コメディアン(ウォッチメン)

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コメディアン(ウォッチメン) - (2016/11/13 (日) 12:42:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/12/30 (木) 22:07:02
更新日:2024/05/02 Thu 21:16:19
所要時間:約 5 分で読めます




真夜中、
全てのスパイが、
スーパーヒーローが動き出す。
知りすぎてしまった者たちを
狩り出すために…。

─ボブ・ディラン

アラン・ムーア原作、デイブ・ギボンズ作画のアメリカンコミック、及びそれを原作とする映画『ウォッチメン』に登場するヒーローの一人。
物語の主人公の一人でありながら、冒頭で彼自身は死んでしまうものの、劇中においても特に重要な役割を果たしているキャラクターでもある。

ムーアは、このキャラクターの説明に際し「CIAの謀略を一纏めにしたような人物で、ある国の指導者が反米的で邪魔ならばコメディアンが行ってケリを付ける。ある国の反米政権を潰したいならコメディアンが潜入してコトを起こす」と記している。

実際、作中においてもDr.マンハッタンを除けば唯一キーン条例制定後も活動を許されており、非合法活動に手を染めるプロフェッショナルとして描かれている。


人物

本名エドワード・ブレイク。1924年生まれ。
生まれつきの巨体と怪力の持ち主で、年表によればわずか15歳でヒーローデビューを果たしている。
ヒーローとなったのは自らの破壊衝動、暴力への欲求を満たすためと云う超危険人物であり、1939年に結成されたミニッツメン、そして66年に結成されたクライムバスターズ(後のウォッチメン)の両方に所属したベテランヒーローでもある。

40年近く(映画では以上)に及ぶ長い活動の中でヒーローとしての自警活動を越えて、政府の依頼する非合法活動に従事していた。
実際のところ、経歴を見ればわかる通りただ粗暴なだけの人物ではなく、かなりの切れ者。
「コメディアン」と云うコードネームも「破滅に向かい変革する時代の中で、自らが道化となる事を選んだ」と云う皮肉を込めた名称である。

劇中においては当、アニヲタWikiでも絶大な支持を受けているロールシャッハが唯一尊敬する人物であり、この事はムーアによる紹介文でもわざわざ説明されているほど。

その一方で、劇中ではかなりの悪漢、疑惑の持ち主としても描かれている。
作中において特に重要な事件として扱われているのは、1940年の初代シルク・スペクターへのレイプ未遂であろう。
この事で作中のメインヒロインであるシルク・スペクターⅡから激しく憎まれる原因となっている。
その他、作中で描かれている場面としてはベトナム戦争に参加した際の虐殺行為と、現地で関係を持ち妊娠させた女性に対する仕打ち等があるが、この時のDr.マンハッタンとのやり取りと交わされる会話は「エドワード・ブレイク」と云う人物の複雑な人となりを端的に表わしており、非常に興味深い。
その他、1963年のケネディ暗殺や1973年のウォーターゲート事件の揉み消しに関わった事が示唆されている(映画では明確に描写されている)。
それらの活動は、60歳を迎えた1985年においても続いていたのだが、ある「島」をブレイクが目撃し、そして……



物語は、こうして始まる。


余談

  • 原作でのコメディアンは、ベトナム戦争で負った傷を隠すために、それ以後は分厚い革製のマスクを着用する様になっているのだが、映画版では目許のみを隠すドミノマスクを引き続き着用している。

  • 上記の通り、ロールシャッハが唯一尊敬する存在であると共に、Dr.マンハッタンは「興味深い人間」、オジマンディアスは「狂気の時代に生きる賢者」と、(彼らにしては)最大級の賛辞を送っている。

  • 粗暴な人物にも関わらず、聖母(マリア)に祈りを捧げる癖がある。
    ※日本語吹き替えで「母さん…」となっている箇所。




朝がこようと寝てたまるか。
心臓がガタつこうが知った事か
オレは祝杯を挙げるのさ。
あんな
コメディアンどものためじゃない、
ここにいない
ダチ公のために…

       ─エルビス・コステロ





※最後にネタバレ。




ローリーはエディーの娘



追記、修正お願いします。


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