ぬらりひょんの褌(小説)

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&font(#6495ED){登録日}:2011/06/27(月) 23:19:27
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&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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ぬらりひょんの褌




&blankimg(nurarihyon.jpg,width=76,height=102)
●[[ぬらりひょん]]

まだ宵の口の燈影に
ぬらりひょんと訪問する
怪物の親玉

#right(){─妖怪書談全集・日本篇/上}
#right(){藤澤衛彦/昭和四年}




&font(#0000ff){……『ぬらりひょんの褌』とは、新葛飾署のとあるベテラン警官、O氏が少なくとも四十年程前に体験した“ある”忌まわしい事件の戒名である……。}
&font(#0000ff){高度経済成長期を目前とした貧しい時代に、それでも大志を抱き大学進学の道を刻苦勉励の甲斐あって適えたO氏……。}
&font(#0000ff){しかし、貧しい乍らも自らを送り出してくれた父母と兄に報いるべく自活の道を選び、漸く見つけたN区は神田川沿いの「M荘」に移り住んだO氏の大望は、&br()&font(#ff0000){……ある奇っ怪な出来事}により崩れ、……そして喪われる事になったのである。}

&font(#0000ff){……O氏は語る。}
&font(#0000ff){怪異……。即ち「非常識」な体験とは、それを体験しただけで終わる事は無い……と。}

&font(#0000ff){密室状態のO青年の部屋に入り込み、生の食物を喰い荒らし、そして悪臭を放つ褌を残して消えた「ぬらりひょん」……。}
&font(#0000ff){その「ぬらりひょん」に遭遇した事実を話した相手に、被害者である自らまでもが「真実」を話しているにも関わらず、&br()信用を喪い、常識を疑われ、人格すら否定され、白眼視を向けられ、不当に疎外される現実の残酷さと理不尽さ……。}



&font(#0000ff){O氏は最後に現在の心境を明かしてくれた……。}

&font(#0000ff){「私が、警察官になる事を選んだのは……その事があったからなんですよ……&br()あのまま思い出さずに済んでいたなら……幸せであったのかもしれませんがね……」}

&font(#0000ff){……疲れた様な……。しかし、それでも喪われてしまった過去に対する怒りを滲ませているのか……&br()煩悶を窺わせるやや充血した眼を取材陣に向けたO氏……。}

&font(#0000ff){尚、彼の預かるK公園前派出所は、&font(#ff0000){「事件の耐えない曰く付きの派出所」}……として有名である……。}







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#center(){&font(#0000ff){??「部長、今時こんなネタじゃ誰も笑いませんよ。」}}

#center(){&font(#0000ff){??「黙れ!! お前は出とらんだろうが!」}}



#include(テンプレ3)








#center(){南極「……なあんちゃって!!」}


#center(){※※「この世には不思議なことなど何もないのですよ、[[Wiki篭り]]さん(K談社)」}


#center(){&font(#ff0000){※以下はネタバレ。}}










◆ぬらりひょんの褌
「ぬらりひょんのふんどし」は[[京極夏彦]]の小説作品。
日本推理作家協会の監修・協力による連作シリーズ『「こち亀」ミステリー』の一作品として「週刊プレイボーイ」誌の07年No.1・2合併号からNo.5号に掲載。
その後、他作家の作品と併せて刊行された単行本『小説[[こちら葛飾区亀有公園前派出所]]』に収録されたミステリー(?)小説である。

……お馴染み「亀有公園前派出所」を預かる大原大二郎が“何故”警察官になる道を選んだのか……を、
大胆(過ぎる)な設定と、連作に参加した有名作家陣の中でも&font(#ff0000){唯一}『こち亀』の全作品を読破していたと云う京極夏彦がマニアならではの知識と情熱……
何よりもとびきりのサービス精神を持って描いた傑作短篇である。

……『こち亀』の小説化作品と云うだけには止どまらず、京極夏彦自身の著作である『[[どすこい。>どすこい。(小説)]]』他……
更には代表作中の代表作……大本命の本丸である「[[妖怪シリーズ>妖怪シリーズ(小説)]](百鬼夜行シリーズ)」の後日譚でもある。
……冗談では無く、真実である。
……いやマジで。



【主要登場人物】
・大原大二郎
新葛飾署のベテラン警官。
階級は巡査部長。
千葉在住で愛称は「大原部長」……言わずもがなだが。
部下の寺井を伴い盆栽関係の稀覯本を探しに中野にやって来て……
ある忌まわしい出来事を思い出してしまう。

・寺井洋一
数々の[[大人の事情]]や漫画のお約束を揺さぶる様な[[メタ発言]]をかます大原の部下。
オタク事情にも詳しい作者の今作に於ける代弁者。



【ゲスト】
・山田(南極夏彦)
&font(#0000ff){元}・作家。
通称:簾れ禿
『どすこい。』収録の『すべてがデブになる』にて初登場した老齢の五流作家。
……何気に作者のお気に入り。
&font(#0000ff){ウン十年前}に若かりし大原が大望を抱いて間借りし、ある出来事により一週間と経たずに引き払った「ムジナ荘」に住んでいた。
大原に「ぬらりひょん」の名を教えた張本人で、現在は何故だかホームレスの様な暮らしをしているが&font(#ff0000){事件には全く関係が無い。}

・[[枯れた老人>中禅寺秋彦(京極堂)]]
「ぬらりひょん」の思い出に戦々恐々としていた大原達の前に現れた…
…痩せた、白髪の、杖を突いてはいるが、背筋のしっかりとした、老人とは思えぬ善く通る声を持つ&font(#800080){闇を纏った}老人。
中野にて古く(昭和二十五年)から古本屋を営む。
大原が体験した「ぬらりひょん」事件の真相を解き明かし、大原の不安を祓う(替わりに怒りを植え付けたが)。
「ムジナ荘」の事件を知らせる契機を作ってくれた「[[今は亡くなってしまった小説家の友人>関口巽]]」や、
「[[中川グループの会長とも懇意にしているある財閥の友人>榎木津礼二郎]]」の話を懐かしそうに語る。
また、行いの悪さからか「警察庁や警視庁の幹部クラス」の人間に知り合いが多く居るらしく、大原を驚かせた。
……果たして、老人が明かした大原の部屋を荒らし、褌を残して消えた「ぬらりひょん」の正体とは……?






※以下、&font(#ff0000){完全}なネタバレ。






































#center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){「ご、御老人ッ」}}}}



#center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){大原は老人に縋った。}}}}



#center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){「そ、その子供の名前は」}}}}



#center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){「彼の名前ですか。それは」}}}}



#center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){か・※・き・※……と、南極が唄うように云った。}}}}
















※※「追記、修正してしまえば、凡て良い思い出ですよ」


#center(){老人は穏やかにそう云って、}
#center(){私の店はあの坂の上です、と指差した。}


#center(){どこまでもだらだらと続く、}
#center(){細い坂道が見えた。}

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#vote3(time=600,8)
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- 両さんが過去に行った話とか 芸が細かかったな  -- 名無しさん  (2014-11-27 20:10:35)
- 「小説こち亀」に収録されてる話の中で1,2を争うくらい面白かった。寺井さんと大原部長がやけにフランクな口調だったのが気になったけど  -- 名無しさん  (2020-02-25 11:46:36)
- なお、後にぬらりひょんの孫の作者がこち亀を描いた模様……  -- 名無しさん  (2020-05-21 07:37:32)
- しかし、妖怪シリーズとこち亀世界が繋がってるという事は、この後数十年後くらいにはルー=ガルーのディストピア世界に突入するのかと思うと、少し複雑な気持ちに……  -- 名無しさん  (2020-05-21 08:28:41)
- ↑神を恐れされ閻魔から地獄を乗っ取り、天国にも地獄にも受け入れを拒否される両津勘吉がいるんだぞ。むしろどんな絶望も吹き飛ばしてくれるさ  -- 名無しさん  (2020-05-21 09:16:15)
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