Blair's 16 Million Reserve

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Blair's 16 Million Reserve」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2009/06/01(月) 14:04:47
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 21 分で読めます

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*◆概要
『&font(#f00){Blair's 16 Million Reserve(ブレアの1,600万の蓄え)}』とは、この世界で一番&font(#f00){辛}い調味料である。((一応、「製品の形で入手可能な」がつく。ギネス記録認定済み。))

アメリカのニュージャージー州にあるガードナー・リソーシーズ社。
そのブレア・ライザーさんという&font(#f00){鬼}畜が、たった999本だけ世に送り出したお洒落な小瓶。
小瓶の中にはしっかりとしたキャップの&font(u, #00f){&font(#fff){薬品}}ボトルが入っており、その中に白くサラサラとした結晶が封入されている。

&font(#f00){辛}さの数値を表す『スコヴィル値』というのがあるのだが、普通のタバスコソースのスコヴィル値は2,500~5,000。
しかしこの『Blair's 16 Million Reserve』のスコヴィル値は、

#center(){&font(b, #ff0000){&sizex(7){16,000,000}}}

つまり普通のタバスコソースの3,200~6,400倍の&font(#f00){辛}さを持っている。サイヤ人と戦う悪の帝王かコイツは。
このスコヴィル値16,000,000がどれくらい&font(#f00){辛}いかというと、
-素手で触っただけで''皮膚が&font(#f00){焼}けただれて全身に&font(#f00){灼熱}感を感じる''&font(#f00){(辛すぎて)}
-その手で顔を触ると''&font(#f00){激痛}で目を開けなくなる''&font(#f00){(辛すぎて)}
-念入りに''洗った手でもダメ''&font(#f00){(辛すぎて)}
-というかゴーグルを着用しないと''失明の危険がある''&font(#f00){(辛すぎて)}
-ゴーグルをつけても''目に入る汗が&font(#f00){激痛}''を生じる&font(#f00){(辛すぎて)}
-''ピンセットひとつまみで''大鍋いっぱいのスープが台無しになる&font(#f00){(辛すぎて)}
-それを一口飲ませた''妻が''しゃべれなくなった&font(#f00){(辛すぎて)}
-しゃべれるようになったら''離婚を切り出された''&font(#f00){(辛すぎて)}
-25mプールに''一欠片''落とすと味が変わる&font(#f00){(辛すぎて)}((スコヴィルの定義は「砂糖水で希釈したとき辛さを感じなくなる倍率」。つまりこの結晶は溶液1gに対して少なくとも砂糖水 16,000,000g = 16t を要求する。))
-そのまま口にすると''&font(#f00){死}の危険がある''&font(#f00){(辛すぎて)}
-購入には''誓約書''への同意が必要&font(#f00){(辛すぎて)}
etc.

また、ブレア氏ご自身も結晶を一粒だけ試食してみたところ、

>まるで''舌をハンマーでぶん殴られたような&font(#f00){痛}み''

>私はこれまで舌に''ピアス''を入れたことはなかったが、間違いなくそれだった

>舌の&font(#f00){火傷}は何日も消えなかった。あれはお勧めしない。''絶対にお勧めしない。''
>(中略)
>――お勧めしない。試してはいけない。ブラザー、あれは''本物''だ

という、およそ食品に対するものではない感想を残している。

ぶっちゃけ、この製品はカプサイシン(&font(#f00){辛}み成分)を純化して取り出しただけの代物。
カプサイシン単体でのスコヴィル値こそが16,000,000、つまりこれ以上の&font(#f00){辛}さは化学的に(基本的には)存在しない。
催涙ガスだって原液500万スコヴィルを百倍近く薄めるんだからその&font(#f00){威力}たるや推して知るべし。
そして、それほどの&font(#f00){辛}さを「&font(#f00){味}わい尽くせる」感覚器官が人間に存在するかも怪しい。

理論上の最高値を名前に冠するこの製品には、&font(#f00){激辛}ソース愛好家から日々
「もっと&font(#f00){辛}いソースを!」
と突き上げを食らい続けたブレア氏の、
「ほらよ! 後にも先にもこれがこれが世界一&font(#f00){辛}いソースだ!」
という自棄っぱちなアンサーが籠められているのかもしれない。


*◆これ食品じゃないですよね?
『Blair's 16 Million Reserveは実験的なディスプレイなので絶対に食べないで下さい』
としっかり書かれている。
購入にあたっても誓約書の署名が必要で、
-直接は食べません。添加物としてだけ使用します。
-取り扱うときには手袋・ゴーグルを必ずします。
-実験的な使用に限定します。
-18歳未満には取り扱わせません。
という項目にきちんと同意しなければならない。

事実、これや『A.M. Reserve』シリーズはコレクターズアイテムとしての性質が強い。
999本ないし99本限定な上、それぞれの瓶にナンバーとサインが入っている。
実際に使用する人も多くはなく、オークションなどでは数万円から数十万円で取引されるようだ。

調味料としてちょっとした&font(#f00){刺激}が欲しい方は、
『Blair's 6 A.M. Reserve(ブレアの午前六時の蓄え)』
をどうぞ。
スコヴィル値&font(#ff0000){1,030万~1,600万}程度の&font(#f00){刺激}が味わえます。
こちらは結晶などではなくきちんとソースしてるとのこと。
&font(l){Blair's 16 Million Reserveに調味料を足しただけとか言うなよ!}

ちなみに、カプサイシンの半数致&font(#ff0000){死}量は50~60mg/kg。
体重20kgの子供なら、カプサイシンを1,200mg与えると半数が&font(#ff0000){死亡}するということである。
さて、ここで厚生労働省発行『毒物劇物の判定基準(H29)』を見てみよう。
>毒物:LD 50 が 50mg/kg 以下のもの
>劇物:LD 50 が 50mg/kg を越え 300mg/kg 以下のもの
えっと……あの、&font(#ff0000){劇物}……。


*◆余談
**ブレア氏と&font(#f00){激辛}ソース
ブレア氏は1989年、ニュージャージー州にてバーテンダーを勤めていた。
彼の店の閉店時間は午前2時。
しかし、客の中にはそれを過ぎてもまだ帰ろうとしないものがおり、ブレア氏がそんな彼らに居座る条件として出したのが、

#center{&font(#f00){『Blair's Wings of Death(ブレアの死の翼)』}}

――彼のオリジナルレシピによる、&font(#f00){激辛}ソース付きの手羽を完食することだった。
そう、これこそが『Blair's 2 A.M. Reserve』であり、『6 A.M.』まで続くA.M.シリーズの由来。
そしてロングセラー&font(#f00){激辛}調味料&font(#f00){『デスソース』}シリーズ誕生のきっかけなのである。

**&font(#f00){辛}さの頂点
さて、スコヴィル値とは前述したようにカプサイシンに対する尺度である。
故にその頂点は16,000,000スコヴィル……しかし、この世にはカプサイシンの類似体というものが存在する。
彼らの辛さはスコヴィル値換算で純カプサイシンに匹敵、あるいは上回ることがあるのだ。

#center{
&font(i, #333){このカプサイシンは変身をするたびにパワーがはるかに増す… &br() その変身をあと2回もオレは残している… &br() その意味がわかるな?}
}

:3位:&font(#f00){『ジヒドロカプサイシン』} (16,000,000 スコヴィル)|
1600万スコヴィル。
&font(#f00){唐辛子}などにカプサイシン同様に含まれており、&font(#f00){辛}さはカプサイシンと同等だが、風味は少しだけ異なるという。
まぁ概ねカプサイシン同等の物質と思って差し支えない。
さてお次は……。

#center{
&font(i, #333){わたしのスコヴィル値は53億です}
}

:2位:&font(#c04){『チニアトキシン』} (5,300,000,000 スコヴィル)|
53''「億」''スコヴィル。
……え?
と、思わず思考停止するほどの&font(#c04){辛}さのインフレ。
否、もはやそんなレベルではない。&font(#c04){化学熱傷}を引き起こす立派な&font(#c04){''神経毒''}である。まぁ&font(#c04){Toxin(毒)}って言ってるしね。
その&font(#c04){辛}さ、カプサイシンの&font(#c04){300倍以上}。
&font(#c04){チニアトキシン}に比べれば、16M Reserveですら雑魚同然。
フリーザを前にしたヤムチャ、それも栽培マンに殺された頃のヤムチャなのだ。
まったく、この世にこれほど&font(#f00){辛}い物質があるだろうか?

#center{
&font(i, #333){待たせたな…… &br() こいつがお望みの&font(#808){フルパワー}だ}
}

:1位:&font(#808){『レシニフェラトキシン』} (16,000,000,00 スコヴィル)|
''あった。''
160億スコヴィル。この世ならぬ&font(#808){地獄}へようこそ!
16M Reserveを桁区切りの彼方へ置いてきぼりにする、&font(#808){''辛さの頂点。''}
恐ろしいことにこの物質、天然に存在するいわゆる&font(#808){自然毒}で、「ハッカクキリン」という植物が高濃度に含有する。
ハッカクキリンはサボテンによく似た、モロッコ原産の多肉植物であり、もし野生動物がこれを口にしようものなら……
その先の説明は必要ないだろう。
&br() また、あまりに&font(#808){劇}的な効果から、末期ガン患者への鎮痛剤としての効用が期待されているという。
患部に注射された&font(#808){レシニフェラトキシン}は、&font(#808){痛}みを感じる神経細胞を&font(#808){辛}さによって徹底的に&font(#808){''「破壊」''}する。
&font(#808){破壊}された神経細胞はもはや何も感じず、患者は末期ガンの&font(#808){苦痛}から解放されるのだ。
この手法のよいところは、医療用麻薬と違って高揚感や依存性がなく、しかも効果が半年以上も持続する点。
しかも&font(#808){辛}みは&font(#808){痛}みを感じる神経にのみ働くため、他の感覚神経に影響はない。
もっとも、&font(#808){レシニフェラトキシン}自体も&font(#808){激痛}を伴うので、予め麻酔をしておく必要はあるのだが。
……調味料の話に始まり、先端医療の話に到るとは、世の中わからないものである。



追記・修正は舌に&font(#f00){白い結晶}を乗せてからお願いします。

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- 過ぎたるは及ばざるが如しを地で行ってるな  -- 名無しさん  (2013-08-22 01:44:29)
- >サメに襲われそうになったそんな時、海に垂らせばあら不思議 &br()タグwそんなことしたら海の生態系が崩壊すんだろwていうか、自爆テロ? &br()  -- 名無しさん  (2013-08-22 03:35:31)
- ×調味料○化学兵器  -- 名無しさん  (2014-03-21 23:17:51)
- 飲み水にでも混入したらガチで大量殺人が出来るシャレにならん調味料。なんで作ったこんなもん  -- 名無しさん  (2014-05-03 04:47:28)
- テロリストが入手してたら面白いことになりそう  -- 名無しさん  (2014-09-07 22:52:41)
- 原料なんだ?とうがらし?  -- 名無しさん  (2014-10-02 09:02:41)
- 直接触れたら皮膚が剥がれるとか猛毒じゃん  -- 名無しさん  (2014-11-12 21:57:46)
- 鳥は辛みを感じないがこれは死ぬだろ。  -- 名無しさん  (2014-12-12 09:13:45)
- もし貯水槽に入れたら・・・(笑)  -- 名無しさん  (2015-03-20 11:17:19)
- もうこれ毒となにが違うんだw  -- 名無しさん  (2015-05-27 05:45:53)
- 作ってみたいがために作る。マッドサイエンティストの鑑www  -- 名無しさん  (2015-05-27 08:15:56)
- ブレアでは午前六時になにが起こってるんだよw  -- 名無しさん  (2017-01-24 07:07:52)
- Blairs 16million reserveとブレアの午前6時は別物やで。この記事間違っとる。  -- 名無しさん  (2017-03-27 02:13:28)
- ↑そうみたいですね。修正致しました。  -- 名無しさん  (2019-05-22 10:18:10)
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