画像は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。}}



*イベントログ
ことの始まりは1973年7月13日の0時ごろ、ほぼ日付の変わり目に起きた。
&bold(){地球がもといた惑星系から瞬時に消滅し、新たな恒星系の軌道上に再出現したのだ。}当然周囲に存在する惑星も恒星もなにもかも違う。
人類はイベントに気づくこともなく爆発四散!&bold(){サヨナラ!!}・・・・・・とはならなかった。
どうやらちょうどハビタブルゾーン&footnote(惑星系などに存在する一定の領域。生存可能領域とも呼ばれる。)に出現したらしい。え?普通そんなことある?
更に都合の良いことに月とよく似た衛星まであったため、地軸のブレとか隕石の衝突とかも起こらなかった。
この時点で地球に特に被害はなかったのである。&font(l){うっそだろ運良すぎだろ。}

しかし人間社会への影響は半端ではなかった。&bold(){イベント発生から二週間の内に全世界に情報が広まってしまったのである。}
なんせ夜空の星々がまるごと変わったのだ。財団が何したところで隠蔽なんかできるわけない。&font(l){NASAとか大混乱になってそうだな。}
当然世界中大混乱。&bold(){宗教施設は人で溢れ、その他の人は完全に宗教を捨て無神論者となり、デモや抗議がそこら中で勃発した。}どったんばったん大騒ぎである。
おまけに、アメリカとソ連と中国は新天地の宇宙開発で激しい競争をおっ始めた。いやそんなことしてる場合じゃないだろ。
財団はなんとか社会の崩壊を防ぐために努力していたようだが、あまりに金がかかりすぎて&bold(){肝心の収容活動に問題が出始める始末。}あーもうめちゃくちゃだよ。 

実はこの時点でSCP-2047は既に確保されていたのだが、世界がてんやわんやしてる内に、2047から謎の無線信号が発信され始めた。
はじめは2047に記されているものと同様の謎言語だったのが、だんだん英語に変化し、最終的に完全な意思疎通が可能となった。
それによると無線を送ってきたのはある異星文明、通称 &bold(){"シータ-c"} という連中であり、イベントを起こしたのもこいつららしい。
何でもこの惑星取り替えっこ現象は連中の「星間交換プログラム」とやらの一環だそうだ。
当然急にそんなこと言われて「はいそうですか」と引き下がる訳にはいかない財団。元に戻してくれと要求したのだが・・・

財団
(´・ω・`) 「あのさぁ、いきなりそんなことされるとめっちゃ困るんだけど、早く戻してくれよ。」

シータ-c
( ´,_ゝ`)「え?やだよ。」

と拒否された。いやせめてやる前に一言くらいあってもいいじゃん。それでもダメだけど。

で、そんなことしてる間に状況はどんどん悪化。国家間の緊張感はどんどん高まり。いつ戦争になってもおかしくない。
それをなんとかするための国連も影響力が大きく下がり、ほとんど意味を為してない。世界の警察はどうしたんですかね・・・?
先述の宇宙開発競争では中国が大きく遅れはじめ、そのせいか東南アジアへの政治的圧力が高まってきた。
更に財団もこれらの始末に追われたせいか、&bold(){ついにKeterクラスオブジェクトの収容にまで無視できない影響が出始める。}もうどうすんだこれ。
いよいよ後がなくなってきた財団は、シータ-cに対して支援を求めることにした。

財団
(´;ω;`)「ねえちょっとマジで助けてくんない?」

シータ-c
( ´,_ゝ`)「え?やだy」

財団
(´;ω;`)「ちょっと待ってほんとに頼むから。もうこっちヤバイことになってるんだって。」

シータ-c
( ´,_ゝ`)「いやそんなこと言ったって、前戻さないって言ったじゃん。」

財団
(#゚Д゚)「誰のせいでこんなことになったと思ってんだゴラァ!こちとら文明崩壊しそうなんだぞ!少しくらい話を聞いてくれたっていいだろうがぁ!!」

シータ-c
( ´,_ゝ`)「ああそう、滅びそうなくらいヤバいんだ。わかったよ。元に戻すのは無理だけど、被害を解消することはできるよ。」

そんなわけでなんとかシータ-cの協力を取り付けることに成功。
さて、その後シータ-cが何をしたかというと、自身の技術と2047の中継を利用し、地球においてある種の&bold(){CK-クラス 再構築シナリオ}を引き起こしたのだ。さりげなくすごいことしてない?
これによって地球上に存在するあらゆる天文学的データが書き換えられ、地球の日付もイベント発生時の7月13日まで逆戻りした。
つまり、「元々地球はこの星系に存在していた」という歴史の修正を行ったのである。なおこの再構築の影響は2047を収容していたサイト-88のみ例外とされた。
このようなシータ-cの協力もあり、なんとか事態の収束に成功したのだった。[[「一時はどうなるかと思ったが、これで安心だ。」>SCP-209-JP]]



&bold(){「・・・つまり俺達の住んでる地球は、もともと全く違う星系にあったんだよ!」}
「な、なんだってー!?」



※あくまで財団の、もっと言えばこの記事内での話です。
とはいえ地球が新天地へやってきた事実は変わらない。まずは新しい月に向けてアポロ18号が打ち上げられた。&footnote(知ってる人も多いだろうがアポロ計画は17号までしかない。)
この探査機には建築資材と財団職員も載っており、月面到達と共に新しい月面サイト-190の建設が始まった。仕事はえーなおい。
記事内最後のログでは、新たな惑星系調査のためにボイジャー1号が発射されている。財団の仕事はまだまだ山積みなのだ。


*宇宙の車窓から「シータ-c編」
さて、ここからは一連の騒動を起こしたシータ-cについてまとめよう。
原住民からは「パイコール(Pycole)」と呼称されるシータ-cは地球型惑星で、歴史は47億年と地球より若干長い。
1日の長さや重力はほぼ地球と同じだが、驚くべきことに&bold(){91億4400万種}もの生物が住んでいるらしい&footnote(地球でさえ既知の生物は約175万種、未発見のものを含めても1400万種ほどであることを考えればその差は歴然である。)。
また地球では霊長類ことサルが文明を築いたが、あちらでは&bold(){魚類などの水棲生物から進化した種}の社会が形成されている。

シータ-cの人類は体に鱗を持ちエラによる限定的な水中呼吸が可能な半水棲生物・・・・・・つまり[[レプティリアン>SCP-2013]]みたいな奴らである。
財団世界の異文明と言えば[[人類をめっちゃ恨んでたり>SCP-1322]][[虫みたいな社会を構築してたり>SCP-752]][[以前の地球の支配種だったり>SCP-1000]][[魔法が日常と化してたり>SPC-1764]][[グロカルトじみた儀式をしてたり>ダエーバイト文明(SCP Foundation)]]と大抵ろくでもないが、シータ-cはその中でも比較的普通で友好的な文明である。少なくとも話が通じるだけでも充分すごい。
嗅覚と味覚がものすごく発達しており、特に味覚に関しては&bold(){料理から宗教を作っちゃう}くらいである。[[某美食屋漫画>トリコ(漫画)]]か何か?
ただそのせいか神様とかの信仰はしてないっぽい。[[肉>サーキック・カルト(SCP Foundation)]]も[[機械>壊れた神の教会/メカニト(SCP Foundation)]]も[[ヒトデ>第五教会(SCP Foundation)]]もないとは・・・・・・なんて平和なんだ(錯乱)。

ところが面倒極まりないことに、シータ-cの人類はどいつもこいつもすごい旅好きらしい。&bold(){宇宙規模で惑星ごと移動するぐらいには。}
「星間交換プログラム」というのも彼らの探究心を満たすのが目的で、SCP-2047もそのために作られた装置である。
彼らは2047と同じ装置を宇宙の様々な惑星にばらまいているらしく、イベント自体は今までも何度も起こしてきたそうだ。
地球が転移後すぐに滅亡しなかったのも、環境が似通った星同士が対象となっていたためである。傍迷惑とか言うレベルじゃねぇ。

SCP-2047がKeterクラスなのは、今後イベント2047-Aが発生する可能性が残っているからだろう。
シータ-cの連中はイベントによる被害などへの罪悪感はあるものの、今後も旅をやめるつもりはないようである。また地球が踏み台にされるかもわからない。
おまけに他の星にも2047があるなら、機構を解析してイベントを起こすかもしれない。そいつらがシータ-cのように話が通じる連中とは限らないのだ。

とはいえ財団は現状イベントを防ぐことができないし、発生後の対処法も充分ではないため、何かまともな対策が取れるかというと正直微妙である。
現在は2047が何か受信したり発信したりしないように電波遮断室にぶち込んでいるが、それでどうにかなる保証はない。


&bold(){財団の明日は大丈夫かなぁ・・・?}


*余談
本記事にはもう一つ補足があり、そこにはイベント前の太陽系についての説明が書かれているのだが、そこに色々すごいことが書かれている。

>1969年、米国の宇宙計画によって人類は月に降り立ちました。しかしこれにより、我々の太陽系の更なる探査は地球軌道もしくは月面から行う必要があることが明らかになりました。1972年後半にアポロ17号をもってアポロ計画が完了し、ミネルヴァ・ミッションが人類の月面における恒久的居留地建設のために実行に移されました。
>
>いくつかの例外、1972年12月29日に発射直後に爆発した補給船ミネルヴァ18号などの例外を除けば、この計画は素晴らしい成功を収めました。もともとの計画は1973年1月、おもにミネルヴァ18号の喪失を理由として終了されました。補給ミッションのほとんどは民間業者が人材と技術を提供するようになり、ミネルヴァ基地は1973年より始まった安定と世界平和の時代における不可欠な中心的存在と見なされるようになりました。
>
>その時点で、およそ2500名のさまざまな国籍の人々がいくつかの月面基地に居住していました。こうした成果を失った社会的衝撃は交換による宗教的分裂以上に、最終的な社会の崩壊を招いた主要な原因となりました。

&bold(){以前の地球はなんと月面コロニーを既に実現していたらしい。}
現在でも月面基地はさまざま課題を抱える試みであることを考えると、かつての人類は今より優れた技術レベルを有していたようだ。

ただ、少し気になるのは残されたコロニーがその後どうなったかということである、地球からの補給が途絶えたなら遅かれ早かれ壊滅しているかもしれない。
しかし、2047の特性から考えて元の月はシータ-cを回っているはずだ。普通に考えれば彼らと接触しているだろう。
ただ、そのことついて特にシータ-cからの通達とかは来ていない。いくら不親切でも一言くらいあっても良さそうなのに。

果たして2500人の地球人は今何をしているのだろう?真相は謎のままである。





追記、修正はシータ-cにお住まいの方にお願いします。
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#right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示}

#right(){SCP-2047 - Collaboration}
#right(){by InsipidParoxysm}
#right(){http://www.scp-wiki.net/scp-2047}
#right(){http://ja.scp-wiki.net/scp-2047}

#right(){この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。}
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